気が付いたけど、人間を襲う必要ってあるのかな?

来佳

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3章

29話

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ドアノブに手をのせてグイッと回す。足でとてとてと後ろに引いて中に入る。この動作も慣れたもので、お嬢様の部屋に入ってくつろぐときは大抵こうして入る。
最近のお嬢様はやれ勉強だ、やれ実技だと、最近出入りしてる人間に言われてあまり僕を構ってくれない。なので空くことの多いこの部屋で寝たり、食事を運ばせて食べたり、たまには僕の部屋から遊び道具を持ってきてここで遊ぶ。自室もいいが、他人の部屋で自由にすることの方が何倍も楽しいのだ。

さてお嬢様はどうしてるかなと見回す。どうやらまだベッドの中のようだ。ひょいと飛び乗ってお腹のあたりに乗る。どうせもうすぐ起こされるのだからいいかと、そのまま顔の方まで歩いていき、顔をぺろぺろと舐める。

「うぅ。くすぐったいですわ」

と眠そうに起きる。にゃぁとないて急かす。

「ホワイトどうしましたの。珍しいですわね。甘えたいのかしら?うふふ」

と勝手に決めて僕を抱きしめてベッドの中に入れるとそのまますーすーと息をたて始める。もう一度起こしてもいいが、なんとなくかわいそうだしやめて、どう伝えるかを考えることにした。

だがしかしいいアイデアが浮かばない。なんて言ったってねずみである。それも大きい。見た目も似てないから仲間とは言えない。いっそ友達として紹介するか。ペットの友達ならそこまで無下にはしないだろう。やってもこの屋敷から追い出すくらいで、流石に殺したりはしないはずだ。
そうと決まればもう一度起きるまで、僕も暖かい腕の中でひと眠りすることにした。

お嬢様がごそごそするので起きる。

「あら。ホワイトおはよう」

と呑気な挨拶をする。にゃぁと僕も返す。そして用件を念じる。
お嬢様。今日はみんなに友達を紹介したいから付いてきて欲しい。そう念じる。事あるごとに念じてきたので大分と伝わるようになった。おかげで最近ではこんな長文もわからせることができるのだ。

「あらあら。どこで見つけたのかしら?なかなかホワイトはやる子なのね」

とほほ笑む。朝ごはんのあと連れてきてもよいかと念じる。

「いいわよ。問題がなさそうなら一緒のお部屋で過ごしましょうね」

と何とも言えないことを言う。
問題がないことはないのだ。それに、もし問題ないと言われて自分の部屋にねずみが来るのも若干嫌だ。魔物にだって自由がある。だから僕にだってあるのだ。一人の時間くらいないと困る。
まあそれでも約束は取り付けたのでよしとすることにした。
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