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道行Music Beat
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「ふぅん、それってさぁ」
中野にて。
あれから、1月が経った。現在2月に差し掛かろうとしている。
あけましておめでとうついでに、ギターを抱えて座っているのんちゃんに、「レコーディングにむけてスタ練したいんだ」と呼ばれた。
のんちゃんにはドラムが来るまでこの前の、依田屋敷での騒動を話した。始終笑って聞いていたのんちゃんが、途端に真面目になって言う。
「果たしてわかり合えたのかなぁ」
「いやぁ、ま、いいんじゃないっすか?わかり合えない方が」
「まぁ、そうかもねぇ」
ついでに言うと。
「その後依田は勇咲くんと続けていくことにしたらしいですよ」
「へぇ~、あれ?前の人は?」
「さぁ…」
「てか遅いなー、ノリト」
ケータイを見ながらのんちゃんは言う。
「あの~。
あたし、そのノリトさんって、よく知らないんですが」
「あ、マジ?エルグラのドラマーだよ」
「エルグラ自体はまぁ、有名だし英詞なんで知ってるんですが、うーん、神的過ぎて会ったことが」
「地味に後輩なんだよー。
あぁほら、前話したでんにじいるじゃん?」
「あー…、誰でしたっけそれ」
「福岡の」
「あー、話してたかも」
「あそこのドラマーの国木田くんにちらっとね、「あぁ俺やりますよ」って言ってくんないかなぁとか思って飲み行ったとき話したのよ」
「うわぁ、で?」
「やっぱあそこ、復帰してすぐだから忙しいみたいで。ならって紹介してもらった」
「へえ~」
「あそこエルグラのサイドが今、正式メンバーで入ったからね、地味に繋がりがあったみたいよ」
「あー、リズム隊あるあるだ。無駄に顔が広い」
そんなに言うなら聴いてみたいかもとか思ったが、まずは、前任の高畑さんが残してくれた楽譜を眺める。
はぁ~、流石スリーピースバンド。なかなかベースがマジなリズムだぞ。これでのんちゃん爆走を受け止めた高畑さん、流石やわぁ。
眺めていたらすぐに、「すみません、」と、
タンクトップ着てそうタイプのがたいが良い、若干髪ボサ長めの髭さんが現れた。こーゆードラム、よくいるよなぁ。
「おー、はじめまして神戸くん」
のんちゃんが笑いながら手を振るので、「は、初めまして亀田です」とこちらも挨拶。ぎこちない。だってなんだかんだで売れたフェスバンドのリズム隊。ヤバイぞ卯月。耐えられるかしら。
「あぁ、はぁ、」とノリトなるドラマーがのんちゃんのテンションに圧倒される中、「セクハラの卯月ちゃーん、ベース」と紹介してくれた。ノリトさんは硬直する。
「いやぁ解散してないって国木田くんから聞いたからさ。だから呼んじゃったんだ、ありがとう神戸くん」
「え、国木田って、あの…」
「でんにじでんにじ」
「…元気でした?
なんか最後に聞いたの、あのベースが御茶ノ水でウチのクソレスポールをぶん殴っちゃってそっから休業したみたいな話聞きましたよ、弦次から」
「マジ?すんごいねでんにじ。ベースって栗村くん?マジ?あーでも確かにちょっとぽいよねー。
いや君らも大分な解散?じゃないのか、絶縁だったって聞いたから呼んだんだよー」
「あーあれっすね。“太田楽屋に縛り付け事件”」
「それそれー!」
「なにそれあのバンドそんな過激なの」
言葉足らずだった。
案の定意味を履き違えたらしい二人、「まぁボーカル人格破綻だよね」とか「てか高慢ちきっす」と、どう考えても噛み合ってなさそうな会話をしていた。
「でもさー、あれだね、バンドってなーんかその古典芸能と変わらないよね。形として人格が出るというかさー。俺エルグラ嫌いだもん」
いきなり話を戻して繋げたのんちゃんに、ノリトさんと目が合って互いに苦笑い。しかしノリトさんは「タバコ良いっすか?」と訪ねてのんちゃんの前に座った。
「なんなら酒買ってきたから飲んで飲んでー」
「…曽根原さん、どっちかってーとでんにじタイプなんすね、俺初めて知ったわ。
いや聞きましたよ、オファー来て。凄いっすねグラシア」
「せやろーロックやろー」
「まぁ…はい。
しかしこれ、うーんと亀田さん?
どう思いました?俺ついていけるかな」
「あ、あたしも思いましたー」
「じゃーまぁ自由に合わせよ。ほら、グラシアはいま俺だけだし。気にしなーいで」
「それなんすけど…、大丈夫ですか曽根原さん」
切り込んだぞノリト氏。
「ん?なんでー?」
「いや、まぁかっこいいっす。ウチのクソレスポールにはない、優しさと強さだなと」
「ありがとーう。
いやぁ、結局音楽って一人じゃん?仲間がいても、自分の音ってひとつじゃん?俺には俺のムスタングで」
がしゃがしゃがしゃ。
ドアが開いた。
語りやめ、二人ともドアを見る。
中野にて。
あれから、1月が経った。現在2月に差し掛かろうとしている。
あけましておめでとうついでに、ギターを抱えて座っているのんちゃんに、「レコーディングにむけてスタ練したいんだ」と呼ばれた。
のんちゃんにはドラムが来るまでこの前の、依田屋敷での騒動を話した。始終笑って聞いていたのんちゃんが、途端に真面目になって言う。
「果たしてわかり合えたのかなぁ」
「いやぁ、ま、いいんじゃないっすか?わかり合えない方が」
「まぁ、そうかもねぇ」
ついでに言うと。
「その後依田は勇咲くんと続けていくことにしたらしいですよ」
「へぇ~、あれ?前の人は?」
「さぁ…」
「てか遅いなー、ノリト」
ケータイを見ながらのんちゃんは言う。
「あの~。
あたし、そのノリトさんって、よく知らないんですが」
「あ、マジ?エルグラのドラマーだよ」
「エルグラ自体はまぁ、有名だし英詞なんで知ってるんですが、うーん、神的過ぎて会ったことが」
「地味に後輩なんだよー。
あぁほら、前話したでんにじいるじゃん?」
「あー…、誰でしたっけそれ」
「福岡の」
「あー、話してたかも」
「あそこのドラマーの国木田くんにちらっとね、「あぁ俺やりますよ」って言ってくんないかなぁとか思って飲み行ったとき話したのよ」
「うわぁ、で?」
「やっぱあそこ、復帰してすぐだから忙しいみたいで。ならって紹介してもらった」
「へえ~」
「あそこエルグラのサイドが今、正式メンバーで入ったからね、地味に繋がりがあったみたいよ」
「あー、リズム隊あるあるだ。無駄に顔が広い」
そんなに言うなら聴いてみたいかもとか思ったが、まずは、前任の高畑さんが残してくれた楽譜を眺める。
はぁ~、流石スリーピースバンド。なかなかベースがマジなリズムだぞ。これでのんちゃん爆走を受け止めた高畑さん、流石やわぁ。
眺めていたらすぐに、「すみません、」と、
タンクトップ着てそうタイプのがたいが良い、若干髪ボサ長めの髭さんが現れた。こーゆードラム、よくいるよなぁ。
「おー、はじめまして神戸くん」
のんちゃんが笑いながら手を振るので、「は、初めまして亀田です」とこちらも挨拶。ぎこちない。だってなんだかんだで売れたフェスバンドのリズム隊。ヤバイぞ卯月。耐えられるかしら。
「あぁ、はぁ、」とノリトなるドラマーがのんちゃんのテンションに圧倒される中、「セクハラの卯月ちゃーん、ベース」と紹介してくれた。ノリトさんは硬直する。
「いやぁ解散してないって国木田くんから聞いたからさ。だから呼んじゃったんだ、ありがとう神戸くん」
「え、国木田って、あの…」
「でんにじでんにじ」
「…元気でした?
なんか最後に聞いたの、あのベースが御茶ノ水でウチのクソレスポールをぶん殴っちゃってそっから休業したみたいな話聞きましたよ、弦次から」
「マジ?すんごいねでんにじ。ベースって栗村くん?マジ?あーでも確かにちょっとぽいよねー。
いや君らも大分な解散?じゃないのか、絶縁だったって聞いたから呼んだんだよー」
「あーあれっすね。“太田楽屋に縛り付け事件”」
「それそれー!」
「なにそれあのバンドそんな過激なの」
言葉足らずだった。
案の定意味を履き違えたらしい二人、「まぁボーカル人格破綻だよね」とか「てか高慢ちきっす」と、どう考えても噛み合ってなさそうな会話をしていた。
「でもさー、あれだね、バンドってなーんかその古典芸能と変わらないよね。形として人格が出るというかさー。俺エルグラ嫌いだもん」
いきなり話を戻して繋げたのんちゃんに、ノリトさんと目が合って互いに苦笑い。しかしノリトさんは「タバコ良いっすか?」と訪ねてのんちゃんの前に座った。
「なんなら酒買ってきたから飲んで飲んでー」
「…曽根原さん、どっちかってーとでんにじタイプなんすね、俺初めて知ったわ。
いや聞きましたよ、オファー来て。凄いっすねグラシア」
「せやろーロックやろー」
「まぁ…はい。
しかしこれ、うーんと亀田さん?
どう思いました?俺ついていけるかな」
「あ、あたしも思いましたー」
「じゃーまぁ自由に合わせよ。ほら、グラシアはいま俺だけだし。気にしなーいで」
「それなんすけど…、大丈夫ですか曽根原さん」
切り込んだぞノリト氏。
「ん?なんでー?」
「いや、まぁかっこいいっす。ウチのクソレスポールにはない、優しさと強さだなと」
「ありがとーう。
いやぁ、結局音楽って一人じゃん?仲間がいても、自分の音ってひとつじゃん?俺には俺のムスタングで」
がしゃがしゃがしゃ。
ドアが開いた。
語りやめ、二人ともドアを見る。
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