29 / 43
対乙女ゲーム令嬢 案件
令嬢第四事例 報告8
しおりを挟む
ダリアの嫌がらせイベントを回避することに成功した私達だが、まだ文化祭中の主要イベント自体は回避できていない。
今回の文化祭イベントは今後の進展に大きく影響することになるのを私達は把握していた。
それ故に、今までのイベントの中では本腰を入れて取り組む必要がある。
当のイベントの内容はというと、この文化祭中で一番攻略ポイントが高くなった人物が、文化祭の後夜祭に登場するというものらしい。
しかもこのイベントは特典があり、今後後夜祭に出た人物は攻略し易いよう、ストーリーの中で登場回数が増える仕組みとなっているらしいのだ。
元々エドウィンくらいしか攻略している人物はいないので、これ以上登場回数が増えると完全攻略一直線である。今後今以上に接触されるのは危険であるため、後夜祭イベントは何としても回避する必要があるのだ。
私達は文化祭最中のエドウィンの監視を一層強化した。
文化祭中のエドウィンの小さなイベントは同じクラス企画の中で、共に行動することで行われることが多いそうだ。ダリアと共に教室で待機する。
すると、ダリアが私に声を掛けた。
「エミリーさん、見てください。あそこでエドウィン様がリゼットに射的の方法を教えていますよ」
「……え、もう接触をしているのですか?」
二人が接触させないように、対策を練ろうとした矢先、すでに会話が始まってしまっていた。しまった、一つ小さなイベントの開始に出遅れた。
2人の話し声が聞こえる。
「貸してごらん。こう構えると上手く打つことができるんだ」
「さすがエドウィン様!」
上手く打てないと、しょんぼりとしているリゼットに、エドウィンが優しく指導しているようだ。リゼットに褒められて満更でもないエドウィンは、調子に乗ってこんなことを言い出す。
「まぁ、僕に射止められないものはないんだけどね。例えば、君の心とかっ……」
リゼットに向けてウインクをした。
うーーーーーわ。
素であれを言い放つエドウィンに私は思わず引いた。
一方、横でダリアは「グハッ」と言い鼻をハンカチで覆っている。
「見ましたかエミリーさん、あのセリフは本来別の機会で言われるはずの言葉なのです。ゲームではこの時のエドウィンがキラキラと描かれていてとても麗しくて……」
鼻息荒く解説を始めたダリア。
「あの、ダリア様」
「はい?」
「本気でイベントを止める気ありますか?」
「し、失礼いたしました! リアルで見れて興奮してしまいましたわ。お恥ずかしい」
私としては先を越されてイベントが始まってしまったことに腹立たしく思っている上に、寒い言葉を放つエドウィンにイラッとしていたのたが、回避しなければならない当の本人であるダリアが止める気配が無い。目の前のゲームの光景に見惚れて忘れてしまっていたらしい。
私が苦言を呈すると、自分の役割をやっと思い出したダリアは、慌てて2人を止めに入った。
罵っては悪役になってしまうので当たり障りのない言葉で止めに入るよう、精一杯の穏やかな笑顔を向けて声を掛けるダリア。
「まぁ、エドウィン様。本当にお上手だこと。素晴らしいですわね」
しかし、ダリアが近づいたことにより、2人の空気感は先程までとは一変する。
何故かリゼットがとても怖がるそぶりをしたのだ。
ダリアは褒めただけなのであったが、存在が威圧的だったのだろうか。リゼットが声を震わせてダリアに言った。
「すみません、私がエドウィン様と一緒にいたために……。ダリア様、どうか誤解でございます!」
エドウィンはリゼットが萎縮してしまっている様子に気づき、ダリアに厳しい目を向けた。
「何かな? そんなに威圧的に話されてもリゼット嬢が怖がるだけだと思うのだが」
「え……? わたくしは、エドウィン様のことを褒めただけですが……」
多少は嫌な顔をされるとは思っていたが、予想以上に警戒をされてしまったダリア。
「私がエドウィン様と気安く話したせいで……こんな」
まだ何も嫌み一つ言っていない状況にも関わらず、悲劇のヒロインばりに半泣きのリゼット。
エドウィンはリゼットを庇うように、自分の後ろに控えさせる。
「いえ、だからわたくしは褒めただけで……」
「もし、何かした場合、覚えておくように」
ダリアが否定する言葉もエドウィンにより遮られてしまった。
なぜか、悪い方向にしか話は進まない。これが悪役令嬢の運命の力なのだろうか。
誤解を解こうと話せば話すほど、悪く受け取られてしまう。
「ダリア様、ここはいったん引きましょう」
膠着状態である今、何を話しても受け入れられないような気がした私は、取り巻きのふりをしてダリアに話しかけ、一旦この場から離れることにした。
少し離れた場所に退避した私達。
「ダメだわ、悪いようにしか話が進まない」
ダリアは先程の会話から疑心暗鬼になっている。
その後もエドウィンとリゼットの2人に接触しようと試みる私達。……しかし、先程同様に悪い方向にしか話は進まず、文化祭イベントは私達の前で次々と進められていった。
これでは未然に他のイベント開始を防ぐことも叶わない。
ついに、私達の苦労も虚しく、暗雲が立ち込める中、文化祭は終わったのだった。
ーーそして訪れた後夜祭、リゼットが待つ場所に現れたのは……エドウィンとその側近だった。
エドウィンルートを避けようとしているのに、ルート選択を加速させるチャンスを与えてしまうことになったのだった。
後夜祭では、生徒たちによる光魔法のイルミネーションが披露されている。
本来ならダリアがこの様子を嬉々として実況するのだろうが、今はそんな気力がないらしい。よほど状況の悪さに落胆しているようだ。
私もあまりに順調に進まない現状をとても悔しく思った。
力なく座っている私たちの前でリゼット達は楽しそうに会話を弾ませていた。
「「パララ、ララリラーン!」」
ゲームのクリア音が高らかに響き渡る。イベントクリアがされたようだ。
明るい音程なのに、こんなにも腹が立って聞こえるのはきっと私達の心情を察しない音楽にイラっとしていまったからだろう。
「ダリア様、私がいながらこんなにも力になれないなんて……力不足で本当に申し訳ございません」
「いいえ、私も自分で何にも出来てないのだもの」
「運命の力に抗おうと頑張っても空回りばかりで……悔しいです」
「そうね、どうしたらいいのかしらね」
2人で大きなため息をついたのだった。
今回の文化祭イベントは今後の進展に大きく影響することになるのを私達は把握していた。
それ故に、今までのイベントの中では本腰を入れて取り組む必要がある。
当のイベントの内容はというと、この文化祭中で一番攻略ポイントが高くなった人物が、文化祭の後夜祭に登場するというものらしい。
しかもこのイベントは特典があり、今後後夜祭に出た人物は攻略し易いよう、ストーリーの中で登場回数が増える仕組みとなっているらしいのだ。
元々エドウィンくらいしか攻略している人物はいないので、これ以上登場回数が増えると完全攻略一直線である。今後今以上に接触されるのは危険であるため、後夜祭イベントは何としても回避する必要があるのだ。
私達は文化祭最中のエドウィンの監視を一層強化した。
文化祭中のエドウィンの小さなイベントは同じクラス企画の中で、共に行動することで行われることが多いそうだ。ダリアと共に教室で待機する。
すると、ダリアが私に声を掛けた。
「エミリーさん、見てください。あそこでエドウィン様がリゼットに射的の方法を教えていますよ」
「……え、もう接触をしているのですか?」
二人が接触させないように、対策を練ろうとした矢先、すでに会話が始まってしまっていた。しまった、一つ小さなイベントの開始に出遅れた。
2人の話し声が聞こえる。
「貸してごらん。こう構えると上手く打つことができるんだ」
「さすがエドウィン様!」
上手く打てないと、しょんぼりとしているリゼットに、エドウィンが優しく指導しているようだ。リゼットに褒められて満更でもないエドウィンは、調子に乗ってこんなことを言い出す。
「まぁ、僕に射止められないものはないんだけどね。例えば、君の心とかっ……」
リゼットに向けてウインクをした。
うーーーーーわ。
素であれを言い放つエドウィンに私は思わず引いた。
一方、横でダリアは「グハッ」と言い鼻をハンカチで覆っている。
「見ましたかエミリーさん、あのセリフは本来別の機会で言われるはずの言葉なのです。ゲームではこの時のエドウィンがキラキラと描かれていてとても麗しくて……」
鼻息荒く解説を始めたダリア。
「あの、ダリア様」
「はい?」
「本気でイベントを止める気ありますか?」
「し、失礼いたしました! リアルで見れて興奮してしまいましたわ。お恥ずかしい」
私としては先を越されてイベントが始まってしまったことに腹立たしく思っている上に、寒い言葉を放つエドウィンにイラッとしていたのたが、回避しなければならない当の本人であるダリアが止める気配が無い。目の前のゲームの光景に見惚れて忘れてしまっていたらしい。
私が苦言を呈すると、自分の役割をやっと思い出したダリアは、慌てて2人を止めに入った。
罵っては悪役になってしまうので当たり障りのない言葉で止めに入るよう、精一杯の穏やかな笑顔を向けて声を掛けるダリア。
「まぁ、エドウィン様。本当にお上手だこと。素晴らしいですわね」
しかし、ダリアが近づいたことにより、2人の空気感は先程までとは一変する。
何故かリゼットがとても怖がるそぶりをしたのだ。
ダリアは褒めただけなのであったが、存在が威圧的だったのだろうか。リゼットが声を震わせてダリアに言った。
「すみません、私がエドウィン様と一緒にいたために……。ダリア様、どうか誤解でございます!」
エドウィンはリゼットが萎縮してしまっている様子に気づき、ダリアに厳しい目を向けた。
「何かな? そんなに威圧的に話されてもリゼット嬢が怖がるだけだと思うのだが」
「え……? わたくしは、エドウィン様のことを褒めただけですが……」
多少は嫌な顔をされるとは思っていたが、予想以上に警戒をされてしまったダリア。
「私がエドウィン様と気安く話したせいで……こんな」
まだ何も嫌み一つ言っていない状況にも関わらず、悲劇のヒロインばりに半泣きのリゼット。
エドウィンはリゼットを庇うように、自分の後ろに控えさせる。
「いえ、だからわたくしは褒めただけで……」
「もし、何かした場合、覚えておくように」
ダリアが否定する言葉もエドウィンにより遮られてしまった。
なぜか、悪い方向にしか話は進まない。これが悪役令嬢の運命の力なのだろうか。
誤解を解こうと話せば話すほど、悪く受け取られてしまう。
「ダリア様、ここはいったん引きましょう」
膠着状態である今、何を話しても受け入れられないような気がした私は、取り巻きのふりをしてダリアに話しかけ、一旦この場から離れることにした。
少し離れた場所に退避した私達。
「ダメだわ、悪いようにしか話が進まない」
ダリアは先程の会話から疑心暗鬼になっている。
その後もエドウィンとリゼットの2人に接触しようと試みる私達。……しかし、先程同様に悪い方向にしか話は進まず、文化祭イベントは私達の前で次々と進められていった。
これでは未然に他のイベント開始を防ぐことも叶わない。
ついに、私達の苦労も虚しく、暗雲が立ち込める中、文化祭は終わったのだった。
ーーそして訪れた後夜祭、リゼットが待つ場所に現れたのは……エドウィンとその側近だった。
エドウィンルートを避けようとしているのに、ルート選択を加速させるチャンスを与えてしまうことになったのだった。
後夜祭では、生徒たちによる光魔法のイルミネーションが披露されている。
本来ならダリアがこの様子を嬉々として実況するのだろうが、今はそんな気力がないらしい。よほど状況の悪さに落胆しているようだ。
私もあまりに順調に進まない現状をとても悔しく思った。
力なく座っている私たちの前でリゼット達は楽しそうに会話を弾ませていた。
「「パララ、ララリラーン!」」
ゲームのクリア音が高らかに響き渡る。イベントクリアがされたようだ。
明るい音程なのに、こんなにも腹が立って聞こえるのはきっと私達の心情を察しない音楽にイラっとしていまったからだろう。
「ダリア様、私がいながらこんなにも力になれないなんて……力不足で本当に申し訳ございません」
「いいえ、私も自分で何にも出来てないのだもの」
「運命の力に抗おうと頑張っても空回りばかりで……悔しいです」
「そうね、どうしたらいいのかしらね」
2人で大きなため息をついたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
異世界猫カフェでまったりスローライフ 〜根暗令嬢に憑依した動物看護師、癒しの猫パラダイスを築く〜
きよぴの
ファンタジー
「もし、動物の言葉がわかれば、もっと彼らを救えるのに――」
動物病院で働く動物看護師、天野梓は、野良猫を庇って命を落とす。次に目覚めると、そこは生前読んでいた恋愛小説の世界。しかも、憑依したのは、主人公の引き立て役である「根暗で人嫌いの令嬢」アイリスだった。
他人の心の声が聞こえる能力を持ち、そのせいで人間不信に陥っていたアイリス。しかし、梓はその能力が、実は動物の心の声も聞ける力だと気づく。「これこそ、私が求めていた力だ!」
虐げる家族と婚約者に見切りをつけ、持ち前の能力と動物たちの力を借りて資金を貯めた梓は、ついに自由を手に入れる。新たな土地で、たくさんの猫たちに囲まれた癒しの空間、「猫カフェ『まどろみの木陰』」をオープンさせるのだった。
【完結】悪役令嬢の断罪から始まるモブ令嬢の復讐劇
夜桜 舞
恋愛
「私がどんなに頑張っても……やっぱり駄目だった」
その日、乙女ゲームの悪役令嬢、「レイナ・ファリアム」は絶望した。転生者である彼女は、前世の記憶を駆使して、なんとか自身の断罪を回避しようとしたが、全て無駄だった。しょせんは悪役令嬢。ゲームの絶対的勝者であるはずのヒロインに勝てるはずがない。自身が断罪する運命は変えられず、婚約者……いや、”元”婚約者である「デイファン・テリアム」に婚約破棄と国外追放を命じられる。みんな、誰一人としてレイナを庇ってはくれず、レイナに冷たい視線を向けていた。そして、国外追放のための馬車に乗り込むと、馬車の中に隠れていた何者かによって……レイナは殺害されてしまった。
「なぜ、レイナが……あの子は何も悪くないのに!!」
彼女の死に唯一嘆いたものは、家族以上にレイナを知る存在……レイナの親友であり、幼馴染でもある、侯爵令嬢、「ヴィル・テイラン」であった。ヴィルは親友のレイナにすら教えていなかったが、自身も前世の記憶を所持しており、自身がゲームのモブであるということも知っていた。
「これまでは物語のモブで、でしゃばるのはよくないと思い、見て見ぬふりをしていましたが……こればかりは見過ごせません!!」
そして、彼女は決意した。レイナの死は、見て見ぬふりをしてきた自身もにも非がある。だからこそ、彼女の代わりに、彼女への罪滅ぼしのために、彼女を虐げてきた者たちに復讐するのだ、と。これは、悪役令嬢の断罪から始まる、モブ令嬢の復讐劇である。
笑顔が苦手な元公爵令嬢ですが、路地裏のパン屋さんで人生やり直し中です。~「悪役」なんて、もう言わせない!~
虹湖🌈
ファンタジー
不器用だっていいじゃない。焼きたてのパンがあればきっと明日は笑えるから
「悪役令嬢」と蔑まれ、婚約者にも捨てられた公爵令嬢フィオナ。彼女の唯一の慰めは、前世でパン職人だった頃の淡い記憶。居場所を失くした彼女が選んだのは、華やかな貴族社会とは無縁の、小さなパン屋を開くことだった。
人付き合いは苦手、笑顔もぎこちない。おまけにパン作りは素人も同然。
「私に、できるのだろうか……」
それでも、彼女が心を込めて焼き上げるパンは、なぜか人の心を惹きつける。幼馴染のツッコミ、忠実な執事のサポート、そしてパンの師匠との出会い。少しずつ開いていくフィオナの心と、広がっていく温かい人の輪。
これは、どん底から立ち上がり、自分の「好き」を信じて一歩ずつ前に進む少女の物語。彼女の焼くパンのように、優しくて、ちょっぴり切なくて、心がじんわり温かくなるお話です。読後、きっとあなたも誰かのために何かを作りたくなるはず。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
【完結】前提が間違っています
蛇姫
恋愛
【転生悪役令嬢】は乙女ゲームをしたことがなかった
【転生ヒロイン】は乙女ゲームと同じ世界だと思っていた
【転生辺境伯爵令嬢】は乙女ゲームを熟知していた
彼女たちそれぞれの視点で紡ぐ物語
※不定期更新です。長編になりそうな予感しかしないので念の為に変更いたしました。【完結】と明記されない限り気が付けば増えています。尚、話の内容が気に入らないと何度でも書き直す悪癖がございます。
ご注意ください
読んでくださって誠に有難うございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる