Eccentric Late Show

二色燕𠀋

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An heroin near

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 取り敢えずごほごほやってるスバルくんに仕方なく飲みかけのジーマを渡す。
 しかし「いや…」と言うスバルくんの視線の先は明らかにその写真。

 ですよねぇ。

「で、あまちゃんこの春画的瞬間がなによ」

 春画的瞬間。
 それ語彙センスあるねぇ。ちょっと心のブクマですわ西東氏。流石っすね。

「いやこれさぁ、レイプっぽいじゃん?てかそう見えるでしょ、ねぇ」
「君ってやつはなんなの、羞恥心ないの?」
「うーん。あるけどスバルくんも西東氏も散々見たからまぁいいかって。ごめん」
「まぁもうこれなんて髪の毛鷲掴みだからね。こっちなんて泣いちゃってるしね」

 真ん中と一番端のを指して西東さんは淡々と言う。
 真ん中は鷲掴みされて腕とか捕まれてる。端のやつは普通に俺情けないくらいに泣いてる。これもなんか腕掴まれて顔背けてるし。
 しかもブレてるからわりとガチでなんか、そうだったんじゃないかな。

てことはこれ。

「なんか…やっぱムカついてきた」
「ごめんて!いやあのね。
 これで、ちょっと揺すったろーよって、しゃちょーを」
「うわぁ…」

 西東さん、絶句しつつメチャクチャゲスい笑顔でにやりと笑った。それ見て俺もついついつられてしまう。

「たださ、これデータは新柴あらしばくん持ちだよ?あまちゃんノッてるやつあったじゃん?ゲスい顔してゴムの包装」
「待った流石に」

 やべぇここに来てとんでもなく羞恥心が押し寄せそう。

 なのにゲス顔西東氏、ふと俺の手から春画的瞬間A4を奪い去り、いつの間に飲み干したのかワンカップを開け、スバルくんが用意したカップにポカリと割ってまた煽りながら写真を漁る。
 手を伸ばしてそれを制するも、目の前に突きつけられた春画的瞬間、眼前に広がって思わず尻餅をついた。

「ちょい真樹、大丈夫!?」

 顔を膝に埋めるしかない。
 爆破されたくなってきた。俺が言い出したけどなにしてん俺。死ねマジ。

「恥ずかしがってんの?今更」
「ごめんなしゃい…殺して下しぁ…!それでぶって瓶で!」
「はいはい。
 で何、立ち直ってよ」
「うう~…!」

 隣でスバルくんが「真樹ちゃん、落ち着いて」とジーマを返してきた。くそぅ。飲んだるわい!

 一気に残りを飲むと、問答無用で西東さんがワンカップポカリを俺にも注いできた。
 流石にスバルくんが、「ちょっとウチの真樹ちゃん殺す気ですか」と少し怒る。

「まぁまぁ若いんだから」
「あのぅ、その写真さぁ、なつがいないときに受け取ったぁ?これ確認ね!」
「は?なつ?誰それ」
「あれだぉ、あん、つかさのひひょ!側付!」

 口が回らなくなってきたぞぃ。

「あぁ新柴司のね。うんいなかったね」
「じゃぁ明日昼!司がいないときぃ、あんた!俺じゃなくてあんたがなつにこれ渡すん。れ、「俺が困ってる、これ見りゃわかる。そっちがその気なら仕方ねえ」って言やぁ多分大丈夫。
 段階は絶対なつから!ちと待ってな!」

 思い立ったら即行動。
 ケータイを取り出して“夏彦なつひこ”を呼び出す。2コールで『はい』と、文杜ふみとより少しだけ高い、タバコに犯されてない声が聴こえた。

「…なつ?」
『あぁ、少々お待ちくださいませ』

 あぁ、多分なつはまだ司の家にまだいるんだ。

 電話越しに、「新柴さん、少し」と言うやり取りが聴こえ、ドアが閉まる音。
 それから少ししてドアの音と、歩く音、車のドアが、閉まる音。

『悪い。真樹…』
「うん。ごめんね急に」
『いや…。あれからどうだ』
「うん、それなんだけど。
 少し困ってて…。司さん、UVの西東社長に俺のことで…脅迫してるみたいなの」
『…あぁ、みたいだね』
「…俺の出生とか、あと、司さんとの関係とか」
『アホだな』
「で…その…西東さんキレちゃって、でも、あの…」
『わかった。なんとかするから』
「なつ…」
『君はとにかくここに来ちゃいけない。取り敢えず、寝なよ』
「うん」
『また会える日を』
「ありがとう」

 通話を切った。
 スバルくんと西東さんは唖然として俺を見ていた。

 まぁ無理もないだろう。真相は俺しか知らないし。

「これでOK」
「その…」

 スバルくんと西東さん、二人ハモって「怖っ!」と言う。

「え?」
「なにその関係」
「なにその豹変」
「あぁ、なつはね、データ引っ張り出してくれたりとかまぁ、協力者?
 俺のお世話係らしいよ、しゃちょー的には」
「いや待て」
「お前的にはなんなんだよ」
「うーん」

 なんだろうなぁ。

「まぁ、手駒?なんだろ」
「いやぁぁぁ」
「相変わらずゲスだねあまちゃん」

 仕方ないだろ。
 あんなとこいちゃそんくらい気が狂わなきゃ正気じゃねぇんだよ。
 大体なつが悪い。基本的に俺は人に自分から害は与えられませーん。

「まぁんなわけでよろしゅー」
「…あぁはい」
「そんな感じだからぁ、写真見た瞬間あいつ多分予想以上に働くと思うん。マジバカだから。ほーんと俺が言うこと全部鵜呑みにしちゃうくらいのアホだからアイツ」
「ひでぇ」
「仕方ないでしょ。あいつもそれ相当のこと俺にして来てんだから。
 知らねぇふりして薬盛りやがって。俺を気遣うふりして失神寸前まで犯しやがってクソったれが」
「えっ」
「新事実かこれ」
「てか…怒りっぽいけど司はわりと俺が嫌がることはしないよ。なんで怒ったかって、今回も、俺のためにしたことでしょ?何が気にくわないか言えって言われて。
 言えるわけないでしょお前バカなの?って話してきた」

 あの人は確かに。
 身は案じてくれていた。それこそ家くれちゃうくらいには。それが凄く生きにくいとわかっていなかった、それだけだった。

「うーんつまりはさ、これはその、なつなの?」
「いや覚えてない正直。
 まぁ変わらないよ大して。いずれにせよどんな形ですら、俺は暴力の捌け口だった、それだけ」
 
 まぁ語ることはこれでいいだろう。
 結局始まりは暴力で終幕もそれだったと言うことだ。

 ホント嫌になる。
 いくら暴力硬直型とはいえ俺ノーマルだしなんなん?

 でも。
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