《BL》転生令息は悪役よりも壁志望、もしくは天井でも可!

神谷レイン

文字の大きさ
71 / 180
第四章「ディープな関係!?」

1 帰還

しおりを挟む
お久しぶりです。そして待っていてくれた人も、待っていなかった人も、本日からまたお話が始まります<(_ _)>

今までこのお話は婚約破棄→誘拐事件→帝都で色々→帰宅中(現在)と進んでまいりましたが、今回はまた新たな人物が現れます。それは第三章の終わりに出て来た例の人物!
この人物がどうキトリーとレノに関わってくるのか……それは四章を読んで、お楽しみください!

今日から毎日23時更新! 全26話です。どうぞお付き合いくださいませ('ω')ノ


****************




 ――それは俺が幼い頃、まだ三歳の頃だった。
 俺は母様に連れられて、帝都にある神殿に足を運んでいた。ちなみにお子様レノも一緒で、俺達の後ろを歩いてる。

「キトリー、この世界には三人の神様がいらっしゃるのよ」
「しゃんにんのかみしゃま?」

 俺はとてちとてちっと歩きながら母様を見上げて問いかけた。

 ……この世界の神様って三人なんだ。まあ前世の世界でも神様はいたけど。今思えば結構乱立してたよな~。日本なんて八百万っていうし。でも国によっては神様も種類が違うからこっちもそうなのかな?

「ねー、かーしゃま。かみしゃまって三人だけ?」
「ええ、そうよ」
「ほかにはいにゃい? 例えば、おとなりの国はちがうかみしゃまがいたりとかぁ」
「いないわよ?」

 俺が尋ねると母様は、なんでそんなことを聞くんだろう?って感じの、不思議な顔をした。でも俺はウムウムと考える。

 ……神様は三人だけかー。あっちの世界と違うんだな。でも宗教戦争とかなさそうネ。平和がイチバン!

 俺は地球の世界史を思い出しつつ、そんなことを思う。だが、その内に。

「さあ、着いたわよ。キトリー」

 母様はそう言って足を止めた。そして見上げる先には、三つの銅像が建っている。どの銅像もピカピカに磨かれ大切に祀られている事がわかる。

「これが三神と言われる、私達の神様よ」
「ふぇ~、しゅごっ」

 俺は銅像を見上げて呟いた。だって三人の神様……超美形だったんだもん。



 ◇◇



「……リー様、キトリー様、起きてください」
「うにゅ~」

 ……もう少し寝かせろ。寝る子は育つんだから~。

「キトリー様、起きて下さい。……坊ちゃん、起きないとキスしますよ?」
「んにゃッ!?」

 レノに起こされた(脅された)俺はハッと目を覚ました。でも隣に座るレノは残念そうだ。

「おや、起きなくて良かったのに起きましたか」
「あんなこと言われたら起きるわッ!」

 俺は垂れていた涎を拭きつつ、唇をガードする。

「残念ですね。それより、もうすぐ別邸に着きますよ」
「お、もうすぐか!」

 俺は馬車の窓に視線を向ける。俺達は帝都から馬車で帰宅途中なのだ。そして開け放していた窓の外を見れば、懐かしの別邸が見える!

 ……ようやく別邸か~。やっぱり草原広がる、この牧歌的(ほのぼのとした)な感じの方がいいよな~。

 俺は窓の外を見ながら思う、けれどレノが。

「それより何か夢をみていらっしゃったのでは? 寝言を言ってましたよ」
「夢? ……あー、そう言えばなんか見てたような。母様とレノが出てきた気がするけど、それ以外覚えてないな」

 俺は夢の欠片を思い出して口にするが、夢全体を思い出すことはできなかった。目が覚めると同時に忘れてしまったみたいだ。

 ……夢ってどうしてか覚えてらんないよな~。起きた瞬間は覚えてることも多いけど、それも長続きしないし。

「まあ、覚えてないってことはその程度ってことだろ」
「そうですか。でも夢の中まで私を見るなんて、そこまで恋しく思っていただけて嬉しいです」
「いや、母様もいたって言ってんだろ」

 俺は反論するがレノはニコニコするばかりだ。人の話を聞いちゃいない、このやろう。

 ……あー、止めだ止め! 真正面から相手をしてたらからかわれるだけだ! たく、人の事をいつもからかいやがって。一体俺の威厳はどこへ? ……まあ、今までそんなもん持ったこともないけど。でもこのままじゃな~、なし崩し的な展開に持ち込まれそうな。いや、もう持ち込まれてる気が……。うん、別邸ではそれとなく距離をおこう! じゃないと俺の身が危ない!

『坊ちゃん。待ちますと言いましたが、あまり長く待たされては初めての時に優しくできないかもしれません。その所はご容赦くださいね?』

 俺は本邸を出てた時に言われた言葉を思い出し、ぷるりと身を震わせる。

 ……初めての時ってなんだよ!? なんの時だよ! しかも優しくできないって、初めてならむしろ優しくしろ!? どんな時でも新人さんには手取り足取り教えてあげてッ! ……ってまあ、俺は教えてもらうつもりは毛頭ありませんけど!

 俺は不穏な発言をしたレノをじぃーっと見る(睨む)。

「どうしました?」
「なんでもないデス」

 ……人の気持ちも知らんで、こいつは。

 俺はフゥッと息を吐く。

 ……けど実際のところ、婚約破棄から俺ってばゆっくりできてないから、今度こそゆっくりしたいんだけどなぁ。でもレノの事もあるし、それに父様の。

『どうかな? 私の予想だと、帰宅早々面倒ごとに巻き込まれそうだが』

 ……なんて言ってたしなぁ。父様の予言(フラグ)、当たらなきゃいいけど。

「はぁー」
「おや、恋の溜め息ですか?」

 隣からからかう声が聞こえてくるので俺は無言の睨みを利かせる。しかしレノには通用しない。

「そんなに見つめないでください。恥ずかしいじゃないですか」

 ……コ・ノ・ヤ・ロ・ウ。別邸についたら、絶対一人でゆっくりしてやるんだからな! もう、お前にほっぺにチューもさせないんだからなッ!! ふんだっ!!

 俺はそう意気込んだ。


 しかし、この時の俺は知らなかった……。まさか、あんなことになろうとは――。

しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ※第33話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

秘匿された第十王子は悪態をつく

なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。 第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。 第十王子の姿を知る者はほとんどいない。 後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。 秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。 ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。 少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。 ノアが秘匿される理由。 十人の妃。 ユリウスを知る渡り人のマホ。 二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

天啓によると殿下の婚約者ではなくなります

ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。 フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。 ●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。 性表現は一切出てきません。

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

腐男子♥異世界転生

よしの こひな
BL
ある日、腐男子で新卒サラリーマン・伊丹トキヤの自室にトラックが突っ込む。 目覚めたトキヤがそこで目にしたのは、彼が長年追い続けていたBL小説の世界――。しかも、なんとトキヤは彼が最推しするスパダリ攻め『黒の騎士』ことアルチュール・ド・シルエットの文武のライバルであり、恋のライバルでもあるサブキャラの「当て馬」セレスタン・ギレヌ・コルベールに転生してしまっていた。 トキヤは、「すぐそばで推しの2人を愛でられる!」と思っていたのに、次々と原作とは異なる展開が……。 ※なろうさん、Caitaさん、PIXIVさんでも掲載しています。

ブレスレットが運んできたもの

mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。 そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。 血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。 これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。 俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。 そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?

処理中です...