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黒の帳 『一つ目の帳』
思いもしなかったこと
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暫くして教室の扉がガラリと開いた。
不良さん達が離れて、黒宮君達五人組と話している時だった。
やたらと乱暴な勢いのある開け方に皆が注目した。龍牙かな。きっと龍牙だ。
「…んだテメェら。見てんじゃねぇぞ」
違った。フサフサの青髪…天野君だ。
天野君も当たり前のように遅刻するんだな。
…ん?
まずくないか。
昨日のことを思い出して血の気が引いた。
あ、これ、昨日と同じ…、
「…や、やば」
「あーーっ!!!テメェ昨日逃げやがったよな!?」
天野君は私を見て大声で怒鳴った。ちょっと怖いな。黒宮君達に至っては悲鳴もあげることも出来ずにかたかたと震えている。
彼は私に向かって一直線に歩いてくる。机や椅子は蹴飛ばし、人にぶつかってもお構い無しだ。ちょこっと乱暴な気がする。
「…黒宮君達、離れた方がいいよ」
「いっいいえ、何故あのような凶暴かつ残忍な野獣に紫川氏のような可憐な美少年を突き出せましょうか!!」
「そうだよっ、に、逃げるのは…」
何て勇敢なんだ。不良さん達にぷるぷる怯えながらも必死に離れまいとしている。
「…そこのメガネ共、退かねぇとぶっ殺すぞ」
「うわああああごめん紫川くん!!!」
「しっ、しっ、失礼致しますぞ」
蜘蛛の子を散らすように物凄い速さで皆消えていった。うーん…仕方ない!誰だって苦手なものはあるからね。
とうとう天野君が私の目の前まで辿り着いてしまった。
「おはよう天野君。今日は渡来さんと一緒じゃないんだね」
「あんなのと誰が好きで連むかよ。アイツ、番長に釘刺されてんの。一年生には手ぇ出すなって。俺もその恩恵受けてんだよ。ざまーみろって感じ」
「へえ、番長さん凄いね。良かったよ。天野君嫌々従ってる感じだったし」
「ふーん、そう思ってんだ。じゃあ
何でガセ掴ました、あ゛?」
だ、駄目だ。世間話で矛先を避けようしたが、意味が無かった…!
ガッチリと肩を掴み、私の顔を恐ろしい瞳でギロギロと睨みつけてくる。距離近いよ。ガンを飛ばす、という意味があるのだろうけれど、前髪で顔を隠している私にそれをやっても意味がないと思うんだ。
「だからっ、アレはガセじゃないよ。リンさんを見かけた時は紅陵さんと話したことがなくて、次の日、紅陵さんに、話しかけられて…その…色々あって仲良くなったんだ。隠し事はしてないしこれで全部!」
早口で言いきった。嘘と本当を綯い交ぜにしてしまえばどうにかなるだろう。
「色々?」
「だから、その…色々されたから」
「色々って何だ」
「それは言えないかな…」
「おし、ガセだな。来い」
誰が『私キスされちゃったの~』とか言えるんですか、天野君。
どうせ言っても信じてくれないだろうし恥を晒すだけだ。諦めるか。
となれば私は嬲られるのか。うーん。
恐ろしい形相の天野君を前にして、ちらりと周りを見た。不良さんがどうしようどうしようと逡巡しているのが分かった。
きっと、
助ける→何でこんな根暗助けるんだ?→バレる
助けない→鈴ちゃんが殴られちゃう
こうだろうな。
もし助けてくれるとしても、この場の全員が天野君に適わないだろう。皆武闘派じゃなさそうだし、龍牙が呆気なく倒されたのも見ていた。龍牙が殆ど無傷で三人を相手に勝ったのも、だ。力の差は歴然たるものだろう。
「来いっつってんだろうが根暗ッ!!」
「いたっ、分かったよ!着いて行くからあ、あっ」
動かずにじっとしていたら、苛立った天野君に髪を引っ張られた。鼻まである前髪に合わせて他の髪も顎くらいまで伸ばしてあるから、引っ張りやすいんだろうな。いや、だからって引っ張らないで欲しい。
痛いから止めてと伝えても天野君は完全に無視を決め込み、それどころか早く来いと言いながらグイグイと引っ張ってくる。引っ張られたせいで視界が回転する。教室の、天野君が開けっ放しにした扉が見えた。
龍牙がそこに居た。
天野君は龍牙に気づくことなく私を引っ張っていき、扉の前まで来たところで漸く気づいた。
「…チッ、邪魔だ、退け」
「……」
龍牙は退くことなく、天野君と私を交互に見ている。天野君は私の髪から手を離していない。私達の様子から見れば、私がこれから彼に暴力をふるわれることは分かりきっていることだろう。
いつもなら血相を変えて怒声を上げ、私を助けてくれる。
でも今は、無表情でただ見つめている。睨むことも、憐れむこともない。
「ああそうだ、お前はお友達だよなァ。でもなぁ、この前俺にぶっ倒されたもんなぁ、どうする?ん?」
「…勝手にしろよ。関係ねぇし」
…?
目の前の彼に呆気にとられた。
あれ、話し合えばいいとか、思ってたの、私だけ?
本当に友達じゃなかったってこと?
今までは全部友達のふりだったってこと?
体から力が抜けていく。でも、ここで倒れては無様だろう。倒れるわけにはいかない。
天野君がまた何かぼやきながら私を引っ張っていった。今度は髪ではなく腕を引かれる。抵抗する気もなく引きずられるように歩いて行った。
今の私は、きっと酷い顔をしているだろうな。
悪夢を見ているようだ。これから行われる暴力より、誰も助けてくれない絶望的状況より、何より、彼の態度が、一番怖かった。
龍牙の隣を、通る。彼が何か言うことも、引き止めることもない。無言だった。でも、一瞬のはずのその無言の時間はとても長く感じられて、私の心を一刺しにした。
関係無いと言った時の表情。拗ねたわけでも、心苦しい様子でもなく、ただ無表情に、そう言い放った。
どうしよう。
もうどうにも出来ないのかな。
例え話す機会がこの先あったとしても、あの無表情を前にして言葉を出せる自信が無い。無邪気で屈託のないあの微笑みが遠い過去のように感じられる。あんな温度の無い目で見つめられたのは初めてだ。
俯き加減に歩き、自分の上履きを見つめていたのだが、段々とその輪郭がぼやけていく。ぽたぽたと水滴が落ちて、廊下を汚す。それに合わせて喉も震え出した。ひ、ひ、と嗚咽が止められない。
情けないなあ。
昨夜大人になると決めたばかりなのに。まだ泣き虫りんちゃんのままだ。
「…おい根暗野…、なっ、だ、何泣いてやがるっ!?」
「う、うぇっ、ひっ……、わぁ…」
「は、ははっ、んなボコられるのが怖ぇのか。ハッ、な…情けねー奴っ。大体そんなんだからダチにも見捨てられんだろうが、あ?」
「わっ、あ、あぅ、……うえぇ…、ぐっ、うぐ」
天野君の言葉がグサグサと刺さる。
分かってるよ、言われなくても。天野君が思っていることとは大分違うけれど、私の性格を龍牙が嫌っていることくらい、分かる。
クリミツにいじめられた時より、辛い。
だって、トラブルに巻き込まれる私を真っ先に助けてくれたのは、いつも龍牙だったから。その龍牙に見放されたんだ。
限界を迎えた私は、子供のように泣き出してしまった。それを見た天野君は慌て始める。きっと、周りからの冷たい目線を感じるからだ。
…本当に情けないな、私。
廊下で不特定多数にこんな姿を見られている。
「…うわ見て、あれ泣いてるよ」
「俺パシリは欲しいけど、ああやってガチ泣きさせる趣味はないな。ははっかわいそ」
「泣き止め、俺何にもしてねぇだろうが!」
「ひっ、ぐ、ぅや…、へっ…」
「チッ!!くそっ、ああ…もう……」
少し立ち止まっていたが、再び腕を引かれた。きっと行先は階段裏だ。前も連れて行かれたからな。そこで殴られるんだ。ああもうどうでもよくなってきた。殴られればこの涙も少しは引っ込むだろうか。
私は重い足取りで天野君に着いて行った。
不良さん達が離れて、黒宮君達五人組と話している時だった。
やたらと乱暴な勢いのある開け方に皆が注目した。龍牙かな。きっと龍牙だ。
「…んだテメェら。見てんじゃねぇぞ」
違った。フサフサの青髪…天野君だ。
天野君も当たり前のように遅刻するんだな。
…ん?
まずくないか。
昨日のことを思い出して血の気が引いた。
あ、これ、昨日と同じ…、
「…や、やば」
「あーーっ!!!テメェ昨日逃げやがったよな!?」
天野君は私を見て大声で怒鳴った。ちょっと怖いな。黒宮君達に至っては悲鳴もあげることも出来ずにかたかたと震えている。
彼は私に向かって一直線に歩いてくる。机や椅子は蹴飛ばし、人にぶつかってもお構い無しだ。ちょこっと乱暴な気がする。
「…黒宮君達、離れた方がいいよ」
「いっいいえ、何故あのような凶暴かつ残忍な野獣に紫川氏のような可憐な美少年を突き出せましょうか!!」
「そうだよっ、に、逃げるのは…」
何て勇敢なんだ。不良さん達にぷるぷる怯えながらも必死に離れまいとしている。
「…そこのメガネ共、退かねぇとぶっ殺すぞ」
「うわああああごめん紫川くん!!!」
「しっ、しっ、失礼致しますぞ」
蜘蛛の子を散らすように物凄い速さで皆消えていった。うーん…仕方ない!誰だって苦手なものはあるからね。
とうとう天野君が私の目の前まで辿り着いてしまった。
「おはよう天野君。今日は渡来さんと一緒じゃないんだね」
「あんなのと誰が好きで連むかよ。アイツ、番長に釘刺されてんの。一年生には手ぇ出すなって。俺もその恩恵受けてんだよ。ざまーみろって感じ」
「へえ、番長さん凄いね。良かったよ。天野君嫌々従ってる感じだったし」
「ふーん、そう思ってんだ。じゃあ
何でガセ掴ました、あ゛?」
だ、駄目だ。世間話で矛先を避けようしたが、意味が無かった…!
ガッチリと肩を掴み、私の顔を恐ろしい瞳でギロギロと睨みつけてくる。距離近いよ。ガンを飛ばす、という意味があるのだろうけれど、前髪で顔を隠している私にそれをやっても意味がないと思うんだ。
「だからっ、アレはガセじゃないよ。リンさんを見かけた時は紅陵さんと話したことがなくて、次の日、紅陵さんに、話しかけられて…その…色々あって仲良くなったんだ。隠し事はしてないしこれで全部!」
早口で言いきった。嘘と本当を綯い交ぜにしてしまえばどうにかなるだろう。
「色々?」
「だから、その…色々されたから」
「色々って何だ」
「それは言えないかな…」
「おし、ガセだな。来い」
誰が『私キスされちゃったの~』とか言えるんですか、天野君。
どうせ言っても信じてくれないだろうし恥を晒すだけだ。諦めるか。
となれば私は嬲られるのか。うーん。
恐ろしい形相の天野君を前にして、ちらりと周りを見た。不良さんがどうしようどうしようと逡巡しているのが分かった。
きっと、
助ける→何でこんな根暗助けるんだ?→バレる
助けない→鈴ちゃんが殴られちゃう
こうだろうな。
もし助けてくれるとしても、この場の全員が天野君に適わないだろう。皆武闘派じゃなさそうだし、龍牙が呆気なく倒されたのも見ていた。龍牙が殆ど無傷で三人を相手に勝ったのも、だ。力の差は歴然たるものだろう。
「来いっつってんだろうが根暗ッ!!」
「いたっ、分かったよ!着いて行くからあ、あっ」
動かずにじっとしていたら、苛立った天野君に髪を引っ張られた。鼻まである前髪に合わせて他の髪も顎くらいまで伸ばしてあるから、引っ張りやすいんだろうな。いや、だからって引っ張らないで欲しい。
痛いから止めてと伝えても天野君は完全に無視を決め込み、それどころか早く来いと言いながらグイグイと引っ張ってくる。引っ張られたせいで視界が回転する。教室の、天野君が開けっ放しにした扉が見えた。
龍牙がそこに居た。
天野君は龍牙に気づくことなく私を引っ張っていき、扉の前まで来たところで漸く気づいた。
「…チッ、邪魔だ、退け」
「……」
龍牙は退くことなく、天野君と私を交互に見ている。天野君は私の髪から手を離していない。私達の様子から見れば、私がこれから彼に暴力をふるわれることは分かりきっていることだろう。
いつもなら血相を変えて怒声を上げ、私を助けてくれる。
でも今は、無表情でただ見つめている。睨むことも、憐れむこともない。
「ああそうだ、お前はお友達だよなァ。でもなぁ、この前俺にぶっ倒されたもんなぁ、どうする?ん?」
「…勝手にしろよ。関係ねぇし」
…?
目の前の彼に呆気にとられた。
あれ、話し合えばいいとか、思ってたの、私だけ?
本当に友達じゃなかったってこと?
今までは全部友達のふりだったってこと?
体から力が抜けていく。でも、ここで倒れては無様だろう。倒れるわけにはいかない。
天野君がまた何かぼやきながら私を引っ張っていった。今度は髪ではなく腕を引かれる。抵抗する気もなく引きずられるように歩いて行った。
今の私は、きっと酷い顔をしているだろうな。
悪夢を見ているようだ。これから行われる暴力より、誰も助けてくれない絶望的状況より、何より、彼の態度が、一番怖かった。
龍牙の隣を、通る。彼が何か言うことも、引き止めることもない。無言だった。でも、一瞬のはずのその無言の時間はとても長く感じられて、私の心を一刺しにした。
関係無いと言った時の表情。拗ねたわけでも、心苦しい様子でもなく、ただ無表情に、そう言い放った。
どうしよう。
もうどうにも出来ないのかな。
例え話す機会がこの先あったとしても、あの無表情を前にして言葉を出せる自信が無い。無邪気で屈託のないあの微笑みが遠い過去のように感じられる。あんな温度の無い目で見つめられたのは初めてだ。
俯き加減に歩き、自分の上履きを見つめていたのだが、段々とその輪郭がぼやけていく。ぽたぽたと水滴が落ちて、廊下を汚す。それに合わせて喉も震え出した。ひ、ひ、と嗚咽が止められない。
情けないなあ。
昨夜大人になると決めたばかりなのに。まだ泣き虫りんちゃんのままだ。
「…おい根暗野…、なっ、だ、何泣いてやがるっ!?」
「う、うぇっ、ひっ……、わぁ…」
「は、ははっ、んなボコられるのが怖ぇのか。ハッ、な…情けねー奴っ。大体そんなんだからダチにも見捨てられんだろうが、あ?」
「わっ、あ、あぅ、……うえぇ…、ぐっ、うぐ」
天野君の言葉がグサグサと刺さる。
分かってるよ、言われなくても。天野君が思っていることとは大分違うけれど、私の性格を龍牙が嫌っていることくらい、分かる。
クリミツにいじめられた時より、辛い。
だって、トラブルに巻き込まれる私を真っ先に助けてくれたのは、いつも龍牙だったから。その龍牙に見放されたんだ。
限界を迎えた私は、子供のように泣き出してしまった。それを見た天野君は慌て始める。きっと、周りからの冷たい目線を感じるからだ。
…本当に情けないな、私。
廊下で不特定多数にこんな姿を見られている。
「…うわ見て、あれ泣いてるよ」
「俺パシリは欲しいけど、ああやってガチ泣きさせる趣味はないな。ははっかわいそ」
「泣き止め、俺何にもしてねぇだろうが!」
「ひっ、ぐ、ぅや…、へっ…」
「チッ!!くそっ、ああ…もう……」
少し立ち止まっていたが、再び腕を引かれた。きっと行先は階段裏だ。前も連れて行かれたからな。そこで殴られるんだ。ああもうどうでもよくなってきた。殴られればこの涙も少しは引っ込むだろうか。
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