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着替えすらしない桜木に、てゆうかいま何時だとキョロキョロすれば、ご丁寧にも枕元でスマホは充電されていた。
水没したらどうしてくれる気だったんだとボタンを押せば、通知が来ている。
お姉さん:待機暇~
それが2時間前で、現在は21:36。確か、自分は13時から120分だったはずだ。
別にまだ、帰る時間でもないらしいけど…「桜木さん」と、やはり一度起き上がって桜木を呼んだ。
「何?苦しい?」
振り向きもしない。
「もしかして結構寝てた?」
「わかんね」
「ずっとそのまま?」
「あーだって勤務時間中だし、いまの俺の店への設定」
「…そーだよね、何してんの?」
「梨切ってる。余ってたから助かるわ、何個食う?」
バカなの?
いや、宇宙人か。仕方ないな。
「いいよ普通で。コウスイって何?品種?」
「そー。農家の知り合いがいんだよ多分」
多分?
ますます謎だった。
状況はこうまで来ると察する。熱っぽかったから連れて帰ったけど超微妙。取り敢えず地元の梨を切ってくれてる。
全然普通じゃない。
「その様子だと、梨食ったら飯食い行く?お前超腹鳴ってたけどよく起きなかったな、下した?腹減った?意味わかんねえけどどっち?腹下したならなんか炎症かと思ったら7度4分って」
「凄いな喋るなよく切れるね」
あぁ、そういえば昨日からパスタしか食べてない。
仕事が入る日はあまり食べないのだ。
「ちとよくわかんねえけど」と、桜木は梨を持ってきた。
いや、あんたがよくわかんねえよ。
梨はどう見てもくし切りだか輪切りだか、取り敢えず灯が予想していたのとは違っていた。
ついでに、添えられていたのは割り箸。
「…ポテチをお箸で食べる人いるよね、そうゆうこと?」
「あーうんそうそう」
テキトーに返事を返され梨を渡された。多分一個分だ。
なんだろう、「この人不器用だな」と捉えれば正解なのだろうか、それすらわからないけど、まずは「ありがとう」と受け取っておく。
多分、根本は流されていて、自分でも「まずは従わなきゃならないな」と思い始めているのだ。
「…丁度昨日の夜?今日の朝パスタ食べて以来なんだよね」
「パスタ?食い物じゃねぇじゃんそれ」
食い物だけどね。歴とした。
「おやつだろ」と言う桜木に、ならそのおやつを何と思ってるんだか、と梨を食べてみるとそんなに甘くないのかもしれないというか口に何かが貼り付くような…渋みか何かを感じる…初めての経験だった。
というか、味、しないな。多分、自分の味覚の問題で…。
「旨い?」
桜木が少し、さっきより声の温度をあげた気がする。かなり申し訳がないが「味がしないかも…」と白状した。
「なんか貼り付く…」
「あー、熟してないんだ」
「そうなんだ…人生初…」
「どれ」
手で一切れ食べ、その指を舐める桜木の姿。
顔をしかめ「マジだかなり早い」と呟き、寄越せと手を出してくるけど。
「いや、大丈夫味しないから」
「うーん甘くはないけどやっぱ風邪かな」
「風邪薬も大丈夫。鬱薬と相性悪いかもだから」
「あそう?」
シャリシャリ、シャリシャリと渋い梨を食べながら「桜木さん、地元どこ?」と聞いてみた。特に意味はない。
「栃木」
「栃木…確か、関東だよね」
「北関東だよ。どっちなんだって感じだよな」
…あぁ、なるほど、北東なんじゃないか?とは思いながらも「取り敢えずありがとうなんだけれども」と灯は切り出す。
「うん」
「帰るから」
「始発で良いんだろ。
てか、呼ぶ?」
「は?」
「お姉さん。確かチカって子だよね、千に簡単な香りで。なんて名前で」
「そうなの!?」
「は?」
なんで知ってるの!?
逆に、「なんで知らねーの?」と言われてしまった。
確かにそうだ。
「…千香ってゆーんだ…」
「お前そんなんでよく7年もやってきたな」
「いや、なんか聞けなくて…なんで知ってるの?」
「オーナーの家族構成くらいわかんだろ。俺お前より長いんだぞ?」
いや、そういうものかは甚だ疑問だが「あ、なんかスミマセン…」と謝れば「あーいや…」と、急にバツは悪そう。
「いや…知らないか。知らないな。住んでるなら知ってるかと思ってただけで普通は知らないわ、俺は調べたからだわ」
「調べた?」
さっきも確かに、自分達のことを知ってる、だなんて言っていたな。
「いや、まぁお前は知ってるべきなような気がするけど。興味あったから。若いやつは他人に興味持たないってホントだな」
「いやいやいや…当たり前に知りたいよ。でも…いけない気がして」
「バカかお前。ネットやアイドルじゃねぇんだからさ」
「うん、まぁ、そうだよね」
「ちなみに同い年だぞお前と。女は若干長くていいよな。
でも、それにしたって顔見たことねぇから、そんな歳でやれてんの…凄いっつーか化け物感はなくはない、キレんなよ?」
「あ、そうだったんだ。でも綺麗だよ。19の時に、お姉さんだろうと思ってから変わって…まぁ少しくらいしかホントに変わってないかな」
でも…。
「だとしたら、やっぱなんかなぁ。俺の手管ってお姉さんから教わったんだよ、結構」
「あ、そんな感じなんか。なるほど」
「…同情とか、しないつもりで頑張ってるんだけどやっぱり…うーん、悲しくなるもんだね、なんか…」
「そーゆー感じか。なるほど」
水没したらどうしてくれる気だったんだとボタンを押せば、通知が来ている。
お姉さん:待機暇~
それが2時間前で、現在は21:36。確か、自分は13時から120分だったはずだ。
別にまだ、帰る時間でもないらしいけど…「桜木さん」と、やはり一度起き上がって桜木を呼んだ。
「何?苦しい?」
振り向きもしない。
「もしかして結構寝てた?」
「わかんね」
「ずっとそのまま?」
「あーだって勤務時間中だし、いまの俺の店への設定」
「…そーだよね、何してんの?」
「梨切ってる。余ってたから助かるわ、何個食う?」
バカなの?
いや、宇宙人か。仕方ないな。
「いいよ普通で。コウスイって何?品種?」
「そー。農家の知り合いがいんだよ多分」
多分?
ますます謎だった。
状況はこうまで来ると察する。熱っぽかったから連れて帰ったけど超微妙。取り敢えず地元の梨を切ってくれてる。
全然普通じゃない。
「その様子だと、梨食ったら飯食い行く?お前超腹鳴ってたけどよく起きなかったな、下した?腹減った?意味わかんねえけどどっち?腹下したならなんか炎症かと思ったら7度4分って」
「凄いな喋るなよく切れるね」
あぁ、そういえば昨日からパスタしか食べてない。
仕事が入る日はあまり食べないのだ。
「ちとよくわかんねえけど」と、桜木は梨を持ってきた。
いや、あんたがよくわかんねえよ。
梨はどう見てもくし切りだか輪切りだか、取り敢えず灯が予想していたのとは違っていた。
ついでに、添えられていたのは割り箸。
「…ポテチをお箸で食べる人いるよね、そうゆうこと?」
「あーうんそうそう」
テキトーに返事を返され梨を渡された。多分一個分だ。
なんだろう、「この人不器用だな」と捉えれば正解なのだろうか、それすらわからないけど、まずは「ありがとう」と受け取っておく。
多分、根本は流されていて、自分でも「まずは従わなきゃならないな」と思い始めているのだ。
「…丁度昨日の夜?今日の朝パスタ食べて以来なんだよね」
「パスタ?食い物じゃねぇじゃんそれ」
食い物だけどね。歴とした。
「おやつだろ」と言う桜木に、ならそのおやつを何と思ってるんだか、と梨を食べてみるとそんなに甘くないのかもしれないというか口に何かが貼り付くような…渋みか何かを感じる…初めての経験だった。
というか、味、しないな。多分、自分の味覚の問題で…。
「旨い?」
桜木が少し、さっきより声の温度をあげた気がする。かなり申し訳がないが「味がしないかも…」と白状した。
「なんか貼り付く…」
「あー、熟してないんだ」
「そうなんだ…人生初…」
「どれ」
手で一切れ食べ、その指を舐める桜木の姿。
顔をしかめ「マジだかなり早い」と呟き、寄越せと手を出してくるけど。
「いや、大丈夫味しないから」
「うーん甘くはないけどやっぱ風邪かな」
「風邪薬も大丈夫。鬱薬と相性悪いかもだから」
「あそう?」
シャリシャリ、シャリシャリと渋い梨を食べながら「桜木さん、地元どこ?」と聞いてみた。特に意味はない。
「栃木」
「栃木…確か、関東だよね」
「北関東だよ。どっちなんだって感じだよな」
…あぁ、なるほど、北東なんじゃないか?とは思いながらも「取り敢えずありがとうなんだけれども」と灯は切り出す。
「うん」
「帰るから」
「始発で良いんだろ。
てか、呼ぶ?」
「は?」
「お姉さん。確かチカって子だよね、千に簡単な香りで。なんて名前で」
「そうなの!?」
「は?」
なんで知ってるの!?
逆に、「なんで知らねーの?」と言われてしまった。
確かにそうだ。
「…千香ってゆーんだ…」
「お前そんなんでよく7年もやってきたな」
「いや、なんか聞けなくて…なんで知ってるの?」
「オーナーの家族構成くらいわかんだろ。俺お前より長いんだぞ?」
いや、そういうものかは甚だ疑問だが「あ、なんかスミマセン…」と謝れば「あーいや…」と、急にバツは悪そう。
「いや…知らないか。知らないな。住んでるなら知ってるかと思ってただけで普通は知らないわ、俺は調べたからだわ」
「調べた?」
さっきも確かに、自分達のことを知ってる、だなんて言っていたな。
「いや、まぁお前は知ってるべきなような気がするけど。興味あったから。若いやつは他人に興味持たないってホントだな」
「いやいやいや…当たり前に知りたいよ。でも…いけない気がして」
「バカかお前。ネットやアイドルじゃねぇんだからさ」
「うん、まぁ、そうだよね」
「ちなみに同い年だぞお前と。女は若干長くていいよな。
でも、それにしたって顔見たことねぇから、そんな歳でやれてんの…凄いっつーか化け物感はなくはない、キレんなよ?」
「あ、そうだったんだ。でも綺麗だよ。19の時に、お姉さんだろうと思ってから変わって…まぁ少しくらいしかホントに変わってないかな」
でも…。
「だとしたら、やっぱなんかなぁ。俺の手管ってお姉さんから教わったんだよ、結構」
「あ、そんな感じなんか。なるほど」
「…同情とか、しないつもりで頑張ってるんだけどやっぱり…うーん、悲しくなるもんだね、なんか…」
「そーゆー感じか。なるほど」
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