34 / 43
対部族令嬢 文化省・異世界統制省合同案件
令嬢第五事例 報告1
しおりを挟む
扉を抜けると馴染みの無い風景が現れた。
人生で初めて見る砂漠だ。土づくりの建物が並ぶ街があり、中心部にドーム状の屋根が現れた。
私達はドーム部分に降り立つと、早速資料を開く。急な依頼だったが、課長が登録処理をしたらしい。白紙に文字が浮かんだ。
ノン悪事案 No.5
場所:世界番号389
救済対象:悪役令嬢
真悪役疑惑:占い師アニーサ
依頼主:文化省と令嬢本人(接触可否:可)
魔法の存在:無し(認知度:無し)
備考:占い師アニーサによる悪評により、権威失墜の危機。王子ジャミールとの婚約も破棄される恐れあり。本人は身に覚えがなく、潔白を証明する必要がある。占い師の正体含め、文化局の調査と並行して行うことが望ましい。
資料への反映が早い。毎度課長の仕事の早さには畏敬の念を抱くレベルだ。
私が資料を見終わったのを確認したのか、ローリンは建物の一箇所を指差して言った。
「見て、あれが今回助ける予定の令嬢、サーラ様。見ての通り、高貴な生まれで、王位第一継承者であるジャミール様との婚約者であられるの」
ここは宮殿だったらしい。1人の女性が宮殿の廊下を歩く姿が見えた。艶やかな黒髪に、青い瞳。小麦色の肌に青い衣装が美しく映えていた。
「ごきげんよう、サーラ様」
ローリンが廊下に降り立ち声をかけると、微笑みながらサーラは振り向いた。
私とタロウは一歩下がって、後ろで礼をする。するとサーラは優雅な歩みでこちらに近寄り、慣れたように挨拶をした。
「ごきげんよう、ローリン様。そして関係者の方々かしら?この方々が来ていらっしゃるということは、もしかして依頼が受理されたということでしょうか?」
「さすが、サーラ様、察しが良くていらっしゃいます。後ろに控えている者は私の世界から来た魔法省と異世界統制省の者です」
私は前に出ると早速自己紹介をした。
「ごきげんよう、サーラ様。私は魔法省、悪役局悪役救済部悪役令嬢おたすけ課のエミリーと申します。今後貴方様の担当となります」
タロウも同じく続く。
「お初にお目にかかります。私は同じ世界から来た異世界統制省の者です。直接の担当ではありませんが、今回は調査のため同行をしております」
サーラは私達に深々と一礼をすると、穏やかに微笑んだ。
「では、貴方達3人が今回この世界で行動をされるのですね。どうぞよろしくお願い致します」
気品溢れる話し方と佇まいに、ほぅっと息を吞んでしまう。さすがお姫様といったところだろう。こんな人を陥れるなんて許せない。
私は早速依頼の確認を行う。
「今回は、占い師アニーサによって虚偽の噂が流されているとのことでしたが、詳しくお聞かせ願えますか?」
「はい、アニーサはこの国で力を持つ占い師です。昔は名前さえ聞かない存在だったのですが、最近急にその名を轟かせ始めました。そのアニーサは、自分の気に入らない者に対しあらぬ噂を流したり、最近立場を悪用しつつあるのです。挙げ句の果てには、私に対しても王妃に相応しくないとの占い結果を突き付けました。さらに今後私が王妃になった暁には様々な災いが起こると、私に汚名を着せるような発言をもしたのです」
すると、サーラの頬に涙が伝う。
サーラが泣き始めたのを見かねて、続きをローリンが説明する。
「その時の詳細だけど……占いの評判を聞きつけた王家がアニーサを宮殿に招待したの。そこで誰が見ても美形であるジャミールの姿を一目見たアニーサはジャミールのことが気になってしまい、つい占いで王妃を陥れるような結果を言い渡したの。さらには、自分がその座には相応しいと。さすがに急なことではあったので、まだ王家では検討段階ではあるものの、今や町はその噂で持ち切り。サーラ姫とアニーサのどちらを信じるか、派閥が生まれ始めているのが現状よ」
「昔から信頼の厚いサーラ様のことですから、町人達はサーラ様を信じるのではないでしょうか?そんなぽっと出の占い師など信用するのでしょうか?」
「それが……アニーサの占いは何故か高確率で当たるの。突然現れた大占い師に、もはや聖女だとの噂も出ているくらいだもの。魔法の認知されていない世界だからきっと信仰する人も多出てくるのだと思う」
タロウが口を挟んだ。
「この世界では魔法が認知されていないから、占いはさらに信憑性があるのだろうな。厄介だな。」
なるほど……アニーサは闇が深そうだ。
「では、今回の依頼ですが、文化省のローリンと共にサーラ様の潔白を証明すること。そしてアニーサの勢力を衰えさせることでしょうか。……個人的にはギャフンと言わせたい感じではありますが」
ローリンはクスッと笑うと頷いた。
「いいんじゃないの? 私もギャフンと言わせたいわ」
大人しそうな雰囲気と裏腹に、少し強気な発言。意外とローリンさんとは気が合うかもしれない。
サーラは涙を拭くと、潤んだ目のまま「ありがとうございます」と言った。
◇◇◇◇◇◇
私とローリン、タロウの3人は早速渦中であるアニーサの様子を見に行くことにした。
仰々しい赤いテントが目を引く。どうやらあそこがアニーサの営む占いの館のようだ。空を飛んでいた私たちは降り立つ前に準備をする。
「この世界の人は小麦色の肌で、日差しを遮るようにマントをする人が多いのよ。私達のように淡い色の肌で、服装も魔法省の制服だとすぐに他の地域から来た人だとばれてしまうわ」
「では、少し変装をしましょうか」
私は杖を振り上げて、3人分の魔法を行った。
「マジカル チェンジ!」
3人とも小麦色の肌に変化した。そして、服装も町人の者を参考にして合わせる。白のマントに少し飾りがついた、一般的な町人の服装だ。味気なかったので胸元のリボンはそのまま残しておいた。
「意外とやるじゃん」
「あら、潜入には丁度いいわね」
2人も満足そうだ。普段から白のマントを付けているタロウは肌の色が変わった程度の変化だが満足だったらしい。
テントに入ると、占いの最中だった。高い金額を支払う者から優先的に占っているらしい。
富豪と思われる人物が占いを受けているようだ。周りは見物人であろうか。人が沢山集まっていた。私達もその中に紛れ込む。
中心にいる女性がアニーサだろう。ワインレッドの髪に金色の瞳、赤い衣装の妖艶な美女が座っていた。
人生で初めて見る砂漠だ。土づくりの建物が並ぶ街があり、中心部にドーム状の屋根が現れた。
私達はドーム部分に降り立つと、早速資料を開く。急な依頼だったが、課長が登録処理をしたらしい。白紙に文字が浮かんだ。
ノン悪事案 No.5
場所:世界番号389
救済対象:悪役令嬢
真悪役疑惑:占い師アニーサ
依頼主:文化省と令嬢本人(接触可否:可)
魔法の存在:無し(認知度:無し)
備考:占い師アニーサによる悪評により、権威失墜の危機。王子ジャミールとの婚約も破棄される恐れあり。本人は身に覚えがなく、潔白を証明する必要がある。占い師の正体含め、文化局の調査と並行して行うことが望ましい。
資料への反映が早い。毎度課長の仕事の早さには畏敬の念を抱くレベルだ。
私が資料を見終わったのを確認したのか、ローリンは建物の一箇所を指差して言った。
「見て、あれが今回助ける予定の令嬢、サーラ様。見ての通り、高貴な生まれで、王位第一継承者であるジャミール様との婚約者であられるの」
ここは宮殿だったらしい。1人の女性が宮殿の廊下を歩く姿が見えた。艶やかな黒髪に、青い瞳。小麦色の肌に青い衣装が美しく映えていた。
「ごきげんよう、サーラ様」
ローリンが廊下に降り立ち声をかけると、微笑みながらサーラは振り向いた。
私とタロウは一歩下がって、後ろで礼をする。するとサーラは優雅な歩みでこちらに近寄り、慣れたように挨拶をした。
「ごきげんよう、ローリン様。そして関係者の方々かしら?この方々が来ていらっしゃるということは、もしかして依頼が受理されたということでしょうか?」
「さすが、サーラ様、察しが良くていらっしゃいます。後ろに控えている者は私の世界から来た魔法省と異世界統制省の者です」
私は前に出ると早速自己紹介をした。
「ごきげんよう、サーラ様。私は魔法省、悪役局悪役救済部悪役令嬢おたすけ課のエミリーと申します。今後貴方様の担当となります」
タロウも同じく続く。
「お初にお目にかかります。私は同じ世界から来た異世界統制省の者です。直接の担当ではありませんが、今回は調査のため同行をしております」
サーラは私達に深々と一礼をすると、穏やかに微笑んだ。
「では、貴方達3人が今回この世界で行動をされるのですね。どうぞよろしくお願い致します」
気品溢れる話し方と佇まいに、ほぅっと息を吞んでしまう。さすがお姫様といったところだろう。こんな人を陥れるなんて許せない。
私は早速依頼の確認を行う。
「今回は、占い師アニーサによって虚偽の噂が流されているとのことでしたが、詳しくお聞かせ願えますか?」
「はい、アニーサはこの国で力を持つ占い師です。昔は名前さえ聞かない存在だったのですが、最近急にその名を轟かせ始めました。そのアニーサは、自分の気に入らない者に対しあらぬ噂を流したり、最近立場を悪用しつつあるのです。挙げ句の果てには、私に対しても王妃に相応しくないとの占い結果を突き付けました。さらに今後私が王妃になった暁には様々な災いが起こると、私に汚名を着せるような発言をもしたのです」
すると、サーラの頬に涙が伝う。
サーラが泣き始めたのを見かねて、続きをローリンが説明する。
「その時の詳細だけど……占いの評判を聞きつけた王家がアニーサを宮殿に招待したの。そこで誰が見ても美形であるジャミールの姿を一目見たアニーサはジャミールのことが気になってしまい、つい占いで王妃を陥れるような結果を言い渡したの。さらには、自分がその座には相応しいと。さすがに急なことではあったので、まだ王家では検討段階ではあるものの、今や町はその噂で持ち切り。サーラ姫とアニーサのどちらを信じるか、派閥が生まれ始めているのが現状よ」
「昔から信頼の厚いサーラ様のことですから、町人達はサーラ様を信じるのではないでしょうか?そんなぽっと出の占い師など信用するのでしょうか?」
「それが……アニーサの占いは何故か高確率で当たるの。突然現れた大占い師に、もはや聖女だとの噂も出ているくらいだもの。魔法の認知されていない世界だからきっと信仰する人も多出てくるのだと思う」
タロウが口を挟んだ。
「この世界では魔法が認知されていないから、占いはさらに信憑性があるのだろうな。厄介だな。」
なるほど……アニーサは闇が深そうだ。
「では、今回の依頼ですが、文化省のローリンと共にサーラ様の潔白を証明すること。そしてアニーサの勢力を衰えさせることでしょうか。……個人的にはギャフンと言わせたい感じではありますが」
ローリンはクスッと笑うと頷いた。
「いいんじゃないの? 私もギャフンと言わせたいわ」
大人しそうな雰囲気と裏腹に、少し強気な発言。意外とローリンさんとは気が合うかもしれない。
サーラは涙を拭くと、潤んだ目のまま「ありがとうございます」と言った。
◇◇◇◇◇◇
私とローリン、タロウの3人は早速渦中であるアニーサの様子を見に行くことにした。
仰々しい赤いテントが目を引く。どうやらあそこがアニーサの営む占いの館のようだ。空を飛んでいた私たちは降り立つ前に準備をする。
「この世界の人は小麦色の肌で、日差しを遮るようにマントをする人が多いのよ。私達のように淡い色の肌で、服装も魔法省の制服だとすぐに他の地域から来た人だとばれてしまうわ」
「では、少し変装をしましょうか」
私は杖を振り上げて、3人分の魔法を行った。
「マジカル チェンジ!」
3人とも小麦色の肌に変化した。そして、服装も町人の者を参考にして合わせる。白のマントに少し飾りがついた、一般的な町人の服装だ。味気なかったので胸元のリボンはそのまま残しておいた。
「意外とやるじゃん」
「あら、潜入には丁度いいわね」
2人も満足そうだ。普段から白のマントを付けているタロウは肌の色が変わった程度の変化だが満足だったらしい。
テントに入ると、占いの最中だった。高い金額を支払う者から優先的に占っているらしい。
富豪と思われる人物が占いを受けているようだ。周りは見物人であろうか。人が沢山集まっていた。私達もその中に紛れ込む。
中心にいる女性がアニーサだろう。ワインレッドの髪に金色の瞳、赤い衣装の妖艶な美女が座っていた。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
【完結】悪役令嬢の断罪から始まるモブ令嬢の復讐劇
夜桜 舞
恋愛
「私がどんなに頑張っても……やっぱり駄目だった」
その日、乙女ゲームの悪役令嬢、「レイナ・ファリアム」は絶望した。転生者である彼女は、前世の記憶を駆使して、なんとか自身の断罪を回避しようとしたが、全て無駄だった。しょせんは悪役令嬢。ゲームの絶対的勝者であるはずのヒロインに勝てるはずがない。自身が断罪する運命は変えられず、婚約者……いや、”元”婚約者である「デイファン・テリアム」に婚約破棄と国外追放を命じられる。みんな、誰一人としてレイナを庇ってはくれず、レイナに冷たい視線を向けていた。そして、国外追放のための馬車に乗り込むと、馬車の中に隠れていた何者かによって……レイナは殺害されてしまった。
「なぜ、レイナが……あの子は何も悪くないのに!!」
彼女の死に唯一嘆いたものは、家族以上にレイナを知る存在……レイナの親友であり、幼馴染でもある、侯爵令嬢、「ヴィル・テイラン」であった。ヴィルは親友のレイナにすら教えていなかったが、自身も前世の記憶を所持しており、自身がゲームのモブであるということも知っていた。
「これまでは物語のモブで、でしゃばるのはよくないと思い、見て見ぬふりをしていましたが……こればかりは見過ごせません!!」
そして、彼女は決意した。レイナの死は、見て見ぬふりをしてきた自身もにも非がある。だからこそ、彼女の代わりに、彼女への罪滅ぼしのために、彼女を虐げてきた者たちに復讐するのだ、と。これは、悪役令嬢の断罪から始まる、モブ令嬢の復讐劇である。
異世界猫カフェでまったりスローライフ 〜根暗令嬢に憑依した動物看護師、癒しの猫パラダイスを築く〜
きよぴの
ファンタジー
「もし、動物の言葉がわかれば、もっと彼らを救えるのに――」
動物病院で働く動物看護師、天野梓は、野良猫を庇って命を落とす。次に目覚めると、そこは生前読んでいた恋愛小説の世界。しかも、憑依したのは、主人公の引き立て役である「根暗で人嫌いの令嬢」アイリスだった。
他人の心の声が聞こえる能力を持ち、そのせいで人間不信に陥っていたアイリス。しかし、梓はその能力が、実は動物の心の声も聞ける力だと気づく。「これこそ、私が求めていた力だ!」
虐げる家族と婚約者に見切りをつけ、持ち前の能力と動物たちの力を借りて資金を貯めた梓は、ついに自由を手に入れる。新たな土地で、たくさんの猫たちに囲まれた癒しの空間、「猫カフェ『まどろみの木陰』」をオープンさせるのだった。
笑顔が苦手な元公爵令嬢ですが、路地裏のパン屋さんで人生やり直し中です。~「悪役」なんて、もう言わせない!~
虹湖🌈
ファンタジー
不器用だっていいじゃない。焼きたてのパンがあればきっと明日は笑えるから
「悪役令嬢」と蔑まれ、婚約者にも捨てられた公爵令嬢フィオナ。彼女の唯一の慰めは、前世でパン職人だった頃の淡い記憶。居場所を失くした彼女が選んだのは、華やかな貴族社会とは無縁の、小さなパン屋を開くことだった。
人付き合いは苦手、笑顔もぎこちない。おまけにパン作りは素人も同然。
「私に、できるのだろうか……」
それでも、彼女が心を込めて焼き上げるパンは、なぜか人の心を惹きつける。幼馴染のツッコミ、忠実な執事のサポート、そしてパンの師匠との出会い。少しずつ開いていくフィオナの心と、広がっていく温かい人の輪。
これは、どん底から立ち上がり、自分の「好き」を信じて一歩ずつ前に進む少女の物語。彼女の焼くパンのように、優しくて、ちょっぴり切なくて、心がじんわり温かくなるお話です。読後、きっとあなたも誰かのために何かを作りたくなるはず。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる