やさぐれ令嬢

龍槍 椀 

文字の大きさ
3 / 4

雌伏編

しおりを挟む
 馬車……おっせーなぁもう。

 領地の見回りに使っているのが今の馬車。 領主様専用って事で、前からファーリエの館にはあった。あったけど、ちょっと大型。 四頭立て。 いわゆる重厚ってやつ。整備も大変。お金かかるのよこれ……



 いらん!!! 



 マジ、こんな装備要らんよ。 大体、こんなにちっさい領を回るのに一週間がかりってどうゆう事よ。イライラしてる私を気遣ってか、渋い笑顔を浮かべながら口を開いたんだ。



「他領の御領主様、奥方様はもっとゆったりと移動されます」



 馬車に同乗している、家令のルワンが事も無げにそう言うんだ。 じれったい。そうだ。



「ルワン。 貴方の御実家、近衛騎士のアーベスタン伯爵家だったわよね」

「はい、その通り御座います」



 むふふ、そうか、なら大丈夫だ。 ” あの ” アーベスタン伯爵家の御三男様だったら確実に元騎士だ。お母様の侍従としてあっちの国についてったけど、受け入れられなくて、庶民に身をやつして、うまくクリストバーグ侯爵家に潜り込んだんだよね。 そんで、第二家令まで短期間に上り詰めていたよね。 かなりの能力だった筈。 うん、これはいける。


「ルワンは乗馬出来るよね。 貴方、元騎士でしょ?」

「え、ええ、まぁ……お嬢様何をお考えで?」

「いい事」



 私のニマニマした笑顔をルワンは不審げに見てるよ。 そんな変なこと言わないから。 ほら、貴族の嗜みだから。 鍛えられてんだよ!! あっちの意地悪王妃様後ろの魔女にねっ!!

 館に戻って、視察のまとめを終わってから、侍女たちが集まってる処に顔を出した。



「お嬢様! このような場所に、軽々しく!!」

「いいから、そういうの。 人手は足りないのよ、いちいち呼んでなんかいられないでしょ?」

「……」

「ごめんね、不甲斐ない領主で。満足に人も雇えないし」

「そ、そのような事、御座いません!! 私共の力不足!!お許しを!!」

「うん、許すから、今後も勝手に動き回るよ?」

「えっ?」



 侍女長が目を白黒させてる。 アハ! 面白れぇ!! 揚げ足取りは得意なんだ。 宮廷の馬鹿共と比べてなんて素直なんだろう。 嬉しいよ。



「さて、 ” お許し ” も、したし、お願い聞いてもらいたいだけど?」

「……は、はい。何なりと」

「洗濯してる子が言ってたの、小耳に挟んだんだけど、家令ルワンのお仕着せが一着もうダメになってるんだって?」

「ええ……お嬢様の指示で私共のお仕着せは、常に清潔かつ見栄えの良い状態を維持する事に成っておりますので、その基準からすると、ルワン様の御持ちのお仕着せの一着が、そろそろ限界に来ております」

「うん、そうね。 ” 見栄え ” は、大事よ。 私が此れだから、貴方達に手伝ってもらって、この家の家格を維持しないとね」

「はい、有難うございます。 お召し物と云えば、お嬢様のお召し物の事ですが……」



 かぶせ気味に否定しとく。



「それは、いい。 まだ、着れる。 贅沢はしない」



 ちょっと、視線を鋭くして見とくね。 クローゼットは ” ちょっと寂しい ” くらい服は有るのだから、新しいのは要らない。普段使いの服と、夜会用のドレスは別にしてあるし、困ってないもの。

 そんな物にお金を掛けるくらいなら、今、焦眉の問題につぎ込んだ方が、将来のリターンはデカいよ。 これは、領主としての考えからそうしてる。 ぜってー譲れんよ。 みんなの笑顔が嬉しいんだ!



「い、いえ、そんな……」



 下向かない! 私の命令だから。 聞きなさい! 貴方達と、領民の事をまず、考えようよ。 豊かになったら、自分にも目を向けるからさぁ……。  さて、本題に移ろう。



「でね、その廃棄品、下さいな」

「はっ?」

「ちょっと、興味が有ってね」

「はぁ……わかりました、後でお持ちします」

「うん、待ってる」



 そのまま、たまり場を出た。あんまり長居すると、あの人達の迷惑だしね。 まぁ綺麗に洗ってあるはずだし、大丈夫だろうなぁ…… 今晩からな。 見てろ! 御針子だって得意だ。

 くそっ、また、あの意地悪王妃様クソばばぁの顔思い出した! なにが、 ” お針はお持ちになりませんの? ” だ! こちとら、仕立て直しも出来るくらいになってやったぜ! いじめる方より上手くなって見返してやったぜ! 

 侍女長から貰ったルワンのお古。結構、草臥れているねぇ……すまん。 色々して貰ってるからねぇ……

 夜は長いさっ! 刺繍してるふりして、思いっきりお直し。 うん、これなら大丈夫。ブーツも、手袋ももう手に入れてるしなっ!



*******************************



 屋敷には馬が5頭いる。 どの子も素直なんだけど、一頭だけちょっと隔離されてる。 気性が荒いんだ。綺麗な栗毛なんだけど、背中に乗せる人間を限定する癖が有るらしい。 伝令とか公使とかの乗り換え用に置かれたんだけど、この子だけ振り落としちゃうって、何時までもここに居るんだ。 時々遠い目をしてた。

 そんで決めた。 視察の予定を組んで、その日の朝早くに厩にいった。 馬丁の目を盗んで鞍を一揃えもって、その子の前に行った。 こっからは真剣勝負だ。 舐められたら諦める。 でも、それはしたくない。

 その子の名前はシルベルター。 栗毛のかっこいい馬なんだけど、頭に星が入ってる。 白い毛で額に十字に。 で名前が決まった ”銀星シルベスター” 名付け親は私。 気に入ってくれっかなぁ?



「おはよう! シルベスター 今日から貴方を私の馬とします。 私はベルダンディー=ファーリエ=アデレー公爵 ファーリエの領主。 領主を背に乗せる気合はあるかしら?」



 小首を傾げ、シルベルターに目を合わせる。 ゼッテー舐められるもんか! 彼の目が胡散臭い物を見る目から、だんだん真剣な物になって来た。 うん、視線は外さんよ。 これも習った。 あっちの馬丁に。

 あの意地悪王妃様クソばばぁの  ” 乗馬も出来ませんの? ほんとに何も出来ない子ねぇ ” の言葉にムカッて来たから、騎士団の馬丁に頼み込んで、馬を操る  ” あれやこれや ” を習ったんだよっ! 最初はへっぽこだったけどなっ。 

 シルベスター、やっと納得したみたい、まぁ、一回乗ってみろってな感じで頭を下げて視線を外しやがった。よっしゃー! もう、お前が倒れるまで、私のもんだからな! 鞍を付けて、ひらりとまたがる。

 うん、大丈夫だ。 着ているのは、ルワンのお古を乗馬服にお直しした、元お仕着せ。 かなり手を入れた。 そこら辺の乗馬服に負けん。

 ブーツと手袋は、庭師のレーベンから手にいれた。 庭仕事の手伝いをする時用にってお願いしたら、これも、仕丁が使ってたお古を貰った。 丁度サイズも合ってよかった。

 シルベルターの腰には書類バックがくっ付いている。公用使用の鞍が有ったから、それを使っている。 視察には持って来いだ! 軽く常歩なみあし速歩はやあし、で流し、最後にちょっと気合い入れて、襲歩ギャロップ で、試してみた。 うん、とっても快適。 これなら、大丈夫。

 日が昇って、馬丁とルワンが屋敷から出て来てた。 茫然と見てた。 あはははは! 楽しい~~、あの顔!! 指さして笑って遣りたくなったけど、止めといた。 うん、正解。



「今日から視察は、騎馬にて行う! いいわね!」



 ルワンが諦めきった顔で、頭を下げた。シルベスターは? うん、完全支配下に置いた。 この子も納得したみたい。よし、じゃあ、行こうか。 私の分の書類は、もう装備済みだからね。





 *************





 移動時間が一気に短縮した。 常歩なみあしでも、馬車と比べるとかなり早い。 馬上で色々と打ち合わせ。 やっぱり、ルワンは良く出来た家令だ。 乗馬のセンスも抜群だしな。



「お嬢様は、何処で、乗馬を?」

「グスターボの騎士団でね」

「そ、そんな事まで……おいたわしい」

「嫌なのよ、あの ” こんな事できませんの? ” って顔が。 騎士団の騎士に教えを乞うた訳じゃ無いわ。馬丁に聞いたのよ」

「そのような下賤の者に、お声を掛けられては……」



 ルワンの言葉で私の眉がギリッって上がったよ。 聞き捨て出来ない。 うん、ちょっと怒った。反論したり、説教かましてくるんなら、私は喜んで、この優秀な家令を手放す事まで心に決めて、口を開いた。

 かなり冷めた口調だったと思うよ。 ルワン、 ” ビクッ ” って、してたからね。



「ルワン、聞いてちょうだい。 この先も家で仕えたかったら、真剣に聞いてちょうだい」

「はい」

「私はね、普通の人の言う「高貴貴族」とか、「下賤下々の者」なんてもの、意識してないの。 人が能力の限りを尽くして生きて行くことに貴賤は無いのよ。 貴賤が有るとしてたら、なけなしの素質を必死で磨き上げる貴人と、有り余る能力を使わず腐っている下賤なモノ。 私の領は皆が貴人になれる、そんな所領を目指しているの。 モチロン、式典や、指揮命令なんかはあるけどね。 いい、何が言いたいか判った?」



 隣で馬を操るルワン。私の言葉を真剣に聞いてくれた。俯いて、何かを思い出している感じだった。 ルワンが何を思っているかは判らない。でも、私も覚悟を決めている。 これが、領主たる自分への試練だと思っていた。 ルワンが遠い目をしながら、私に語り掛けて来た。



「……誠に……以前同じ事を言われていた事を思い出しました」

「へえ、逢ってみたいなぁ、その人と」

「鏡をご覧ください。 何時でも会えます」

「……それって、もしかして」

「私がお仕えした最初の方です」

「やっぱり、……親子だなって思ってる?」

「遠き昔にしたお約束を忘れる所でした。 有難うございます」

「思い出して呉れたらいいわ。 もう、ルワンには言わない。 二度も誓いは要らない」

「はい、あの方への誓いが、御領主様への誓いにもなりますな」

「うん、そうだね」



 高く澄んだ青空を見上げて、お母様を思った。 あんな所に行かなかったら良かったのにねぇ……なんか、泣けてきた。頬に当たる風が、お母様の手で撫でられている感じがした。 うん、そうだね、お母様はお空に行ったんだから、いつでも見てくれてる筈だから。



 *************



 王太子殿下が、来た。 私は視察から帰ったばかりで乗馬服姿だった。 目をまん丸に開きながら言って来た。



「何をしていた?」

「視察ですが? なにか?」

「領主自ら、騎馬でか?」

「あら、早く行けますし、みな喜んでますわ」

「……おしとやかな妹の娘と思っていたのだがな」

「仮にも領主ですので」

「報告は宰相を通じて受けている。 ベルダンディー、お前、何処から資金を得ている?」

「ええ、潤沢では御座いませんが、領内から」

「税率、上げたのか?」

「そんな事をしたら、領民が逃げ出しますわよ。 腐ってる人たちに職を与えただけすわ」

「???」

「街道の整備を村々の余剰人員に任せましたのよ。 で、私が見回る。 それで、万事良好に」

「その資金は!!」

「……切り詰めまして……」

「お前な……まぁ良い。 困ったら言うのだぞ」

「お力、期待しています」

「うむ」



 かな~り機嫌が斜め下に落ちてしまった。 お金……かぁ……  予算組しないとなぁ……  晩餐ってほどでもないけど、王太子殿下と ” お食事 ” を、したら、また嘆かれた。



「こんなものを食べているのか?」

「ええ? いつもより豪華にしたのですが?」

「ちょっとルワンを来い。 俺と執務室に来い!」

「えええ?!?!」



 長~~い事、執務室にルワンを拉致して、殿下は籠られた。 あそこには、色んな資料がばら撒かれているんだけどなぁ……

見せたくなかったなぁ……
領内の工事の進捗状況一目でわかるように図版もあるんだけどなぁ……
資金繰り次第、順次点検してダメな所を直している最中なんだけどなぁ……
進捗率八割くらいかなぁ……
来春からの作付け上手くいくと良いなぁ……
アンだけやったんだから、倍増とはいかなくてもかなりいい線……



   行くんじゃないかなぁ……



 などと、考えていた時間もありました。 私が居間でマッタリしている処に、難しい顔をした殿下がはいってきましたのよ、おほほほ。



「ベルダンディー」

「はい」

「領主としては満点だ」

「有難うございます」

「お前の考えも聞いた」

「はい、ルワンからですね」

「それと…… アレから、待てと言われた」

「来春は、いい年へのスタートにしたいですね」

「……ふぅ…… それにしても、色々やり過ぎだ。 ……それだけ彼方での環境が厳しかったと、今更ながらに思い知ったよ」

「此処は天国の様。 名前通り妖精の住む場所です」

「妖精はお前だ、ベル。 今更……何も言わん。 存分にやってみろ。 ただ……」

「ただ?」

「飯だけはしっかり喰え。 お前が倒れればすべてが瓦解するぞ」

「肝に銘じます」

「うむ」



 殿下は私の隣にお座りになり、優しく両手を取ってくださった。 荒れた手は少し恥ずかしかったけれども、私は私の出来る事を精一杯するだけ。 貴人の誇りを胸にね。 立派な事を言ってみましたけど、全ては、私の我儘なのは知ってます。 この小領ですら、一杯一杯なんですからねぇ


 
       ~~~~~



 やっぱり、今回も別件が有った。 



「聖王太子の結婚式の招待状が届いた」

「はい?」



 予測は二つ。 出席させて、幸せを見せつけるか、 招待状すら送らないか。 多分後者だろうなぁ……わたしも、行きたくないし、そんな暇ないし…… 絶頂を見ても面白くないし……



「お前への招待状は無かった。 あちらは、お前を王族とは思っていないようだ」

「左様でございますか……そうでしょうね」

「……お前ならばそう言うと思っていた、ベル」

「自ら、貴族籍を剥奪されておりますもの、呼ぶわけは御座いませんこと?」

「そうだな」

「婚姻が成立しましたら、後は、落ちるだけですわ。 わたくしは、その時にでも」

「うむ……」

「結局、最後まで、判らなかったという事ですね」

「あちらの内大臣が頭を下げて来た」

「……いい方ですもの。 引き抜けますよ?」

「お前は……どこまで見ている」

「屋台骨を支える支柱の一つです。 足元が腐るか、屋根が腐るかですわ」

「で、屋根が腐って、雨漏りが始まるか……」

「お家の中で傘を差さねばなりませんね、ふふふふ」



 私の密やかな笑みに、王太子殿下もつられて、黒い笑みを浮かべられた。 うん、本当に黒かった。でも、懸念も有りますわね。

 だって、聖女様が仕事をされなければ、いずれ障壁は消えます。 その時の準備は怠らぬようにしなければ……新たな目標が出来ましたわ。 王太子様、有難うございます。



 *************



 王太子様は帰られました。 なんか笑ってらっしゃった。 ルワンが厳しく引き締まった顔をしているわね。きっと、色々釘を刺されたのでしょう。 さて、くぎ抜きはっと。

 暫くして、王都アデレンティアから、荷馬車がきました。 大量の野菜と果物、お肉まで…… よっぽど美味しく無かったんでしょうね、うちのご飯は…… あれぇぇぇぇ?! 厨房の人達が物凄く喜んでますねぇ…… おやぁぁぁ?!?! 侍女さん達、涙ぐんでる…… えええぇぇ? 私って、そんなに貧乏舌だったんでしょうか?



 ” おじゃがお芋 ”、美味しいじゃないですか…… 凹むなぁ……







しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

あなたが決めたことよ

アーエル
恋愛
その日は私の誕生日パーティーの三日前のことでした。 前触れもなく「婚約の話は無かったことにしよう」と言われたのです。 ‪✰他社でも公開

処理中です...