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…血の味がした。
そうじゃなかったんだよ。
「どうだ?意味わかっただろ」
慧の髪に血が染み込んで行く。結構やっちまったな、興奮剤って怖ぇと思いつつ、江崎は慧にジャケットを被せ「まぁ理由によるけどな」とおまけのように言っておいた。
「いまなら平良さんも着いてくるぞ」
「たいら、さん」
「平良誠一さんっていう、理数系のバカなマトリさんです」
「…ん」
「辛かったな、よくトばなかったよ」
苦しそうだな。
風呂場から慧を持ち帰る。
踞る田中が視界に入る、てめぇマジでこれでこいつがEDぶっこいたら殺してやると恨みを込めて多摩に慧を渡したが、考えれば若干気が済まなくなってくる。
到達した誠一が缶を入り口に置き「慧、」と呼んだが、それすら頭に来た。
「…平良くん」
「は?」
「わかるか?本当に消えちまうやつはこうやってふっといなくなっちまうんだぞ、なぁ」
指を鳴らそうとしたが血塗れだ。それを見て誠一がはっとした瞬間、江崎は誠一に一発、右ストレートをかましてしまった。
「てめぇも犯してやろうかこの外道が、」
唖然としている誠一に「ご苦労」と言い、多摩に目配せをして慧は誠一へ譲渡された。
「さっさと失せろ」
…多分、あまり会わない方がいいな、こいつは。
その時、互いにそう思った。
誠一がきちんと慧をおぶって階段を登って行くのを見送り、江崎はまず、目を開けたまま伸びている田中に「おい」と声を掛け蹴り飛ばし、仰向けにしてから股間に足をやった。
「っあっ、」
「射精すんじゃねぇぞクソ野郎。
でも、まぁいいか、最後くらい、死ななけりゃ」
「…は?」
じりじりじりじり靴で徐々に徐々に踏み散らかすと、それほどの力でなくても射精しやがったので「よかったなぁ、」と言い捨てぐっと力を入れた。
「っがあっ!」
「おーし、意識はあんなぁ、」
江崎は多摩から白手を受け取りはめ、しゃがんで田中の髪をひっ掴んだ。
声も出ず意識も戻したらしい田中に「そう来なくっちゃな、」と風呂場まで引っ張ろうとすればぶちぶちと髪が抜け「いた、痛っ、」と更に意識を戻していく。
多摩が田中の足を持ち、二人で風呂場まで運んだ。
江崎は蛇口を捻りじゃばじゃばと水を出しながら「さぁて、誰のシマで何したんだてめぇ、」と、田中の頭を浸した。
「まっ、」
「あぁまぁ別に喋んなくていいよ、お前うるせえし。多摩ー、缶持ってこーい」
セメントにホースを刺した多摩は少し持ち上げ、サイフォンの方式で脅し程度に田中の頭にそれをぶっ掛ける。
「足んねぇなぁ多摩。まぁ時間はある、全部持ってきな」
「ぅえっ、」
「ここ便利だなぁ、よく思い付いたよ」
「あのっ、」
「喋んな小汚ぇ、ぶっ殺すぞ」
今度は江崎が「どうだぁ?水分足りてねぇだろお前」と、田中の頭を蛇口に晒す。
「か、勘弁」
「うるせぇんだよ質問に答えろ死ぬ前に。
錠剤はどっから買った、あれか?有明か?俺仲良しなんだよね、」
「裏の」
そして多摩がまたさっきの缶を持ち上げ、田中にセメントを掛ける。
ビクッとした田中に「どこの裏だ?意識足りてっか?」と、次は江崎がまた蛇口の水に浸す。
「シモキタの、」
「シモキタ?シモキタの裏ってどこだよ、頭破裂してる?」
江崎は田中の首をひっ掴み更に下へ押さえつけ「まーいーわ」とぶん投げるように手を離した。
「てめぇ誰のもんに手ぇ出したかわかってんのかおい」
恐る恐る振り向いた田中に「随分好き勝手やってくれたなてめえ」と、ケツを少しだけ蹴り上げる。
「俺のだぞ?クソ野郎が。
俺に掘られたいっつってたな、安心しろそこに丁度いい粗悪手作りラッシュとここに丁度いい純度100%の良質なセメントがある。
知ってっか?人間の腸は2メートルあんだぞ?50センチくらいは切っても手術可能な範囲内だ」
「…ぇ…」
「持ち主も困るだろうしなぁ、殺すわけねぇだろタコ。さぞや気持ちかろう、生き地獄だな、テクノブレイク間違いなしだ。
あの日の仲間全員呼びやがれ今すぐ。さもなくばセメント温泉だ。いいなぁ、お前ばっかり極楽だぁよっと、」
蹴り飛ばし、田中を湯船にぶち込んだ。
多摩が、ラッシュの側でバイブしたスマホを持って来たので着信を受ければ「シルバさんヤバいっす…!」と、焦り腐った声がする。
確か写真ではこいつ、クッソ汚ぇ髭面だったなと思い出す。
「よぉ、ご苦労さん。お前髭汚ぇぞ。
昔ながらの剃刀で剃ってくれるような良い美容師紹介してやるよ、センスねぇもん」
『えっ、』
「どーだった?後輩苛めは。側にいるヤクザさんに変われ。
おぅ、柳瀬か。言う場所にそいつら全員連れて来い。有明さんとこのお客様だ、ご丁寧に対処しろよ。
こっちは根暗野郎に御膳立てしなきゃならんし何より、ぜってぇ殺してやらねぇよと言っとけ。極楽温泉ツアーご招待だ。まとめて俺の女にしてやる」
柳瀬に場所を伝え、スマホも水没させた。
結束バンドを持ってきた多摩からそれを受け取り田中の親指を絞め、「死にてぇか?は、そーだよなぁ、バーカ」と言い捨て、あとは仲間を待った。
会長、マジぶちギレてますねという部下は誰一人いない。
ただ、柳瀬に白手を渡した瞬間「…赤手か灰手しかないんすけど…」と引くように言われたが、江崎は任せて病院に向かった。
そうじゃなかったんだよ。
「どうだ?意味わかっただろ」
慧の髪に血が染み込んで行く。結構やっちまったな、興奮剤って怖ぇと思いつつ、江崎は慧にジャケットを被せ「まぁ理由によるけどな」とおまけのように言っておいた。
「いまなら平良さんも着いてくるぞ」
「たいら、さん」
「平良誠一さんっていう、理数系のバカなマトリさんです」
「…ん」
「辛かったな、よくトばなかったよ」
苦しそうだな。
風呂場から慧を持ち帰る。
踞る田中が視界に入る、てめぇマジでこれでこいつがEDぶっこいたら殺してやると恨みを込めて多摩に慧を渡したが、考えれば若干気が済まなくなってくる。
到達した誠一が缶を入り口に置き「慧、」と呼んだが、それすら頭に来た。
「…平良くん」
「は?」
「わかるか?本当に消えちまうやつはこうやってふっといなくなっちまうんだぞ、なぁ」
指を鳴らそうとしたが血塗れだ。それを見て誠一がはっとした瞬間、江崎は誠一に一発、右ストレートをかましてしまった。
「てめぇも犯してやろうかこの外道が、」
唖然としている誠一に「ご苦労」と言い、多摩に目配せをして慧は誠一へ譲渡された。
「さっさと失せろ」
…多分、あまり会わない方がいいな、こいつは。
その時、互いにそう思った。
誠一がきちんと慧をおぶって階段を登って行くのを見送り、江崎はまず、目を開けたまま伸びている田中に「おい」と声を掛け蹴り飛ばし、仰向けにしてから股間に足をやった。
「っあっ、」
「射精すんじゃねぇぞクソ野郎。
でも、まぁいいか、最後くらい、死ななけりゃ」
「…は?」
じりじりじりじり靴で徐々に徐々に踏み散らかすと、それほどの力でなくても射精しやがったので「よかったなぁ、」と言い捨てぐっと力を入れた。
「っがあっ!」
「おーし、意識はあんなぁ、」
江崎は多摩から白手を受け取りはめ、しゃがんで田中の髪をひっ掴んだ。
声も出ず意識も戻したらしい田中に「そう来なくっちゃな、」と風呂場まで引っ張ろうとすればぶちぶちと髪が抜け「いた、痛っ、」と更に意識を戻していく。
多摩が田中の足を持ち、二人で風呂場まで運んだ。
江崎は蛇口を捻りじゃばじゃばと水を出しながら「さぁて、誰のシマで何したんだてめぇ、」と、田中の頭を浸した。
「まっ、」
「あぁまぁ別に喋んなくていいよ、お前うるせえし。多摩ー、缶持ってこーい」
セメントにホースを刺した多摩は少し持ち上げ、サイフォンの方式で脅し程度に田中の頭にそれをぶっ掛ける。
「足んねぇなぁ多摩。まぁ時間はある、全部持ってきな」
「ぅえっ、」
「ここ便利だなぁ、よく思い付いたよ」
「あのっ、」
「喋んな小汚ぇ、ぶっ殺すぞ」
今度は江崎が「どうだぁ?水分足りてねぇだろお前」と、田中の頭を蛇口に晒す。
「か、勘弁」
「うるせぇんだよ質問に答えろ死ぬ前に。
錠剤はどっから買った、あれか?有明か?俺仲良しなんだよね、」
「裏の」
そして多摩がまたさっきの缶を持ち上げ、田中にセメントを掛ける。
ビクッとした田中に「どこの裏だ?意識足りてっか?」と、次は江崎がまた蛇口の水に浸す。
「シモキタの、」
「シモキタ?シモキタの裏ってどこだよ、頭破裂してる?」
江崎は田中の首をひっ掴み更に下へ押さえつけ「まーいーわ」とぶん投げるように手を離した。
「てめぇ誰のもんに手ぇ出したかわかってんのかおい」
恐る恐る振り向いた田中に「随分好き勝手やってくれたなてめえ」と、ケツを少しだけ蹴り上げる。
「俺のだぞ?クソ野郎が。
俺に掘られたいっつってたな、安心しろそこに丁度いい粗悪手作りラッシュとここに丁度いい純度100%の良質なセメントがある。
知ってっか?人間の腸は2メートルあんだぞ?50センチくらいは切っても手術可能な範囲内だ」
「…ぇ…」
「持ち主も困るだろうしなぁ、殺すわけねぇだろタコ。さぞや気持ちかろう、生き地獄だな、テクノブレイク間違いなしだ。
あの日の仲間全員呼びやがれ今すぐ。さもなくばセメント温泉だ。いいなぁ、お前ばっかり極楽だぁよっと、」
蹴り飛ばし、田中を湯船にぶち込んだ。
多摩が、ラッシュの側でバイブしたスマホを持って来たので着信を受ければ「シルバさんヤバいっす…!」と、焦り腐った声がする。
確か写真ではこいつ、クッソ汚ぇ髭面だったなと思い出す。
「よぉ、ご苦労さん。お前髭汚ぇぞ。
昔ながらの剃刀で剃ってくれるような良い美容師紹介してやるよ、センスねぇもん」
『えっ、』
「どーだった?後輩苛めは。側にいるヤクザさんに変われ。
おぅ、柳瀬か。言う場所にそいつら全員連れて来い。有明さんとこのお客様だ、ご丁寧に対処しろよ。
こっちは根暗野郎に御膳立てしなきゃならんし何より、ぜってぇ殺してやらねぇよと言っとけ。極楽温泉ツアーご招待だ。まとめて俺の女にしてやる」
柳瀬に場所を伝え、スマホも水没させた。
結束バンドを持ってきた多摩からそれを受け取り田中の親指を絞め、「死にてぇか?は、そーだよなぁ、バーカ」と言い捨て、あとは仲間を待った。
会長、マジぶちギレてますねという部下は誰一人いない。
ただ、柳瀬に白手を渡した瞬間「…赤手か灰手しかないんすけど…」と引くように言われたが、江崎は任せて病院に向かった。
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