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黒の帳 『一つ目の帳』
+ 天野視点 穴だらけの作戦
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二階で田中に引き止められた俺は、そのまま田中と一緒に帰ることになった。何もされていないのに殴るのは流石に気が引ける。
だから、心底嫌そうな顔をしてみせた。だが、田中はめげなかった。
俺は渋々一緒に歩くことにしたのだった。
「お前も鈴ちゃんが好きなんだってな」
「は?」
「いや、隠さなくていいんだ。そんなお前に大事な報告がある。さっき渡来が…鈴ちゃんをボッコボコにしててよ、マジで酷かったんだ」
俺が鈴に好意を抱いているのは間違いない。それがリンさんに向けるものとどう違うかは置いといて、だ。
何か、こんな平凡の田中に言われるのは凄く腹が立つ。
俺は田中の言葉を聞いていたが、少し違和感を覚えた。
「それでさ、俺渡来に一泡吹かせたくて」
「待て、お前見てたのか?」
「ん?」
「…渡来が鈴をボコるとこ、黙って見てたのか?」
俺は横山から聞いてこのことを知った。だが、田中はどうだろうか。
もし、見ていたのだとしたら。
見ていた、だけだとしたら?
「や、それは、その」
「渡来もそうだがお前もクソ野郎だ、歯ァ食いしばれ」
「あーーーっ許して!!!つーかそんなこと言うんだったら間に合わなかった天野も天野じゃん!?」
「うるせぇお前よくそんな口叩けるな、あ"!?」
「ちょっ、天野!田中離してやれって、許してやれよ!」
田中、許さん。
確かに鈴がボコられているところに間に合わなかったのは俺だが、田中は黙って見ていたのだろう。
俺は田中の胸ぐらを掴み上げ、片方の拳を握りしめた。
拳を引こうとしたその時、またしても知らない誰かの声がした。
「おっ、岡崎!須藤!天野どうにかしてくれ!」
「天野!頼む、悪かった、田中に代わって謝る!この通りだ!」
「じゃあ俺は岡崎に代わって謝る!」
「お前らの謝罪なんざいらねぇよ…はあ」
何だか馬鹿らしくなってきた。
岡崎、須藤と呼ばれた二人はふざけている。マジになって田中をぶん殴っても気分は晴れないし、鈴がボコられた事実は変わらない。実際に被害に遭ったのは鈴だし、鈴に代わって俺がコイツらをボッコボコにするというのもおかしな話だ。
怒りが引いた俺は、田中の胸ぐらから手を離した。
話しながら歩いていたが、気付けば下駄箱の方まで来ていたらしい。
「けほっ、天野強…」
「でも渡来の方が強ぇんだよなー」
「あ、そうそう、渡来だよ渡来。俺ら一年ってさ、強引に渡来側にされてるやつ多いじゃん。不満持ってる奴らもいるわけ。そんな一年かき集めて、渡来に一泡吹かして、皆して番長側つこうぜっていう話が上がってんだけど…」
そこで須藤は言葉を切り、俺を見てニヤッと笑った。
「天野、お前が入ればぜってー勝てる。戦力的にお前はめっちゃデカい。青狼って二つ名つくくらいだしな」
「俺はやらねえぞ」
「ばっかお前いつまでビビってんだよ!皆でやるから大丈夫だって」
「嫌だ」
俺は渡来の恐ろしさを知っている。喧嘩で負け知らずだった俺を完膚なきまでに叩きのめしたあの出来事は、俺に深い傷を残している。悔しいが、トラウマのようなものだ。
未だに、面と向かって文句は言えない。性格の悪い陰キャのようにこそこそと陰口を言うことしか、俺には出来ない。
「だー、もう、心配性の天野くんには、ざっくり話をしてやろう」
「…」
「渡来何か企んでてさ、近々、何かやらかすらしいんだ。俺ら一年もそれに駆り出される。そこで、だ。俺ら一年全員で裏切って上手いこと番長や裏番に駆けつけてもらえば、渡来も、渡来側の二年と三年も纏めて潰せる。そしたら渡来はデカい口叩けなくなって、俺たちは超かっけぇ番長の氷川さん側につける…!」
それは、あまりにも夢物語じゃないだろうか。げんなりして岡崎を見ると、田中に背をバシンと叩かれた。
「つーかさ、お前もぜってー渡来に駆り出されっから。番長が一年に手だし無用とか言ってたけど、あんなのは一時的な自由にすぎねえ。どうせ渡来に呼び出されんだから、俺らの作戦に加わった方がいいぞ。渡来側は全員もれなくシめる予定だからな、無駄な戦いはしたくないだろ?」
「あー、今度考えさせろ。そういうのダリィんだよ」
「渡来にパシられる方がダルいだろ!」
「…ふん」
田中たちにはとりあえず否定気味に話しておいたが、中々良い案なのかもしれない。
渡来とその取り巻きには金を巻き上げられ好き勝手パシられ、散々な目に遭っている。それは俺だけじゃないだろう。その渡来たちが、番長や裏番にボッコボコにされる。うん、悪くない。寧ろいい気分だ。
「俺らこの高校ん中でバタバタしてるけど、池柳とか柳ヶ丘とか、最近ヤバいらしいぞ」
「…あそこが?」
「おう。この高校の裏番がさ、周りの高校の番長級の奴らからめちゃめちゃ恨まれてるっぽいんだよね。最近じゃあ女子校のスケバンまで怒らせたんだとか」
「…はあ、とりあえず黒龍(笑)をどうにかするんだろ?」
俺がぼそりと呟くと、三人はぱあっと顔を輝かせて俺を見た。
つーか今の情報なんだよ。
俺たちの住む柳市や、その周辺は不良校が多い。だからこそ、番長級となるとその強さは計り知れない。
そんな奴らに敵対されるとか、裏番はどんだけ恨み買ってんだよ。
「参加してくれる気になったか!」
「まあな。んで、何するか具体的に教えてくれよ」
「いーや、それはまだ決まってねぇんだわ。とりあえず仲間募集中みたいな感じ。渡来が近々やらかす内容だって、俺らは知らねぇし」
「ま、どーせ裏番のとこにカチコミに行くとかじゃねぇの。知らねぇけど」
「そんなんなのに俺に声かけたのか」
「だって~天野強ぇからさあ?」
「……けっ」
度々俺をよいしょしようとしてくるのがムカつく。俺はそんなチョロそうに見えるのだろうか。渡来じゃあるまいし、止めて欲しい。
俺がそう思った時、三人は俺から離れていった。聞けば、チャリで登校しているのだと言う。中々遠いところから通っているらしいから、早めに帰らないとヤバいらしい。
「…はあ」
さて、どうしたものか。
ムカつく渡来がボッコボコにされるのは是非見てみたいが、ボコられるのは嫌だ。渡来は普通に強い。真正面から立ち向かうことだけは避けなければならないだろう。
まあ、これは後で考えよう。大事なのは、明日の外出だ。
東雲先輩に、相談事。
鈴とリンさんのこと、聞かなくちゃな。
だから、心底嫌そうな顔をしてみせた。だが、田中はめげなかった。
俺は渋々一緒に歩くことにしたのだった。
「お前も鈴ちゃんが好きなんだってな」
「は?」
「いや、隠さなくていいんだ。そんなお前に大事な報告がある。さっき渡来が…鈴ちゃんをボッコボコにしててよ、マジで酷かったんだ」
俺が鈴に好意を抱いているのは間違いない。それがリンさんに向けるものとどう違うかは置いといて、だ。
何か、こんな平凡の田中に言われるのは凄く腹が立つ。
俺は田中の言葉を聞いていたが、少し違和感を覚えた。
「それでさ、俺渡来に一泡吹かせたくて」
「待て、お前見てたのか?」
「ん?」
「…渡来が鈴をボコるとこ、黙って見てたのか?」
俺は横山から聞いてこのことを知った。だが、田中はどうだろうか。
もし、見ていたのだとしたら。
見ていた、だけだとしたら?
「や、それは、その」
「渡来もそうだがお前もクソ野郎だ、歯ァ食いしばれ」
「あーーーっ許して!!!つーかそんなこと言うんだったら間に合わなかった天野も天野じゃん!?」
「うるせぇお前よくそんな口叩けるな、あ"!?」
「ちょっ、天野!田中離してやれって、許してやれよ!」
田中、許さん。
確かに鈴がボコられているところに間に合わなかったのは俺だが、田中は黙って見ていたのだろう。
俺は田中の胸ぐらを掴み上げ、片方の拳を握りしめた。
拳を引こうとしたその時、またしても知らない誰かの声がした。
「おっ、岡崎!須藤!天野どうにかしてくれ!」
「天野!頼む、悪かった、田中に代わって謝る!この通りだ!」
「じゃあ俺は岡崎に代わって謝る!」
「お前らの謝罪なんざいらねぇよ…はあ」
何だか馬鹿らしくなってきた。
岡崎、須藤と呼ばれた二人はふざけている。マジになって田中をぶん殴っても気分は晴れないし、鈴がボコられた事実は変わらない。実際に被害に遭ったのは鈴だし、鈴に代わって俺がコイツらをボッコボコにするというのもおかしな話だ。
怒りが引いた俺は、田中の胸ぐらから手を離した。
話しながら歩いていたが、気付けば下駄箱の方まで来ていたらしい。
「けほっ、天野強…」
「でも渡来の方が強ぇんだよなー」
「あ、そうそう、渡来だよ渡来。俺ら一年ってさ、強引に渡来側にされてるやつ多いじゃん。不満持ってる奴らもいるわけ。そんな一年かき集めて、渡来に一泡吹かして、皆して番長側つこうぜっていう話が上がってんだけど…」
そこで須藤は言葉を切り、俺を見てニヤッと笑った。
「天野、お前が入ればぜってー勝てる。戦力的にお前はめっちゃデカい。青狼って二つ名つくくらいだしな」
「俺はやらねえぞ」
「ばっかお前いつまでビビってんだよ!皆でやるから大丈夫だって」
「嫌だ」
俺は渡来の恐ろしさを知っている。喧嘩で負け知らずだった俺を完膚なきまでに叩きのめしたあの出来事は、俺に深い傷を残している。悔しいが、トラウマのようなものだ。
未だに、面と向かって文句は言えない。性格の悪い陰キャのようにこそこそと陰口を言うことしか、俺には出来ない。
「だー、もう、心配性の天野くんには、ざっくり話をしてやろう」
「…」
「渡来何か企んでてさ、近々、何かやらかすらしいんだ。俺ら一年もそれに駆り出される。そこで、だ。俺ら一年全員で裏切って上手いこと番長や裏番に駆けつけてもらえば、渡来も、渡来側の二年と三年も纏めて潰せる。そしたら渡来はデカい口叩けなくなって、俺たちは超かっけぇ番長の氷川さん側につける…!」
それは、あまりにも夢物語じゃないだろうか。げんなりして岡崎を見ると、田中に背をバシンと叩かれた。
「つーかさ、お前もぜってー渡来に駆り出されっから。番長が一年に手だし無用とか言ってたけど、あんなのは一時的な自由にすぎねえ。どうせ渡来に呼び出されんだから、俺らの作戦に加わった方がいいぞ。渡来側は全員もれなくシめる予定だからな、無駄な戦いはしたくないだろ?」
「あー、今度考えさせろ。そういうのダリィんだよ」
「渡来にパシられる方がダルいだろ!」
「…ふん」
田中たちにはとりあえず否定気味に話しておいたが、中々良い案なのかもしれない。
渡来とその取り巻きには金を巻き上げられ好き勝手パシられ、散々な目に遭っている。それは俺だけじゃないだろう。その渡来たちが、番長や裏番にボッコボコにされる。うん、悪くない。寧ろいい気分だ。
「俺らこの高校ん中でバタバタしてるけど、池柳とか柳ヶ丘とか、最近ヤバいらしいぞ」
「…あそこが?」
「おう。この高校の裏番がさ、周りの高校の番長級の奴らからめちゃめちゃ恨まれてるっぽいんだよね。最近じゃあ女子校のスケバンまで怒らせたんだとか」
「…はあ、とりあえず黒龍(笑)をどうにかするんだろ?」
俺がぼそりと呟くと、三人はぱあっと顔を輝かせて俺を見た。
つーか今の情報なんだよ。
俺たちの住む柳市や、その周辺は不良校が多い。だからこそ、番長級となるとその強さは計り知れない。
そんな奴らに敵対されるとか、裏番はどんだけ恨み買ってんだよ。
「参加してくれる気になったか!」
「まあな。んで、何するか具体的に教えてくれよ」
「いーや、それはまだ決まってねぇんだわ。とりあえず仲間募集中みたいな感じ。渡来が近々やらかす内容だって、俺らは知らねぇし」
「ま、どーせ裏番のとこにカチコミに行くとかじゃねぇの。知らねぇけど」
「そんなんなのに俺に声かけたのか」
「だって~天野強ぇからさあ?」
「……けっ」
度々俺をよいしょしようとしてくるのがムカつく。俺はそんなチョロそうに見えるのだろうか。渡来じゃあるまいし、止めて欲しい。
俺がそう思った時、三人は俺から離れていった。聞けば、チャリで登校しているのだと言う。中々遠いところから通っているらしいから、早めに帰らないとヤバいらしい。
「…はあ」
さて、どうしたものか。
ムカつく渡来がボッコボコにされるのは是非見てみたいが、ボコられるのは嫌だ。渡来は普通に強い。真正面から立ち向かうことだけは避けなければならないだろう。
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