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3.It’s not the love you make. It’s the love you give.
第四十二話
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アレクセイはユリウスの胸元のペンダントを見て小首を傾げた。
「魔力制御のペンダントですか?」
「話してなかったな」
アレクセイやロンに伝えていなかったことを思い出す。ユリウスはベッド上で体を起こすと、首の包帯を解いた。恐らく見えているであろう首辺りにできた痣の後。アレクセイが酷く驚いた顔を向けてくる。
「原因はわからないが」
「その痣はどうしたんですか!? どうして、そんな色に!?」
「色?」
「待っていてください。絶対に動いてはいけません。メアリさん! メアリさんはいますか!」
出て行ったアレクセイ。
何だろうかとユリウスは追いかけようとし失敗した。心臓がずきりと痛んだからだ。
「ぁっ!」
心臓が波打つ。それが徐々に激しさを増し、ユリウスは立っていられなくなった。ベッドの上で転がり、何とか胃から込みあがって来る吐き気をこらえる。
アレクセイを呼ぼうとするが、もう彼は部屋にいなかった。
エリックと出会ってから、調子は良くはない。
嫌な記憶を閉ざしていた。それがここに来てから、少しずつ傷口をこじ開けられる感覚がしたからだ。赤と青、黒に点滅する世界。頭が殴られたように酷く痛む。扉が勢いよく開く音。
「ユリウス!」
メアリの声だった。何人かの慌てた足音。
「ユリウスは大丈夫なのか!?」
「ユリウスさん、アレクセイです。わかりますか!?」
エリックの慌てた声も聞こえる。アレクセイがユリウスを呼ぶ声、色んな人の声が遠くになったり、近くになったり。まるで、世界が揺れているようだった。
すると、とんっと背中に手が当てられた。
「しっかりしてください。深呼吸を!」
アレクセイだ。彼の手が優しく背中が撫でる。呼吸を落ち着かせ、必死に彼の腕を掴んだ。
何とか顔を上げる。目があったことでほっとしたアレクセイがいる。
すぐに別の手が、ユリウスの背へ触れた。どうやら、その手がユリウスに魔力を流しているようだ。ぐちゃぐちゃだったものが、ゆっくりと回復していく。
「目を瞑れ! メアリ、制御のペンダントを強くしろ!」
ロンの声が響いた。ユリウスは荒い息をゆっくり吐きながら、そっと目を瞑る。背中に送られた魔力は穏やかな海のようだった。
それに気が付くと同時だ。
目を瞑っていたにも関わらず、暗いはずの世界に広がったのは夜の海だ。静かな波の音。やがて、視界は海を潜っていき、様々な魚や生き物たちが廻る世界を落ちていく。
「良い子だ。そのままゆっくり身を預けろ」
「ユリウスさん、しっかり」
アレクセイの声が聞こえ、彼を掴んでいた手が彼の硬い手に握られる。やがて、視界は暗い深海の世界に変わり、ユリウスの意識はそこで途切れた。
快晴の空の下。
崖の上に女性が居た。背中を覆い隠すほど長い赤毛でパーマ毛のある髪。騎士のような恰好はぼろぼろだった。
彼女の目元は見えないが、口元はほほ笑んでいた。ユリウスはここが夢の中であると理解していた。
誰かを通して彼女を見ている。それが誰かなのかはわからない。彼女は寂しそうに微笑み、やがて身を海に投げた。
誰かは必死で手を伸ばしたが、それは間に合わない。海に消えていった彼女は、浮かんでこなかった。
ゆっくりと目を開けば、そこは城内に案内された部屋だった。
座って眠るアレクセイに抱きしめられており、自分が生きているとユリウスは悟る。そして、毛布に包まされており、部屋は十分暖まっていた。
ユリウスは周囲を見回す。
「起きたか」
ロンの声だった。彼はアレクセイとユリウスのいるベッドの端っこに腰を下ろしており、酷く安心した顔をしている。辺りにはエリックやメアリの姿はなかった。
「俺の力でお前に干渉した」
「あれは、ロンさんの夢?」
「すまなかったな。見せるつもりじゃなかったんだが……どうやら、俺の記憶がお前にひかれたみたいだな」
彼は困ったように笑う。
「彼女はエリザ。神聖兵器のケレスだよ。あいつはエリザ自身が暴走した兵器だと知って、海に身を投げたんだ。俺は彼女は陸を司る力を持つせいで、海の中なのに彼女を助けることが出来なかった。最後まで互いに神聖兵器だって知らなかった。少し遅かったんだ」
小さく息をつくロン。ユリウスは返事ができなかった。
「まあ、あいつがいたから、俺は覚醒した。あいつは覚醒できなかったけどな」
「覚醒……」
「そう。そして、お前も覚醒してしまった。俺が暴走しかけた力を制御してしまったが。それにしても、莫大な魔力だな」
「助かりました」
小さく息をつく。記憶が途切れる前に見た海は彼が見せてくれたものだろうと。
ロンは「アレクセイがその後は必死で魔力を送ってくれてな。魔力の枯渇は防げた。流石は聖騎士様だ」と頭をかいた。
「俺がケレスに干渉できたように、お前にも干渉できた。恐らくお前も自然の力。けれども、それが何なのかはわからない。アヌに関しては、情報が少なすぎる」
「エリック兄上はアヌの古文書を探しに?」
「ああ。かなり動転してたけれどな。ユリウスの兄さんは嘘が下手だな」
「そうですね。兄上は昔から嘘は下手でした」
思わずアレクセイに体重をかけ、ユリウスは脱力する。
彼が起きる気配はなく、静かな寝息だけが響いていた。
「とりあえず、魔力制御のペンダントはしてたほうがいい。何の力か分かるまでは、魔法は使うな。何が起こるか分からないから」
「はい……メアリさんは?」
「医療器具を王城の医務室で借りてくると言ってた。もうすぐ戻ってくる。少し起きていてくれ」
「ここにいたら、皆に迷惑が」
動こうとしたユリウスをロンは制した。
「心配するな。ここは一番安全だから。しかも、その騎士が離してくれないと思うぞ」
ユリウスはちらっとアレクセイを見た。ユリウスの体は彼がしっかりと己を抱きしめていた。
これではどこにも行くこともできない。過保護なやつ、とユリウスは思う。
「そうですね」
「お前が落ち着いたし、俺も寝る。扉の前には騎士たちも控えてるしな」
「ロンさん、アレクセイと交代せずに道中ずっと起きてましたよね」
「まあ、あんまり深くは眠れない体質だしな。今日は深海でぐっすり眠るさ」
ユリウスは彼が見せてくれた深海を思い出して頷いた。とても安らかな海だったと。それを知ってか、ロンは得意げにほほ笑んだ。
「また辛くなったら見せてやるから。今日はアレクセイと寝てやれ。随分と拗ねてたから」
「はい」
それから暫くしてメアリが戻ってきた。最新鋭の器具が揃っており、ユリウスに簡易検査をしてから、寝かしつけてくれた。
明日から検査をするようで、腕に魔素測定の装置をつけられる。
「ユリウス、すまないね。本当は手短にやってあげたいんだが」
「いえ」
「エリック王が様々な神聖兵器についての資料を貸してくれてね。情報も少しあった。過去にアルター国にいたとされる兵器の話もあった。覚醒についての話も少しね」
メアリがちらっとロンを見た。
「ほら」
ロンが突然服を脱いで背中を見せて来た。ユリウスがあっと息を呑む。そこにはユリウスと似た形の痣があった。
彼の背中に書かれていた痣はまるで天使の翼のようだった。
「神聖兵器の証だ。昔は神が送ったギフトを知る方法なんてなかったからな。まあ、今はタトゥーとかが流行っているせいか、見られても大した問題はないんだがな」
彼は困ったように苦笑していた。
ユリウスは自分の首元をなぞるように触れる。そんなユリウスを見ていたロンが肩を竦める。
「まるで、神が飼ってるみたいでいやな感じがするだろ」
「首だから、余計に」
ユリウスは小さく息をついた。
「チョーク系のものを探しておこうか」
「はい。明日にでも街を歩きます」
気になってしょうがない、と思う。目を瞑り、アレクセイに体を預けた。
「魔力制御のペンダントですか?」
「話してなかったな」
アレクセイやロンに伝えていなかったことを思い出す。ユリウスはベッド上で体を起こすと、首の包帯を解いた。恐らく見えているであろう首辺りにできた痣の後。アレクセイが酷く驚いた顔を向けてくる。
「原因はわからないが」
「その痣はどうしたんですか!? どうして、そんな色に!?」
「色?」
「待っていてください。絶対に動いてはいけません。メアリさん! メアリさんはいますか!」
出て行ったアレクセイ。
何だろうかとユリウスは追いかけようとし失敗した。心臓がずきりと痛んだからだ。
「ぁっ!」
心臓が波打つ。それが徐々に激しさを増し、ユリウスは立っていられなくなった。ベッドの上で転がり、何とか胃から込みあがって来る吐き気をこらえる。
アレクセイを呼ぼうとするが、もう彼は部屋にいなかった。
エリックと出会ってから、調子は良くはない。
嫌な記憶を閉ざしていた。それがここに来てから、少しずつ傷口をこじ開けられる感覚がしたからだ。赤と青、黒に点滅する世界。頭が殴られたように酷く痛む。扉が勢いよく開く音。
「ユリウス!」
メアリの声だった。何人かの慌てた足音。
「ユリウスは大丈夫なのか!?」
「ユリウスさん、アレクセイです。わかりますか!?」
エリックの慌てた声も聞こえる。アレクセイがユリウスを呼ぶ声、色んな人の声が遠くになったり、近くになったり。まるで、世界が揺れているようだった。
すると、とんっと背中に手が当てられた。
「しっかりしてください。深呼吸を!」
アレクセイだ。彼の手が優しく背中が撫でる。呼吸を落ち着かせ、必死に彼の腕を掴んだ。
何とか顔を上げる。目があったことでほっとしたアレクセイがいる。
すぐに別の手が、ユリウスの背へ触れた。どうやら、その手がユリウスに魔力を流しているようだ。ぐちゃぐちゃだったものが、ゆっくりと回復していく。
「目を瞑れ! メアリ、制御のペンダントを強くしろ!」
ロンの声が響いた。ユリウスは荒い息をゆっくり吐きながら、そっと目を瞑る。背中に送られた魔力は穏やかな海のようだった。
それに気が付くと同時だ。
目を瞑っていたにも関わらず、暗いはずの世界に広がったのは夜の海だ。静かな波の音。やがて、視界は海を潜っていき、様々な魚や生き物たちが廻る世界を落ちていく。
「良い子だ。そのままゆっくり身を預けろ」
「ユリウスさん、しっかり」
アレクセイの声が聞こえ、彼を掴んでいた手が彼の硬い手に握られる。やがて、視界は暗い深海の世界に変わり、ユリウスの意識はそこで途切れた。
快晴の空の下。
崖の上に女性が居た。背中を覆い隠すほど長い赤毛でパーマ毛のある髪。騎士のような恰好はぼろぼろだった。
彼女の目元は見えないが、口元はほほ笑んでいた。ユリウスはここが夢の中であると理解していた。
誰かを通して彼女を見ている。それが誰かなのかはわからない。彼女は寂しそうに微笑み、やがて身を海に投げた。
誰かは必死で手を伸ばしたが、それは間に合わない。海に消えていった彼女は、浮かんでこなかった。
ゆっくりと目を開けば、そこは城内に案内された部屋だった。
座って眠るアレクセイに抱きしめられており、自分が生きているとユリウスは悟る。そして、毛布に包まされており、部屋は十分暖まっていた。
ユリウスは周囲を見回す。
「起きたか」
ロンの声だった。彼はアレクセイとユリウスのいるベッドの端っこに腰を下ろしており、酷く安心した顔をしている。辺りにはエリックやメアリの姿はなかった。
「俺の力でお前に干渉した」
「あれは、ロンさんの夢?」
「すまなかったな。見せるつもりじゃなかったんだが……どうやら、俺の記憶がお前にひかれたみたいだな」
彼は困ったように笑う。
「彼女はエリザ。神聖兵器のケレスだよ。あいつはエリザ自身が暴走した兵器だと知って、海に身を投げたんだ。俺は彼女は陸を司る力を持つせいで、海の中なのに彼女を助けることが出来なかった。最後まで互いに神聖兵器だって知らなかった。少し遅かったんだ」
小さく息をつくロン。ユリウスは返事ができなかった。
「まあ、あいつがいたから、俺は覚醒した。あいつは覚醒できなかったけどな」
「覚醒……」
「そう。そして、お前も覚醒してしまった。俺が暴走しかけた力を制御してしまったが。それにしても、莫大な魔力だな」
「助かりました」
小さく息をつく。記憶が途切れる前に見た海は彼が見せてくれたものだろうと。
ロンは「アレクセイがその後は必死で魔力を送ってくれてな。魔力の枯渇は防げた。流石は聖騎士様だ」と頭をかいた。
「俺がケレスに干渉できたように、お前にも干渉できた。恐らくお前も自然の力。けれども、それが何なのかはわからない。アヌに関しては、情報が少なすぎる」
「エリック兄上はアヌの古文書を探しに?」
「ああ。かなり動転してたけれどな。ユリウスの兄さんは嘘が下手だな」
「そうですね。兄上は昔から嘘は下手でした」
思わずアレクセイに体重をかけ、ユリウスは脱力する。
彼が起きる気配はなく、静かな寝息だけが響いていた。
「とりあえず、魔力制御のペンダントはしてたほうがいい。何の力か分かるまでは、魔法は使うな。何が起こるか分からないから」
「はい……メアリさんは?」
「医療器具を王城の医務室で借りてくると言ってた。もうすぐ戻ってくる。少し起きていてくれ」
「ここにいたら、皆に迷惑が」
動こうとしたユリウスをロンは制した。
「心配するな。ここは一番安全だから。しかも、その騎士が離してくれないと思うぞ」
ユリウスはちらっとアレクセイを見た。ユリウスの体は彼がしっかりと己を抱きしめていた。
これではどこにも行くこともできない。過保護なやつ、とユリウスは思う。
「そうですね」
「お前が落ち着いたし、俺も寝る。扉の前には騎士たちも控えてるしな」
「ロンさん、アレクセイと交代せずに道中ずっと起きてましたよね」
「まあ、あんまり深くは眠れない体質だしな。今日は深海でぐっすり眠るさ」
ユリウスは彼が見せてくれた深海を思い出して頷いた。とても安らかな海だったと。それを知ってか、ロンは得意げにほほ笑んだ。
「また辛くなったら見せてやるから。今日はアレクセイと寝てやれ。随分と拗ねてたから」
「はい」
それから暫くしてメアリが戻ってきた。最新鋭の器具が揃っており、ユリウスに簡易検査をしてから、寝かしつけてくれた。
明日から検査をするようで、腕に魔素測定の装置をつけられる。
「ユリウス、すまないね。本当は手短にやってあげたいんだが」
「いえ」
「エリック王が様々な神聖兵器についての資料を貸してくれてね。情報も少しあった。過去にアルター国にいたとされる兵器の話もあった。覚醒についての話も少しね」
メアリがちらっとロンを見た。
「ほら」
ロンが突然服を脱いで背中を見せて来た。ユリウスがあっと息を呑む。そこにはユリウスと似た形の痣があった。
彼の背中に書かれていた痣はまるで天使の翼のようだった。
「神聖兵器の証だ。昔は神が送ったギフトを知る方法なんてなかったからな。まあ、今はタトゥーとかが流行っているせいか、見られても大した問題はないんだがな」
彼は困ったように苦笑していた。
ユリウスは自分の首元をなぞるように触れる。そんなユリウスを見ていたロンが肩を竦める。
「まるで、神が飼ってるみたいでいやな感じがするだろ」
「首だから、余計に」
ユリウスは小さく息をついた。
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