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本編
大輝編55話~女神の新生活 二日目~
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結論から言おう。
風呂なついては、あいはとりあえず作法を知っていた。
流して湯船に浸かって、頭とか体を洗う、というものを一応流れとしては知っていた。
だが人間界での洗剤を用いての入浴は未経験だった様で、泡立つ洗剤を見て興味津々の様だった。
「頭、洗ってもらっていい?」
「あいあい……」
シャンプーを適量手に取って、少し泡立ててからあいの頭にまぶす。
黒髪で腰辺りまで長い髪なので、丁寧に洗う必要がある様に思えた。
「すごい長い髪だけど、邪魔になったりしないのか?」
なるべくあいの裸身を見ない様にしながら訪ねる。
割と出るところが出ていたりして、女を意識させる体つきだった。
「前髪はたまに縮めたりするけど」
「ちぢ……?切るんじゃなくて?」
「切るんだと痛そうだから」
「いや、痛くはないだろ……」
睦月が以前やっていたのを思い出して、髪を丁寧に洗って、よく流す。
泡が目に入ったのか、ううう、なんて声が聞こえた。
「トリートメントするからな」
「とり……?」
「髪をいたわるって言うのかな、髪を綺麗に見せる薬みたいな感じ」
「へぇ……いい匂いだね」
「そうだな。人間の髪は傷みやすいから、こういうのでコーティングするんだよ」
これまた丁寧に塗りたくって、タオルでまとめて体にかからない様にしておく。
「流さないの?」
「十分くらいしてからな。髪に染み込ませないといけないから」
「なるほど……」
次にボディソープを手に取って、体を洗ってやる。
首から強すぎない様に、しかしちゃんとごしごしと。
「首絞められるのかと思った」
「何でだよ」
「そういうプレイなのかなって」
「残念だが俺にそんな特殊な性癖はないよ。至ってノーマルだ」
「まぁ、首絞められても死なないからいいんだけど」
「いや、それを見てる俺は元人間だからな。死ぬんじゃないかってハラハラしそうで嫌だ」
「大輝、私に攻撃するのすごい躊躇ってたもんね。女に暴力とか反対ってやつ?」
「男が女に暴力振るうなんて、必要性がないだろ?仮に殺されかかってた場合でも、普通の男女だったらある程度はねのけられるんだから」
「まぁ、確かにそうか。でも、殺さなくてよかったかもしれない」
うん、俺も殺されなくてよかったよ。
ただ、こいつの沸点がわからない以上どこで爆発するかわからない。
ある程度慎重に観察しながら接していく方がいいのだろう。
俺も頭と体を洗って二人で少し狭い湯船に浸かる。
あいがもたれかかってくるが、湯の中だからかほとんど重さを感じない。
「人に触ってもらえるのって、いいね」
「ぬくもりを感じるか?」
「そういう感じなのかな。何か楽しい」
「そう思えるなら、一歩前進だな。あいはきっとすぐに人間界に馴染めるんじゃないか?」
「でも、私ずっと一緒がいい」
「独り占めはご法度だからなぁ……今のこの状況だって、割と特殊だし」
「他のメンバー消したら、私独り占めできるかな」
「おいこら物騒なこと言うなよ。仮にそんなことしたら、口利かないからな俺」
「えっ?」
目を見開き、だらだらと汗をかいてあいがうろたえ始める。
ぎゅっと俺の腕を掴む手にも、自然と力が入りつつある様だ。
「い、痛い。どうした?」
「く、口利かないって……」
「あ?ああ、てか痛い。ちゃんと口利くから大丈夫だから。もし仮にそんなことしたら、って話ね。今普通に話してるだろ?」
「ご、ごめんつい力が……」
「いいけどさ……大丈夫だから。俺が捨てたりってのはないよ。安心してていいから。けど、他のメンバーに何かしようとかそういうのはやめてくれ」
「わ、わかった……」
「そんな顔しなくても、ちゃんとお前の日を作るから。失わせたりはしないよ」
言い回しが臭いな、なんて思うけどある程度はっきり言わないとあいの場合通じないんじゃないかと思った。
まだ不慣れなこの環境で、遠回りな言い回しは却って逆効果な気がした。
「大丈夫、ちゃんと大事にするから。でも、みんなももう仲間なんだから、そのうちみんなでいるのも慣れてくれると俺は嬉しいかな」
「……努力する」
「うん、偉いぞ。風呂あがったら、ジュースでも買いに行くか?」
「ジュース?美味しいの?」
「美味しい……ものもあるし、まずいものもあるかな。あいの好みがわからないけど、多分美味しいんじゃないか?」
「甘いのだったらいいな」
「よし、湯あたりする前に出ようか」
先に出てタオルを二枚手に取る。
ある程度拭ってから、腰にタオルを巻いてあいの体を拭いてやる。
「こ、これくらいは自分でできるけど……」
「そうか?なら俺自分のやってていい?」
「早くジュース飲みたいから、効率重視で行こう」
「難しい言葉知ってんな。んじゃ、お言葉に甘えて」
俺も手早く拭いて服を着る。
あいの衣装は全体的に地味目だったので、今日何着か買ってはある。
「んー……寝る前だしな。寝間着でいいか?」
「うん、大輝が選んでくれるなら何でもいい」
「そうか、じゃあこれ……着方わかるか?」
「今大輝がしたみたいにすればいい?」
「そうだ、このタグがある方が後ろだから……」
下着も一応買ってあるが、寝るときは上を着けない人もいるみたいだから、と下だけ履かせることにした。
全体的に細めで身長は俺より少し低いくらいのあいの体は、俺の選んだ寝間着という名目のジャージ生地の短パンとTシャツに包まれた。
「おお、可愛いじゃないか。似合ってる」
「可愛い?私が?」
「そうだよ。髪、どうしようか」
「こうする」
あいは今日初めてズルをしたのではないだろうか。
別に禁止はしてなかったが、敢えて力を使うことはしてこなかった様だった。
湯冷めしても可哀想だし、一瞬で乾かしたのくらいは見て見ぬふりしてもいいかな。
二人でまた外に出て、コンビニへ行くことにした。
「小腹空いたりしてないか?」
「小腹?腹に小さいも大きいもないでしょ?」
「少しだけお腹空いてませんか?ってことね。お前細いからもう少し食ってもいいんじゃないかなって」
「そうかな?細い?なら太くしようか?」
「いや結構です。で、食べるの?」
「うん、さっきチョコ食べたから、少ししょっぱいのがほしい」
しょっぱいの、か。
リアルに小さい子相手ならスナック菓子はダメです、とかなるんだろうけど相手は神だしな。
これも一つの経験だろう。
ということでポテトチップスをいくつかと、おにぎりを二個、コーラを二本買って店を出た。
「あれ、お姉さんノーブラ?夜だからって彼氏にそんなカッコさせられてるの?」
「おお、そそるじゃん。彼氏、その子貸してよ」
何とも下卑た発言だ。
いかにもなあんちゃんたちが、俺たちの正体も知らんと絡んでくる。
酒でも飲んでたのだろうか。
「大輝、この人たち何?」
「しっ。目を合わせるな。行くぞ」
「おいおい、無視とか悲しくなっちゃうじゃーん」
がっと俺の肩を掴む二人組の男。
知り合いにこんなアホなやつはいなかったはずだけど……。
「今は二人の時間なの。割り込んでこないで」
あいがそう言って二人を見ると、二人の姿がたちまち掻き消えた。
「……お前、何したの?」
「中南米辺りに飛んでもらった。コスタリカ?とか言うところ。テレビでやってたの」
「お、お前……」
まぁ、アラスカとかじゃなくてよかったか。
日本のこの時期のこのカッコでアラスカなんかに飛ばされたら凍死しそうだもんな。
無事に帰ってこいよ、あんちゃんたち。
また絡まれても面倒だということで、今度はワープを使って部屋まで戻った。
「これ、何ていう飲み物?」
「コーラって言うんだ。飲んでみろ、面白いから」
ペットボトルのふたを開けてあいに手渡す。
中でシュワシュワ言ってるのが不思議な様で、中で浮き上がる泡を目を輝かせてみている。
「んぐ……ごええっぷ……」
「ぶっ。ど、どうだ、面白いだろ」
盛大にげっぷをするあいを見て、ひと昔前のお笑い芸人を連想してしまった。
「な、なにこれ……口の中でシュワシュワ言ってる」
「炭酸って言うんだ。二酸化炭素だかを水に溶かしてるんだっけな、詳しく知らんけど」
「へぇ……でも美味しい」
「あんま一気に飲むと、さっきみたいにげっぷが出るからな。少しずつ飲んだ方がいいぞ」
飲みながら興味津々におにぎりを見つめていたので、フィルムをはがして渡してやる。
鮭と昆布のを買ったのだが、今回は鮭を譲ってやろう。
「これは?」
「おにぎり。この国の伝統的な料理の一種だな」
「米……だよね、中」
「うん、巻いてあるのは海苔って言ってな。海に生えてる草なんだぞ」
「へぇ……食べていいの?」
「おう、食え食え」
ばりっと音がして、あいがおにぎりにかじりつく。
噛んでいるうちに、顔をしかめてきて、ああ、と思った。
「上顎にくっついたんだろ、海苔」
「うん」
「早速洗礼を受けたか。おにぎり食べると、何回かに一回はそうなるんだよなぁ」
そう言いながら俺も昆布のおにぎりをあけてかぶりつく。
「これ、中に入ってるの何?」
「鮭っていう魚の肉だな。旨いか?」
「うん、美味しい。そっちは何?」
「こっちは、昆布っていうこれまた海の草だ」
「へぇ……大輝、あーん」
「甘えんぼさんだなぁ」
食べたそうだったので、開いた口におにぎりを放り込む。
今度は海苔が張り付いたりということはなかった様だ。
「これも美味しい。人間界って美味しいものいっぱいなんだね」
「そうだろ。これも、なかなか美味しいんだぞ」
ポテトチップスの包みをあけて、手でどうぞ、と促す。
「これも手で食べるの?」
「まぁ、たまに箸で食べてる人もいるけど……基本手だよな」
手本を見せる様に、そのまま手でつかんで食べて見せる。
「わ、美味しそうな音……これは絶対美味しい」
「はは、まぁ食べてみろよ」
コンソメ味とのり塩味をあけて、あいが食べたい方を食べる様に促す。
ばりばりと音を立てながらうんうん言って食べている。
幸せそうに見える。
あけたポテトチップスをすっかりと空にして、コーラを飲んでご満悦のご様子のあいに、歯磨きを教えることにした。
汚れなんかも力で飛ばせるのかもしれないが、覚えておいて損はないだろう。
「このチューブをな、このブラシににゅっとつけて……」
「にゅっと……うわわ、出すぎちゃった」
「はは、まぁ今回は仕方ないさ。次から気を付けような。んで、こうやって……」
シャコシャコと歯を磨いて見せる。
あいも真似をしてやっているが、ちょっと手つきが覚束ない様だ。
「貸してみ。こうだ」
あいの歯ブラシを受け取って、口をあけさせる。
代わりに歯を磨いてやると、何だかあいの顔が蕩けてきている様に見えた。
何かこんなことを、兄弟でやってる作品あったよな。
「ふぁ、ふぁいひ……」
「ああ、ごめんごめん。磨き終わったら、コップの水で……」
口の中をゆすぐのを実際に見せてやる。
コップを渡すと、あいも真似をするがうまくできない様だった。
「こう、口の中でくちゅくちゅって」
「むぐぐぐ……」
顔がふぐみたいになってて何だか笑えてきてしまう。
何度か教えて、ようやくできる様になったら、口の中が少し痛いと言っていた。
力の入りすぎだろうと思うが、これも慣れていけば何とかなるだろう。
「じゃ、寝ようか」
購入したセミダブルのベッドの布団をめくって、奥へ行く様促す。
「大輝」
「どうした?」
「人間の男女は、寝る前に生殖行為をしたりするんじゃないの?」
「あー……する時もあるけど……したいの?」
「さっきの歯磨きの時から、少しこの辺が疼くというか……」
人間は、体の内側を他人に弄られることで快感を覚えることもあるという。
歯磨きなんかも例外ではないと聞いたことは確かにある。
余計なことしちゃったかな。
「そ、そうか……まぁ、みんなともしてるし、するか?」
「いいの……?」
「い、いいとも」
我慢できないと言いたげに、あいは寝間着を脱ぐ。
黙ってその様子を見守っていた俺だったが、あいが手を伸ばして俺の手を掴んだ。
「もう、準備は出来てるから」
あいの手に導かれて触れた場所は、洪水の様になっている。
ならばと、俺も服を脱ぎ捨ててあいの誘いに乗ることにした。
深い沼の中から這い出る様な感覚と共に、翌朝俺は目を覚ました。
最近してなかったというのもあって、昨夜はやや盛り上がりすぎてしまった気がする。
そういえば朝食、どうしよう……。
とりあえず今日は冷蔵庫届くって言ってたから服だけでも着ておこう。
隣で寝息を立てるあいの頭を撫でて、俺はベッドから出た。
顔を洗って冷蔵庫を置く為のスペースを模索して、ここがいい、というのを決めた。
一人暮らしにはややでかいものを買ってしまった気がするが、大は小を兼ねるというし、俺がこっちに来てやれない間の食糧も保存できるだろう。
「あ、大輝……早いね」
「おお、起きたか。早いって言ってももう十時だけどな。もうすぐ冷蔵庫来ると思うから服だけでも着ておいてくれ」
「このままじゃダメ?」
「俺が、あいの体を他の男に見せたくない」
「そっか、なら着ておく」
少し独占欲みたいなものが働いてしまって、浅ましいやつだ、なんて自嘲する。
昨夜も、俺以外の男とこんなことするな、とか色々恥ずかしいことを口走った気がするし。
そんなことを考えていると、玄関のチャイムが鳴って冷蔵庫が届いた様だった。
「じゃあ、ここにサインを……」
俺が手早くサインをして、冷蔵庫を置いてもらう。
これでやっと、食材の買いだめができる。
「これが、冷蔵庫……変な匂いするね」
「新品だからな。中が冷えてくればこの匂いも変わるんじゃないか?まだ時間かかりそうだし、食材の買い出しに行こうか」
「スーパーに行くの?」
「そうだよ。それに、部屋の中に食べるものないからな。時間も時間だし昼飯になるけど、外で食べようか」
二人とも着替えを済ませて、駅前まで出ると日差しがややきつい。
あいは大丈夫だろうか、と思って見てみるとチェーンの牛丼屋の前で足を止めていた。
「どうした?それ、食べてみたいのか?」
「牛丼っていうの?美味しそう」
「手早く食べられるし、それにするか?箸の使い方大丈夫か?」
「大丈夫、昨日覚えたから」
「そうか、なら入ろう」
二人で牛丼屋に入って、ボックス席があったのでそこに腰かける。
昼前ということもあってまだ客はそこまで多くない様だった。
一瞬は並……と思ったがあいは割とよく食べる。
大盛を二つ頼んで、温泉卵と普通の卵も注文した。
「卵?動物の?」
「そうだぞ。鶏って動物の卵だな。こっちで卵って言ったら大抵これだよ」
「へぇ……楽しみ」
やがて二人分の牛丼がテーブルに置かれて、あいはため息を漏らす。
「どうやって食べるの?」
「まぁ落ち着け。まずはこの卵を……」
ぱかっと目の前で割って見せると、あいは面白い、とはしゃいだ。
本当、子どもみたいだ。
「ああ、でもまずは卵かけないで食べてみようか」
「何で?」
「かける前とかけた後で味も食感も変わるからさ。ほら、どうぞ」
「うん、いただきます」
一口、二口、とあいが食べていく。
「……美味しい」
「そうか、ならよかった。じゃあ次これかけてみよう」
溶いた卵の容器をあいに渡して、回しかける様に促す。
おそるおそる牛丼に卵をかけて、再び食べる。
「!!」
「どうだ、旨いか?」
「美味しい……私、これも好きかも」
「そうか、気に入ってもらえて何よりだな」
俺も温泉卵を牛丼にかけて食べ始める。
「ああ、そうだこっちも食べてみるか?生の卵とはまたちょっと違う感じで旨いぞ」
「うんうん!」
あいが甘えて、あーんとしてくるので外では行儀悪いな、なんて思いながらも食べさせてやると、あいは目を輝かせて喜んだ。
「こっちのは温泉卵って言ってな。半熟より少し柔らかいくらいに熱したやつなんだ」
「へぇ……牛丼にしか合わないの?」
「実は、卵は割と万能なんだ。大体何とでも合うぞ」
「じゃあ、あとで卵も買って帰ろう?昨日いっぱい売ってたよね?」
「ああ、あったな。冷蔵庫あるし、大体のものは買ってって大丈夫だろうから」
食事を済ませて、牛丼屋を出てスーパーに向かう。
昨日は作らなかったが、みそ汁もあいは気に入った様だ。
「ねぇ、あれ……」
「ん?」
あいが足を止めて指さした方向を見る。
そこには小さな女の子……五歳くらいか?
親とはぐれてしまったのか、泣きじゃくっているのが見えた。
「あい、あの子を助けてあげようか」
「助ける?」
「そうだ。親とはぐれちゃったみたいだからな。親を探してあげるんだ」
「わかった、ちょっと話しかけてくるね」
意気揚々とその女の子の元へとあいが歩いていく。
これからあいが、この子にどういう対応をするのか、少し楽しみだ。
何か問題がありそうなら俺が割り込めばいい。
人助けとあいが俺の中では結びつかないが、これはあいの成長の助けになるかもしれない。
次回に続きます。
風呂なついては、あいはとりあえず作法を知っていた。
流して湯船に浸かって、頭とか体を洗う、というものを一応流れとしては知っていた。
だが人間界での洗剤を用いての入浴は未経験だった様で、泡立つ洗剤を見て興味津々の様だった。
「頭、洗ってもらっていい?」
「あいあい……」
シャンプーを適量手に取って、少し泡立ててからあいの頭にまぶす。
黒髪で腰辺りまで長い髪なので、丁寧に洗う必要がある様に思えた。
「すごい長い髪だけど、邪魔になったりしないのか?」
なるべくあいの裸身を見ない様にしながら訪ねる。
割と出るところが出ていたりして、女を意識させる体つきだった。
「前髪はたまに縮めたりするけど」
「ちぢ……?切るんじゃなくて?」
「切るんだと痛そうだから」
「いや、痛くはないだろ……」
睦月が以前やっていたのを思い出して、髪を丁寧に洗って、よく流す。
泡が目に入ったのか、ううう、なんて声が聞こえた。
「トリートメントするからな」
「とり……?」
「髪をいたわるって言うのかな、髪を綺麗に見せる薬みたいな感じ」
「へぇ……いい匂いだね」
「そうだな。人間の髪は傷みやすいから、こういうのでコーティングするんだよ」
これまた丁寧に塗りたくって、タオルでまとめて体にかからない様にしておく。
「流さないの?」
「十分くらいしてからな。髪に染み込ませないといけないから」
「なるほど……」
次にボディソープを手に取って、体を洗ってやる。
首から強すぎない様に、しかしちゃんとごしごしと。
「首絞められるのかと思った」
「何でだよ」
「そういうプレイなのかなって」
「残念だが俺にそんな特殊な性癖はないよ。至ってノーマルだ」
「まぁ、首絞められても死なないからいいんだけど」
「いや、それを見てる俺は元人間だからな。死ぬんじゃないかってハラハラしそうで嫌だ」
「大輝、私に攻撃するのすごい躊躇ってたもんね。女に暴力とか反対ってやつ?」
「男が女に暴力振るうなんて、必要性がないだろ?仮に殺されかかってた場合でも、普通の男女だったらある程度はねのけられるんだから」
「まぁ、確かにそうか。でも、殺さなくてよかったかもしれない」
うん、俺も殺されなくてよかったよ。
ただ、こいつの沸点がわからない以上どこで爆発するかわからない。
ある程度慎重に観察しながら接していく方がいいのだろう。
俺も頭と体を洗って二人で少し狭い湯船に浸かる。
あいがもたれかかってくるが、湯の中だからかほとんど重さを感じない。
「人に触ってもらえるのって、いいね」
「ぬくもりを感じるか?」
「そういう感じなのかな。何か楽しい」
「そう思えるなら、一歩前進だな。あいはきっとすぐに人間界に馴染めるんじゃないか?」
「でも、私ずっと一緒がいい」
「独り占めはご法度だからなぁ……今のこの状況だって、割と特殊だし」
「他のメンバー消したら、私独り占めできるかな」
「おいこら物騒なこと言うなよ。仮にそんなことしたら、口利かないからな俺」
「えっ?」
目を見開き、だらだらと汗をかいてあいがうろたえ始める。
ぎゅっと俺の腕を掴む手にも、自然と力が入りつつある様だ。
「い、痛い。どうした?」
「く、口利かないって……」
「あ?ああ、てか痛い。ちゃんと口利くから大丈夫だから。もし仮にそんなことしたら、って話ね。今普通に話してるだろ?」
「ご、ごめんつい力が……」
「いいけどさ……大丈夫だから。俺が捨てたりってのはないよ。安心してていいから。けど、他のメンバーに何かしようとかそういうのはやめてくれ」
「わ、わかった……」
「そんな顔しなくても、ちゃんとお前の日を作るから。失わせたりはしないよ」
言い回しが臭いな、なんて思うけどある程度はっきり言わないとあいの場合通じないんじゃないかと思った。
まだ不慣れなこの環境で、遠回りな言い回しは却って逆効果な気がした。
「大丈夫、ちゃんと大事にするから。でも、みんなももう仲間なんだから、そのうちみんなでいるのも慣れてくれると俺は嬉しいかな」
「……努力する」
「うん、偉いぞ。風呂あがったら、ジュースでも買いに行くか?」
「ジュース?美味しいの?」
「美味しい……ものもあるし、まずいものもあるかな。あいの好みがわからないけど、多分美味しいんじゃないか?」
「甘いのだったらいいな」
「よし、湯あたりする前に出ようか」
先に出てタオルを二枚手に取る。
ある程度拭ってから、腰にタオルを巻いてあいの体を拭いてやる。
「こ、これくらいは自分でできるけど……」
「そうか?なら俺自分のやってていい?」
「早くジュース飲みたいから、効率重視で行こう」
「難しい言葉知ってんな。んじゃ、お言葉に甘えて」
俺も手早く拭いて服を着る。
あいの衣装は全体的に地味目だったので、今日何着か買ってはある。
「んー……寝る前だしな。寝間着でいいか?」
「うん、大輝が選んでくれるなら何でもいい」
「そうか、じゃあこれ……着方わかるか?」
「今大輝がしたみたいにすればいい?」
「そうだ、このタグがある方が後ろだから……」
下着も一応買ってあるが、寝るときは上を着けない人もいるみたいだから、と下だけ履かせることにした。
全体的に細めで身長は俺より少し低いくらいのあいの体は、俺の選んだ寝間着という名目のジャージ生地の短パンとTシャツに包まれた。
「おお、可愛いじゃないか。似合ってる」
「可愛い?私が?」
「そうだよ。髪、どうしようか」
「こうする」
あいは今日初めてズルをしたのではないだろうか。
別に禁止はしてなかったが、敢えて力を使うことはしてこなかった様だった。
湯冷めしても可哀想だし、一瞬で乾かしたのくらいは見て見ぬふりしてもいいかな。
二人でまた外に出て、コンビニへ行くことにした。
「小腹空いたりしてないか?」
「小腹?腹に小さいも大きいもないでしょ?」
「少しだけお腹空いてませんか?ってことね。お前細いからもう少し食ってもいいんじゃないかなって」
「そうかな?細い?なら太くしようか?」
「いや結構です。で、食べるの?」
「うん、さっきチョコ食べたから、少ししょっぱいのがほしい」
しょっぱいの、か。
リアルに小さい子相手ならスナック菓子はダメです、とかなるんだろうけど相手は神だしな。
これも一つの経験だろう。
ということでポテトチップスをいくつかと、おにぎりを二個、コーラを二本買って店を出た。
「あれ、お姉さんノーブラ?夜だからって彼氏にそんなカッコさせられてるの?」
「おお、そそるじゃん。彼氏、その子貸してよ」
何とも下卑た発言だ。
いかにもなあんちゃんたちが、俺たちの正体も知らんと絡んでくる。
酒でも飲んでたのだろうか。
「大輝、この人たち何?」
「しっ。目を合わせるな。行くぞ」
「おいおい、無視とか悲しくなっちゃうじゃーん」
がっと俺の肩を掴む二人組の男。
知り合いにこんなアホなやつはいなかったはずだけど……。
「今は二人の時間なの。割り込んでこないで」
あいがそう言って二人を見ると、二人の姿がたちまち掻き消えた。
「……お前、何したの?」
「中南米辺りに飛んでもらった。コスタリカ?とか言うところ。テレビでやってたの」
「お、お前……」
まぁ、アラスカとかじゃなくてよかったか。
日本のこの時期のこのカッコでアラスカなんかに飛ばされたら凍死しそうだもんな。
無事に帰ってこいよ、あんちゃんたち。
また絡まれても面倒だということで、今度はワープを使って部屋まで戻った。
「これ、何ていう飲み物?」
「コーラって言うんだ。飲んでみろ、面白いから」
ペットボトルのふたを開けてあいに手渡す。
中でシュワシュワ言ってるのが不思議な様で、中で浮き上がる泡を目を輝かせてみている。
「んぐ……ごええっぷ……」
「ぶっ。ど、どうだ、面白いだろ」
盛大にげっぷをするあいを見て、ひと昔前のお笑い芸人を連想してしまった。
「な、なにこれ……口の中でシュワシュワ言ってる」
「炭酸って言うんだ。二酸化炭素だかを水に溶かしてるんだっけな、詳しく知らんけど」
「へぇ……でも美味しい」
「あんま一気に飲むと、さっきみたいにげっぷが出るからな。少しずつ飲んだ方がいいぞ」
飲みながら興味津々におにぎりを見つめていたので、フィルムをはがして渡してやる。
鮭と昆布のを買ったのだが、今回は鮭を譲ってやろう。
「これは?」
「おにぎり。この国の伝統的な料理の一種だな」
「米……だよね、中」
「うん、巻いてあるのは海苔って言ってな。海に生えてる草なんだぞ」
「へぇ……食べていいの?」
「おう、食え食え」
ばりっと音がして、あいがおにぎりにかじりつく。
噛んでいるうちに、顔をしかめてきて、ああ、と思った。
「上顎にくっついたんだろ、海苔」
「うん」
「早速洗礼を受けたか。おにぎり食べると、何回かに一回はそうなるんだよなぁ」
そう言いながら俺も昆布のおにぎりをあけてかぶりつく。
「これ、中に入ってるの何?」
「鮭っていう魚の肉だな。旨いか?」
「うん、美味しい。そっちは何?」
「こっちは、昆布っていうこれまた海の草だ」
「へぇ……大輝、あーん」
「甘えんぼさんだなぁ」
食べたそうだったので、開いた口におにぎりを放り込む。
今度は海苔が張り付いたりということはなかった様だ。
「これも美味しい。人間界って美味しいものいっぱいなんだね」
「そうだろ。これも、なかなか美味しいんだぞ」
ポテトチップスの包みをあけて、手でどうぞ、と促す。
「これも手で食べるの?」
「まぁ、たまに箸で食べてる人もいるけど……基本手だよな」
手本を見せる様に、そのまま手でつかんで食べて見せる。
「わ、美味しそうな音……これは絶対美味しい」
「はは、まぁ食べてみろよ」
コンソメ味とのり塩味をあけて、あいが食べたい方を食べる様に促す。
ばりばりと音を立てながらうんうん言って食べている。
幸せそうに見える。
あけたポテトチップスをすっかりと空にして、コーラを飲んでご満悦のご様子のあいに、歯磨きを教えることにした。
汚れなんかも力で飛ばせるのかもしれないが、覚えておいて損はないだろう。
「このチューブをな、このブラシににゅっとつけて……」
「にゅっと……うわわ、出すぎちゃった」
「はは、まぁ今回は仕方ないさ。次から気を付けような。んで、こうやって……」
シャコシャコと歯を磨いて見せる。
あいも真似をしてやっているが、ちょっと手つきが覚束ない様だ。
「貸してみ。こうだ」
あいの歯ブラシを受け取って、口をあけさせる。
代わりに歯を磨いてやると、何だかあいの顔が蕩けてきている様に見えた。
何かこんなことを、兄弟でやってる作品あったよな。
「ふぁ、ふぁいひ……」
「ああ、ごめんごめん。磨き終わったら、コップの水で……」
口の中をゆすぐのを実際に見せてやる。
コップを渡すと、あいも真似をするがうまくできない様だった。
「こう、口の中でくちゅくちゅって」
「むぐぐぐ……」
顔がふぐみたいになってて何だか笑えてきてしまう。
何度か教えて、ようやくできる様になったら、口の中が少し痛いと言っていた。
力の入りすぎだろうと思うが、これも慣れていけば何とかなるだろう。
「じゃ、寝ようか」
購入したセミダブルのベッドの布団をめくって、奥へ行く様促す。
「大輝」
「どうした?」
「人間の男女は、寝る前に生殖行為をしたりするんじゃないの?」
「あー……する時もあるけど……したいの?」
「さっきの歯磨きの時から、少しこの辺が疼くというか……」
人間は、体の内側を他人に弄られることで快感を覚えることもあるという。
歯磨きなんかも例外ではないと聞いたことは確かにある。
余計なことしちゃったかな。
「そ、そうか……まぁ、みんなともしてるし、するか?」
「いいの……?」
「い、いいとも」
我慢できないと言いたげに、あいは寝間着を脱ぐ。
黙ってその様子を見守っていた俺だったが、あいが手を伸ばして俺の手を掴んだ。
「もう、準備は出来てるから」
あいの手に導かれて触れた場所は、洪水の様になっている。
ならばと、俺も服を脱ぎ捨ててあいの誘いに乗ることにした。
深い沼の中から這い出る様な感覚と共に、翌朝俺は目を覚ました。
最近してなかったというのもあって、昨夜はやや盛り上がりすぎてしまった気がする。
そういえば朝食、どうしよう……。
とりあえず今日は冷蔵庫届くって言ってたから服だけでも着ておこう。
隣で寝息を立てるあいの頭を撫でて、俺はベッドから出た。
顔を洗って冷蔵庫を置く為のスペースを模索して、ここがいい、というのを決めた。
一人暮らしにはややでかいものを買ってしまった気がするが、大は小を兼ねるというし、俺がこっちに来てやれない間の食糧も保存できるだろう。
「あ、大輝……早いね」
「おお、起きたか。早いって言ってももう十時だけどな。もうすぐ冷蔵庫来ると思うから服だけでも着ておいてくれ」
「このままじゃダメ?」
「俺が、あいの体を他の男に見せたくない」
「そっか、なら着ておく」
少し独占欲みたいなものが働いてしまって、浅ましいやつだ、なんて自嘲する。
昨夜も、俺以外の男とこんなことするな、とか色々恥ずかしいことを口走った気がするし。
そんなことを考えていると、玄関のチャイムが鳴って冷蔵庫が届いた様だった。
「じゃあ、ここにサインを……」
俺が手早くサインをして、冷蔵庫を置いてもらう。
これでやっと、食材の買いだめができる。
「これが、冷蔵庫……変な匂いするね」
「新品だからな。中が冷えてくればこの匂いも変わるんじゃないか?まだ時間かかりそうだし、食材の買い出しに行こうか」
「スーパーに行くの?」
「そうだよ。それに、部屋の中に食べるものないからな。時間も時間だし昼飯になるけど、外で食べようか」
二人とも着替えを済ませて、駅前まで出ると日差しがややきつい。
あいは大丈夫だろうか、と思って見てみるとチェーンの牛丼屋の前で足を止めていた。
「どうした?それ、食べてみたいのか?」
「牛丼っていうの?美味しそう」
「手早く食べられるし、それにするか?箸の使い方大丈夫か?」
「大丈夫、昨日覚えたから」
「そうか、なら入ろう」
二人で牛丼屋に入って、ボックス席があったのでそこに腰かける。
昼前ということもあってまだ客はそこまで多くない様だった。
一瞬は並……と思ったがあいは割とよく食べる。
大盛を二つ頼んで、温泉卵と普通の卵も注文した。
「卵?動物の?」
「そうだぞ。鶏って動物の卵だな。こっちで卵って言ったら大抵これだよ」
「へぇ……楽しみ」
やがて二人分の牛丼がテーブルに置かれて、あいはため息を漏らす。
「どうやって食べるの?」
「まぁ落ち着け。まずはこの卵を……」
ぱかっと目の前で割って見せると、あいは面白い、とはしゃいだ。
本当、子どもみたいだ。
「ああ、でもまずは卵かけないで食べてみようか」
「何で?」
「かける前とかけた後で味も食感も変わるからさ。ほら、どうぞ」
「うん、いただきます」
一口、二口、とあいが食べていく。
「……美味しい」
「そうか、ならよかった。じゃあ次これかけてみよう」
溶いた卵の容器をあいに渡して、回しかける様に促す。
おそるおそる牛丼に卵をかけて、再び食べる。
「!!」
「どうだ、旨いか?」
「美味しい……私、これも好きかも」
「そうか、気に入ってもらえて何よりだな」
俺も温泉卵を牛丼にかけて食べ始める。
「ああ、そうだこっちも食べてみるか?生の卵とはまたちょっと違う感じで旨いぞ」
「うんうん!」
あいが甘えて、あーんとしてくるので外では行儀悪いな、なんて思いながらも食べさせてやると、あいは目を輝かせて喜んだ。
「こっちのは温泉卵って言ってな。半熟より少し柔らかいくらいに熱したやつなんだ」
「へぇ……牛丼にしか合わないの?」
「実は、卵は割と万能なんだ。大体何とでも合うぞ」
「じゃあ、あとで卵も買って帰ろう?昨日いっぱい売ってたよね?」
「ああ、あったな。冷蔵庫あるし、大体のものは買ってって大丈夫だろうから」
食事を済ませて、牛丼屋を出てスーパーに向かう。
昨日は作らなかったが、みそ汁もあいは気に入った様だ。
「ねぇ、あれ……」
「ん?」
あいが足を止めて指さした方向を見る。
そこには小さな女の子……五歳くらいか?
親とはぐれてしまったのか、泣きじゃくっているのが見えた。
「あい、あの子を助けてあげようか」
「助ける?」
「そうだ。親とはぐれちゃったみたいだからな。親を探してあげるんだ」
「わかった、ちょっと話しかけてくるね」
意気揚々とその女の子の元へとあいが歩いていく。
これからあいが、この子にどういう対応をするのか、少し楽しみだ。
何か問題がありそうなら俺が割り込めばいい。
人助けとあいが俺の中では結びつかないが、これはあいの成長の助けになるかもしれない。
次回に続きます。
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