転生後はウサギですが、王子様が愛してくれるようです。

SORA

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マリ―コロン

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私は、母と二人で親戚の小さな花屋で働かせてもらっている。

昔は、武器商店の男爵令嬢だったから、お茶会やダンスパーティーなどに

参加して、素敵な令嬢生活をしていた。しかし、伯爵だった父は、

ある事件の汚名を着せられ、伯爵の地位を略奪された。

そして、父は何もやってないと罪を認めなかったことから、殺されてしまった。

私は、悔しかった。父をそんな悪事に手を染めるような人ではない。

子供やお年寄りにもなどにも優しく人助けが日課になっているような人だ。

絶対、誰かに、はめられたに違いない。そう思うも、花屋だけでは

あまり情報が入ってこない。それに、生活も苦しいので、体を売って

稼ぐようになった。私みたいな女を買う人たちはやはり、いい人たちではない。

そりゃあ、売春はこの国では禁止されているもの。はじめは、怖かったし、

痛かったけど、父の苦しみを考えればいくらだって耐えられる。

私はその人たちと体の関係を通して、色々な情報を手に入れた。

そして、有力な情報を得ることに成功する。この国の王子様が何か裏では

殺人、売春、横領、武器流し、闇ルートのクスリの扱いなどを行っている。

その成果で国が成り立っているという情報だった。

私は、もしこれが事実ならこの国も終わったものだなと思いつつ、

父の罪状も武器を他国に売りさばいていたというものだったことに気づく。

きっと国家レベルで父をはめたに違いない。どうやって、王子に近づこう。

昔、お茶会で知り合ったデブが王子とは友人なんだと自慢していたことを思い出す。

名前は何だっけ。えっと、ダク、デル、ダルだ。確か、雑貨店をやってた

はずだから、買いに行くふりして話を聞きに行こう。

私は早速、ダルの店に行った。相変わらずお腹の肉をゆらゆらさせながら

こちらに歩み寄ってくる。

「何をお探しですか」

「えぇ、カップが割れてしまったので、マグカップが欲しいのですが」

気持ち悪いにやにや顔で私を見てくるが、なんとか愛想笑いで耐えた。

「これなんて、どうでしょ?ピンクの花がかわいく描かれており、

かわいいあなたにぴったりだ」

「ありがとうございます」

私は、マグカップを受け取り、見た。このデブセンスなさすぎ。ピンクの

花って言ってるけど、こんなショッキングピンクの花がドンと白いカップ一面に

描かれていたら、カップの周りは目が痛くなるようなピンクだけだし、

もはや花かもわからないよ。よく雑貨店務まるなと思いながらも違うものはないか

聞こうとしたとき、

「もしかして、ミサキ家のお茶会にいらっしゃったマリ―コロン嬢ですか」

私は、久しぶりのお嬢呼びに心が弾んだ。

「そうですわ。ごきげんよう。ダル様」

「ゲヘへ。俺の名前を憶えてくださってたんですか。それは嬉しい。

お近づきの印に1000ピルのところ、100ピルに値引きいたしましょう」

そう言って、私はまだ買うとも言っていないのに、包み始めた。

まぁ、100ピルなら情報量として先払いとして仕方ないわね。

けど、コイツ女性へ贈り物するのが普通なのに、平然と値引きしてでも

払わせやがった。きっとこの強引な商売で、儲かっているのね。

と考えながら100ピル渡した。そして、お金も支払ったので情報を引き出す。

「そういえば、先日王子様とお知り合いっておっしゃてたけど、今でも

交流はおありになるの」

「いや~最近は全くですわ」

100ピル返せと思ってしまう私。

「王子様に頼みがあるので、もし連絡があれば私に連絡くださりますか」

私は、そう言いながらダルの手の中に電話番号を握らせた。

ダルはとても嬉しそうに握り返してきた。

「わかりやした。今度お食事でもしましょう」

「えぇ、そうね」

と社交辞令を返し、私は帰宅した。

1週間経ったある日、家の電話が鳴った。誰だろう、私は電話を取った。

「はぁはぁはぁ」

え?いたずら電話?気持ち悪い。切ろうとしたその時、

「俺、ダルですが、マリ―コロン嬢はいらっしゃいますか」

お前だったのか。私は愛想のいい声に切り替える。

「あら、ダル様、お電話ありがとうございます。何の御用でしょうか」

「マリ―嬢、ディオとはお知り合いですか」

「ディオってどなたですの」

「第1王子ですよ。この前頼みがあるって言ってたからてっきりお知り合いかと

思ってましたが、ヘタレ王子の方のことでしたか」

私は、言っている意味がわからない。王子って一人じゃないの。何人いるのよ。

まぁいいわ。話を聞こう。

「で、それがなにか」

「ディオが今からあなたの家に向かうそうです」

どういうことだろうか。まぁ、いい。父の汚名を晴らすチャンスがやって来たと

思えばいい。

「わかったわ。連絡ありがとう」

そう言って受話器を下ろしたのであった。私は、お花屋で働いているエプロン姿の

ザ・庶民ではなく、令嬢だったころの美しいドレスに慌てて着替えることにした。

もちろん、化粧も厚ノリにして。

そして、今日は店番が私一人だったことは幸運だったと思い、待つことにした。
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