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カルミアとアザレア その後
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その後アザレアはカルの婚約者となった。カルはすぐにでも結婚したがったが、アザレアは高等科で学びたかったので、それを理由にことわり高等科へ通った。
だが結局、アザレアは高等科を飛び級しすぐに卒業できる学位をとることができたので、一年しか通わず同時に飛び級していたカルと一緒に卒業し、結婚することになった。
結婚式はもちろん盛大に執り行われ、奈落を塞いだ英雄として二人は国民から広く受け入れられ愛される存在となった。
二人は前国王から政を託され、日々忙しく過ぎていった。
そんなある日の話。
その日、カルより先に目が冷めたアザレアは、若干、気怠い腰を抑えながらベッドから出ると、寝室を後にした。窓際に立つと日が差し込んで気持ちの良い朝だった。
今日こそは読書をして過ごそう。そう思いながら振り向くとカルが立っていた。
「目が覚めたのか? 私を置いて一人ベッドから抜け出すなんて、酷いな」
そう言って微笑んだ。
「ごめんなさい、起こしたくなかったの」
アザレアがそう言うと、カルはアザレアを抱き上げると言った。
「許せないな。そうだ、今日は休みなのだし、ベッドに戻って昨日の夜の続きをしよう」
と、そのまま寝室へ向かい始めた。アザレアは抵抗しながら言う。
「カル、待ってください。今日は本を読もうと思っていたのです!」
すると、カルはアザレアを床におろし立たせて、アザレアに口づけた。そして、何度も軽くキスをすると、楽しそうに微笑んだ。
「なるほど、読書か。ならば図書室に誰も入れないようにして、君は読書をすればいい。その間、私は君をいただくから」
アザレアは慌てる。
「それでは読書ができませんわ」
カルは愉快そうに言った。
「君が私のイタズラに堪えつづければ、本だってなんだって読めるさ。よし、じゃあ君は今日は一日読書で決まりだね」
そう言ってアザレアを抱き上げた。そのまま抵抗虚しく図書室へと連れ込まれる。
図書室に入ると、カルはテーブルの上に目を止めた。
「ちょうどいい、テーブルに君の読みかけの本があった」
カルはそう言うと、アザレアを抱きかかえたままソファに座り、自分の膝の上にアザレアを座らせる。そうして本を手に取りアザレアの膝の上にのせて、背後からアザレアの肩越しに本を覗き込んだ。
「栞が挟んであるからここからだね」
アザレアは身動ぎして、カルの顔を見る。
「カル、これじゃ読めませんわ」
カルは、本を指差して言った。
「ほら大丈夫。なんなら私が読んであげよう」
そして、カルは朗読し始めた。アザレアは抵抗を諦め、そのままカルが朗読する声に聞き入いる。
カルが声を出す度に心地よい振動がカルの逞しい胸からアザレアの背中に伝わり、人の膝の上という環境で低く落ち着いた声と相まって、酷く心地よかった。
すると、突然朗読が止まる。しばらくの沈黙ののち、突然カルはアザレアの耳もとで囁くように言った。
「アザレア、好きだ」
アザレアはどきりとする。カルはアザレアを強く抱き締める。
「アズ、私は君を求め過ぎか? 君の全てを手に入れたのにまだ足りない。それどころか、以前よりも君を強く求めてしまう」
アザレアは振り返り、カルの顔をなでると。
「私はその方が嬉しいですわ」
カルは微笑むとアザレアにそっとキスをした。そして、照れ笑いをする。
「やはり、図書室はまずいね。アズ、読書は諦めてもらうよ」
アザレアが頷くと、カルはアザレアを抱き上げ二人の部屋へ戻った。
結局その日、アザレアは読書をすることはできなかった。
忙しい毎日だったが、その中でも二人は人目をはばからずいちゃいちゃして過ごしていたので、近隣諸国でも仲睦まじい夫婦としても有名になるのだった。
アザレアはその力を惜しみ無く駆使し、国を潤わせた。おかげでサイデューム王国はその後何千年も栄えることになり、後々までその献身的な行いや夫婦で国を救った行い、二人の夫婦愛が人々の中でそれは形をかえてもなお、ずっと語り続けられたのだった。
だが結局、アザレアは高等科を飛び級しすぐに卒業できる学位をとることができたので、一年しか通わず同時に飛び級していたカルと一緒に卒業し、結婚することになった。
結婚式はもちろん盛大に執り行われ、奈落を塞いだ英雄として二人は国民から広く受け入れられ愛される存在となった。
二人は前国王から政を託され、日々忙しく過ぎていった。
そんなある日の話。
その日、カルより先に目が冷めたアザレアは、若干、気怠い腰を抑えながらベッドから出ると、寝室を後にした。窓際に立つと日が差し込んで気持ちの良い朝だった。
今日こそは読書をして過ごそう。そう思いながら振り向くとカルが立っていた。
「目が覚めたのか? 私を置いて一人ベッドから抜け出すなんて、酷いな」
そう言って微笑んだ。
「ごめんなさい、起こしたくなかったの」
アザレアがそう言うと、カルはアザレアを抱き上げると言った。
「許せないな。そうだ、今日は休みなのだし、ベッドに戻って昨日の夜の続きをしよう」
と、そのまま寝室へ向かい始めた。アザレアは抵抗しながら言う。
「カル、待ってください。今日は本を読もうと思っていたのです!」
すると、カルはアザレアを床におろし立たせて、アザレアに口づけた。そして、何度も軽くキスをすると、楽しそうに微笑んだ。
「なるほど、読書か。ならば図書室に誰も入れないようにして、君は読書をすればいい。その間、私は君をいただくから」
アザレアは慌てる。
「それでは読書ができませんわ」
カルは愉快そうに言った。
「君が私のイタズラに堪えつづければ、本だってなんだって読めるさ。よし、じゃあ君は今日は一日読書で決まりだね」
そう言ってアザレアを抱き上げた。そのまま抵抗虚しく図書室へと連れ込まれる。
図書室に入ると、カルはテーブルの上に目を止めた。
「ちょうどいい、テーブルに君の読みかけの本があった」
カルはそう言うと、アザレアを抱きかかえたままソファに座り、自分の膝の上にアザレアを座らせる。そうして本を手に取りアザレアの膝の上にのせて、背後からアザレアの肩越しに本を覗き込んだ。
「栞が挟んであるからここからだね」
アザレアは身動ぎして、カルの顔を見る。
「カル、これじゃ読めませんわ」
カルは、本を指差して言った。
「ほら大丈夫。なんなら私が読んであげよう」
そして、カルは朗読し始めた。アザレアは抵抗を諦め、そのままカルが朗読する声に聞き入いる。
カルが声を出す度に心地よい振動がカルの逞しい胸からアザレアの背中に伝わり、人の膝の上という環境で低く落ち着いた声と相まって、酷く心地よかった。
すると、突然朗読が止まる。しばらくの沈黙ののち、突然カルはアザレアの耳もとで囁くように言った。
「アザレア、好きだ」
アザレアはどきりとする。カルはアザレアを強く抱き締める。
「アズ、私は君を求め過ぎか? 君の全てを手に入れたのにまだ足りない。それどころか、以前よりも君を強く求めてしまう」
アザレアは振り返り、カルの顔をなでると。
「私はその方が嬉しいですわ」
カルは微笑むとアザレアにそっとキスをした。そして、照れ笑いをする。
「やはり、図書室はまずいね。アズ、読書は諦めてもらうよ」
アザレアが頷くと、カルはアザレアを抱き上げ二人の部屋へ戻った。
結局その日、アザレアは読書をすることはできなかった。
忙しい毎日だったが、その中でも二人は人目をはばからずいちゃいちゃして過ごしていたので、近隣諸国でも仲睦まじい夫婦としても有名になるのだった。
アザレアはその力を惜しみ無く駆使し、国を潤わせた。おかげでサイデューム王国はその後何千年も栄えることになり、後々までその献身的な行いや夫婦で国を救った行い、二人の夫婦愛が人々の中でそれは形をかえてもなお、ずっと語り続けられたのだった。
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