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2020年ショートショート
宝石箱
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あの日にひとつ、琥珀を見つけた。
べっこう飴を作ったその日。夕方と同じ半透明が懐かしい。
新緑に近い頃、キツネ石を見つけた。
一人で泣いた川辺の音。蝉も静かな不透明が冷め冷めしている。
青春と大人の狭間。瑠璃を見つけた。
甘い炭酸が弾けるように、空より青い不規則がしっとりしている。
「こんな素敵なものを見つけた」という子供のような自己顕示と、
「まだ見せてあげないよ」という大人になった自己韜晦を、僕はまだまだ余らせる。
私、私はねと語る君の手に緩く握った拳を乗せて、いつまでも、いつまでもと気持ちが響く。ねぇ、どんな素敵なものを君は見てきたんだい。そういう夢物語だっていいんだ。
いつか、目に浮かぶ学校帰りと、遊んだ川と嘆いた空を、閉まっておけたらまた聞かせて。半透明の手紙を書いて宇宙に送っておこうよ。
いつか、それを探して、巡り巡って、流れ着いたその先は。それは一体どんなものかな。僕はそれまで、子供のままでいたいから。
開けないまま、冷めないまま。
また明日と哭いた蝉の日、夕方の川縁が滲んでいた。
── Happy Lighting,Dear My Friend.5.10
べっこう飴を作ったその日。夕方と同じ半透明が懐かしい。
新緑に近い頃、キツネ石を見つけた。
一人で泣いた川辺の音。蝉も静かな不透明が冷め冷めしている。
青春と大人の狭間。瑠璃を見つけた。
甘い炭酸が弾けるように、空より青い不規則がしっとりしている。
「こんな素敵なものを見つけた」という子供のような自己顕示と、
「まだ見せてあげないよ」という大人になった自己韜晦を、僕はまだまだ余らせる。
私、私はねと語る君の手に緩く握った拳を乗せて、いつまでも、いつまでもと気持ちが響く。ねぇ、どんな素敵なものを君は見てきたんだい。そういう夢物語だっていいんだ。
いつか、目に浮かぶ学校帰りと、遊んだ川と嘆いた空を、閉まっておけたらまた聞かせて。半透明の手紙を書いて宇宙に送っておこうよ。
いつか、それを探して、巡り巡って、流れ着いたその先は。それは一体どんなものかな。僕はそれまで、子供のままでいたいから。
開けないまま、冷めないまま。
また明日と哭いた蝉の日、夕方の川縁が滲んでいた。
── Happy Lighting,Dear My Friend.5.10
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