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須尚正
しおりを挟むREIZのセカンドアルバムはデビューアルバムを超える大ヒットになった。
200万枚を超えたのだ。
その上、全国6か所のドーム球場ライヴが発売即ソールドアウトになった。
それにメディアが拍車をかけた。
音楽誌や芸能誌だけでなく、スポーツ紙や一般紙、そして、各種雑誌でも大きく取り上げられた。
一種の社会現象となっていた。
そういう状況だから、関係者だけでなくすべての社員のテンションが上がっていた。
今まで経験したことがないような興奮状態が社内を包み込んでいた。
そんな時、突然社長に呼ばれた。
内示だった。
「君を役員に推薦しようと思う。受けてくれるかな」
にこやかな表情で見つめられた。
「役員……」
思いがけない言葉に、喜びよりも戸惑いが勝った。
「君がイヤと言っても推薦するがね」
大きな声で肩を揺するようにして笑った。
「ところで、REIZのことだが」
悪戯小僧のような表情から社長の顔に戻った。
「サードアルバムは全曲英語でやってもらいたい」
えっ?
全曲英語?
突然のことに慌ててしまったが、話はそれで終わらなかった。
「アメリカで勝負させたい。そして、世界へ羽ばたかせたい。これは社運を賭けての挑戦になる。よろしく頼む」
社長の右手が伸びてきて、分厚い手で右手をがっしりと掴まれた。
しかし、話が急展開し過ぎてすぐに声を発することができなかった。
役員というだけでも強烈なのに、世界という言葉、更に、社運という言葉に度肝を抜かれていた。
それでもなんとか「承知いたしました」という言葉を絞り出したが、その意味の重さに押しつぶされそうになった。
*
翌月の取締役会で承認され、株主総会を経て、正式に取締役に就任した。
そして、企画部を担当することになった。
轟は代表取締役副社長に就任した。
それと同時に、古参の役員たちが退任した。
将来の轟体制への布石が打たれたのだ。
それは、激動する時代を生き抜くための布石でもあった。
2010年のCD売上は5年前の6割の水準に落ち込んでいた。
音楽DVDとネット配信は伸びていたが、CDの落ち込みを補うには力不足だった。
「人口減少が加速する国内市場にとどまっていては遠からず死の宣告を受けるようになるわ」
新聞に掲載された〈総人口の長期的推移〉のグラフを見ながら、轟は大きなため息をついた。
日本の人口は2004年の1億2,700万人強をピークに、2050年には9,500万人まで減少する可能性が示されていた。
そして、2100年には5,000万人を割り込むという信じられない予測も付加されていた。
「終戦の時でも7,000万人いたのに……。政府は何をやっているのかしら」
新聞は歴代内閣の無策を厳しく指摘していた。
人口減少が国力減退につながることを何もわかっていないと。
表向きの対策ばかりで実質を伴った出生数増加策が打てていないと。
遅まきながら、2007年に内閣府特命担当大臣として少子化対策担当というポストが設けられたが、毎年コロコロと大臣が変わり、ただ引継ぎが繰り返されているだけの状態が続いていた。
国民は呆れるばかりだった。
「悲しいけど、日本の将来を真剣に考えている政治家や役人はほとんどいないのよ。女性が子供を産み育てることの大変さを本当にわかっている人がいないの。男性主導型社会の限界ね。女性が主導する新しい時代が来ない限り、日本は滅亡するかもしれないわ」
轟は、息と共に体の中から苛立ちを押し出すようにして、未来へ目を向けた。
「国を当てにはできない。国がなんとかしてくれると思ってはいけない。わたしたちは自らの力で生き残っていくしかないわ。人口減少で日本市場が縮小していくのだから、日本にとどまっているわけにはいかないのよ。社長が言う通り、REIZの世界進出成功無くして我が社の将来はないと思うの。だからなんとしてでも成功させなければならないの」
強い決意を目に漲らせていた。
「準備を進めています。幸い、令はアメリカ育ちで英語は完全にネイティヴです。麗華も大学ではすべての授業を英語で受けていただけあって、英語で作詞することになんの違和感もないようです。というより、英語の方がメロディーを乗せやすいとも言っています」
伝え終わるや否や、轟は顔を綻ばせた。
「頼もしいわ。須尚さん、よろしく頼むわね」
*
その2週間後、REIZを連れてアメリカに渡った。
サードアルバムの録音のためだ。
と同時に、キーボーの卒業祝いをするためでもあった。
*
「卒業、おめでとう」
キーボーに向かってシャンパングラスを高く掲げた。
タッキーとベスもシャンパングラスを、そして、麗華と令がジンジャーエールの入ったグラスを掲げた。
「ありがとう」
ホッとしたような表情でキーボーがグラスを合わせた。
しかし、目は落ち込み、頬は削げ落ち、骨と皮だけの顔になっていた。
「ガイコツみたいだろ」
自嘲気味に呟いた。
誰も笑えなかった。
彼の顔の変化は、クイーン・クリムゾン再結成アルバムに賭けるバンドメンバーの妥協なき要求と、それに応える完璧な仕事を物語っていた。
1年以上もスタジオに閉じこもって妥協を許さない仕事をし続けていたのだ。
どれほど過酷だったか。
「これからどうするんだ?」
「……まだ……、何も決めていない」
ガイコツのような顔で呟いた。
すると令が労わるように「ゆっくり、のんびりすればいいよ」と優しく声をかけた。
キーボーは微かに笑みを浮かべて応えた。
「とにかく、音楽から離れる」
その言葉には、開放感以上の寂しさが含まれているような気がした。
「実はな」
最上から聞いた話を伝えた。
彼は難聴治療薬NMEの第一相臨床試験をアメリカで計画していた。
チンパンジーでの動物実験はマウスやラットと同じ結果となり、有効性と安全性が確認されたのだ。
その上、ニタス博士のグループによってNMEの作用機序が完全に解明された。
基本骨格の中に毛の再生を促す作用を持つ構造部位と再生を初期の段階で止める作用を持つ構造部位の2つの部位があるのを突き止めたのだ。
これで、有毛細胞の毛が再生後太くなりすぎて〈聞こえすぎによるショック死〉に陥る心配がないことを完全に証明できたことになる。
これらの結果を受けて、被験者となる少数の健常人の募集を始める準備が始まっており、最上は、その被験者の一人としてキーボーを考えていると言った。
「チンパンジーでの実験結果を人に当てはめてみると、有毛細胞の毛の再生は2年後になる可能性が高い。だからこの薬の治験は長期に渡る可能性があるが、参加を検討してもらえないだろうか」
一般的な第一相臨床試験は少数の健常人に対して主に安全性を確認する。
同時に、吸収、排泄などの薬剤代謝などを調べるが、キーボーが試験の募集に応募し、同意書にサインすれば、彼を第一相臨床試験から参加させることが可能であるとのことだった。
それを聞いて、キーボーをなんとしても参加させなければならないと思った。
何故なら、キーボーの難聴はかなり進行していたからだ。
聞き取れないことが多々あり、耳に手をかざす仕草を何度も繰り返していた。
「これが公表された試験計画書と同意書だ」
キーボーに書類を渡すと、ある個所を読んでいる時に顔が曇った。
「試験中はアルコールの摂取禁止……」
そこで、目が止まったままになった。
「丁度いいじゃないか。難聴とアルコール依存の同時治療ができて」
彼はすぐさま言い返した。
「俺はアルコール依存じゃない!」
それを聞いた令が、それ本当? というような表情を浮かべて父親の顔を覗き込んだ。
「アルコール依存者は自分のことをアルコール依存じゃないと言い張るらしいよ」
すると、余計なことを言うな、というように睨みつけたキーボーだったが、「音楽から離れて、アルコールから離れてか……、それもいいかもな」と寂しそうに笑った。
その反応を見て、すかさずもう一つのことを告げた。
それはニタス博士による驚くべき提案だった。
「環境をガラッと変えてみないか?」
*
キーボーに会う前、最上の誘いを受けてニタス博士と食事を共にした。
その時、アメリカ製薬の〈ある取り組み〉についての説明を聞いた。
「わたしたち製薬会社は新薬の有効性、安全性を確かめるために多くの動物に助けてもらっています。しかし、それは犠牲を強いていることでもあるのです。動物実験が必要不可欠とはいえ、痛ましいことに違いはありません。ですので、前臨床試験で命を落とした動物たちの霊を慰めるために敷地内に動物慰霊碑を建立しています。そして、毎年慰霊祭を執り行っているのです。更に」
会社を上げて動物保護活動に力を入れていることを力説した。
「毎年1,000万ドル以上の寄付を行っています。寄付だけでなく、社員がボランティアとして活動することを奨励しています。世界各国の動物保護団体と協力して絶滅の危機に瀕している動物たちの保護に取り組んでいるのです」
その言葉には、NME開発に貢献してくれたマウスやラット、チンパンジーに対する感謝の思いが溢れていた。
しかし、それだけではなかった。
博士は優しさに満ちた表情になって言葉を継いだ。
「須尚さんのご友人の難聴は耳への過度な負荷によるものだと思います。先ずは耳を休ませてあげることが重要ではないでしょうか」
その通りだと思ったので即座に頷いた。
博士も頷き返したが、唐突に「わたしたちの活動の一つとして、アメリカ東海岸でのプラスチックごみ収集活動があります」と、プラスチックごみが与える海洋への影響を説明し始めた。
「人間が捨てたプラスチックごみは小さく分解され、マイクロプラスチックとなり、海を回遊しています。その数は膨大で、推測不可能な規模になっています。そして、それを食べた魚や海獣が命を落とすだけでなく、人間の体を蝕もうとしています。マイクロプラスチックを食べた魚や海獣を人間が食べ、体内にマイクロプラスチックを取り込んでいるのです。今後どのような影響がでてくるのか、大きな懸念が示されています。そこで、わたしたちはプラスチックごみを出さない活動をするだけでなく、海岸に打ち上げられたプラスチックごみを回収する活動をしているのです」
その活動記録を指し示しながら、博士は言葉を継いだ。
「須尚さんのご友人を誘っていただけないでしょうか。海岸線を歩きながら、プラスチックごみを拾っていただけないでしょうか」
しかし、言っていることがよくわからなかった。
提案の意味がよく飲み込めなかった。
難聴とプラスチックごみ拾いとの関係がよくわからなかった。
だから首を傾げざるを得なかったが、彼はニッコリと笑って優しく問いかけた。
「海岸に寄せては返す波の音を聞きながらプラスチックごみの回収をする作業は耳と心に優しいはずです。自然と交わること、そして世の中の役に立つ活動をするということは大きな満足感を得ることになります。それは、耳を休め心を休めることに繋がるのです。録音スタジオという狭い世界から解き放たれて、海という大自然に包まれた生活をすることの意味は大きいと思います。いかがですか?」
思いやりに満ちた目でじっと見つめられた。
*
「どうかな?」
キーボーの顔を覗き込むと、柔和な表情に変わった。
彼は海でプラスチックごみを拾っている自らの姿を思い浮かべているようだった。
「サードアルバムの録音が済んだら、俺も一緒に手伝うよ」
令が父親の肩に手を置いた。
「そうだな、それもいいかもな」
キーボーは満更でもなさそうに笑った。
*
翌日からREIZのサードアルバムの録音が始まった。
キーボーのいない録音スタジオで令が奮闘していた。
歌と演奏に加えて、プロデュースと録音エンジニアリングを一手に引き受けていたのだ。
「さすが、キーボーの息子だな」
タッキーとベスが感心していた。
もちろん、キーボーとの経験の差は歴然だったが、そのセンスは勝るとも劣らないと言っても過言ではなかった。
「見様見真似です」
令は照れていたが、超一流の素質を存分に発揮していた。
*
「満足のいくまで思う存分にやれ」という社長の全面的な後押しに支えられて、REIZはなんの気兼ねもなくアメリカでの録音作業に没頭できた。
だから、妥協することなく細部にまで気を配った緻密な作業を進めることができた。
そして、半年という異例の録音期間を経て、全曲英語のサードアルバムが完成した。
本より先にアメリカで発売することになった。
発売元はエレガントミュージックUSA。
エレガントミュージック社のアメリカ現地法人を設立したのだ。
辞令を受け取った時、少なからず驚いた。
代表取締役社長という肩書が与えられたからだ。
まさか社長と呼ばれる立場になるとは思わなかったので、喜びよりも驚きの方が大きかった。
しかし、それは日が経つに連れて重圧に変わった。
社運をかけた挑戦の重さに押しつぶされそうになった。
それでも本社の社長も轟も全面的にバックアップすると言ってくれたし、企画部担当を外れることになったので、覚悟を決めて背水の陣を敷いた。
アメリカに家を借りて妻を呼び寄せたのだ。
そして、失敗したら責任を取って辞表を提出する覚悟だと伝えた。
人生を賭けた大一番が始まろうとしていた。
*
社員が少ないので、社長兼企画部長兼なんでも課長としてフル回転で仕事に臨んだ。
アメリカの市場を熟知している現地のプロモーターや広告代理店と何度も打ち合わせをして、発売日とプロモーションを固めていった。
そんな時、思いもかけない、そして、信じられない幸運が舞い込んできた。
それは、キーボーからのビッグなプレゼントだった。
*
「あいつらが卒業祝いをしてくれるって言うんで、REIZのことを頼んだらさ」
くくくっと笑った。
「あっさり、OKだって」
また、くくくっと笑った。
しかし、なんのことかさっぱりわからなかった。
何がOKだって?
それに、あいつらって誰?
首を傾げるしかなかったが、キーボーはそんなことにお構いなく平然と言葉を継いだ。
「発売日が決まったら教えてくれって。すぐに飛んでいくからだって」
と言われても、なんのことかまったくわからなかった。
口を尖らしていると、彼はまたも平然と言ってのけた。
「発売日にジョイントコンサートをしてくれるってさ、ビートローリングスとクイーン・クリムゾンが」
はっ?
えっ?
何?
それって……、
ほとんど気絶しそうになった。
「彼らが前座をするってさ」
その瞬間、目の前からキーボーの顔が消えた。
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