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翡翠は振り返ると民衆に手を振り、敷かれたレッドカーペットの上を歩いて聖堂の中へ入った。
「殿下、それに賢人様も、大変お待ちしておりました。どうぞこちらへ」
入り口でそう言われ聖堂に入ると、先日来たときと打ってかわって色とりどりの花や、美しい彫刻や宝石があしらわれた調度品が飾られ、とても明るい雰囲気になっていた。
翡翠が驚いて周囲を見渡していると、案内役がそんな翡翠に微笑んで言った。
「賢人様の祝いの席ですから、私たちも気合いを入れて準備させていただきました。お気に召しましたでしょうか?」
「もちろんです。とても素敵だと思って見ていました」
「それはよろしゅうございました。さぁ、お二人のお部屋にご案内致します」
そして最上階にある、おそらくこの建物内で一番広いのではないかと思われる部屋へ通される。
「ここは殿下のお部屋ですね? とても素敵な部屋だと思います。殿下は使用人もたくさん連れてますから、これぐらい部屋数があったほうがよいのでしょうね」
そう言う翡翠の顔を案内役は驚いた顔で見つめたあと言った。
「いいえ、この部屋はお二人で使っていただくお部屋になります。それでは私はこれで失礼致します」
案内役が部屋を出ていったあと、カーレルは落ち着かせるように翡翠の頭をなでた。
「大丈夫。流石に式を挙げて正式な夫婦となるまでは君に無理な要求はしないと誓う。だから、安心してくれ。それぐらいの自制心はある」
翡翠はそれを聞いて、ほっとしたような少し残念なような気持ちになりながらうなずいて返す。
カーレルはそんな翡翠の手を取って言った。
「君を守ると誓ったからね、私からも君を守らなければ。だが、式のあとはその限りではない。承知してくれるか?」
その台詞に、翡翠は口から心臓が飛び出しそうになりながら頭を縦に振った。するとカーレルは翡翠を引き寄せ抱き締めた。
そして呟く。
「私の忍耐力が試されるな」
そこへ誰かが部屋へ訪ねてきた。
「誰だ、こんなときに」
カーレルが不機嫌そうにそう言うと、使用人が困り顔で言った。
「ファニー様と仰るかたが部屋へ訪ねてまいりましたが、やはりお通ししないほうがよろしいですよね?」
カーレルは、しばらく考えたあとファニーを通すよう指示した。
「やっほ~!! 僕がデザインした最っ高のウエディングドレス持ってきたよぉ! 一度着てもらって、サイズ直ししないとねぇ~」
翡翠は驚いて質問する。
「えっ?、あの、もうウエディングドレスができているのですか?」
「もっちろん! 根暗王子に言われてずいぶん前から準備してた……」
そこまで言うと、ファニーは自分の口を両手で押さえた。
「あれ? 今僕、変なこと言っちゃった?! なんか、ちょっと間違えたかも!」
カーレルはファニーを冷ややかな眼差しで見つめ、翡翠は何が何やらわからずファニーを見つめた。
ファニーはそんな翡翠を見て、突然にっこりと笑った。
「な~んてね。エンジェルは今な~んにも聞いてない。な~んにも聞いてない。ね? さぁ、時間がないよぉ? はやくはやく! じゃあ根暗王子! エンジェルを借りるね~」
そう言うと、あっという間にファニーの連れたお針子たちに囲まれ、他の部屋へ連れていかれた。
部屋へ入ると中央にウエディングドレスを着たトルソーが置いてあった。
そのドレスはプリンセスラインで、スカートの部分は花弁が幾重にも重なっているようなデザインになっていた。
「エンジェルにはさぁ、こういう可愛らしいデザインが絶対に似合うと思うよ~。僕は外に出てるから、早く着替えてみてよ!」
そう言ってファニーは部屋を出ていった。
翡翠はこんな美しいドレスを着れることが嬉しくて、手伝ってもらいながら早速そのドレスに着替える。
かなり布が重ねられているが、とても軽い布を使用しているためかさほど重くなく、翡翠が体の向きを変えるとスカートの布が舞って美しく見えた。
「着替えたって~?」
ファニーはそう言いながら部屋へ入ってくると、翡翠に目を見つめそのまま五秒ほど静止した。
翡翠はどこかおかしいのだろうかと不安になりながら、ファニーに尋ねる。
「似合ってないでしょうか?」
すると、ファニーは突然叫ぶ。
「ワァオ!! エンジェルってば、僕の想像を遥かに超えてきた~! いいね~、いいね~」
そう言って翡翠の周りをぐるぐる回りながら、上から下まで見ると立ち止まって言った。
「僕ってやっぱり天才かもぉ~」
そう言うと、翡翠を見つめた。
「どうしました?」
「エンジェルがさぁ、僕にデザイナーになればって言ったじゃん? それって正解だったかも。うん、僕、デザイナーになるよ!」
「確かに、ファニーさんは天才デザイナーだと思います。ミリナ様の誕生会で着るはずだったドレスも、このウエディングドレスも本当に素敵なものばかりです」
「やっぱり?! 僕って天才だよね~。エンジェル、ありがとう!」
そう言うと、お針子たちに指示を出す。
「じゃあ、次はお色直しのドレスね! こっちはイキシアの花をイメージしたドレス」
「えっ?! このドレスだけではないのですか?」
「はい? もっちろんだよ! そのウエディングドレスは最初の婚姻契約の儀式の時に着るドレス~。そのあと御披露目してぇ、パレードもでしょう? んで舞踏会をやるからぁドレスは何回か着替えなくちゃ!」
「そんなにですか?!」
「そうだよぉ。さぁ、頑張って!」
こうしてこのあとも、翡翠は慌ただしく結婚式の準備に追われた。
ドレスの試着が終わると、今度は式の段取りを覚えるためカーレルと実際に式のリハーサルをした。
カーレルが言っていたとおり、サポートは万全で要所要所で翡翠が間違えないよう補助係がついていて、翡翠はそれに従うだけで済むようになっていた。
それでも段取りは覚えたほうがよいだろうと思い、必死にそれを覚えた。
「翡翠、そんなに必死にならなくとも問題なく式は進むように手配してあるんだ。無理はするな」
カーレルはそう言ってくれたが、翡翠は自分の式ぐらいちゃんとしたかった。
目まぐるしい時間はあっという間に過ぎていき、気がつけば翡翠は式の当日を迎えていた。
ウエディングドレスに着替えると、花モチーフのヘッドドレスを付け、ペンダントはカーレルと揃いのあのペンダントを付けた。これはカーレルの希望だった。
そうして準備を終えて、美しい手編みのブーケをかぶるとカーレルの横に立った。
カーレルは翡翠を一目見て言った。
「美しい。今日、この日のために私は努力を重ねてきたんだ」
そう言うと、しばらく翡翠を見つめたあと耳元で囁く。
「愛する私の花嫁。やっと君を手に入れることができた。一生放さない」
そうして、翡翠の手を取ると式場へとエスコートした。
…………数年後。
カーレルは今年五つになる双子のサファイアとオニキスを抱っこし、ご満悦の様子で庭を歩いている。
その向こうで次女のガーネットが庭を走り回り、それを注意しようと長女のルビーが追いかけている。
「ガーネット、お姉さまを困らせたらダメよ!」
そう注意をすると、翡翠は最後の一ページを書き終え大きく息をついた。
「書き終わったのか?」
カーレルは翡翠にそう声をかけると、双子を地面におろした。双子たちは急いで翡翠に駆け寄る。
そしてサファイアが翡翠の手元を覗き込んで言った。
「もうお仕事は終わり?」
「そうよ、終わったのよ」
反対側にいるオニキスは不貞腐れた顔をした。
「お母様、もっと僕たちと遊んでよ!」
そんなオニキスをカーレルが注意する。
「こら、お母様はいつもいっぱい遊んでくれるだろう? たまにはお仕事する時間を作ってあげないとダメだぞ」
「は~い」
そのときサファイアが翡翠のドレスの裾を引っ張った。
「ねぇ、お母様は本を書く仕事なのよね? どんな本を書くの?」
「今書いたものはね、魔法も争いもなくて幸せに暮らせる平和な国を作るために頑張るお話よ」
「ふーん。私もその本読める?」
「もっと大きくなってからね」
「うん! 大きくなったら、絶対お母様の本読むの!」
そう言ってサファイアが翡翠に抱きつくと、オニキスも負けじと翡翠に抱きつく。
「僕だってお母様の本読むもん!」
「二人ともありがとう」
翡翠はそう言って微笑むと『サイデューム建国物語』と書かれた表紙をそっとなでた。
「殿下、それに賢人様も、大変お待ちしておりました。どうぞこちらへ」
入り口でそう言われ聖堂に入ると、先日来たときと打ってかわって色とりどりの花や、美しい彫刻や宝石があしらわれた調度品が飾られ、とても明るい雰囲気になっていた。
翡翠が驚いて周囲を見渡していると、案内役がそんな翡翠に微笑んで言った。
「賢人様の祝いの席ですから、私たちも気合いを入れて準備させていただきました。お気に召しましたでしょうか?」
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そして最上階にある、おそらくこの建物内で一番広いのではないかと思われる部屋へ通される。
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そう言う翡翠の顔を案内役は驚いた顔で見つめたあと言った。
「いいえ、この部屋はお二人で使っていただくお部屋になります。それでは私はこれで失礼致します」
案内役が部屋を出ていったあと、カーレルは落ち着かせるように翡翠の頭をなでた。
「大丈夫。流石に式を挙げて正式な夫婦となるまでは君に無理な要求はしないと誓う。だから、安心してくれ。それぐらいの自制心はある」
翡翠はそれを聞いて、ほっとしたような少し残念なような気持ちになりながらうなずいて返す。
カーレルはそんな翡翠の手を取って言った。
「君を守ると誓ったからね、私からも君を守らなければ。だが、式のあとはその限りではない。承知してくれるか?」
その台詞に、翡翠は口から心臓が飛び出しそうになりながら頭を縦に振った。するとカーレルは翡翠を引き寄せ抱き締めた。
そして呟く。
「私の忍耐力が試されるな」
そこへ誰かが部屋へ訪ねてきた。
「誰だ、こんなときに」
カーレルが不機嫌そうにそう言うと、使用人が困り顔で言った。
「ファニー様と仰るかたが部屋へ訪ねてまいりましたが、やはりお通ししないほうがよろしいですよね?」
カーレルは、しばらく考えたあとファニーを通すよう指示した。
「やっほ~!! 僕がデザインした最っ高のウエディングドレス持ってきたよぉ! 一度着てもらって、サイズ直ししないとねぇ~」
翡翠は驚いて質問する。
「えっ?、あの、もうウエディングドレスができているのですか?」
「もっちろん! 根暗王子に言われてずいぶん前から準備してた……」
そこまで言うと、ファニーは自分の口を両手で押さえた。
「あれ? 今僕、変なこと言っちゃった?! なんか、ちょっと間違えたかも!」
カーレルはファニーを冷ややかな眼差しで見つめ、翡翠は何が何やらわからずファニーを見つめた。
ファニーはそんな翡翠を見て、突然にっこりと笑った。
「な~んてね。エンジェルは今な~んにも聞いてない。な~んにも聞いてない。ね? さぁ、時間がないよぉ? はやくはやく! じゃあ根暗王子! エンジェルを借りるね~」
そう言うと、あっという間にファニーの連れたお針子たちに囲まれ、他の部屋へ連れていかれた。
部屋へ入ると中央にウエディングドレスを着たトルソーが置いてあった。
そのドレスはプリンセスラインで、スカートの部分は花弁が幾重にも重なっているようなデザインになっていた。
「エンジェルにはさぁ、こういう可愛らしいデザインが絶対に似合うと思うよ~。僕は外に出てるから、早く着替えてみてよ!」
そう言ってファニーは部屋を出ていった。
翡翠はこんな美しいドレスを着れることが嬉しくて、手伝ってもらいながら早速そのドレスに着替える。
かなり布が重ねられているが、とても軽い布を使用しているためかさほど重くなく、翡翠が体の向きを変えるとスカートの布が舞って美しく見えた。
「着替えたって~?」
ファニーはそう言いながら部屋へ入ってくると、翡翠に目を見つめそのまま五秒ほど静止した。
翡翠はどこかおかしいのだろうかと不安になりながら、ファニーに尋ねる。
「似合ってないでしょうか?」
すると、ファニーは突然叫ぶ。
「ワァオ!! エンジェルってば、僕の想像を遥かに超えてきた~! いいね~、いいね~」
そう言って翡翠の周りをぐるぐる回りながら、上から下まで見ると立ち止まって言った。
「僕ってやっぱり天才かもぉ~」
そう言うと、翡翠を見つめた。
「どうしました?」
「エンジェルがさぁ、僕にデザイナーになればって言ったじゃん? それって正解だったかも。うん、僕、デザイナーになるよ!」
「確かに、ファニーさんは天才デザイナーだと思います。ミリナ様の誕生会で着るはずだったドレスも、このウエディングドレスも本当に素敵なものばかりです」
「やっぱり?! 僕って天才だよね~。エンジェル、ありがとう!」
そう言うと、お針子たちに指示を出す。
「じゃあ、次はお色直しのドレスね! こっちはイキシアの花をイメージしたドレス」
「えっ?! このドレスだけではないのですか?」
「はい? もっちろんだよ! そのウエディングドレスは最初の婚姻契約の儀式の時に着るドレス~。そのあと御披露目してぇ、パレードもでしょう? んで舞踏会をやるからぁドレスは何回か着替えなくちゃ!」
「そんなにですか?!」
「そうだよぉ。さぁ、頑張って!」
こうしてこのあとも、翡翠は慌ただしく結婚式の準備に追われた。
ドレスの試着が終わると、今度は式の段取りを覚えるためカーレルと実際に式のリハーサルをした。
カーレルが言っていたとおり、サポートは万全で要所要所で翡翠が間違えないよう補助係がついていて、翡翠はそれに従うだけで済むようになっていた。
それでも段取りは覚えたほうがよいだろうと思い、必死にそれを覚えた。
「翡翠、そんなに必死にならなくとも問題なく式は進むように手配してあるんだ。無理はするな」
カーレルはそう言ってくれたが、翡翠は自分の式ぐらいちゃんとしたかった。
目まぐるしい時間はあっという間に過ぎていき、気がつけば翡翠は式の当日を迎えていた。
ウエディングドレスに着替えると、花モチーフのヘッドドレスを付け、ペンダントはカーレルと揃いのあのペンダントを付けた。これはカーレルの希望だった。
そうして準備を終えて、美しい手編みのブーケをかぶるとカーレルの横に立った。
カーレルは翡翠を一目見て言った。
「美しい。今日、この日のために私は努力を重ねてきたんだ」
そう言うと、しばらく翡翠を見つめたあと耳元で囁く。
「愛する私の花嫁。やっと君を手に入れることができた。一生放さない」
そうして、翡翠の手を取ると式場へとエスコートした。
…………数年後。
カーレルは今年五つになる双子のサファイアとオニキスを抱っこし、ご満悦の様子で庭を歩いている。
その向こうで次女のガーネットが庭を走り回り、それを注意しようと長女のルビーが追いかけている。
「ガーネット、お姉さまを困らせたらダメよ!」
そう注意をすると、翡翠は最後の一ページを書き終え大きく息をついた。
「書き終わったのか?」
カーレルは翡翠にそう声をかけると、双子を地面におろした。双子たちは急いで翡翠に駆け寄る。
そしてサファイアが翡翠の手元を覗き込んで言った。
「もうお仕事は終わり?」
「そうよ、終わったのよ」
反対側にいるオニキスは不貞腐れた顔をした。
「お母様、もっと僕たちと遊んでよ!」
そんなオニキスをカーレルが注意する。
「こら、お母様はいつもいっぱい遊んでくれるだろう? たまにはお仕事する時間を作ってあげないとダメだぞ」
「は~い」
そのときサファイアが翡翠のドレスの裾を引っ張った。
「ねぇ、お母様は本を書く仕事なのよね? どんな本を書くの?」
「今書いたものはね、魔法も争いもなくて幸せに暮らせる平和な国を作るために頑張るお話よ」
「ふーん。私もその本読める?」
「もっと大きくなってからね」
「うん! 大きくなったら、絶対お母様の本読むの!」
そう言ってサファイアが翡翠に抱きつくと、オニキスも負けじと翡翠に抱きつく。
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