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1章
始まり
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今まで自分が知らなかった世界。
一人暮らしという自由な生活。
今、俺は新たな新天地での生活に胸を躍らせていた。
住もうと決めた場所は、大学にある程度近い2階建てのアパート。その2階の端の部屋を借りている。荷物の整理もだいぶ終わったのでそろそろ買い出しにでも行こうと思った。
買い出しの帰り、見慣れない道や景色を眺めながらある場所で足を止めた。
聞き耳 成功
ふと、何かの声がした。声のする方を見れば、箱があった。
ひろってくださいと、小学生が書いたかのような文字で段ボール箱が置かれていた。そこから、声がする。
俺は、捨て猫か何かかと思い、そっと近づき、ゆっくりとふたを開けた。
「てけり・り?」
不思議な声を上げるそれを見た瞬間、何とも言えない感情が俺の中で沸き上がった。俺はそいつと目が合った瞬間、時間というものを忘れるほど見惚れていた。その後、興奮してつい家に連れ帰ってしまったのだー。
「って、こら!人の回想シーンを捻じ曲げてんじゃねぇよ!」
「り?私視点ではそうだったんだけどなぁ?」
6畳間のそれほど広くない室内に浮かぶ異様な光景。
人間と、人間じゃないナニカ……。
俺は、井上 勇吾、しがない大学生だ。さっきの回想の続きだが、実際はアレを見た瞬間とてつもない不快感に襲われ、何かがゴリゴリと削れていき、気がついたら騒ぎながらこのアパートに帰っていた。
それから数日後、またこいつに出会った。
その姿は、漆黒の玉虫色に光る粘液、表面には無数の目が浮かび上がり。たえず動き続け形を変化させ続けていた。
家に帰った俺は、部屋いっぱいのコイツの姿を見て気絶してしまった。
今は、俺も慣れたためかSAN値がピンチになることはない。
しかし、なぜか住み着いてしまった。
「ゆーご、お腹空いた!」
「どうしたもんかなぁ、こいつ」
保健所には連れていけないし、てか連れて行ったら保健所の人が狂気に陥りそうだし、まさか、こんな化け物が存在するなんてな。調べたところ、こいつはショゴスとかいう化け物だってわかった。架空の生物だってあったのに、存在してんじゃねぇか!
「ゆーご、ごはん!」
「わかったよ、今から作るって」
もうすぐ学校が、待ちに待った大学生活が始まるっていうのに、こんなトラブルがあったんじゃ友達も家に呼べねぇよ。あ、冷蔵庫あんまし食材残ってないし、買い出しに行くか。
「ショゴス、ちょっと買い物行ってくるわー」
「あ、ゆーご、待って。私もいく!」
そういうと、ショゴスは体を小さくしていき形を変えていく。
さきほどの巨大な姿とは裏腹に、身長は140cmほど、白髪ロングのかわいらしい少女に姿を変える。どれくらいかわいいかと言うと、APP18くらいありそう。
俺は驚いた。いや、だって、さっきの化け物が人型になったんだぜ。さらに、こうも思った。
「人の姿になれるんだったら、最初から人の姿になってろよ!」
「ゆーごには、ありのままの私を見てほしいから。ポッ」
「いや、俺人間だから!それに何に対して照れてんだよ!」
「私、家では服着ない主義だから」
「いや、そういう問題か?人間の姿=服なの?なんか違うだろぉ⁉」
「ゆーご、うるさい。ご近所さんに迷惑だよー」
「あ、すんません。じゃないわ!主にお前のせいだよ!」
「早く買い出し行くよー」
何も言えなくなったので、そのまま後に続いてスーパーに行くしかなかった。
行き道では、すごく見られた。それは当然こいつのせいだ。こいつが、美人のせいだろう。めっちゃ見られた。いろんな勧誘を断りながら、なんとかスーパーでの買い物を済ませることができた。なんだか、とても疲れた。
「おい、ゆーご。あれ、美味しそうだぞ」
目を輝かせて、ショゴスがそんなことを言った。
ショゴスが指をさすのでその方向を見ると、太った、油がのってそうなサラリーマンがいた。
もしかして、こいつ、人でも食うのか?え?やばくないか?
「あー、ショゴス?」
「ほら、アレ、油がすごくのってる。じゅるり」
「待て、ショゴス、ステイ。人はまずい。さすがに人を食べるのはダメだ!」
「り?何言ってんだお前?」
「へ?」
気の抜けた声がでた。
「お前、まさか、あの人間のことを言ってるのか?」
「そうじゃないのか?」
「あのなぁ、私だって良識はあるんだぞ。私が言ってるのは、あの目の前にある精肉店の肉のことだぞ」
自分が恥ずかしくなった。だって、化け物が美味しそうとか言うから、てっきり人でも食うのかと思うじゃん。
「ほら、ゆーご、さっさと帰ってご飯だ!」
すんごい力で引きずられながら帰るのだった。
???「はい、少女とは思えない怪力で、はい、監視を続けます。」
一人暮らしという自由な生活。
今、俺は新たな新天地での生活に胸を躍らせていた。
住もうと決めた場所は、大学にある程度近い2階建てのアパート。その2階の端の部屋を借りている。荷物の整理もだいぶ終わったのでそろそろ買い出しにでも行こうと思った。
買い出しの帰り、見慣れない道や景色を眺めながらある場所で足を止めた。
聞き耳 成功
ふと、何かの声がした。声のする方を見れば、箱があった。
ひろってくださいと、小学生が書いたかのような文字で段ボール箱が置かれていた。そこから、声がする。
俺は、捨て猫か何かかと思い、そっと近づき、ゆっくりとふたを開けた。
「てけり・り?」
不思議な声を上げるそれを見た瞬間、何とも言えない感情が俺の中で沸き上がった。俺はそいつと目が合った瞬間、時間というものを忘れるほど見惚れていた。その後、興奮してつい家に連れ帰ってしまったのだー。
「って、こら!人の回想シーンを捻じ曲げてんじゃねぇよ!」
「り?私視点ではそうだったんだけどなぁ?」
6畳間のそれほど広くない室内に浮かぶ異様な光景。
人間と、人間じゃないナニカ……。
俺は、井上 勇吾、しがない大学生だ。さっきの回想の続きだが、実際はアレを見た瞬間とてつもない不快感に襲われ、何かがゴリゴリと削れていき、気がついたら騒ぎながらこのアパートに帰っていた。
それから数日後、またこいつに出会った。
その姿は、漆黒の玉虫色に光る粘液、表面には無数の目が浮かび上がり。たえず動き続け形を変化させ続けていた。
家に帰った俺は、部屋いっぱいのコイツの姿を見て気絶してしまった。
今は、俺も慣れたためかSAN値がピンチになることはない。
しかし、なぜか住み着いてしまった。
「ゆーご、お腹空いた!」
「どうしたもんかなぁ、こいつ」
保健所には連れていけないし、てか連れて行ったら保健所の人が狂気に陥りそうだし、まさか、こんな化け物が存在するなんてな。調べたところ、こいつはショゴスとかいう化け物だってわかった。架空の生物だってあったのに、存在してんじゃねぇか!
「ゆーご、ごはん!」
「わかったよ、今から作るって」
もうすぐ学校が、待ちに待った大学生活が始まるっていうのに、こんなトラブルがあったんじゃ友達も家に呼べねぇよ。あ、冷蔵庫あんまし食材残ってないし、買い出しに行くか。
「ショゴス、ちょっと買い物行ってくるわー」
「あ、ゆーご、待って。私もいく!」
そういうと、ショゴスは体を小さくしていき形を変えていく。
さきほどの巨大な姿とは裏腹に、身長は140cmほど、白髪ロングのかわいらしい少女に姿を変える。どれくらいかわいいかと言うと、APP18くらいありそう。
俺は驚いた。いや、だって、さっきの化け物が人型になったんだぜ。さらに、こうも思った。
「人の姿になれるんだったら、最初から人の姿になってろよ!」
「ゆーごには、ありのままの私を見てほしいから。ポッ」
「いや、俺人間だから!それに何に対して照れてんだよ!」
「私、家では服着ない主義だから」
「いや、そういう問題か?人間の姿=服なの?なんか違うだろぉ⁉」
「ゆーご、うるさい。ご近所さんに迷惑だよー」
「あ、すんません。じゃないわ!主にお前のせいだよ!」
「早く買い出し行くよー」
何も言えなくなったので、そのまま後に続いてスーパーに行くしかなかった。
行き道では、すごく見られた。それは当然こいつのせいだ。こいつが、美人のせいだろう。めっちゃ見られた。いろんな勧誘を断りながら、なんとかスーパーでの買い物を済ませることができた。なんだか、とても疲れた。
「おい、ゆーご。あれ、美味しそうだぞ」
目を輝かせて、ショゴスがそんなことを言った。
ショゴスが指をさすのでその方向を見ると、太った、油がのってそうなサラリーマンがいた。
もしかして、こいつ、人でも食うのか?え?やばくないか?
「あー、ショゴス?」
「ほら、アレ、油がすごくのってる。じゅるり」
「待て、ショゴス、ステイ。人はまずい。さすがに人を食べるのはダメだ!」
「り?何言ってんだお前?」
「へ?」
気の抜けた声がでた。
「お前、まさか、あの人間のことを言ってるのか?」
「そうじゃないのか?」
「あのなぁ、私だって良識はあるんだぞ。私が言ってるのは、あの目の前にある精肉店の肉のことだぞ」
自分が恥ずかしくなった。だって、化け物が美味しそうとか言うから、てっきり人でも食うのかと思うじゃん。
「ほら、ゆーご、さっさと帰ってご飯だ!」
すんごい力で引きずられながら帰るのだった。
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