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第十二話 後輩の提案の果て~後編~
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濃厚に、そして濃密に求め合う俺たちと虚ろな目をしてその行為を見つめる後輩。
歪で異常なこの現状に終止符が打たれたのは、俺が実に六回目の絶頂を迎えたあとのことになる。
現時点で三回俺は果てていたが、既に出し切った感が半端じゃない。
「野崎さん」
真帆が肩で息をしながら野崎を呼んだ。
俺は果てしない脱力感から、これから真帆が野崎に何かしようとしてたとしても、止めるだけの力を残していない。
「空くんのこと、好き?」
「好きです」
野崎は虚ろな目をしながら、しかしはっきりと答えた。
こんな目に遭って尚、こいつは俺を思うのだろうか。
「空くん」
真帆が俺に目を向ける。
全身に鉛でも乗っているかの様な重さに抗い、俺は真帆の方を向く。
「まだ野崎さんのこと、好きって思えない?」
「…………」
俺はこの段階で、まだ明確な答えを持ち合わせていなかった。
真帆に言われて野崎を抱いたが、俺はまだ野崎をどう思っているのかわからない。
好きとか嫌いとか、俺はまだ真帆以上に誰かを愛せる気がしなかった。
「野崎さん、動ける?」
真帆が野崎に手を差し伸べる。
真帆が何をしようとしているのか、俺にはわからない。
だが、野崎は何となく真帆が何をしようとしているのか察した様に見える。
「野崎さん、空くんのお掃除してあげて」
正直もう、既に俺は空っぽになったと思っていた。
ここから更に出せと言われても、反応するかどうかすら危うい。
しかし野崎が軽く口元を歪めて、俺の相棒に手を伸ばした時、相棒はまたも熱を帯びた。
「真帆先輩、私もう一回してもいいんですか」
「いいよ」
真帆が野崎に口付ける。
野崎がそれに応える。
生で美少女同士の百合が展開される様を見て、相棒は完全に復活してしまった。
「れん先輩、元気ですね」
二人が軽く絡み合う様子を見て、俺は異常なまでの興奮を覚えた。
野崎が見様見真似で相棒を口に含み、顔を上下させると言い知れぬ快感が俺を支配した。
真帆が俺の顔に跨がって、秘所を押し当ててきた。
真帆の匂いと俺の匂いの混じった、不思議な匂いがする。
「空くん、私も綺麗にして」
真帆が淫靡な笑みを浮かべ、秘所を舐める様に命じる。
野崎に相棒をしゃぶられながら、俺は真帆の秘所を舐めた。
貪る様に、何日も水すら与えられていなかった捕虜にでもなったかの様に、真帆の蜜を求めるかの様に。
真帆はそれを受けて、何度も体をよじった。
俺の匂いが薄れて、真帆の匂いが濃くなってくる。
同時に相棒が今まで以上に脈打つのを感じた。
「れん先輩、入れますね」
野崎が騎乗位で俺を犯す。
先程俺に犯された時と違って、野崎に恥じらいはなかった。
俺の上で激しく腰を振りながら、野崎は真帆の乳房に手を伸ばした。
「あっ……」
真帆から溢れる蜜が、先程までよりも多くなるのがわかる。
野崎の愛撫と俺の舌によって、真帆は更なる快感を覚えたのだとわかる。
「野崎さん、上手になってきたね」
「真帆先輩、可愛いです」
真帆が体を野崎の方に向ける。
二人が再び口付けながら、真帆は更に秘所を俺に押し付けてくる。
野崎は腰の動きを早めた。
「あっ……先輩、凄くおっきくなってます……あっ!」
「空くん、気持ちいいよぉ……」
二人が思い思いに快楽を求めて動く。
俺は言われるまま、されるがままだが二人が良くなってきてるならそれでいいかと思った。
正直俺もこの快感に抗える気がしない。
四回目の射精をして尚、相棒はまだ元気だった。
俺はもう、新しい扉を開いてしまったのかもしれない。
二人は位置を入れ替わり、尚も俺を犯し続けた。
「野崎さん、空くんのこと好き?」
六回目の射精を終えて、真帆が再び野崎に尋ねた。
野崎は先程と違って虚ろな目をしていない。
はっきりと、何かを決意した顔で首肯する。
「私のことも、好きになれそう?」
「もう、なってます」
「…………」
「空くん、覚悟決まった?」
真帆は俺に、二人ともを愛せと言っているのだ。
出来ない、とは思わない。
俺は現にもう、二人を抱いてしまっている。
男として、ここで逃げるという選択ができる気がしないし、何より野崎も真帆も、俺を離してはくれないだろう。
グダグダと言い訳するくらいなら、二人ともを大事にできる方法を探す方がより建設的だと考えた。
「ああ、決めたよ。二人ともを大事にしたらいいんだな?」
「荒っぽいけど、結果としてこれが一番平和に解決できる手段だと思ったから……」
真帆が申し訳なさそうに俺を見た。
「空くんは多分、私だけを好きでいたかったんだと思うけど」
野崎が複雑な顔をしている。
「でも、私野崎さんも少し可愛いって思っちゃったから」
やっぱりそういうことだったのか。
何だか変だとは思ったんだ。
「私が好きだって思った相手だから、一緒に大事にしてくれるよね?」
「……わかったよ。だけど、これ以上増やされるのは困る。この三人だけだ。約束してくれるか?」
真帆は強く頷く。
この二人に、俺以外の男なんかついてほしくない。
俺もこの二人以外の女を抱きたいと思えなかった。
だから、二人に俺は大事にしていくことを約束した。
とりあえず、二つ部屋を取ったことだしということでシャワーを浴びに行く。
俺はもう一つの部屋で、二人は元の部屋で。
こんなことになるなんて……正直真帆を裏切った、という気持ちはない。
元々は真帆が望んだことだから。
まさかあいつがバイだとは思ってなかったけど。
シャワーを出て、時計を見ると夜の九時を回るところだった。
そういえば腹も減ってきたな……。
明日が休みなら、別にのんびりしてっても良かったんだけどな。
二人が部屋に迎えにきて、俺たちは三人でホテルを出た。
ここの払いは真帆が済ませたらしく、俺と野崎は何となく手持ち無沙汰になる。
「このあと、どうしますか?かなり良い時間ですけど」
野崎がスマホを取り出して、時間を見ている。
この二人も多分腹は減ってるんだろうな。
しかし飯を食って帰るとなると、時間はかなり遅くなってしまいそうだ。
「名残惜しいけど、今日のところは解散しよっか。週末になったらまた、集まればいいし」
「その、私も本当にお邪魔しちゃって良いんですか?」
野崎が躊躇いがちに真帆を見る。
真帆は慈愛顔で野崎を見返した。
「野崎さん、今日のこと後悔してる?」
「え?」
「もし、後悔してないなら一緒がいい。ダメかな?」
真帆はすっかりと野崎が気に入った様だ。
正直なところ、俺もさっきの出来事は夢だったんじゃないかって思う。
野崎にしてみれば、前半は悪夢みたいな出来事だったんだろうから、夢で済まされる様なことはないことはもちろん承知してるつもりだが。
「私……邪魔じゃないですか?」
「そんなことあると思う?あ、でも周りにはさすがに内緒にしてほしいかな。空くんの立場もあるから」
「別に俺は、お前らがいれば何でも構わないけどな。たとえ立場が悪くなったからって、お前らと離れるつもりはないし」
俺の言葉に、二人が驚いた様な表情を浮かべる。
何だよ、俺が正直な心境を打ち明けるのがそんなに意外なの?
「ま、そんな訳だから……野崎、お前も俺にとってはもう大事な人間の一人だよ」
その言葉を聞いて、真帆は更に驚いた顔をする。
野崎はと言うと……。
「……ぐすっ。い、いいんですか?」
「おま、こんなところで泣くなよ!何で泣くんだ!?」
「だって……ヤり捨てられるんじゃないかと思ってたから……絶対叶わない願いだって思ってたから……」
案外こいつも乙女なんだなと、俺も意外な気持ちだ。
真帆が、俺を睨む。
「何で泣かすのかな……」
「え、これも俺が悪いの?」
「泣いてる女の子見たら、どうするの?」
「どうって……」
とうしろと言うのか。
抱きしめてやったらいいのか?
でも、その言い方だと他の女の子が泣いてても同じ様にしないといけなくならない?
「もう、ほら!」
真帆からどん、と背中を押されて俺が野崎に抱きつく形になった。
これ、逆じゃね?
なんて思っていたら、野崎が応える様に抱き返してきた。
「先輩……責任、取ってくださいね……」
「あ、ああ……」
「空くん、こういうときくらいはっきりしてよね……」
こんなことがあって、俺たちはその日は解散した。
真帆の腹の音がやたら気になったが、こっちを向いたら殺すと脅されて、俺は見て見ぬ振りを余儀なくされたのだった。
あれから早くも一ヶ月が経過した。
野崎からは遠慮もほぼ消えて、俺たちは三人でいることが当たり前になっている。
文化祭はさすがに学内行事なので、時間を決めて二人ずつで回ったりしたのだが、特に俺と野崎が噂されたりということは無かった様だ。
真帆のお母さんが言っていた、うちと結城家の食事会の日程が決まったと真帆から連絡があって、俺もその日を空けることにした。
「空くん、あのね……」
「ああ、わかってる」
翌日、真帆が言おうとしていたことは、俺にもわかった。
野崎のことだろう。
一般的に認められる様な関係ではないことは百も承知だが、俺たちが離れるなんて、もう考えられなかった。
「あいつの力、借りられるなら借りたいところなんだけどな」
「あいつって?」
「呼んだ?」
真帆が不思議そうな顔をした直後、あの問題児が俺たちの前に姿を現した。
そう、俺が力を借りたいと言ったのは、こいつだ。
「ああ、呼んだ。頼みがあるんだ」
神と自称したこいつに、どれだけのことが出来るのかはわからない。
だけど、こいつの力が今の俺たちには必要だ。
最悪の場合土下座も辞さない覚悟を持って、俺は目の前に現れた女に全てを話すことに決めた。
歪で異常なこの現状に終止符が打たれたのは、俺が実に六回目の絶頂を迎えたあとのことになる。
現時点で三回俺は果てていたが、既に出し切った感が半端じゃない。
「野崎さん」
真帆が肩で息をしながら野崎を呼んだ。
俺は果てしない脱力感から、これから真帆が野崎に何かしようとしてたとしても、止めるだけの力を残していない。
「空くんのこと、好き?」
「好きです」
野崎は虚ろな目をしながら、しかしはっきりと答えた。
こんな目に遭って尚、こいつは俺を思うのだろうか。
「空くん」
真帆が俺に目を向ける。
全身に鉛でも乗っているかの様な重さに抗い、俺は真帆の方を向く。
「まだ野崎さんのこと、好きって思えない?」
「…………」
俺はこの段階で、まだ明確な答えを持ち合わせていなかった。
真帆に言われて野崎を抱いたが、俺はまだ野崎をどう思っているのかわからない。
好きとか嫌いとか、俺はまだ真帆以上に誰かを愛せる気がしなかった。
「野崎さん、動ける?」
真帆が野崎に手を差し伸べる。
真帆が何をしようとしているのか、俺にはわからない。
だが、野崎は何となく真帆が何をしようとしているのか察した様に見える。
「野崎さん、空くんのお掃除してあげて」
正直もう、既に俺は空っぽになったと思っていた。
ここから更に出せと言われても、反応するかどうかすら危うい。
しかし野崎が軽く口元を歪めて、俺の相棒に手を伸ばした時、相棒はまたも熱を帯びた。
「真帆先輩、私もう一回してもいいんですか」
「いいよ」
真帆が野崎に口付ける。
野崎がそれに応える。
生で美少女同士の百合が展開される様を見て、相棒は完全に復活してしまった。
「れん先輩、元気ですね」
二人が軽く絡み合う様子を見て、俺は異常なまでの興奮を覚えた。
野崎が見様見真似で相棒を口に含み、顔を上下させると言い知れぬ快感が俺を支配した。
真帆が俺の顔に跨がって、秘所を押し当ててきた。
真帆の匂いと俺の匂いの混じった、不思議な匂いがする。
「空くん、私も綺麗にして」
真帆が淫靡な笑みを浮かべ、秘所を舐める様に命じる。
野崎に相棒をしゃぶられながら、俺は真帆の秘所を舐めた。
貪る様に、何日も水すら与えられていなかった捕虜にでもなったかの様に、真帆の蜜を求めるかの様に。
真帆はそれを受けて、何度も体をよじった。
俺の匂いが薄れて、真帆の匂いが濃くなってくる。
同時に相棒が今まで以上に脈打つのを感じた。
「れん先輩、入れますね」
野崎が騎乗位で俺を犯す。
先程俺に犯された時と違って、野崎に恥じらいはなかった。
俺の上で激しく腰を振りながら、野崎は真帆の乳房に手を伸ばした。
「あっ……」
真帆から溢れる蜜が、先程までよりも多くなるのがわかる。
野崎の愛撫と俺の舌によって、真帆は更なる快感を覚えたのだとわかる。
「野崎さん、上手になってきたね」
「真帆先輩、可愛いです」
真帆が体を野崎の方に向ける。
二人が再び口付けながら、真帆は更に秘所を俺に押し付けてくる。
野崎は腰の動きを早めた。
「あっ……先輩、凄くおっきくなってます……あっ!」
「空くん、気持ちいいよぉ……」
二人が思い思いに快楽を求めて動く。
俺は言われるまま、されるがままだが二人が良くなってきてるならそれでいいかと思った。
正直俺もこの快感に抗える気がしない。
四回目の射精をして尚、相棒はまだ元気だった。
俺はもう、新しい扉を開いてしまったのかもしれない。
二人は位置を入れ替わり、尚も俺を犯し続けた。
「野崎さん、空くんのこと好き?」
六回目の射精を終えて、真帆が再び野崎に尋ねた。
野崎は先程と違って虚ろな目をしていない。
はっきりと、何かを決意した顔で首肯する。
「私のことも、好きになれそう?」
「もう、なってます」
「…………」
「空くん、覚悟決まった?」
真帆は俺に、二人ともを愛せと言っているのだ。
出来ない、とは思わない。
俺は現にもう、二人を抱いてしまっている。
男として、ここで逃げるという選択ができる気がしないし、何より野崎も真帆も、俺を離してはくれないだろう。
グダグダと言い訳するくらいなら、二人ともを大事にできる方法を探す方がより建設的だと考えた。
「ああ、決めたよ。二人ともを大事にしたらいいんだな?」
「荒っぽいけど、結果としてこれが一番平和に解決できる手段だと思ったから……」
真帆が申し訳なさそうに俺を見た。
「空くんは多分、私だけを好きでいたかったんだと思うけど」
野崎が複雑な顔をしている。
「でも、私野崎さんも少し可愛いって思っちゃったから」
やっぱりそういうことだったのか。
何だか変だとは思ったんだ。
「私が好きだって思った相手だから、一緒に大事にしてくれるよね?」
「……わかったよ。だけど、これ以上増やされるのは困る。この三人だけだ。約束してくれるか?」
真帆は強く頷く。
この二人に、俺以外の男なんかついてほしくない。
俺もこの二人以外の女を抱きたいと思えなかった。
だから、二人に俺は大事にしていくことを約束した。
とりあえず、二つ部屋を取ったことだしということでシャワーを浴びに行く。
俺はもう一つの部屋で、二人は元の部屋で。
こんなことになるなんて……正直真帆を裏切った、という気持ちはない。
元々は真帆が望んだことだから。
まさかあいつがバイだとは思ってなかったけど。
シャワーを出て、時計を見ると夜の九時を回るところだった。
そういえば腹も減ってきたな……。
明日が休みなら、別にのんびりしてっても良かったんだけどな。
二人が部屋に迎えにきて、俺たちは三人でホテルを出た。
ここの払いは真帆が済ませたらしく、俺と野崎は何となく手持ち無沙汰になる。
「このあと、どうしますか?かなり良い時間ですけど」
野崎がスマホを取り出して、時間を見ている。
この二人も多分腹は減ってるんだろうな。
しかし飯を食って帰るとなると、時間はかなり遅くなってしまいそうだ。
「名残惜しいけど、今日のところは解散しよっか。週末になったらまた、集まればいいし」
「その、私も本当にお邪魔しちゃって良いんですか?」
野崎が躊躇いがちに真帆を見る。
真帆は慈愛顔で野崎を見返した。
「野崎さん、今日のこと後悔してる?」
「え?」
「もし、後悔してないなら一緒がいい。ダメかな?」
真帆はすっかりと野崎が気に入った様だ。
正直なところ、俺もさっきの出来事は夢だったんじゃないかって思う。
野崎にしてみれば、前半は悪夢みたいな出来事だったんだろうから、夢で済まされる様なことはないことはもちろん承知してるつもりだが。
「私……邪魔じゃないですか?」
「そんなことあると思う?あ、でも周りにはさすがに内緒にしてほしいかな。空くんの立場もあるから」
「別に俺は、お前らがいれば何でも構わないけどな。たとえ立場が悪くなったからって、お前らと離れるつもりはないし」
俺の言葉に、二人が驚いた様な表情を浮かべる。
何だよ、俺が正直な心境を打ち明けるのがそんなに意外なの?
「ま、そんな訳だから……野崎、お前も俺にとってはもう大事な人間の一人だよ」
その言葉を聞いて、真帆は更に驚いた顔をする。
野崎はと言うと……。
「……ぐすっ。い、いいんですか?」
「おま、こんなところで泣くなよ!何で泣くんだ!?」
「だって……ヤり捨てられるんじゃないかと思ってたから……絶対叶わない願いだって思ってたから……」
案外こいつも乙女なんだなと、俺も意外な気持ちだ。
真帆が、俺を睨む。
「何で泣かすのかな……」
「え、これも俺が悪いの?」
「泣いてる女の子見たら、どうするの?」
「どうって……」
とうしろと言うのか。
抱きしめてやったらいいのか?
でも、その言い方だと他の女の子が泣いてても同じ様にしないといけなくならない?
「もう、ほら!」
真帆からどん、と背中を押されて俺が野崎に抱きつく形になった。
これ、逆じゃね?
なんて思っていたら、野崎が応える様に抱き返してきた。
「先輩……責任、取ってくださいね……」
「あ、ああ……」
「空くん、こういうときくらいはっきりしてよね……」
こんなことがあって、俺たちはその日は解散した。
真帆の腹の音がやたら気になったが、こっちを向いたら殺すと脅されて、俺は見て見ぬ振りを余儀なくされたのだった。
あれから早くも一ヶ月が経過した。
野崎からは遠慮もほぼ消えて、俺たちは三人でいることが当たり前になっている。
文化祭はさすがに学内行事なので、時間を決めて二人ずつで回ったりしたのだが、特に俺と野崎が噂されたりということは無かった様だ。
真帆のお母さんが言っていた、うちと結城家の食事会の日程が決まったと真帆から連絡があって、俺もその日を空けることにした。
「空くん、あのね……」
「ああ、わかってる」
翌日、真帆が言おうとしていたことは、俺にもわかった。
野崎のことだろう。
一般的に認められる様な関係ではないことは百も承知だが、俺たちが離れるなんて、もう考えられなかった。
「あいつの力、借りられるなら借りたいところなんだけどな」
「あいつって?」
「呼んだ?」
真帆が不思議そうな顔をした直後、あの問題児が俺たちの前に姿を現した。
そう、俺が力を借りたいと言ったのは、こいつだ。
「ああ、呼んだ。頼みがあるんだ」
神と自称したこいつに、どれだけのことが出来るのかはわからない。
だけど、こいつの力が今の俺たちには必要だ。
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