私は彼に選ばれなかった令嬢。なら、自分の思う通りに生きますわ

みゅー

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おまけ2 ソファでねっこけたアレクサンドラを運ぶシルヴァン

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「殿下、今日は宝探しにご一緒できず申し訳ありませんでした」

 庭に出ると、アリスはどこか気まずそうにシルヴァンを見上げた。

「本当にそのとおりだ。貴族令嬢として、もう少し鍛えたらどうだ」

 その返答に、アリスは戸惑う。

「えっ? は、はい……そういたします。それにしても、この庭は本当に素敵ですわね」

「で?」

「えっとあの、こうして殿下と素敵な場所を歩けることを、とても光栄に思っておりますわ」

「それで?」

「美味しいお食事のあとで、お庭を散歩だなんて、本当に素敵ですわね」

「だからなんだと言うんだ?」

「あの、もしかして殿下は昼間のことを怒ってらっしゃるのですか?」

 シルヴァンは立ち止まり、アリスを見つめた。

「君はそう思うんだな。なら、屋敷へ戻ろう」

 シルヴァンがそう答えて踵を返すと、アリスは慌ててその後を追う。

「殿下、決してそのような訳ではありませんわ!」

 屋敷に入ると、アレクサンドラがソファで眠っていた。  
 周囲を見ても、ダヴィドの姿はない。

 アリスはその様子を見て驚いた顔をする。

「こんな場所でうたた寝だなんて……信じられませんわ」

 そう言ってはっとし、作り笑いを浮かべた。

「いいえ、あのアレクサンドラ様を侮辱するつもりで言ったわけではありませんの。ただ、驚いてしまって」

 シルヴァンはアリスを一瞥すると、アレクサンドラの前に屈んだ。

 アリスは慌てて声をかける。

「殿下、アレクサンドラ様はよくお休みのようですわ。起こさないほうがよろしいかと」

 シルヴァンはそれを無視し、アレクサンドラを抱き上げた。

「殿下?! なにをされるのです?」

 アリスは顔を引き攣らせた。

「君には関係ない。早く帰ったらどうだ? セバス、シャトリエ侯爵令嬢がお帰りだ」

 セバスチャンはすぐに指示に従い、不満そうなアリスを玄関へ案内した。

 シルヴァンはそのままアレクサンドラを部屋まで運び、ベッドに横たえると頬に触れ、優しく語りかけた。

「やっと見つけた……僕のレックス」
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