22 / 74
暴風雨の清廉
3
しおりを挟む
銭湯でスッキリさっぱり。
最後は勇咲に「滝行滝行」とか言って頭から熱湯をぶっかけられた。励みになった。
「で」
迎えに行きました。六本木駅まで。
我が師匠雀生は「ふんっ」と言いつつ嬉しそう。
勇咲の師匠花太夫は「おぉ、雀次くん」と後ろ黒い笑顔。二人とも葬式スーツでした。
かの言う俺は。
「あはは~ししょー達ぃ、おかえんなさーい」
あれからヤケクソで缶チューハイ3本をイッキ飲みして鼻血が出そう。
勇咲は困り顔で「お疲れ様です師匠」と、酒臭いながら対応。
「おまんら何してはった」
「えぇ?ししょー下ネタ?まだですよー」
「ちょっ、依田ちゃん勘弁して俺がししょーに殺される」
「ほほう勇咲。お前があの破天荒を引っ張りまわしよったんか?」
「違います師匠あの人がアホだった」
「貴様ぁ!人の弟子に向かってなんじゃわれぇ!」
「え、雀生師匠、あんたも酔ってる?」
「当たり前じゃバカ。こっちとらあんバカ弟子の偉大なるお父上の死に顔見てきたねん!」
「やっだー師匠下ネタまだだめー」
「うるさいよ依田ちゃん勘弁して。あんたと師匠二人は相手に出来ない俺マジで」
「じゃ、早う行きまっか」
全くお宅の師匠ったら。
「ははー、変態ご一行で入れときましたぜ師匠ー」
「殺すぞ雀次」
「花添えるぞ依田ちゃん」
「あはぁ、痛烈でんなぁ勇咲」
「すんませんすんませんつい言っちゃった」
漫才のようだなこれ。
まぁいいや。さっさと連れてって亀ちゃんにぶん殴ってもらおう。さぁ果たして亀ちゃん、どんな顔するかなぁ。
と、楽しみで仕方なく六本木のビルのわかりにくい店に入る。7階。
「あ、ジャグジー」
ふらっと、カウンター席の真ん中当たりから手を振るひょろいお兄様。SMバーに、Tシャツジーパンとかホント凄い。壁にはギターケース。これは名前を覚えました、マスタードです。
「あ、マスタード!」
「え?」
にっかにかな笑顔で言われさらに、「あ、三味線!」とのんちゃん、曽根崎朔夫さんは反応をしてくれた。
「依田、ムスタングだぞおい」
カウンターから、黒ジャケットの短いスカートを履いた体型が超絶綺麗な女、同居人の亀ちゃんが出てきた。この衣装、確かに燃えなそうだ。
「あー師匠にイサムくん、いらっしゃーい」
「勇咲だよSM姐ちゃん。悪いけどみんなにまずジントニック飲ませてあげてー」
「はいよー。
あ、あの人はのんちゃんです。ロッカーなの」
嬉しそうに言う亀ちゃんに、「ありがとう亀ちゃん」と両手握手をすれば、
「手が滑ってて気持ち悪ぃんだよクソ猫背。ねこいらず食わすぞ」
あぁ、本業スイッチ入ってますねぇ亀ちゃん。
その後師匠達の「ツキコちゃぁぁん」だの「もちょっと強く」だのを聞きながら勇咲とのんちゃんと酒をがばがば飲みました。
「あ、んでジャグジー」
「はい、なんでしょのんちゃん」
「俺さっきツキコちゃんに呼ばれたけど、なんかあったの?」
「あ、はい」
「え?それどーゆー…」
「テンペストだよ勇咲くん。
ぴかんと俺閃いた君の一言に。
のんちゃんバンドさんだから、三味線案いいかなぁって」
師匠達は絶賛苛められている。
「あなるほどねー、え?作曲?」
「というかはい、そうですねのんちゃん」
「えなにこのフラットさ」
「あー、依田はのんちゃんが」
「Sit!亀ちゃん怒るよ」
ふらっと現れた亀ちゃん。疲れているのか汗が滲んでいる。というかそれはいつおっぱい出ちゃうんだい亀ちゃん。
勇咲と亀ちゃんは「あぁなるほど」とか「そうそう」とか「つかツキコちゃんおっぱい出ちゃうよそれ」とか会話してるけど気にしない。
「はっはー!
ツキコ、確か貸し切りだったよねぇ」
「え、はいそうっすよ」
「じゃさー、俺とジャグジーのセッション聴く?聴く?」
「え、いきなりですかのんちゃん」
「うん、バンドってそんなもん」
「いやぁぁ、伝統芸能さん達はどうなの?」
勇咲に亀ちゃんが話を振ると、「えちょー楽しい」と答える勇咲。
亀ちゃん、聞く相手をそこは一応師匠にしてよ。
「え?」
「ししょーさん方ぁー!苛めてあげるからどうー?いいのぉー?」
よく見りゃ亀ちゃん、鏡月をらっぱ飲みしてる。
ここにまともなやつ、いないじゃんと今更ながらに頭が冴えた。
「じゃまず俺俺~!弾くから合わせてジャグジー」
「え、え、」
ギターケースから黄色いギターを取り出すのんちゃん。
うおぉ、近ぇ。てか、
「かっけぇ」
勇咲の声が背中から聞こえる。
先を越されてしまったようだ。
「あ、君も三味線?」
「いや、俺語りっす」
「マジかー、役者揃いやーんはい、」
突然ギターを弾きゆらゆら揺れ始め、英語なのか日本語なのか最早聞き取れない鼻唄のようなものをのんちゃんは口ずさんでいた。唯一聞き取れた「爆死せよ」。これはおそらく浄瑠璃に向かない。
見いってしまって三味線を構えるのを忘れた。
ちゃらん、と1音?一振り?弾いたのんちゃんは俺を見て「ジャグジー、」と言う。
「弾かないの?」
「え、いや、はい、はい…」
夢心地のまま三味線を取り、構えてみれば。
あぁ、なんだろうな。
音が頭に振るようで。
最後は勇咲に「滝行滝行」とか言って頭から熱湯をぶっかけられた。励みになった。
「で」
迎えに行きました。六本木駅まで。
我が師匠雀生は「ふんっ」と言いつつ嬉しそう。
勇咲の師匠花太夫は「おぉ、雀次くん」と後ろ黒い笑顔。二人とも葬式スーツでした。
かの言う俺は。
「あはは~ししょー達ぃ、おかえんなさーい」
あれからヤケクソで缶チューハイ3本をイッキ飲みして鼻血が出そう。
勇咲は困り顔で「お疲れ様です師匠」と、酒臭いながら対応。
「おまんら何してはった」
「えぇ?ししょー下ネタ?まだですよー」
「ちょっ、依田ちゃん勘弁して俺がししょーに殺される」
「ほほう勇咲。お前があの破天荒を引っ張りまわしよったんか?」
「違います師匠あの人がアホだった」
「貴様ぁ!人の弟子に向かってなんじゃわれぇ!」
「え、雀生師匠、あんたも酔ってる?」
「当たり前じゃバカ。こっちとらあんバカ弟子の偉大なるお父上の死に顔見てきたねん!」
「やっだー師匠下ネタまだだめー」
「うるさいよ依田ちゃん勘弁して。あんたと師匠二人は相手に出来ない俺マジで」
「じゃ、早う行きまっか」
全くお宅の師匠ったら。
「ははー、変態ご一行で入れときましたぜ師匠ー」
「殺すぞ雀次」
「花添えるぞ依田ちゃん」
「あはぁ、痛烈でんなぁ勇咲」
「すんませんすんませんつい言っちゃった」
漫才のようだなこれ。
まぁいいや。さっさと連れてって亀ちゃんにぶん殴ってもらおう。さぁ果たして亀ちゃん、どんな顔するかなぁ。
と、楽しみで仕方なく六本木のビルのわかりにくい店に入る。7階。
「あ、ジャグジー」
ふらっと、カウンター席の真ん中当たりから手を振るひょろいお兄様。SMバーに、Tシャツジーパンとかホント凄い。壁にはギターケース。これは名前を覚えました、マスタードです。
「あ、マスタード!」
「え?」
にっかにかな笑顔で言われさらに、「あ、三味線!」とのんちゃん、曽根崎朔夫さんは反応をしてくれた。
「依田、ムスタングだぞおい」
カウンターから、黒ジャケットの短いスカートを履いた体型が超絶綺麗な女、同居人の亀ちゃんが出てきた。この衣装、確かに燃えなそうだ。
「あー師匠にイサムくん、いらっしゃーい」
「勇咲だよSM姐ちゃん。悪いけどみんなにまずジントニック飲ませてあげてー」
「はいよー。
あ、あの人はのんちゃんです。ロッカーなの」
嬉しそうに言う亀ちゃんに、「ありがとう亀ちゃん」と両手握手をすれば、
「手が滑ってて気持ち悪ぃんだよクソ猫背。ねこいらず食わすぞ」
あぁ、本業スイッチ入ってますねぇ亀ちゃん。
その後師匠達の「ツキコちゃぁぁん」だの「もちょっと強く」だのを聞きながら勇咲とのんちゃんと酒をがばがば飲みました。
「あ、んでジャグジー」
「はい、なんでしょのんちゃん」
「俺さっきツキコちゃんに呼ばれたけど、なんかあったの?」
「あ、はい」
「え?それどーゆー…」
「テンペストだよ勇咲くん。
ぴかんと俺閃いた君の一言に。
のんちゃんバンドさんだから、三味線案いいかなぁって」
師匠達は絶賛苛められている。
「あなるほどねー、え?作曲?」
「というかはい、そうですねのんちゃん」
「えなにこのフラットさ」
「あー、依田はのんちゃんが」
「Sit!亀ちゃん怒るよ」
ふらっと現れた亀ちゃん。疲れているのか汗が滲んでいる。というかそれはいつおっぱい出ちゃうんだい亀ちゃん。
勇咲と亀ちゃんは「あぁなるほど」とか「そうそう」とか「つかツキコちゃんおっぱい出ちゃうよそれ」とか会話してるけど気にしない。
「はっはー!
ツキコ、確か貸し切りだったよねぇ」
「え、はいそうっすよ」
「じゃさー、俺とジャグジーのセッション聴く?聴く?」
「え、いきなりですかのんちゃん」
「うん、バンドってそんなもん」
「いやぁぁ、伝統芸能さん達はどうなの?」
勇咲に亀ちゃんが話を振ると、「えちょー楽しい」と答える勇咲。
亀ちゃん、聞く相手をそこは一応師匠にしてよ。
「え?」
「ししょーさん方ぁー!苛めてあげるからどうー?いいのぉー?」
よく見りゃ亀ちゃん、鏡月をらっぱ飲みしてる。
ここにまともなやつ、いないじゃんと今更ながらに頭が冴えた。
「じゃまず俺俺~!弾くから合わせてジャグジー」
「え、え、」
ギターケースから黄色いギターを取り出すのんちゃん。
うおぉ、近ぇ。てか、
「かっけぇ」
勇咲の声が背中から聞こえる。
先を越されてしまったようだ。
「あ、君も三味線?」
「いや、俺語りっす」
「マジかー、役者揃いやーんはい、」
突然ギターを弾きゆらゆら揺れ始め、英語なのか日本語なのか最早聞き取れない鼻唄のようなものをのんちゃんは口ずさんでいた。唯一聞き取れた「爆死せよ」。これはおそらく浄瑠璃に向かない。
見いってしまって三味線を構えるのを忘れた。
ちゃらん、と1音?一振り?弾いたのんちゃんは俺を見て「ジャグジー、」と言う。
「弾かないの?」
「え、いや、はい、はい…」
夢心地のまま三味線を取り、構えてみれば。
あぁ、なんだろうな。
音が頭に振るようで。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
鷹鷲高校執事科
三石成
青春
経済社会が崩壊した後に、貴族制度が生まれた近未来。
東京都内に広大な敷地を持つ全寮制の鷹鷲高校には、貴族の子息が所属する帝王科と、そんな貴族に仕える、優秀な執事を育成するための執事科が設立されている。
物語の中心となるのは、鷹鷲高校男子部の三年生。
各々に悩みや望みを抱えた彼らは、高校三年生という貴重な一年間で、学校の行事や事件を通して、生涯の主人と執事を見つけていく。
表紙イラスト:燈実 黙(@off_the_lamp)
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる