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Past episode four
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三人の足元に弾丸が一発入る。
弾は上から。
二階のエントランスから一人、明らかなるスナイパーみたいなやつがこちらに狙いを定めているのを確認。
「厄介だなぁ」
「上はワタシに任せなサイよ。二人はこっち、任せたヨ」
「了解」
確かに射程距離や弾数からいけばその方が、相手が持っているスナイパーライフルには有利だ。
「さて、お前はそこのクソガキ守っとけよ流星」
「嫌だよっと!」
ふざけた口調で言う潤の方に向けて一発撃つ。その向こう側で一人、倒れた。
「あぶねーなてめぇ当たったらどうしてくれんだバカ」
「運の尽きだよ。でも大丈夫、」
次は前方。少女の真横を弾が飛んでいった。弾が切れてマガジンを装填し直す。
「お前そーゆークソ運強いから」
「なんだよそれ!」
最早背中合わせで二人は銃弾を撃ち込んでいく。その鮮やかさはまさに息ぴったりで。たまに片方がこければ片方が助け船を出す。
なんだかんだで二人して陸を守りながら戦っている。
素人相手に5分ほどで決着がついた。あとは、陸次第なのだが。
「どうして…」
ぼやくように少女は言い、その場にしゃがみこんんだ。
「神は、どうして救ってくれないの…」
長い黒髪はいつの間にか血飛沫で変色し、固まっている。どこからいつ飛んできた誰の血だかわからない。
ざっと10人弱は殺した。少女が言う、神の下で。
「いやぁぁぁぁ!」
雄叫びのように悲鳴をあげる少女。半狂乱になり、震える手でもう一度銃を握った。
「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる!」
「やってみろよクソガキが」
今度は流石に容赦はなしだ。
流星は少女の元へ行き額に銃口を押し当てた。
「なんか言えよ陸」
「え…」
「てめえが唖然としてる間にあの子の人生を血に染めたのは俺たちだぞ」
潤が陸に、平然と嘲笑を向ける。
「俺たちって、」
「俺は違うと、そう言いたいのか陸」
「え…」
「それならそれで構わないけどな」
ハンマーが鳴る。陸にとってこんな先輩二人の目は、初めて見る物だった。
「ひっ…」
「うるせぇんだよ」
その時だけは、少女の目の焦点は定まり、漸く流星の姿を捉えて涙した。
ただ唖然と死を待つ彼女に最期に流星がしてやったことは、銃を持つ手を蹴りあげ、呆けている隙に弾丸を打ち込むくらいしかなく。
反動で後ろに倒れた彼女は白目を向いて頭から血を流すという最期だった。
「酷い」
そうだろう。
だが、
「どっちがだ」
それだけが問いたい。
「お前が腑抜けてる間に出した答えはそれだな。だったらこの部署を離れてクリーンな交番勤務に就けよクソガキ。てめぇのテキトーな情報のせいでこっちがどれだけ出遅れたと思ってんだよ」
睨むその、蛇のような流星の目に、陸の背筋は凍る、悪寒が走る。
「下手な同情心が人も自分も救えないと解らないようなバカは嫌いだよ。
お前に何がわかるんだ陸。何が救いだとわかる。こいつが何を求めてこんな、クソみてぇな宗教団体に入って神にすがって薬にすがって銃を持って戦ってんのか、てめぇに同情出来る義理はあったのか。揚げ句これか。笑わせんなよ。
てめぇのデータじゃあてにならんが、ここは宗教を詠って殺人集団を作り上げてんだよ。女や子どもは容赦なくレイプされまくって頭おかしくなるほど薬打ち込まれてな。お前それをどう救うんだ」
言葉が出なかった。
「詰めが甘いねぇ。
他に行ってもあいつに勝てると思うなよ新人。あいつは、俺たちは何より、救うとか救われるとか、そんな生温い言葉じゃ勝たせてやらないよ」
それだけを陸に言い残して流星と潤は先を行く。それを見たルークも後をついていき、「まだイタの、邪魔ダよ」と陸に言いながら横を通りすぎていく。
背中が遠い。気が狂うほどに。もう少し近いと思っていた。
ただただ、その場に座り込んでいることしか出来ず、しまいに陸はその床に寝転んでみた。
「正義、ねぇ…」
弾は上から。
二階のエントランスから一人、明らかなるスナイパーみたいなやつがこちらに狙いを定めているのを確認。
「厄介だなぁ」
「上はワタシに任せなサイよ。二人はこっち、任せたヨ」
「了解」
確かに射程距離や弾数からいけばその方が、相手が持っているスナイパーライフルには有利だ。
「さて、お前はそこのクソガキ守っとけよ流星」
「嫌だよっと!」
ふざけた口調で言う潤の方に向けて一発撃つ。その向こう側で一人、倒れた。
「あぶねーなてめぇ当たったらどうしてくれんだバカ」
「運の尽きだよ。でも大丈夫、」
次は前方。少女の真横を弾が飛んでいった。弾が切れてマガジンを装填し直す。
「お前そーゆークソ運強いから」
「なんだよそれ!」
最早背中合わせで二人は銃弾を撃ち込んでいく。その鮮やかさはまさに息ぴったりで。たまに片方がこければ片方が助け船を出す。
なんだかんだで二人して陸を守りながら戦っている。
素人相手に5分ほどで決着がついた。あとは、陸次第なのだが。
「どうして…」
ぼやくように少女は言い、その場にしゃがみこんんだ。
「神は、どうして救ってくれないの…」
長い黒髪はいつの間にか血飛沫で変色し、固まっている。どこからいつ飛んできた誰の血だかわからない。
ざっと10人弱は殺した。少女が言う、神の下で。
「いやぁぁぁぁ!」
雄叫びのように悲鳴をあげる少女。半狂乱になり、震える手でもう一度銃を握った。
「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる!」
「やってみろよクソガキが」
今度は流石に容赦はなしだ。
流星は少女の元へ行き額に銃口を押し当てた。
「なんか言えよ陸」
「え…」
「てめえが唖然としてる間にあの子の人生を血に染めたのは俺たちだぞ」
潤が陸に、平然と嘲笑を向ける。
「俺たちって、」
「俺は違うと、そう言いたいのか陸」
「え…」
「それならそれで構わないけどな」
ハンマーが鳴る。陸にとってこんな先輩二人の目は、初めて見る物だった。
「ひっ…」
「うるせぇんだよ」
その時だけは、少女の目の焦点は定まり、漸く流星の姿を捉えて涙した。
ただ唖然と死を待つ彼女に最期に流星がしてやったことは、銃を持つ手を蹴りあげ、呆けている隙に弾丸を打ち込むくらいしかなく。
反動で後ろに倒れた彼女は白目を向いて頭から血を流すという最期だった。
「酷い」
そうだろう。
だが、
「どっちがだ」
それだけが問いたい。
「お前が腑抜けてる間に出した答えはそれだな。だったらこの部署を離れてクリーンな交番勤務に就けよクソガキ。てめぇのテキトーな情報のせいでこっちがどれだけ出遅れたと思ってんだよ」
睨むその、蛇のような流星の目に、陸の背筋は凍る、悪寒が走る。
「下手な同情心が人も自分も救えないと解らないようなバカは嫌いだよ。
お前に何がわかるんだ陸。何が救いだとわかる。こいつが何を求めてこんな、クソみてぇな宗教団体に入って神にすがって薬にすがって銃を持って戦ってんのか、てめぇに同情出来る義理はあったのか。揚げ句これか。笑わせんなよ。
てめぇのデータじゃあてにならんが、ここは宗教を詠って殺人集団を作り上げてんだよ。女や子どもは容赦なくレイプされまくって頭おかしくなるほど薬打ち込まれてな。お前それをどう救うんだ」
言葉が出なかった。
「詰めが甘いねぇ。
他に行ってもあいつに勝てると思うなよ新人。あいつは、俺たちは何より、救うとか救われるとか、そんな生温い言葉じゃ勝たせてやらないよ」
それだけを陸に言い残して流星と潤は先を行く。それを見たルークも後をついていき、「まだイタの、邪魔ダよ」と陸に言いながら横を通りすぎていく。
背中が遠い。気が狂うほどに。もう少し近いと思っていた。
ただただ、その場に座り込んでいることしか出来ず、しまいに陸はその床に寝転んでみた。
「正義、ねぇ…」
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