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黒の帳 『一つ目の帳』
仲間…?
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「見事に止まなかったね~」
「とっとと傘出せ」
「はいはい」
昼過ぎから降り始めた雨は、止むどころかさらにその勢いを強くしている。これでは傘をさしても濡れること間違い無しだ。こうなると防水の靴が羨ましい…。靴下が水浸しになるのは本当に不快だからな。
天野君に促されるがまま傘を開き、二人で歩き出す。
正直言うなら、傘を取り上げられると予想していたが、天野君はそんなことしなかった。それを伝えると、頭を小突かれた。
「痛っ」
「テメェのこと守るっつったろ。風邪なんか引かれちゃ夢見が悪ぃ」
「ああそういうこと」
「……おい、何でテメェ濡れてやがる」
天野君は私の肩を指さした。確かに濡れている。
濡れたところからじんわりと冷たさが伝わってきた。
「一本の傘に男二人はキツイから、仕方ないよ」
「…俺のためとか、キモイから止めろよ?」
「うん」
特段天野君のためとか、そういうわけではない。私が傘に人を入れる時は、いつもこんな感じだ。
小学生の時のことだ。濡れて帰ると怒られる友達が居て、その子を濡らさないように帰ることが何度かあった。高価な服、物をいつも身につけていた子だったかな。龍牙とクリミツの二人と帰れない日はいつも一緒に居たなあ。何度もその子と帰っていたら、癖がついたんだっけ。年はいくつか上で、かなり横暴で暴力的だったけど、そのガサツさが新鮮で楽しかったな。
その子も天野君のように悪態をついていた。
…何だか、隣の天野君が子供っぽく見えてきた。
「止めろっつったろ」
「癖だから」
「はァ?」
「別に、天野君のためってわけじゃないよ。私がやりたいようにやったら、こうなっただけ」
「…そうかよ」
隣の彼は、私より低かったあの子とは違って、背がすごく高いし、髪だって青い。でも、何となくあの子と重なって、少し嬉しくなるんだ。
あの子…春樹君だったかな。春樹君は私をよく叩いたし、私のことを嫌っていたけど、龍牙達が居ない時は、いつも傍にいた。よく、お前はぼーっとしてるから放っとけねぇ、と言われたっけ。中学は別になってしまったけれど、彼は今どうしているんだろうか。
とにかく、不良になってなきゃいいんだけど。
「さっさと歩けノロマ」
「はいはい」
隣の彼みたいに。
「…天野君の家はどこ?」
「何で聞くんだ」
「送ってくよ」
「いい。お前の傘で帰る。だから先にお前ん家行くぞ」
私の家まで一緒に帰るのか。お前の傘で帰る、と言われた時、やっぱり取られる!?と思ってしまった自分が恥ずかしくなった。天野君は徒歩通学なんだな。私より家が遠いのかもしれない。
「……なあ、根暗」
「何?」
「お前、名前なんだっけ」
何となく察してはいたけど、やはり知らないのか。
よし…自己紹介は大事だ、気を引き締めていこう。
「私の名前は紫川鈴。好きな物は卵料理!血液型は」
「黙れそこまで聞いてねぇ。……紫川、鈴か…」
「私の名前がどうかした?」
「お前、あだ名がリンだったりしねぇか?」
急に核心を突いてきた!!
もしかして私=リンという結果が天野君の中で出てしまったのかもしれない。
いや、まだそう決まったわけじゃない。
落ち着いて返事をしよう。
「…そんな女の子みたいなあだ名、私につけられるわけないでしょ」
うっ、自分で言ってダメージくらった。
私だって好きで呼ばれているわけじゃない。リンなんてあだ名、呼んでいいのは龍牙とかクリミツとか、親しい人だけだ。よく分かっていない人にからかうように呼ばれるのは嫌だ。まあ、もう慣れてしまったけど。
「だよなァ…。あ、あとお前、美人の知り合いとか、背格好めっちゃ似てる人とか居ないか?兄弟とか、親戚とか…」
かなりマズイ。段々追い詰められている気がする。追い込み漁ってこんな感じか。ここは正直に話した方がいいだろう。
「いないよ。…いたとしても、分からないから言えない」
「は?どういうことだ」
「私、親も親戚も知らないから分からないんだ。捨てられて施設で育ったから。生まれてから、ずっと。だから分からない」
「………わ、悪ぃ、そこまで話させるつもりじゃ…」
「いいよ、気にしないで」
天野君が黙り込んでしまった。傘を打つ雨粒の音だけになってしまう。まあ、矛先をずらせたのは良しとしよう。
自分の出自は、あまり好きではない。だが、捨てた親にも事情はあっただろうから、厭うべきではない。
でも、人から同情や哀れみを向けられる、その度に自分が可哀想な人に思えてくる。
天野君もその例に漏れず、だな。
天野君もきっと、私に同情し、
なんて可哀想なんだ~!
という哀れみの目を向けるんだ。
そうに、決まってる。
「…ほら、お前が根暗なのって、それが原因だから、あんま気にすんな」
「あのさ、天野君…根暗根暗って言うけど、私言うほど根暗じゃないと思うよ?」
「弱いだろ」
「うん」
「すぐ絡まれるだろ」
「うん」
「だから根暗だ」
「うーん…、根暗の意味調べておいで」
「バカにしてんのか!」
「うん」
「あ!?」
「うそうそ、うそだって、ふふっ」
私の喋ること一つ一つに食いついてくる天野君は面白い。思わず笑ってしまったが、天野君は怒ることなく、それどころかほっと息をついた。
「…俺も」
「んー?」
「……俺もさ、親は…居ないようなモンなんだよ」
「…そうなの?」
「ああ、親が小学生の時離婚してさ。姉貴は自立したから、俺は母親と二人暮らし。…でも、母親は男漁ってばっかでさ。不良になった俺にはもう見向きもしねぇんだ。出て行った姉ちゃんとも連絡とれないし。……家帰っても、誰も居ねぇ。そんでさ」
天野君は話を続けようとする。だけど、周りの風景がもうこの時間は終わりだと告げていた。
『俺も』か。
もしかしたら、私に仲間意識を覚えているのかもしれない。同情ではないが、同情とはまた違う薄暗いものを感じた。私と天野君、二人が可哀想な人間に思えてくる、そんな感覚。俺たちって可哀想だよな、そう言われている気がした。
「天野君、もう家着いちゃった」
「あ、マジか。…ん?もうちょい先じゃねぇの?ここはマンションだろ」
「いや、ここでいいの。ここのマンションに住んでるの」
「は?お前一人暮らしって…」
「まあ色々事情があってさ」
「いやいやいや、ここのマンションそんな簡単に住めるところじゃ…、つーかここの管理人って確かヤ」
「まーまーまー、ね!暖かくなってきたって言ってもまだ寒いし、ほら、早く帰りなよ」
「…へいへい」
天野君は何か言いたげだったが、このまま問い詰めると先程のように話したくないことを話させることになる、と思ったらしく、それ以上何も言わなかった。
私の傘を持って帰路に着く天野君を見送った。見送りをせずにマンションに入ってもいいのだけど、その背中が寂しそうに見えてしまい、何となく、何となくだけど、目が離せなかった。
「……天野くーん!!」
天野君の足が止まる。返事は帰ってこないけど、聞こえているということだ。見えていないだろうから意味は無いけれど、手を振りながら呼びかけた。
「また明日ねーーー!」
天野君は一瞬こちらを振り返ったが、すぐにまた歩き出した。まあ、反応を返してもらえただけいいかな。そう思って私もマンションに入ろうとした。
…天野君が控えめに、しかし私には分かるように、手を振っていた。
歩きながらの上、顔はこちらへ向いていないが、手は小さく振られている。見逃さなくてよかった。
天野君、意外と律儀なのかもしれない。
友達とは言い難い関係だけど、少しだけ心を許したようなやり取りに、心地の良い温かさを覚えた。
「とっとと傘出せ」
「はいはい」
昼過ぎから降り始めた雨は、止むどころかさらにその勢いを強くしている。これでは傘をさしても濡れること間違い無しだ。こうなると防水の靴が羨ましい…。靴下が水浸しになるのは本当に不快だからな。
天野君に促されるがまま傘を開き、二人で歩き出す。
正直言うなら、傘を取り上げられると予想していたが、天野君はそんなことしなかった。それを伝えると、頭を小突かれた。
「痛っ」
「テメェのこと守るっつったろ。風邪なんか引かれちゃ夢見が悪ぃ」
「ああそういうこと」
「……おい、何でテメェ濡れてやがる」
天野君は私の肩を指さした。確かに濡れている。
濡れたところからじんわりと冷たさが伝わってきた。
「一本の傘に男二人はキツイから、仕方ないよ」
「…俺のためとか、キモイから止めろよ?」
「うん」
特段天野君のためとか、そういうわけではない。私が傘に人を入れる時は、いつもこんな感じだ。
小学生の時のことだ。濡れて帰ると怒られる友達が居て、その子を濡らさないように帰ることが何度かあった。高価な服、物をいつも身につけていた子だったかな。龍牙とクリミツの二人と帰れない日はいつも一緒に居たなあ。何度もその子と帰っていたら、癖がついたんだっけ。年はいくつか上で、かなり横暴で暴力的だったけど、そのガサツさが新鮮で楽しかったな。
その子も天野君のように悪態をついていた。
…何だか、隣の天野君が子供っぽく見えてきた。
「止めろっつったろ」
「癖だから」
「はァ?」
「別に、天野君のためってわけじゃないよ。私がやりたいようにやったら、こうなっただけ」
「…そうかよ」
隣の彼は、私より低かったあの子とは違って、背がすごく高いし、髪だって青い。でも、何となくあの子と重なって、少し嬉しくなるんだ。
あの子…春樹君だったかな。春樹君は私をよく叩いたし、私のことを嫌っていたけど、龍牙達が居ない時は、いつも傍にいた。よく、お前はぼーっとしてるから放っとけねぇ、と言われたっけ。中学は別になってしまったけれど、彼は今どうしているんだろうか。
とにかく、不良になってなきゃいいんだけど。
「さっさと歩けノロマ」
「はいはい」
隣の彼みたいに。
「…天野君の家はどこ?」
「何で聞くんだ」
「送ってくよ」
「いい。お前の傘で帰る。だから先にお前ん家行くぞ」
私の家まで一緒に帰るのか。お前の傘で帰る、と言われた時、やっぱり取られる!?と思ってしまった自分が恥ずかしくなった。天野君は徒歩通学なんだな。私より家が遠いのかもしれない。
「……なあ、根暗」
「何?」
「お前、名前なんだっけ」
何となく察してはいたけど、やはり知らないのか。
よし…自己紹介は大事だ、気を引き締めていこう。
「私の名前は紫川鈴。好きな物は卵料理!血液型は」
「黙れそこまで聞いてねぇ。……紫川、鈴か…」
「私の名前がどうかした?」
「お前、あだ名がリンだったりしねぇか?」
急に核心を突いてきた!!
もしかして私=リンという結果が天野君の中で出てしまったのかもしれない。
いや、まだそう決まったわけじゃない。
落ち着いて返事をしよう。
「…そんな女の子みたいなあだ名、私につけられるわけないでしょ」
うっ、自分で言ってダメージくらった。
私だって好きで呼ばれているわけじゃない。リンなんてあだ名、呼んでいいのは龍牙とかクリミツとか、親しい人だけだ。よく分かっていない人にからかうように呼ばれるのは嫌だ。まあ、もう慣れてしまったけど。
「だよなァ…。あ、あとお前、美人の知り合いとか、背格好めっちゃ似てる人とか居ないか?兄弟とか、親戚とか…」
かなりマズイ。段々追い詰められている気がする。追い込み漁ってこんな感じか。ここは正直に話した方がいいだろう。
「いないよ。…いたとしても、分からないから言えない」
「は?どういうことだ」
「私、親も親戚も知らないから分からないんだ。捨てられて施設で育ったから。生まれてから、ずっと。だから分からない」
「………わ、悪ぃ、そこまで話させるつもりじゃ…」
「いいよ、気にしないで」
天野君が黙り込んでしまった。傘を打つ雨粒の音だけになってしまう。まあ、矛先をずらせたのは良しとしよう。
自分の出自は、あまり好きではない。だが、捨てた親にも事情はあっただろうから、厭うべきではない。
でも、人から同情や哀れみを向けられる、その度に自分が可哀想な人に思えてくる。
天野君もその例に漏れず、だな。
天野君もきっと、私に同情し、
なんて可哀想なんだ~!
という哀れみの目を向けるんだ。
そうに、決まってる。
「…ほら、お前が根暗なのって、それが原因だから、あんま気にすんな」
「あのさ、天野君…根暗根暗って言うけど、私言うほど根暗じゃないと思うよ?」
「弱いだろ」
「うん」
「すぐ絡まれるだろ」
「うん」
「だから根暗だ」
「うーん…、根暗の意味調べておいで」
「バカにしてんのか!」
「うん」
「あ!?」
「うそうそ、うそだって、ふふっ」
私の喋ること一つ一つに食いついてくる天野君は面白い。思わず笑ってしまったが、天野君は怒ることなく、それどころかほっと息をついた。
「…俺も」
「んー?」
「……俺もさ、親は…居ないようなモンなんだよ」
「…そうなの?」
「ああ、親が小学生の時離婚してさ。姉貴は自立したから、俺は母親と二人暮らし。…でも、母親は男漁ってばっかでさ。不良になった俺にはもう見向きもしねぇんだ。出て行った姉ちゃんとも連絡とれないし。……家帰っても、誰も居ねぇ。そんでさ」
天野君は話を続けようとする。だけど、周りの風景がもうこの時間は終わりだと告げていた。
『俺も』か。
もしかしたら、私に仲間意識を覚えているのかもしれない。同情ではないが、同情とはまた違う薄暗いものを感じた。私と天野君、二人が可哀想な人間に思えてくる、そんな感覚。俺たちって可哀想だよな、そう言われている気がした。
「天野君、もう家着いちゃった」
「あ、マジか。…ん?もうちょい先じゃねぇの?ここはマンションだろ」
「いや、ここでいいの。ここのマンションに住んでるの」
「は?お前一人暮らしって…」
「まあ色々事情があってさ」
「いやいやいや、ここのマンションそんな簡単に住めるところじゃ…、つーかここの管理人って確かヤ」
「まーまーまー、ね!暖かくなってきたって言ってもまだ寒いし、ほら、早く帰りなよ」
「…へいへい」
天野君は何か言いたげだったが、このまま問い詰めると先程のように話したくないことを話させることになる、と思ったらしく、それ以上何も言わなかった。
私の傘を持って帰路に着く天野君を見送った。見送りをせずにマンションに入ってもいいのだけど、その背中が寂しそうに見えてしまい、何となく、何となくだけど、目が離せなかった。
「……天野くーん!!」
天野君の足が止まる。返事は帰ってこないけど、聞こえているということだ。見えていないだろうから意味は無いけれど、手を振りながら呼びかけた。
「また明日ねーーー!」
天野君は一瞬こちらを振り返ったが、すぐにまた歩き出した。まあ、反応を返してもらえただけいいかな。そう思って私もマンションに入ろうとした。
…天野君が控えめに、しかし私には分かるように、手を振っていた。
歩きながらの上、顔はこちらへ向いていないが、手は小さく振られている。見逃さなくてよかった。
天野君、意外と律儀なのかもしれない。
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