【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

SORA

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カインの家

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カインは、倒れたアズサを、自分の部屋に連れてきた。

女性を連れてくるのは初めてだから緊張している。

緊張してどうするんだ。看病だろうが。しっかりしろと

自分の頬をパチンとたたいた。自分のベッドに横にならせ、

首にできた傷口の手当てをした。

そして、カインはここ数日のことを考える。

祖父の代から、俺に家の馬小屋には何百年に一度、

神落としという別世界からの人が落ちてくると言われている。

そして、それを判断するのが黒髪であるということ。

昔のディバユニは、多様な人種が混在していた。黒髪、赤髪、

茶髪、金髪、白髪などその民族によって髪色が違っていた。

その時代に、先代が黒髪の天女のような美しい女性と恋に落ちた。

しかし、多様な人種は、戦の原因になってしまう。戦の中、

その女性は先代に最後の願いを託す。いつかまた、

黒髪の民族が現れたら、今度こそ、助けてあげてね。

約束よと先代と密会していた女性は、別の金髪民族に殺された。

そして、長い年月をかけ、金髪がこの国の長となり、

ほかの民族は消滅してしまうこととなった。

先代から黒髪は美人だと聞かされていたが、黒髪の女性は、

こんなにも美しいものなのか。ディバユニの女性は金髪で溢れん

ばかりの胸を強調し、男にすり寄ってくる。

しかし、アズサは、異世界から落とされ、わけもわからない状態にも

関わらず、相手の立場を考え、きちんと謝罪できる礼儀を持っている。

こんな素敵な女性見たことない。それに、剣を首に突き付けた時の涙。

美しくも、もっと泣かせたいという邪まな気持ちからなかなか剣を

下ろせなかった。俺は騎士失格だな。このまま、アズサが目覚めるまで

横についていてやりたいが、美人を目の前に俺は混乱している。

普段は女性に対しても嫌悪感しか抱かないし、女性を抱くような

場所に先輩に連れていかれても、何も反応しないので女性が

自信をなくして、泣いてしまうこともあった。

そんな自身のモノがそそり立っている。久しぶりの女性への好意から

だろうが、寝ている女性に対して、反応してしまうとは、俺は最低だ。

カインは部屋から出ていった。

アズサは、真っ暗な闇にいる。体から感じる恐怖と孤独感。

私はなぜこんな場所にいるの。怖いよ。助けてよ。助けを求めると、

光る球体が近づいてきた。私のことを観察しているの。その光る球体は

何も言わず、消えてしまい、私はまた暗闇の中。

私は、目が覚めると、今度はベッドの上にいた。私倒れちゃったんだ。

カインが部屋に運んでくれたのかな。私重くなかったかな。

悪いことしちゃったな。ベッドまで貸してもらって。早く、お礼を

言いに行かなきゃ。私はベッドから起きた。このお部屋は、

シンプルだけど、整理整頓されて本棚もあって、いいな。

ゆうの部屋なんかいつも汚いし、雑誌なんか置きっぱなしだし、

だらしない男だったな。ゆう私がいなくなって心配してくれているかな。

また、ゆうのことを考えている自分に嫌になる。イケメンが助けて

くれたのにイケメンよりゆうって。バカだな。私。

下から何か音が聞こえる。カインがいるのかな。階段を降りていった。

1階にはリビング、シャワールームとトイレ、1つ部屋があった。

その部屋から音がする。カイン起きているのかな。ノックしようと

したその時、部屋の中からうめき声が聞こえてきた。

カイン大丈夫かな。心配になり、ノックをしないで入ってしまった。

「ん~ん~ハァ、ハァ。ッ・・・・」

カインが自分自身のそれをしごいていた。

そして、私の顔を見ると、白い液体を噴出した。カインは驚き、

真っ赤な顔で布団に隠れた。私も「ごめんなさい。」と慌てて

2階に上っていった。男の子の部屋は勝手に入ってはいけないとは

よく聞くけど、まさかカインがあんなことしているなんて。

カインも男なんだよね。悪いことしちゃった。勝手に入った私が

どう考えても悪いのに、カイン恥ずかしかったよね。

どうしよう。口きいてもらえなかったら。でも、イケメンの真っ赤な顔

かわいかったな。明日謝ろうと思い、アズサはまた寝てしまうのであった。
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