君だけのアオイロ

碧月あめり

文字の大きさ
1 / 30
時瀬 蒼生・1

しおりを挟む
 小学生の頃から、良くも悪くも悪目立ちするタイプだった。

 クラスのなかではいつも背の順で最後尾で、地毛の明るい茶髪と目力強めのつり目のが、他人から「睨んでる」とか「態度が悪い」と言われがち。

 小さい頃から背がデカいのは両親ともに高身長だからだし、地毛が茶髪なのはデンマーク人と日本人のハーフである母親譲り。目付きが悪いのは、父親のつり目に似たせいだ。

 おれの見た目がそうであることは、どっからどう考えても両親の遺伝で。高身長も、地毛の明るい茶髪も、目付きの悪さもおれの努力でどうこうできるものじゃない。

 それなのに、他人──、ことさら身内以外の大人は、「生意気そう」とか「柄の悪そうな子だ」とおれの見た目にマイナスな判断をくだす。

 だから、毎年どんな担任の先生に当たるかが、おれの学校での評価は大きく左右した。

 ルールにあんまり厳しくないおおらかなタイプの先生だと、学校での評価は普通。だけど、規律に厳しい年配の先生とか、真面目で几帳面なタイプの若い女の先生とは、とにかく相性最悪。

 後ろの席のやつに「今、教科書の何ページ読んでる?」って聞かれたから振り向いて教えてただけなのに「授業中に私語はやめなさい!」って注意されたり、隣の席のやつが消しゴム落としたから椅子から立って拾ってやったら「授業中に立ち歩かないように!」って怒られたり。他のやつがやってもそこまで注意されないようなことでも、おれがやったら誤解されて怒られる。

 おれ自身も、理不尽に注意されたらムッとして黙っていられないタイプだから、小学生の頃は「誤解です」って先生に言い返していた。
 
 そうすると、「やっぱり見た目通り生意気だ」と思われて、大人からの評価がますます下がる。

 道徳の授業で「見た目で人のことを判断するのはよくないです」って真面目な顔して話してる先生に限って、おれのことを評価する基準が見た目だったりするから、嫌になる。


 小学校のときも中学校のときも、おれの判断基準は悪目立ちする派手な髪色と目付きの悪さという見た目。

 学校で先生に目を付けられて悪目立ちばかりしているおれの周囲には、誘ってもないのに、なぜかやんちゃで目立つやつばっかりが友達になろうと寄ってきた。

 そいつらとバカなことやったり騒いだりするのはそれなりに楽しかったけど、先生たちからは《不真面目な問題児集団のリーダー》みたいに思われて、おれの学校での評価はさらに悪くなった。

 見た目が目立つせいか、中学の後半くらいからは男子だけでなく制服を着崩している派手目な女子たちも近付いてくるようになって。それに比例するように、大人たちからの評価は下がる一方だった。


 だから高校に進学するときは、校則が緩めの学校を選んだ。

 髪色にもあんまりうるさくなくて、制服も絶対じゃなくて、「規定服」として共通のズボンとスカートが用意されてるだけのようなところ。

 中三のときに文化祭を見に行ったら、その高校に通う生徒たちの表情が楽しそうでキラキラしてて。おれの地毛が明るめの茶髪なんてが逆に目立たないくらい、自由そうな校風の学校に思えた。

 だけど……。おれが悪目立ちしてしまうのは、どこに行っても変わらないらしい。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

僕《わたし》は誰でしょう

紫音みけ🐾書籍2冊発売中!
青春
※第7回ライト文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。 【あらすじ】  交通事故の後遺症で記憶喪失になってしまった女子高生・比良坂すずは、自分が女であることに違和感を抱く。 「自分はもともと男ではなかったか?」  事故後から男性寄りの思考になり、周囲とのギャップに悩む彼女は、次第に身に覚えのないはずの記憶を思い出し始める。まるで別人のものとしか思えないその記憶は、一体どこから来たのだろうか。  見知らぬ思い出をめぐる青春SF。 ※表紙イラスト=ミカスケ様

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

12年目の恋物語

真矢すみれ
恋愛
生まれつき心臓の悪い少女陽菜(はるな)と、12年間同じクラス、隣の家に住む幼なじみの男の子叶太(かなた)は学校公認カップルと呼ばれるほどに仲が良く、同じ時間を過ごしていた。 だけど、陽菜はある日、叶太が自分の身体に責任を感じて、ずっと一緒にいてくれるのだと知り、叶太から離れることを決意をする。 すれ違う想い。陽菜を好きな先輩の出現。二人を見守り、何とか想いが通じるようにと奔走する友人たち。 2人が結ばれるまでの物語。 第一部「12年目の恋物語」完結 第二部「13年目のやさしい願い」完結 第三部「14年目の永遠の誓い」←順次公開中 ※ベリーズカフェと小説家になろうにも公開しています。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし

かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし 長屋シリーズ一作目。 第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。 十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。 頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。 一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。

処理中です...