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The 5th episode
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車に乗り込んでからの谷はおとなしかった。
「金さえ返せば私は助かりますか」
「どうだかな」
「“私は?”」
俺がツッコミを入れると、枝野と谷の両者は黙り込んだ。
「…あんたらが何を、何を考えているかはわからんが、大方無駄足だ」
「何故そう言える?」
「ふっ…ふっふ…」
谷は気が触れたかのように突然笑い出した。状況的にはわからなくもないが少し、不気味だ。
「何がおかしいんだよ、」
「…あの人にとっちゃ、貴様らヤクザも、私のような学者ですらも、もう、ただの駒で、それどころか使い捨ての火薬でしかないんだよ!」
「…その、ミノハラ教授か」
「…あの男はただの学者なんかじゃない。それはお宅らが一番わかってるだろ?な?」
多分、俺の予想は、まだ霧の中で晴れない。だが、恐らく…。
「…それ以上はウチのボスにゆっくり聞かせてくれ。時間は死ぬほどあるからな」
恐らく、もう何もこいつからは出てこないんだろうな。所詮お前も會澤も、ヤツは切り捨てたんだろう。
しかし、蜥蜴だろうが尻尾は掴んだようだ。
タバコに火をつけた。煙がぼんやりと車内を汚す。
前が霞むような感覚に、窓をいつもより開けてみる。単なる気休めだった。
あとは最後の手がかりだ。
ゼウス前の公園で下ろされ、ベンチに座って鮫島を待つことにした。
その間、15分ほど時間に猶予があったのでまずは5課に連絡。
昨日宣告された突然の捜査打ちきり要請と共に。
『そうか…』
「はい…」
『あんたは、今どこに?』
「ゼウスの社長からご指名です。最後の悪足掻きをしてきます。あとは…お宅の案件になるとは思いますが…」
『1時間くらいで戻ってこれますか』
「わからない。戻る頃にはウチにも連絡は入れますがまぁ、まずは…會澤組にカタを…」
ふと、遠目に一度見たことのある人物を確認。粗末だがそのまま電話を切った。大抵の用件は伝えたし、まぁいいだろう。
先方は胡散臭いまでの笑顔でそいつは手を振ってきた。
やりにくいな。
やっぱり、少し銀河に似ている。
だけど確実に違う。
あの人はここまで胡散臭くはなかった。
「来てくれたんですね」
微笑みを称えて言われれば、曖昧に頷いて「どうも…」と社交辞令。
「君、イタリアンは好きですか?」
「…まぁ、はい」
うわぁ、イタリアン、ねぇ…。
「俺の行きつけがあるんですがどうですか?」
「あぁ、はい」
こいつ、なんのつもりなんだろう。
まさか本気で飯食いに行くだけだったら笑うんだが。いや、笑えないんだが。
ふと、タバコを吸う指を凝視されていることに気が付いた。
そうか、タバコ嫌いなのかなこーゆータイプは。
「あ、すみません」
「いや、いいんだ。
指が綺麗だなと思ってね」
…なんだこいつ。
顔に出てしまったのか、鮫島は飄々と笑い、「君、顔に出やすいね」と言われてしまった。
「いや、すみません、なんて返すべきか…」
「なんか、しっかりした骨組みと言うのかな。
拳銃を使うにはとても適している」
「…まぁ、職業柄ね」
…なんとなく気味が悪い男だな。
「君、名前を聞いていなかったね」
「…冨多竜也です」
「…へぇ、」
なんだか吐き捨てるように言われ、急に胡散臭い笑顔が消えた。気分は害したらしい。
「まぁ、車で来てるからさ。おいでよ」
鮫島が立ち上がったのでそのままついていくことにした。
非常識にも、公園の入り口の真ん前に黒のベンツが止まっていた。
よく今まであんたのような真っ黒い人間がこんな堂々としていて暗殺されなかったな。流石は平和な国だ。暗殺されなかったとしてもこんなの、ご近所トラブルくらいにならないのか。
車に乗ってすぐに気付いた。芳香剤の臭いがする。
なんだこいつ、タバコ吸うのか。
ふと、鮫島が笑った。さっきまでの胡散臭さはなくなっているように見えた。
「職業柄?物凄く殺気立ってるんだけど」
「はぁ…すみません」
「そのわりにあっさり車に乗っちゃうんだね」
「…確かに」
こっちは眠いんだ。さっさと済ませて帰りたい。正直仕事は山積みだが、これはこれで気を張らなければ何があるかわからない地に立ってしまったのも事実だ。
「…変わってるね。マイペースって言われない?」
「…あんまり」
「そっか」
車を発進させる。
それにしてもこの芳香剤の臭い、あまり好きじゃないな。
「すみません」
「ん?なんだい?」
「タバコ吸ってもいいですか?」
「どうぞどうぞ」
タバコを取り出して火をつける。
「日本版とアメリカ版、味って違う?」
ふとそう鮫島に聞かれて手が止まった。
「…さぁ」
「俺の知り合いの知り合いがそれ吸っててね。どうなのかなぁ、と思ってさ」
「そうですか」
「君、昨日入ったんだっけ?」
「はい、そうです」
「會澤さん、どうだい?」
然り気無い会話。しかし何か、含まれていそうだと思うのはやはりこの男特有の胡散臭さなのか、それとも俺が、“職業柄”疑り深いからなのか…。
「…どう、と言うと…?」
「嫌だなぁ、君、俺の眼鏡違いじゃなければ多分、賢い方でしょ?」
「どうですかね」
「…ヤクザって面でもないじゃない?」
やはり疑って正解だ。しかし、鮫島は俺から何が聞きたいのだろう。真意がわからない。
「ヤクザって面がどんなもんだかまだわかりませんけど」
「だから聞きたいんじゃない。
早い話がヘッドハンティングだよ」
「…はぁ、つまりヤクザから証券会社に?」
「うーん、俺実は副業やっててね。
まぁなんでウチがこんな利益ばっかりの株持ってるかって話だよ。
…君はヤクザには勿体ないなぁと思ってね。なんせ…」
冷たい、射るような目で鮫島に睨まれた。
「お土産をこっそりくれるくらいの手癖だからね」
…はっ。
「…盗聴機だなんて、悪趣味だねぇ」
…やべぇ。
「…ご挨拶が過ぎましたかね」
「そうだね。けど…」
舐めるように全身を見られる。ヤバイ。久しぶりの、焦燥感。
「興奮するほど気に入った」
「…変態じみてますね」
「うん、よく言われます。
まぁいいんだ。あれ、使えなかったし。
ズバリお願いしたいのは企業探偵さん、だね」
「…は?」
なんなんだこいつ。
喧嘩の売り方がもはやズレ過ぎていて皆目見当がつかない。
「俺ね、會澤さんと手を切ろうと思ってるんだけど…。
どうやら會澤さん付近にネズミが入り込んでるらしいのよ」
うわぁ、見えてきたぞこれ。
「はぁ、どんな?」
「いや、素性はわからない。友人に聞いた話だからね。どうも…警察内部みたいなんだけど」
「それは確かにお宅には不利益だ」
「いやまあそうでもないよ。ウチも純朴な警察官には大変お世話になっているからね。
だがどうもそのネズミは…。最早警察官から堕落したようなやつみたいだ。
しかしこちらに内部状況をリークできる位置にいる。
だがそいつは一歩間違えば位置的に厄介だ」
ん?
「中途半端に上にいると言うことですか?」
「いや、逆だね。
下っ端なんだよ。まぁ切るなら今だ。こいつも、會澤さんも」
…どう言うことだ?
「興味、持ってくれた?」
「…まぁ、興味はありますが…。
ヘッドハンティングは申し訳ないが断りたい。俺にはそんな大役は勤まらない」
「あれぇ…。君、そーゆーの得意そうなんだけどね」
上等だよクソ野郎。
「…買い被りすぎです。そしてあんたは何かを勘違いしていませんか?」
「と、言うと?」
「喧嘩を売る相手、間違ってますよ」
窓の外から吸い殻を捨てた。
「…喧嘩じゃないんだよなぁ」
「じゃぁ、」
「會澤さんは捕まるから。君は手元に置いておこうかなって」
「ご親切にどうも。
自分の身くらい自分で守れますよ」
「ふっ…」
また、笑う。
それがヤケに鼻につく。今日の俺のこのイライラが一気に出そうだ。
「そうだろうね。
まぁいいや。君の事はごめん、純粋に好きだ。悪かったね、こんな話をして」
だが妙に、優しい顔で鮫島に微笑んで言われた。
やり場は取り敢えずなくなったので返事はしなかった。
「ごちそうするから、機嫌直してください」
「…あんまり乗り気ではありませんね正直」
「…そう嫌悪されるのが、また俺の支配欲を高めるんだよ」
「悪趣味はそちらですよ」
「ははっ…!うん!」
なんなんだこいつ。
こんな時に子供みたいに笑いやがるそれは、どう見てもサイコパス。
「…帰りてぇ」
「ご飯食べたら事務所まで送ります」
はぁ。
疲れる。
「金さえ返せば私は助かりますか」
「どうだかな」
「“私は?”」
俺がツッコミを入れると、枝野と谷の両者は黙り込んだ。
「…あんたらが何を、何を考えているかはわからんが、大方無駄足だ」
「何故そう言える?」
「ふっ…ふっふ…」
谷は気が触れたかのように突然笑い出した。状況的にはわからなくもないが少し、不気味だ。
「何がおかしいんだよ、」
「…あの人にとっちゃ、貴様らヤクザも、私のような学者ですらも、もう、ただの駒で、それどころか使い捨ての火薬でしかないんだよ!」
「…その、ミノハラ教授か」
「…あの男はただの学者なんかじゃない。それはお宅らが一番わかってるだろ?な?」
多分、俺の予想は、まだ霧の中で晴れない。だが、恐らく…。
「…それ以上はウチのボスにゆっくり聞かせてくれ。時間は死ぬほどあるからな」
恐らく、もう何もこいつからは出てこないんだろうな。所詮お前も會澤も、ヤツは切り捨てたんだろう。
しかし、蜥蜴だろうが尻尾は掴んだようだ。
タバコに火をつけた。煙がぼんやりと車内を汚す。
前が霞むような感覚に、窓をいつもより開けてみる。単なる気休めだった。
あとは最後の手がかりだ。
ゼウス前の公園で下ろされ、ベンチに座って鮫島を待つことにした。
その間、15分ほど時間に猶予があったのでまずは5課に連絡。
昨日宣告された突然の捜査打ちきり要請と共に。
『そうか…』
「はい…」
『あんたは、今どこに?』
「ゼウスの社長からご指名です。最後の悪足掻きをしてきます。あとは…お宅の案件になるとは思いますが…」
『1時間くらいで戻ってこれますか』
「わからない。戻る頃にはウチにも連絡は入れますがまぁ、まずは…會澤組にカタを…」
ふと、遠目に一度見たことのある人物を確認。粗末だがそのまま電話を切った。大抵の用件は伝えたし、まぁいいだろう。
先方は胡散臭いまでの笑顔でそいつは手を振ってきた。
やりにくいな。
やっぱり、少し銀河に似ている。
だけど確実に違う。
あの人はここまで胡散臭くはなかった。
「来てくれたんですね」
微笑みを称えて言われれば、曖昧に頷いて「どうも…」と社交辞令。
「君、イタリアンは好きですか?」
「…まぁ、はい」
うわぁ、イタリアン、ねぇ…。
「俺の行きつけがあるんですがどうですか?」
「あぁ、はい」
こいつ、なんのつもりなんだろう。
まさか本気で飯食いに行くだけだったら笑うんだが。いや、笑えないんだが。
ふと、タバコを吸う指を凝視されていることに気が付いた。
そうか、タバコ嫌いなのかなこーゆータイプは。
「あ、すみません」
「いや、いいんだ。
指が綺麗だなと思ってね」
…なんだこいつ。
顔に出てしまったのか、鮫島は飄々と笑い、「君、顔に出やすいね」と言われてしまった。
「いや、すみません、なんて返すべきか…」
「なんか、しっかりした骨組みと言うのかな。
拳銃を使うにはとても適している」
「…まぁ、職業柄ね」
…なんとなく気味が悪い男だな。
「君、名前を聞いていなかったね」
「…冨多竜也です」
「…へぇ、」
なんだか吐き捨てるように言われ、急に胡散臭い笑顔が消えた。気分は害したらしい。
「まぁ、車で来てるからさ。おいでよ」
鮫島が立ち上がったのでそのままついていくことにした。
非常識にも、公園の入り口の真ん前に黒のベンツが止まっていた。
よく今まであんたのような真っ黒い人間がこんな堂々としていて暗殺されなかったな。流石は平和な国だ。暗殺されなかったとしてもこんなの、ご近所トラブルくらいにならないのか。
車に乗ってすぐに気付いた。芳香剤の臭いがする。
なんだこいつ、タバコ吸うのか。
ふと、鮫島が笑った。さっきまでの胡散臭さはなくなっているように見えた。
「職業柄?物凄く殺気立ってるんだけど」
「はぁ…すみません」
「そのわりにあっさり車に乗っちゃうんだね」
「…確かに」
こっちは眠いんだ。さっさと済ませて帰りたい。正直仕事は山積みだが、これはこれで気を張らなければ何があるかわからない地に立ってしまったのも事実だ。
「…変わってるね。マイペースって言われない?」
「…あんまり」
「そっか」
車を発進させる。
それにしてもこの芳香剤の臭い、あまり好きじゃないな。
「すみません」
「ん?なんだい?」
「タバコ吸ってもいいですか?」
「どうぞどうぞ」
タバコを取り出して火をつける。
「日本版とアメリカ版、味って違う?」
ふとそう鮫島に聞かれて手が止まった。
「…さぁ」
「俺の知り合いの知り合いがそれ吸っててね。どうなのかなぁ、と思ってさ」
「そうですか」
「君、昨日入ったんだっけ?」
「はい、そうです」
「會澤さん、どうだい?」
然り気無い会話。しかし何か、含まれていそうだと思うのはやはりこの男特有の胡散臭さなのか、それとも俺が、“職業柄”疑り深いからなのか…。
「…どう、と言うと…?」
「嫌だなぁ、君、俺の眼鏡違いじゃなければ多分、賢い方でしょ?」
「どうですかね」
「…ヤクザって面でもないじゃない?」
やはり疑って正解だ。しかし、鮫島は俺から何が聞きたいのだろう。真意がわからない。
「ヤクザって面がどんなもんだかまだわかりませんけど」
「だから聞きたいんじゃない。
早い話がヘッドハンティングだよ」
「…はぁ、つまりヤクザから証券会社に?」
「うーん、俺実は副業やっててね。
まぁなんでウチがこんな利益ばっかりの株持ってるかって話だよ。
…君はヤクザには勿体ないなぁと思ってね。なんせ…」
冷たい、射るような目で鮫島に睨まれた。
「お土産をこっそりくれるくらいの手癖だからね」
…はっ。
「…盗聴機だなんて、悪趣味だねぇ」
…やべぇ。
「…ご挨拶が過ぎましたかね」
「そうだね。けど…」
舐めるように全身を見られる。ヤバイ。久しぶりの、焦燥感。
「興奮するほど気に入った」
「…変態じみてますね」
「うん、よく言われます。
まぁいいんだ。あれ、使えなかったし。
ズバリお願いしたいのは企業探偵さん、だね」
「…は?」
なんなんだこいつ。
喧嘩の売り方がもはやズレ過ぎていて皆目見当がつかない。
「俺ね、會澤さんと手を切ろうと思ってるんだけど…。
どうやら會澤さん付近にネズミが入り込んでるらしいのよ」
うわぁ、見えてきたぞこれ。
「はぁ、どんな?」
「いや、素性はわからない。友人に聞いた話だからね。どうも…警察内部みたいなんだけど」
「それは確かにお宅には不利益だ」
「いやまあそうでもないよ。ウチも純朴な警察官には大変お世話になっているからね。
だがどうもそのネズミは…。最早警察官から堕落したようなやつみたいだ。
しかしこちらに内部状況をリークできる位置にいる。
だがそいつは一歩間違えば位置的に厄介だ」
ん?
「中途半端に上にいると言うことですか?」
「いや、逆だね。
下っ端なんだよ。まぁ切るなら今だ。こいつも、會澤さんも」
…どう言うことだ?
「興味、持ってくれた?」
「…まぁ、興味はありますが…。
ヘッドハンティングは申し訳ないが断りたい。俺にはそんな大役は勤まらない」
「あれぇ…。君、そーゆーの得意そうなんだけどね」
上等だよクソ野郎。
「…買い被りすぎです。そしてあんたは何かを勘違いしていませんか?」
「と、言うと?」
「喧嘩を売る相手、間違ってますよ」
窓の外から吸い殻を捨てた。
「…喧嘩じゃないんだよなぁ」
「じゃぁ、」
「會澤さんは捕まるから。君は手元に置いておこうかなって」
「ご親切にどうも。
自分の身くらい自分で守れますよ」
「ふっ…」
また、笑う。
それがヤケに鼻につく。今日の俺のこのイライラが一気に出そうだ。
「そうだろうね。
まぁいいや。君の事はごめん、純粋に好きだ。悪かったね、こんな話をして」
だが妙に、優しい顔で鮫島に微笑んで言われた。
やり場は取り敢えずなくなったので返事はしなかった。
「ごちそうするから、機嫌直してください」
「…あんまり乗り気ではありませんね正直」
「…そう嫌悪されるのが、また俺の支配欲を高めるんだよ」
「悪趣味はそちらですよ」
「ははっ…!うん!」
なんなんだこいつ。
こんな時に子供みたいに笑いやがるそれは、どう見てもサイコパス。
「…帰りてぇ」
「ご飯食べたら事務所まで送ります」
はぁ。
疲れる。
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