五回目の転生〜残酷な神を俺は信じない〜

hugu

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本編

第10話 少女の誤解

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 黒髪ロングヘアーの少女が茂みから出てきた。
 どうしたものか。
 気絶しているようだ。
 一応傷だらけだったので回復ポーションを飲ませた後、毛布を掛けたが。
 その少女は首にイシュタル教のネックレスをつけていた。

「この子が商人が言っていたやつなのか?」

イシュタル教は他の宗教ほぼ全てから敵対している宗教だ。
本当にこの子はイシュタル教なのか……

「んんっ」

 少女は目を覚まし、目を数回瞬きさせた後、こちらを見た。
 そうすると、一瞬で俺から離れ、警戒する。

「あなた、誰なの!?」
「俺は…」

 名乗る前に少女は、

「私を殺しに来たんでしょ!」

 俺を警戒している。
 何か誤解を招いているようだ。
 俺は誤解を解こうと説明しようとするが、少女の耳には入っていない。
 ガサ、、、ガサガサ、、、
 周りから急に獣臭が匂い出す。
 少女の後ろの茂みから赤い目をした狼2匹が出てきた。
 その2匹は少女には見向きもせず、俺に襲いかかってきた。

「なんで俺のほうに来るんだよ!?」

 俺は焚き火の火を木の棒に纏わせ、狼へ向ける。

…ギャイン!

 火を見て怯んだ狼に剣を斬りつけるが、

「硬っ!」

 狼の筋肉は鉄のように硬かった。
 その驚きで体のバランスが崩れた時、もう1匹の狼が俺の足を噛んできた。

「くっ!噛まれたか!」

HP 35/55

 なんだと!狼に噛まれただけでここまで体力が減るのか!?
 やばいな。
 この狼達が俺が持っている火に慣れる前に肩をつけたい。
 傷を負ったほうの狼が興奮した状態で噛みにかかってくる。
 カウンターを考えずに頭から無防備に飛びかかってきたので、相手の攻撃の勢いに任せ、頭に剣を刺した。

クゥーン…

 片方の狼を倒せた。

「まず1匹か」

 もう1匹の狼は俺の周りを回りながら警戒している。
 そりゃ仲間が殺されたら下手に突っ込んでこないよな。
 お互い牽制しながら睨み合う。
 先に仕掛けたのは狼だった。
 俺は狼が攻撃してくる箇所を考えた。
 傷を負っている足か、それとも急所の首を噛みにくるか。
 狼が飛びついてきたのは足だった。

HP 13/55

「痛っ!こいつ…!」

 足に噛み付いている狼を上から頭めがけて突き刺した。

クゥーン……バタッ!

 全ての狼を倒した。

「あなた、私が強化させた獣を両方倒せたの!?」

 どうやらあの2匹の狼を操っていたのはこの少女らしい。

「私に何するつもりなのよ!」

 俺はズタボロになりながら説明した。

「君が倒れてきたから手当てしてあげただけだよ」

「え……」

 少女は戸惑っている。

「なら、私は手当てをしてくれた恩人に対して攻撃したってこと?」

 やっと誤解が解けたようだ。

「まぁ、そうなるな」

 やってしまったという表情を浮かべながら少女はこう言う。

「ごめんなさい!」
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