12 / 86
第一話
12
しおりを挟む
クローバーの看板が見えてくると、「これ!」と小夜は指差した。名前は姉貴が言った通り、四つ葉スーパーだった。
「てことは、この辺かな、お家」
姉貴は一度、スーパーに車を停める。
「ここからなら、道案内できる?」
小夜はこくりと頷いた。姉貴はにっこりと微笑み、頭を撫でようとしたが、小夜がきつく目を閉じたので手を引っ込め、代わりに小夜の手を握ってやった。
「よっしゃ!もうちょいやね!
光也、一緒にジュースを買ってきなさい。私紅茶ね」
姉貴は自販機を指差して千円札をひらりと取り出した。仕方なく車から降りて、助手席のドアを開けた。
小夜と手を繋いで自販機の前まで行く。
「何飲みたい?」
だが小夜は俯いてる。遠慮してんのかな。
「遠慮しなくてええよ」
「…わかんない」
「え?」
「どれがいいか…」
こんなにいっぱいあるのにな。
「俺ね、これ好きだよ」
子供の頃よく飲んだ、ココア。
「熱いかな?俺よく腹壊してたから、暖かいのか、冷たいのしばらく置いてから飲んでたけど…小夜は、冷たいの飲める?」
関東の方が関西より寒いしな…。そーゆーの得意かな?
小夜は疑問顔だったので、取り敢えず買ってみた。俺も同じのと、姉貴のレモンティーを買い、お釣りを持って車に戻る。
「あら、お揃い」
姉貴にお釣りと紅茶を渡して後部座席に戻った。
「あんたいつもそれやね。冷たいのにしたん?」
「うん」
「腹壊すなよー」
「しばらくしてから飲むから大丈夫。さんきゅ」
「いいえー。
小夜ちゃんは大丈夫?」
「…しばらくしてから飲む。ありがとう」
「いいえ、どういたしまして」
ちょっとにやけながら姉貴は俺のことを見た。
「なんや似とるなぁ、二人とも」
「そうかな?」
「小夜ちゃんの方が可愛いけどな」
余計な一言を。
「小夜ちゃん。こっからさ、どうやって行ったらええの?」
小夜の道案内を元に車を発進させた。わかったのかわかんないのかわからんが、取り敢えず、線路を目指すらしい。
「近くになったら二人で行っといで。待ってるから」
そこからはほとんど道案内だけの会話となった。
小夜の道案内で、線路沿いを走る。近くに田んぼも見えてきた。ふと小夜が「あそこ」と指差した先は、一階建ての古い集合アパートのようなところだった。
車を停め、意を決して小夜と二人で車を出た。先程から小夜の表情は“無”と言うのが正しいようなものになっている。手を繋いでも、足取りが重い。
俺はそんな小夜になんの言葉も掛けてやれずにいた。もしかしたらこれが別れになるかもしれないのに。なんて声を掛けていいのか、わからない。
ずるずると足を引き摺るように二人で歩いた。
すると、途中で小夜が足を止める。小夜の視線の先には、ちょうどアパートの端の部屋に、若い男と入っていく派手な格好をした中年の女が見えた。
あぁ、あいつが母親なんだ。
ふと、母親らしき女が一瞬ちらっとこっちを見た。気付いたのか、女は同行していた男になにかを言い、その男は女に手を振ってどこかへ行ってしまった。
そしてすぐさま、目の色を変えたかのようにこちらへ走り寄ってきた。
「小夜!」
小夜は少し後ずさる。しかしそんなのはお構いなしに、女は小夜に抱きついた。
「どこ行ってたのよ!心配したじゃない!
貴方が、小夜を?」
「…はい」
「あらまぁ、お礼しなきゃ。さぁ、あがってください」
しかし小夜は女の腕の中で首を振っている。
「はぁ、そうですか」
俺は取り敢えず着いていって見ることにした。小夜は不安な目で俺を見上げる。
大丈夫。
俺は小夜に小さく目で頷いた。
そのまま小夜は女に腕を引かれ、俺はそれに着いて行き、家の玄関に入った。
小夜の家は、そんなに掃除もされていないような、狭いワンルームだった。
「さぁどうぞ、あがって。
小夜、いつもの場所へ」
あぁ、押し入れか。
「いえ、俺はここで結構です」
「いえいえ、そーゆーわけには行きません」
そう言われ、半ば強引に腕を引っ張られるが、俺は玄関から動かなかった。少し足が引っ掛かる。それを見た小夜は心配そうに駆け寄ろうとするが、「小夜!いいからいつもの場所にいなさい!」と怒鳴られ、立ち竦んでしまった。
それを見て俺は、女の手を払いのけた。
「…えっとね。お母さん。小夜ちゃん、昨日、家で預かりました」
「…えぇ、ありがとうございます」
「一日、小夜ちゃんがいなくてさぞ心配だったでしょうね」
「えぇ、そりゃぁもう」
「捜索願いとか出しちゃいましたよね?俺のことはいいんで、取り下げに行きましょ?車、あるんで。もしよかったら乗っけてきます」
「…え?」
「え?」
「いや、まだ…」
「なんで?心配だったでしょ?
ましてやこんなね、20代くらいの男が大事な娘さん連れてきた訳ですよ。えぇ?なにかあったかもしれませんよね?検査は?しなくていいんですか?心配なんでしょ?」
「ちょっ、何が…」
「心配なんでしょ?ねぇ」
女は黙りこくった。先程までとは打って代わり、警戒心を露にする。
「なんなんですか?貴方」
「だから言ってるでしょ?保護したんだって」
「ですから、」
「あんたさぁ…。
俺ん家ね、こっから5キロ以上離れてるわけよ。この子さ、俺がバイトから帰ってきたら家の前に、傘も差さんと、一人ずぶ濡れで座ってたんよ。
可哀想だから取り敢えず保護して理由聞いたらなんや、お母さんに追い出されて歩いて来たんだとよ。
試しにいざ親元まで来たらなんやこれ。俺のこと見て下心丸出しで家連れ込んで?小夜のこと心配してる言うわりにはいつもの場所にいなさい!って?
聞いたけどさ、あんたさ、男連れ込んでその間小夜は押し入れに閉じ込めてるらしいやないか。
さて、どこまでが本当で嘘だか教えてくれますか。
ええよ、別に警察とかに突き出そうってんじゃない。金をせびろうって訳じゃない。ただどうなん?あんたは小夜をどう思ってるん?返答によっちゃ家で引き取る。あんたの道徳、見せてくれや」
女の顔が徐々に青ざめ、そこから怒りに変わっていくのがわかった。俺が言い終わると母親の横で立ち竦んでいた小夜を睨み付け、手を振りかぶった。俺はすぐさまその手を掴み、突き飛ばすように払った。女はその場に膝から崩れる。
「小夜、こっちおいで」
俺がそう言うと小夜は、俺の足元に来てしがみつく。震えている。
「お母さん。小夜の荷物まとめてください。あんたがやらんのなら俺がやるけど?」
「……」
「小夜、荷物どこにあるん?最低限でいい。家に持って帰ろう」
そして俺が土足で上がり込もうとすると、母親が動き始めた。
しばらく待っていると最後は、顔も出さず荷物を玄関にぶん投げて寄越した。
それを拾い、抱き締めるように持つ小夜は声を立てずに泣いていた。軽く頭を撫で、手を差し出してやる。
「行こっか。
一応代わりに言っとくわ。お世話になりましたぁ」
「てことは、この辺かな、お家」
姉貴は一度、スーパーに車を停める。
「ここからなら、道案内できる?」
小夜はこくりと頷いた。姉貴はにっこりと微笑み、頭を撫でようとしたが、小夜がきつく目を閉じたので手を引っ込め、代わりに小夜の手を握ってやった。
「よっしゃ!もうちょいやね!
光也、一緒にジュースを買ってきなさい。私紅茶ね」
姉貴は自販機を指差して千円札をひらりと取り出した。仕方なく車から降りて、助手席のドアを開けた。
小夜と手を繋いで自販機の前まで行く。
「何飲みたい?」
だが小夜は俯いてる。遠慮してんのかな。
「遠慮しなくてええよ」
「…わかんない」
「え?」
「どれがいいか…」
こんなにいっぱいあるのにな。
「俺ね、これ好きだよ」
子供の頃よく飲んだ、ココア。
「熱いかな?俺よく腹壊してたから、暖かいのか、冷たいのしばらく置いてから飲んでたけど…小夜は、冷たいの飲める?」
関東の方が関西より寒いしな…。そーゆーの得意かな?
小夜は疑問顔だったので、取り敢えず買ってみた。俺も同じのと、姉貴のレモンティーを買い、お釣りを持って車に戻る。
「あら、お揃い」
姉貴にお釣りと紅茶を渡して後部座席に戻った。
「あんたいつもそれやね。冷たいのにしたん?」
「うん」
「腹壊すなよー」
「しばらくしてから飲むから大丈夫。さんきゅ」
「いいえー。
小夜ちゃんは大丈夫?」
「…しばらくしてから飲む。ありがとう」
「いいえ、どういたしまして」
ちょっとにやけながら姉貴は俺のことを見た。
「なんや似とるなぁ、二人とも」
「そうかな?」
「小夜ちゃんの方が可愛いけどな」
余計な一言を。
「小夜ちゃん。こっからさ、どうやって行ったらええの?」
小夜の道案内を元に車を発進させた。わかったのかわかんないのかわからんが、取り敢えず、線路を目指すらしい。
「近くになったら二人で行っといで。待ってるから」
そこからはほとんど道案内だけの会話となった。
小夜の道案内で、線路沿いを走る。近くに田んぼも見えてきた。ふと小夜が「あそこ」と指差した先は、一階建ての古い集合アパートのようなところだった。
車を停め、意を決して小夜と二人で車を出た。先程から小夜の表情は“無”と言うのが正しいようなものになっている。手を繋いでも、足取りが重い。
俺はそんな小夜になんの言葉も掛けてやれずにいた。もしかしたらこれが別れになるかもしれないのに。なんて声を掛けていいのか、わからない。
ずるずると足を引き摺るように二人で歩いた。
すると、途中で小夜が足を止める。小夜の視線の先には、ちょうどアパートの端の部屋に、若い男と入っていく派手な格好をした中年の女が見えた。
あぁ、あいつが母親なんだ。
ふと、母親らしき女が一瞬ちらっとこっちを見た。気付いたのか、女は同行していた男になにかを言い、その男は女に手を振ってどこかへ行ってしまった。
そしてすぐさま、目の色を変えたかのようにこちらへ走り寄ってきた。
「小夜!」
小夜は少し後ずさる。しかしそんなのはお構いなしに、女は小夜に抱きついた。
「どこ行ってたのよ!心配したじゃない!
貴方が、小夜を?」
「…はい」
「あらまぁ、お礼しなきゃ。さぁ、あがってください」
しかし小夜は女の腕の中で首を振っている。
「はぁ、そうですか」
俺は取り敢えず着いていって見ることにした。小夜は不安な目で俺を見上げる。
大丈夫。
俺は小夜に小さく目で頷いた。
そのまま小夜は女に腕を引かれ、俺はそれに着いて行き、家の玄関に入った。
小夜の家は、そんなに掃除もされていないような、狭いワンルームだった。
「さぁどうぞ、あがって。
小夜、いつもの場所へ」
あぁ、押し入れか。
「いえ、俺はここで結構です」
「いえいえ、そーゆーわけには行きません」
そう言われ、半ば強引に腕を引っ張られるが、俺は玄関から動かなかった。少し足が引っ掛かる。それを見た小夜は心配そうに駆け寄ろうとするが、「小夜!いいからいつもの場所にいなさい!」と怒鳴られ、立ち竦んでしまった。
それを見て俺は、女の手を払いのけた。
「…えっとね。お母さん。小夜ちゃん、昨日、家で預かりました」
「…えぇ、ありがとうございます」
「一日、小夜ちゃんがいなくてさぞ心配だったでしょうね」
「えぇ、そりゃぁもう」
「捜索願いとか出しちゃいましたよね?俺のことはいいんで、取り下げに行きましょ?車、あるんで。もしよかったら乗っけてきます」
「…え?」
「え?」
「いや、まだ…」
「なんで?心配だったでしょ?
ましてやこんなね、20代くらいの男が大事な娘さん連れてきた訳ですよ。えぇ?なにかあったかもしれませんよね?検査は?しなくていいんですか?心配なんでしょ?」
「ちょっ、何が…」
「心配なんでしょ?ねぇ」
女は黙りこくった。先程までとは打って代わり、警戒心を露にする。
「なんなんですか?貴方」
「だから言ってるでしょ?保護したんだって」
「ですから、」
「あんたさぁ…。
俺ん家ね、こっから5キロ以上離れてるわけよ。この子さ、俺がバイトから帰ってきたら家の前に、傘も差さんと、一人ずぶ濡れで座ってたんよ。
可哀想だから取り敢えず保護して理由聞いたらなんや、お母さんに追い出されて歩いて来たんだとよ。
試しにいざ親元まで来たらなんやこれ。俺のこと見て下心丸出しで家連れ込んで?小夜のこと心配してる言うわりにはいつもの場所にいなさい!って?
聞いたけどさ、あんたさ、男連れ込んでその間小夜は押し入れに閉じ込めてるらしいやないか。
さて、どこまでが本当で嘘だか教えてくれますか。
ええよ、別に警察とかに突き出そうってんじゃない。金をせびろうって訳じゃない。ただどうなん?あんたは小夜をどう思ってるん?返答によっちゃ家で引き取る。あんたの道徳、見せてくれや」
女の顔が徐々に青ざめ、そこから怒りに変わっていくのがわかった。俺が言い終わると母親の横で立ち竦んでいた小夜を睨み付け、手を振りかぶった。俺はすぐさまその手を掴み、突き飛ばすように払った。女はその場に膝から崩れる。
「小夜、こっちおいで」
俺がそう言うと小夜は、俺の足元に来てしがみつく。震えている。
「お母さん。小夜の荷物まとめてください。あんたがやらんのなら俺がやるけど?」
「……」
「小夜、荷物どこにあるん?最低限でいい。家に持って帰ろう」
そして俺が土足で上がり込もうとすると、母親が動き始めた。
しばらく待っていると最後は、顔も出さず荷物を玄関にぶん投げて寄越した。
それを拾い、抱き締めるように持つ小夜は声を立てずに泣いていた。軽く頭を撫で、手を差し出してやる。
「行こっか。
一応代わりに言っとくわ。お世話になりましたぁ」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
お茶をしましょう、若菜さん。〜強面自衛官、スイーツと君の笑顔を守ります〜
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
陸上自衛隊衛生科所属の安達四季陸曹長は、見た目がどうもヤのつく人ににていて怖い。
「だって顔に大きな傷があるんだもん!」
体力徽章もレンジャー徽章も持った看護官は、鬼神のように荒野を走る。
実は怖いのは顔だけで、本当はとても優しくて怒鳴ったりイライラしたりしない自衛官。
寺の住職になった方が良いのでは?そう思うくらいに懐が大きく、上官からも部下からも慕われ頼りにされている。
スイーツ大好き、奥さん大好きな安達陸曹長の若かりし日々を振り返るお話です。
※フィクションです。
※カクヨム、小説家になろうにも公開しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる