《BL》転生令息は悪役よりも壁志望、もしくは天井でも可!

神谷レイン

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第五章「告白は二人っきりで!」

23 バチィッ!!

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 ――食事を終え、風呂にも入り、夜もとっぷりと更けた頃。
 俺はベッドに寝転がっていた。しかし目はぱっちりと開いている。

 ……ダメだ、さっきまで寝てたせいで全然眠くならない。

 俺は枕を抱っこしながらゴロゴロとベッドの上を転がる。しかし、そうしているとレノが風呂から上がってきた。体を起こして見れば、レノは頭にタオルを被せたまま、なぜかしら上半身裸で下しか寝巻を着ていない姿だった。

 ……他国に滞在中だから一応服は着てたのに、風呂上がりで熱いのかな?

 俺はそう思いつつも明るいランプの光の中で見えるレノの上半身をちょっと見入ってしまう。だって綺麗な体つきをしてるんだもん、俺はワンパックなのにさ。

 ……ぐぅ、相変わらず綺麗な体してんな。ほとんど俺と変わらない生活してるくせにィ。

 そう思って嫉妬をこめた視線を送るとカチリとレノの視線と合う。その瞳はなんだかいつものレノと違った。だから俺は「レノ?」と呼びかける。けれどレノは無言のまま俺の元へ歩み寄ってきた。

「レノ? どうしたんだ?」

 俺はさっきまでと雰囲気が違うレノにもう一度呼びかけるが、レノは返事をしない。その代わりサイドテーブルに置いてあるランプの明かりを小さくして、俺のいるベッドに上がってきた。

「え、お、おい、お前のベッドは隣、んむっ!?」

 俺が隣のベッドを指差せばレノは俺の顔を両手で包むといきなりキスした。

「んん!!?」

 ……な、なんでいきなりチュウッ!? ちょ、れ、レノ!?

 そう心の中で叫ぶが、唇が塞がれて何も言えない。その上、レノは俺に覆いかぶさると力強い腕で俺を抱き締めてきた。おかげで逃れられない。

「んっ! んんーっ!」

 ……ギャアアアッ、舌が入ってきた! も、もー、なんなのッ!?

 俺はそう思いつつも、俺の舌を絡めては上顎を擦ってくる執拗なレノの舌に翻弄される。特に上顎を擦られると、何とも言えない気持ちに……。
 でもレノはそんな俺をキスしたままベッドに押し倒すと、俺の服の下に手を入れてきた。

 ……ンギャッ! レノの手が!! 

「ん、んふっ!!」

 俺はレノの手首を掴むが、レノは止めてくれない。

 ……な、なんでっ!?

 いつものレノだったら、ここら辺でやめてくれるはずだった。でもレノの手は俺の肌の上を這いずり回り、その指先が胸の尖りに触れた瞬間、俺は怖さを覚え、もう我慢できなかった。

 ――――バチィッ!!

 静電気が起こる音がして、レノは咄嗟に俺から離れた。そして驚いた顔でレノは俺を見る。それもそうだろう、俺が力を使ったから。

「……坊ちゃん」
「な、なんで、こ、こんな、こと、すんだよっ」

 俺はちょっと涙目でレノに言った。だって怖かったんだ、こんな有無も言わせない強引なやり方に。

「待つって、言ったのに。バカレノ」

 俺が睨みつけて言うとレノはぐっと口を閉じた。でも、その口はすぐに開けられた。

「待つ気でしたよ。でも、キトリー様は私を捨てる気でしょう?」

 眉間に深い皺を刻んだレノに言われ、俺は戸惑う。

「す、捨てるって何を」
「私は傍にいたいと言っているのに、私一人を国に帰す気なんでしょう?」
「それは」

 そうするつもりだから俺は何も言えない。

「帰されるぐらいなら、貴方を奪うことにしたんです」

 レノはそう言うと再び俺に近づこうとした。でも俺がそれを止める。

「レ、レノ、ちょっと待てって!」
「待ちません。私の気持ちを無視する坊ちゃんのことなんて」

 レノは不貞腐れた子供みたいに言った。でも、じゃあどうしろって言うんだ?!

「だって仕方ないだろ?! 俺にお前を付き合わせられない!」

 俺が告げればレノは怒ったように答えた。

「私は構わないと言ってるでしょう!」
「構わない訳ないだろ! あのな、俺とここに残るって事はほとんど国を捨てるってことなんだぞ!? 神聖国に残れば、容易にはバルト帝国には帰れない。俺の従者として傍にいるなら尚更だ。俺はお前にそんなこと」
「そんなのは余計なお世話なんですよ!」

 レノに言い放たれ、俺はカチンとくる。なんなんだ、余計なお世話って!!

「余計なお世話って! 俺はお前の為を思ってだなッ!」
「私の為を思うなら、傍に居させてください!」
「だから、それは……もー! この、わからんちん!! 俺のとこは兄様がいるからいいけど、サラおばちゃんにはお前しかいないんだぞ?! サラおばちゃんに何かあっても、すぐには帰られないんだぞ!」
「そんな事はわかってますよ! それでも私は、私は貴方の傍にいたいと言ってるんです!! どうしてわかってくれないのですか?! 私が……私がどれほど坊ちゃんのことを」

 レノに言われて俺は胸がじわじわと熱くなる。だって喧嘩してたはずなのに、いつの間にやら愛の告白を受けてるんだもん。
 だから俺は恥ずかしさから思わず顔を逸らすけど、レノは俺の頬をそっと両手で包むとこつんっと額を合わせた。
 レノのキラキラと綺麗な赤い瞳が俺をまっすぐに見つめる。

「貴方を愛してるんです。これからも傍に居させてください」

 希うように言われて、俺は胸の奥がムギュムギュッと掴まれる。真正面からこんな風に言うなんてズルい。頬がポッポッポッと熱くなる。
 でも、嬉しさと恥ずかしさと同時に俺はムカついていた。



「っ~~! バカレノ!」
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