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【第三章】With a Prayer Upon the Cross
第8話:すり替えられた薬
日の沈み切った時間、ソーンブリッジ・聖クレイストン教会の扉を開ける人物がいた。
揺らめく蝋燭が照らし出すのは、彫刻のような美貌。
いつも鋭い緑の眼光は、今この時は思案と逡巡に耽っていた。
小さく深呼吸をして、アーサー・オブライエンはゆっくりとした足取りで礼拝堂に立ち入る。
誰もいない空間にはアーサーの靴音がよく響いた。
天井の高いバロック調の教会、正面扉から真っ直ぐ伸びた道の先には白く磨き上げられたマリア像が立っている。
静謐な笑みを湛えた聖母。天井画の中で遊ぶ天使。磔にされたキリストのレリーフ。
それらがジッと見定めるようにアーサーを見下ろしていた。
最前列、座り慣れた会衆席の真ん中にアーサーは腰掛ける。
少し血の気の失せた顔で呆然とマリア像を見上げる。
木製のベンチに背中を預け、軽く開いた膝の上に腕を置くその姿は、苦悩の末神に救いを求める信徒の顔だった。
ややして、また木製の正面扉が開く。
誰かが靴音を鳴らして礼拝堂にやってきたが、アーサーは確認しなかった。
ぼんやりと聖母子像を見上げ、思考に耽っていた。
「意外だね。こんなところにいるなんて」
真横からジェームズの声がした。
許可を得ることもなく彼は一人分の空間を空け、アーサーの横に座る。
少し前屈みになり、脚の付け根に肘をついて親友の顔を覗き込んだ。
二人ともすでに着替えを済ませており、髪も乾いている。
「居ては悪いか」
アーサーの声にいつもの覇気はない。
「別に、ただ……」とジェームズも静かに返す。
「信仰を捨てた君が来るにしては、随分神聖な場所だと思って」
宙ぶらりんのアーサーの指がぴく、と反応する。
ジェームズはそれを見逃さなかったが、それ以上の追求もしなかった。
一拍ほどの沈黙を置いて、アーサーが否定する。
「捨ててなど居ない。………始めから信じていないだけだ」
「そう。なのにここに来て祈ってるってことは、君が神にでも縋りたいほど困ってるってことだね」
「祈ってなんか、……」
「どうせ、カイル君のことだろう」
「———……」
アーサーは沈黙した。親友というのは、隠し事ができないものだ。
「守ってやれなかった。……私が彼をあんな目に遭わせたも同然だ」
深くため息をついて、アーサーは目を閉じた。
そしてあの後何があったかを、ゆっくりと思い出した。
❖
今日の午後、あの子に大事件が起きた。
優生主義の上級生に尊厳を踏みじられそうになった。
たまたま通りかかったジェームズが彼の声を聞きつけ助けなければ、きっと心に癒えない傷を負っていたかもしれない。
試合は勝った。ベンジャミン寮の優勝だった。
勝ったら夕刻にでも会いにいくつもりだった。
誰よりも一番最初に、彼に勝利を宣言したかった。
きっとトロフィーを掴み取ったアーサーのことを、彼は笑顔で迎えてくれるはずだと思っていた。
あのリンゴの木の下で、アーサーに祝福の言葉を掛けてくれるはずと信じて疑わなかった。
しかしそれは叶わず、アーサーは搬送されていく彼を見送る羽目になってしまった。
授賞式も投げ出してジェームズに事の経緯を問い詰めたとき、アーサーは人生でこんなに怒ったことはないだろうと自分でも思うほど憤った。
だがすぐに我に返る。
そもそも、彼がこんな目に遭うようになったのはオメガになったせいだ。
そしてその原因は自分だ。
意図しなかったこととはいえ、自分が彼の体を作り変えてしまった。
怒る資格はない。むしろ彼に謝罪しなければならない。
そう思って自分を責めた。
呆然とするアーサーを引き戻したのはジェームズだった。
彼はアーサーの肩を掴んで、ウォータークラッシュの授賞式に無理やり連れ戻した。
アーサーは抵抗してカイルの元に向かおうと暴れたが、ジェームズにみぞおちを殴られて「お前が行っても何もできない。今は務めを果たせ」と言われ断腸の思いで授賞式に向かったのだ。
式典が終わると、アーサーはすぐさまカイルの搬送された病院に行こうとした。
しかしその前にジェームズがアーサーを捕まえ、肩を掴んで西校舎の三階端にある空き教室に押し込んだ。
そこで聞いた話は衝撃的だった。
『彼、誰かに攻撃されているかもしれない。
緊急抑制剤がすり替えられていた』
何度も邪魔をするジェームズに苛立っていた気持ちがスッと消えた。
自分でも分かるほど動揺した声で「………何だと?」と聞き返すと、ジェームズは懐からペンのようなものを取り出してこう説明した。
『私もてっきりカイル君がヒートを起こしたところに暴漢たちが遭遇したものだと思ってた。
だがカイル君はこれを持っていた。オメガ用の発情誘発剤だ。
緊急時に使う発情抑制剤と見た目が似てるけど、よく見れば分かる』
アーサーはこのペン型注射器を初めて見るので分からなかったが、ジェームズはこれが抑制剤ではないと言うらしい。
二人で神妙な顔をしてペンを見下ろす。
主な成分に〈エストロエキシン〉と小さな文字で書いている。
確かにこれは間違いなく発情誘発剤の主成分だ。
医師の処方以外で発情誘発剤を使用することは違法だ。
国によっては低品質なものがドラッグのように出回っていることもあるが、イギリスではなかなか一般人が入手することは難しい。
ボディに刻まれているはずのロット番号やバーコード、製造元の名前は消えており、その部分には細かい刃傷が残っている。
出元を隠蔽するため、誰かが故意に削り取ってしまったように。
ジェームズは触った時にこれに気付いたらしい。
『なぜこれを持っていたかはわからないけど……何だか、悪意のようなものを感じる。
もしこれをカイル君が丸々一本注射してたら、オーバーヒートで死ぬところだったかもしれない』
ジェームズが低く抑えた声で言った。
アーサーはそれを聞いて心臓が冷たくなった気がした。
『……先生に渡すべきだ。原因の究明を———』
『渡せるわけないだろう!病院の処方以外で発情誘発剤の使用は違法なんだぞ!
これの出所が不明な以上、先生たちはカイル君が自分で入手したと皆考えるはずだ。
いいか、アーサー。お前が思っている以上に世間はオメガに対して冷たい。性に奔放だってイメージが古くから定着してるからね。
そんなオメガのカイル君が違法な誘発剤を持った状態でヒートになったと知られたら、彼がどう思われるかくらいお前でも理解できるだろう』
『………』
ジェームズの言うことは最もだった。
人の感情の機微に疎いアーサーでも、その結論に至ることはごく自然だと思えた。
アーサーとジェームズは話し合い、この発情誘発剤はヘインズ先生が戻ってから彼に渡すことにした。
彼ならカイルのことを誤解することはないだろうと、お互いに判断しての結論だ。
手元に残った誘発剤を見ると、何だか言いようのない悪意を感じる。
じっとりと纏わり付くような、ただイタズラでは済まないようなそんな猛烈な害意を。
暗闇から獲物を狙う蛇のような、そんな不気味さがあった。
揺らめく蝋燭が照らし出すのは、彫刻のような美貌。
いつも鋭い緑の眼光は、今この時は思案と逡巡に耽っていた。
小さく深呼吸をして、アーサー・オブライエンはゆっくりとした足取りで礼拝堂に立ち入る。
誰もいない空間にはアーサーの靴音がよく響いた。
天井の高いバロック調の教会、正面扉から真っ直ぐ伸びた道の先には白く磨き上げられたマリア像が立っている。
静謐な笑みを湛えた聖母。天井画の中で遊ぶ天使。磔にされたキリストのレリーフ。
それらがジッと見定めるようにアーサーを見下ろしていた。
最前列、座り慣れた会衆席の真ん中にアーサーは腰掛ける。
少し血の気の失せた顔で呆然とマリア像を見上げる。
木製のベンチに背中を預け、軽く開いた膝の上に腕を置くその姿は、苦悩の末神に救いを求める信徒の顔だった。
ややして、また木製の正面扉が開く。
誰かが靴音を鳴らして礼拝堂にやってきたが、アーサーは確認しなかった。
ぼんやりと聖母子像を見上げ、思考に耽っていた。
「意外だね。こんなところにいるなんて」
真横からジェームズの声がした。
許可を得ることもなく彼は一人分の空間を空け、アーサーの横に座る。
少し前屈みになり、脚の付け根に肘をついて親友の顔を覗き込んだ。
二人ともすでに着替えを済ませており、髪も乾いている。
「居ては悪いか」
アーサーの声にいつもの覇気はない。
「別に、ただ……」とジェームズも静かに返す。
「信仰を捨てた君が来るにしては、随分神聖な場所だと思って」
宙ぶらりんのアーサーの指がぴく、と反応する。
ジェームズはそれを見逃さなかったが、それ以上の追求もしなかった。
一拍ほどの沈黙を置いて、アーサーが否定する。
「捨ててなど居ない。………始めから信じていないだけだ」
「そう。なのにここに来て祈ってるってことは、君が神にでも縋りたいほど困ってるってことだね」
「祈ってなんか、……」
「どうせ、カイル君のことだろう」
「———……」
アーサーは沈黙した。親友というのは、隠し事ができないものだ。
「守ってやれなかった。……私が彼をあんな目に遭わせたも同然だ」
深くため息をついて、アーサーは目を閉じた。
そしてあの後何があったかを、ゆっくりと思い出した。
❖
今日の午後、あの子に大事件が起きた。
優生主義の上級生に尊厳を踏みじられそうになった。
たまたま通りかかったジェームズが彼の声を聞きつけ助けなければ、きっと心に癒えない傷を負っていたかもしれない。
試合は勝った。ベンジャミン寮の優勝だった。
勝ったら夕刻にでも会いにいくつもりだった。
誰よりも一番最初に、彼に勝利を宣言したかった。
きっとトロフィーを掴み取ったアーサーのことを、彼は笑顔で迎えてくれるはずだと思っていた。
あのリンゴの木の下で、アーサーに祝福の言葉を掛けてくれるはずと信じて疑わなかった。
しかしそれは叶わず、アーサーは搬送されていく彼を見送る羽目になってしまった。
授賞式も投げ出してジェームズに事の経緯を問い詰めたとき、アーサーは人生でこんなに怒ったことはないだろうと自分でも思うほど憤った。
だがすぐに我に返る。
そもそも、彼がこんな目に遭うようになったのはオメガになったせいだ。
そしてその原因は自分だ。
意図しなかったこととはいえ、自分が彼の体を作り変えてしまった。
怒る資格はない。むしろ彼に謝罪しなければならない。
そう思って自分を責めた。
呆然とするアーサーを引き戻したのはジェームズだった。
彼はアーサーの肩を掴んで、ウォータークラッシュの授賞式に無理やり連れ戻した。
アーサーは抵抗してカイルの元に向かおうと暴れたが、ジェームズにみぞおちを殴られて「お前が行っても何もできない。今は務めを果たせ」と言われ断腸の思いで授賞式に向かったのだ。
式典が終わると、アーサーはすぐさまカイルの搬送された病院に行こうとした。
しかしその前にジェームズがアーサーを捕まえ、肩を掴んで西校舎の三階端にある空き教室に押し込んだ。
そこで聞いた話は衝撃的だった。
『彼、誰かに攻撃されているかもしれない。
緊急抑制剤がすり替えられていた』
何度も邪魔をするジェームズに苛立っていた気持ちがスッと消えた。
自分でも分かるほど動揺した声で「………何だと?」と聞き返すと、ジェームズは懐からペンのようなものを取り出してこう説明した。
『私もてっきりカイル君がヒートを起こしたところに暴漢たちが遭遇したものだと思ってた。
だがカイル君はこれを持っていた。オメガ用の発情誘発剤だ。
緊急時に使う発情抑制剤と見た目が似てるけど、よく見れば分かる』
アーサーはこのペン型注射器を初めて見るので分からなかったが、ジェームズはこれが抑制剤ではないと言うらしい。
二人で神妙な顔をしてペンを見下ろす。
主な成分に〈エストロエキシン〉と小さな文字で書いている。
確かにこれは間違いなく発情誘発剤の主成分だ。
医師の処方以外で発情誘発剤を使用することは違法だ。
国によっては低品質なものがドラッグのように出回っていることもあるが、イギリスではなかなか一般人が入手することは難しい。
ボディに刻まれているはずのロット番号やバーコード、製造元の名前は消えており、その部分には細かい刃傷が残っている。
出元を隠蔽するため、誰かが故意に削り取ってしまったように。
ジェームズは触った時にこれに気付いたらしい。
『なぜこれを持っていたかはわからないけど……何だか、悪意のようなものを感じる。
もしこれをカイル君が丸々一本注射してたら、オーバーヒートで死ぬところだったかもしれない』
ジェームズが低く抑えた声で言った。
アーサーはそれを聞いて心臓が冷たくなった気がした。
『……先生に渡すべきだ。原因の究明を———』
『渡せるわけないだろう!病院の処方以外で発情誘発剤の使用は違法なんだぞ!
これの出所が不明な以上、先生たちはカイル君が自分で入手したと皆考えるはずだ。
いいか、アーサー。お前が思っている以上に世間はオメガに対して冷たい。性に奔放だってイメージが古くから定着してるからね。
そんなオメガのカイル君が違法な誘発剤を持った状態でヒートになったと知られたら、彼がどう思われるかくらいお前でも理解できるだろう』
『………』
ジェームズの言うことは最もだった。
人の感情の機微に疎いアーサーでも、その結論に至ることはごく自然だと思えた。
アーサーとジェームズは話し合い、この発情誘発剤はヘインズ先生が戻ってから彼に渡すことにした。
彼ならカイルのことを誤解することはないだろうと、お互いに判断しての結論だ。
手元に残った誘発剤を見ると、何だか言いようのない悪意を感じる。
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