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大輝編43話~修学旅行二日目~

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二日目。
またもバスで移動する。
夕張市から富良野市へ行く。

バスでクラスごとに移動になり、ラベンダー畑を見に行くとのことだった。
中学の時にとある事情で……と言っても初体験の直前に意識集中するために顔を思い浮かべただけだが、お世話になった黒板くろいたさんのお住まいがあるところでもある。
このラベンダー畑は有名な観光地でもあるので俺たちの学校以外にも一般の観光客もいる。

「ラベンダーなぁ、花なんか興味ねぇよ」
「ラベンダーって食べられるの?」

なんて言う声も出てくる。
俺は花については全然知識がない。
食べれば食べられるかもしれないが、大丈夫かと言われれば自己責任でどうぞ、という感じになる。
俺の中ではラベンダーは、入浴剤のイメージしかなかった。

しかし実際に見るラベンダー畑は綺麗で、黒板さんの家には行けなかったがその節はお世話になりました、と心の中でお礼を言っておいた。
ここでアロマセットみたいなものが置いてあったので三セットくらい買っておいた。

そしてまた、バスに乗って移動。
今度は少し距離がある。
行先は札幌だ。

北海道と言えばやはり札幌、というイメージを持っている人も多かろう。
もちろん、現地の人からしたら何言ってるんだ、となることもあるかもしれないが、本州やそれ以南の人間からしたらそういうイメージが根付いているのかもしれない。

夕張と違って、繁華街からは少し離れているものの、ホテルの周りもコンビニや飲食店がちゃんとある。
夕張の時にはこれがなかったためにやや不評、という生徒が実に多かった。
おそらくは経費の問題だったりと大人の事情がたくさんあるんだろうと思い、俺は何も言わずにいたが。

例によって荷物をホテルに置いて、ロビーに全員で集まる。
平日の午前でもあるので他の客は少ないが、それでもこんなところに百人以上の人間がひしめいていたら邪魔じゃないかな、なんて考えてしまう。

「今日はこれから自由時間とします。集合時間は夕方五時になります。くれぐれも羽目を外しすぎない様に。体調が悪くなったりした場合には、このホテルに戻ってくる様にしてください」

先生の声が聞こえ、自由時間を言い渡された。
二日目で自由時間というのはちょっと珍しい気もするが、ひとまずは与えられた自由時間を楽しもうと思った。

「さ、行こうか大輝」
「やはり現れたな」
「何その言い方……傷つくなぁ」
「昨夜だって、お前のおかげで何でか俺だけ怒られたからな。当然の反応と言えないか?」
「またまた、もうそんなに気にしてないくせに」
「言う通りだけど、本人から言われると腹立つな」

とはいえ睦月を突き放したりなんてできると思えなかったので、仕方なくその手を取ることに。

「私たちのことも忘れてないよね?」

そうでした。
まぁ平和に観光だけして、なんて言うのは俺にとっては遠き理想というやつだ。

「大輝、溜まってるんじゃない?」

そんなことを匂わせる様な会話はなかったはずなんだが、何でいきなりこんな脈絡のない会話になったんだろう。

「ない、とは言わんけど今日は普通に学校にいる様なもんなんだから。そういうのはさすがに……」
「じゃあご飯食べよう。お寿司、奢ってあげちゃう」
「おいおい、四人分もか?随分太っ腹じゃないか」
「もちろん。大輝だけ、なんてさすがに感じ悪すぎるでしょ。その程度余裕なくらい持ってきてるから」
「マジか……でもなぁ……」
「さ、行くよ。二人も着いてきてね」

睦月に引きずられる形で俺は外に連行される。
同じ学校の面々がそれを微笑ましげに見ていた。

連れてこられた寿司屋は、なんと回ってない寿司屋だった。
何だこれ、高いんじゃ……。

「えっと、回転寿司じゃないの?回転寿司でも東京のより断然おいしいって聞いたんだけど」

明日香も同様の心配をしている様だった。

「いいんだって。さ、入ろう」

学生服の四人組が回っていない寿司屋に入っていく。
店内でも何か浮いている気がしないでもない。
カウンターに腰かけている学生服の四人組。

「何にしやしょう!」

気合たっぷりな感じのおっちゃんが俺たちに注文を取りにくる。

「お任せ四人前で。あと……コーラあります?」
「お任せって……おいおい嬢ちゃん、お金大丈夫なのかい?」
「大丈夫。ほら」

睦月が鞄から取り出したのは何と帯のついた一万円の束だった。
こいつ、なんつー額持ち歩いてんだ……。
明日香と桜子も、そしておっちゃんも目を丸くして睦月を見ていた。

「……お金をちゃんと払ってくれるならお客様だな。お任せ四人前!!」

カウンターの奥に叫んで、注文を伝えておっちゃんはコーラを出してくる。

「おい、何でそんな大金……」
「ん?だって修学旅行だよ?普通じゃない?」
「普通じゃねーだろ……俺なんてその十分の一も持ってきてないっての……」
「ええ?それで足りるの?」
「いや、普通に足りるからな?明日香や桜子だって……」
「ごめんなさい、私十分の一は持ってきてるわ」
「は?」
「えっと、私はその半分くらいだけど……」
「…………」

俺、この四人の中で一番所持金少ないの?
何だか少しみじめな気分になった。

「大輝は将来養ってもらう側なんだから、こういうの慣れておいてもらわないとね」
「おい勝手に決めんな。俺は絶対ちゃんと働くからな」

でも出された寿司は、ありがたくいただく。
……おいしい。
素材が瑞々しいとか、そういうグダグダとした解説はいらない。
そう、言葉も必要ない。
すべてが東京で食べるものとは大違いだ。
いや、コーラは同じだったけど。

「大輝、足りた?何か頼んでおく?」
「え、いやでも……」

品書きに時価、とか恐ろしい文言が書いてあるものがほとんどだ。
かっぱ巻きとかだったら、時価じゃないみたいだけど……。

「おじさん、海鮮丼できる?」
「あいよ、一人前でいいかい?」
「あ、おいお前……」
「二人前で。あと小皿も」

この時点で少し満腹感があったものだが、海鮮丼がまた旨そうで胃の中が少し消化された気がする。
小皿で分けて、四人で二人分を平らげると腹具合もちょうどよくなった。

いや、こんなに旨い寿司とかマジで初めてだ。
本当にご馳走になってしまって、良いのだろうか。

「大丈夫、任せて」

先に出ていろと言われたので、後ろ髪引かれる思いはあるものの三人で外に出て待つ。

「美味しかったわね」
「まぁ、美味しかったけど……何か落ち着かなかったよ俺」
「私も。だけど、美味しかった」

みんな思い思いの……だが似通った感想を言う。
睦月が出てきたので、ご馳走様でした、とお礼を述べると睦月は俺の耳に口を寄せた。

「体で払ってもらうから、気にしないで」

やっぱそうなるのね。
何となくわかってはいたよ。
わかってながらホイホイ着いてくるなんて、俺のバカ。
だがこうなってしまっては嫌だなんて俺の性格上言えない。

「わ、わかったよ。けど、見つからない様に配慮だけは……」
「大丈夫。その辺はぬかりないよ」

睦月はその場でタクシーを停める。
乗る様に言われて、全員で乗り込んだ。
睦月が伝えた行先はすすきのだった。

……すすきの?
もしかして、ホテル街があるという……。
何で知ってるんだって?

いや事前に調べておきましたので……。
何だこの集まり、みたいな視線を一瞬おっちゃんがしていた気がするが、気のせいだと思うことにする。
ここまできたらもう色々気にしても仕方ない。

着いてみると、なんてことはない。
東京とそこまで値段設定も変わらない気がする。
ここなら俺でも、と思った。

睦月が先に入って、俺たちが後に続く。
誰かに点けられてやしないだろうか、と後ろを無意味に振り返って、明日香や桜子に変な顔をされた。

部屋に入って、四人で向かい合って座る。

「なぁ、本当に大丈夫なんだろうな。バレたら間違いなく停学……最悪退学だってありえると思うんだけど」
「心配性だなぁ。つけてきてる人もいなかったし、いても私たちだって認識できないから大丈夫だよ」
「どういうこと?」
「他の人たちから見る私たちは、私たちとして認識されない様にしてあるってこと」

用意周到だな。
最初からそのつもりでいたのだろう。
こうなったらもうあがいても仕方ない。
俺は寿司を食べさせてもらったお礼に、食べられてあげることにした。

午後四時くらい。
ひとしきり溜まったものを吐き出した俺たちは、各自制服を着なおす。
そろそろ出ておかないと集合時間に間に合わない。

「最悪ワープって手もあるんだけどね」
「いや、騒ぎになるだろ確実に……」

会計は何とか俺がして、全員でホテルを出る。
さすがに俺にだって見栄はある。
カッコつける様な間柄ではないものの、それでもカッコつけておかないと何となく男が廃る気がした。


「どうやら間に合ったな」
「まだちょっと余裕あるけどね。とりあえず入っとこうか」

観光も何もしないで、欲望の赴くままに遊んでました、なんて先生には言えないが、どうしよう。

「そんなこと、大丈夫だから任せてよ」
「随分と準備がいいんだな」
「もちろん。これも全部予定通りだし」

全部?
今全部って言ったかこいつ。
飛行機で怒られるあたりから、全部予定通りだなんて言うんじゃないだろうな……。

ロビーに戻ると、先生から明日の予定について説明がある。
明日は実質の最終日みたいなもので、動物公園に行くとかなんとか。
その後一旦戻って、ホテルにあるプールなどで遊んでいいとのことだった。

修学旅行ってこんなに緩いものなのか?
ちなみに明日もこのホテルに泊まるらしい。
プールとかついてるんだったら、割とお高いんじゃないだろうか、なんて所帯じみたことを考えてしまう。

夕食は早めではあるが、腹が減る様なことがあればコンビニに買いに出ることもできる。
メニューは何とジンギスカン。
これまた初めて食べるが、思っていたよりも羊の肉は癖がなかった。

クラスのお調子者が調子にのって、俺は男らしく生で食うぜ!とか言いながら、本当に生で羊の肉を食っていた。
さすがに腹壊したりしないだろうか。

食事を堪能して、風呂に入る。
昨日の夕張のホテルと順序が逆なのが少し気になったが、食ってから入る方が汚れも落とせていいかな、なんて思う。

風呂を終えて男子の部屋で雑談をして、いよいよ修学旅行らしくなってきたなと思える。
男子の会話は大体が女のことか下ネタだろうと思うが、ここでもやはりそうなる。
だが、話題の中心はやはり俺のことになってしまい、俺は黙秘権を行使する。

さすがにプライベートな内容はあまり人に話す様なものでもないと思うし、話されていい気分にはならないだろうと、適当にお茶を濁していた。
割と下世話な話も飛び出したりするので、ここで俺が調子に乗って色々話すと後々面倒になる、と思い俺は一言断って部屋の外に出た。

「あ、大輝」

見つからない様に、と思って行動していたのに、いとも簡単に発見されてしまう。
がっかり感が半端ない。
睦月の目を欺いて行動しようということ自体が、無謀と言えば無謀ではあるのだが……。

「お、おお。どうした」
「大輝こそ。今日は男子と盛り上がって、アッー!なことになったりするのかと思ってたのに」
「なるわけねーだろ……てか大体がお前のおかげで、話題の九割は俺のことでな。ちょっと居づらくなって出てきたの」
「あらまぁ。じゃあ私と遊ぼうか」
「へ?」

またも睦月に手を取られ、引きずられる様にして睦月の後をついていく。
何と連れてこられた先は睦月とその班員が泊まる部屋だった。
嫌な予感しかしない。

「あ、宇堂くんだ。椎名さんが連れてきたの?」
「うん、暇そうだったから拉致してきた」
「拉致って、ウケる。本当、仲良いよねぇ」

四人部屋になっているその部屋には、睦月の他に島村友理奈しまむらゆりなという女子に、輪島沙織わじまさおりという女子、轟奈緒とどろきなおという女子がいる。
島村は茶髪でちょっとはっちゃけた感じの女の子。
輪島はおさげが印象的な女の子。
轟は……苗字と違ってひょろっとした……いやスラっとした感じの細い女の子。
いずれもクラスで顔を見たことがある程度で、絡みはほとんどない。

「今色々宇堂くんのこと、聞いてたんだよ」
「は?俺の?」

こいつまた余計なこと言ってるんじゃないか……?
そう思って睦月を見るが、何?という顔で返される。
案外おとなしくしてるんだろうか。

「普段は紳士っぽいかもしれないけど、ベッドの中では野獣だって」

何度裏切られてきてると思ってんだ、俺……。
一気に俺のイメージがぶっ壊されていく……。

「ああ、ああ……それで合ってる……うん……」
「まぁ、基本的に優しい人だよ。突っ込みは色々な意味で激しいけど」
「お前本当、一言余計だな。俺のイメージがどんどんおかしいことになるからやめてくれない?」
「面白いね、二人とも。いいなぁ、こんな気遣いの必要ない関係とか憧れる」
「割とこいつがめちゃくちゃするから、俺は気遣いよりも気疲れの方が大きいことが多いけどな」
「そうなの?椎名さん、普段大人しめじゃない?」
「猫かぶってるってわけでもないけど……でもまぁ、外では比較的おとなしいか」
「そうでしょ?一応これでも男を立てる女なんだよ。ベッドの中でもね」
「だからお前は……」

俺たちの会話を聞いて、ほかの三人がゲラゲラと笑っている。
意外とこういう話嫌いじゃないのだろうか。
割と生々しい話をしている気がするのだが、抵抗はない様だった。
まぁ、そんな話をしてるのは睦月だけで、俺は適当に相槌打ったり突っ込みを入れたりというだけなのだが。

「そういえば、今日は何処回ってきたの?二人は一緒だったんでしょ?」

その話題きたか。
まさかホテルにシケこんで、しかも相手は睦月だけじゃなくて明日香と桜子も一緒にハッスルしてました、なんてことを言えるはずもない。

「ああ、今日はね……」

何と睦月が嘘八百並べ立てて、今日の予定をねつ造しているではないか。
しかもそれが全然違和感なくて、本当にそこへ行ってきたかの様な説明で思わず聞き入ってしまう。

「だよね、大輝?」
「え?ああ、そうだな」

任せて、と言ったのはこういうことなのか……誰一人俺たちのことを疑っていない。
大したものだと思った。

そろそろ先生が巡回にくるはずだから、と俺は女子の部屋をこっそり出て自分の部屋に戻る。
今日は他に誰も呼びにはこなかったので、ゆっくりと眠ることができそうだ。

そんなこんなで二日目が終了する。
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