半世紀生きて、やっと小説完成しました

さんかく ひかる

文字の大きさ
90 / 94

なぜ自分の小説は、面白すぎるほど面白いのか?

しおりを挟む
 小説投稿のあれこれをつぶやくエッセイ、最近、毎週日曜日に投稿することにしたのですが……ごめん! 課金ゲームにハマってます。

 畑を耕す街づくりゲームで『タウンシップ』っていうんですが、有名なゲームみたいですね。
 課金ゲームにハマるのは三度目です。あ、一応、今のところ、無課金ユーザーでがんばってます。課金ゲームを無課金で楽しむためには、莫大な時間を費やすしかありません。

 過去の経験で、私は学習したはずです。

 いくらゲームで大金持ちになっても、私の懐には一銭も入ってこない。いや! 時間というかけがえのない財産を失うことにほかならない。

 しかし過去の経験からして、二カ月ほどこの状態が続くと思われます。現在は十月下旬。いやだなあ、年末をゲームで費やすなんて……でも私の脳はすっかりゲーム脳。
 今、こうして文字を打っている間も頭の中は

「そろそろ、ジャガイモ収穫できるかな?」
「ピザは焼き上がりに時間かかるんだよねー」
「いつかタワーマンション建てるぞ!」

 はい。重症です。

 現在(2025年10月)連載中の異世界ファンタジー、物語は不幸のどん底まっしぐらです。あと一話で章の区切りがつき、来週から新章スタート……のはずです。
 その新章も不幸の連続ですが、今、書けたのはこんなところです。

・謎のプロローグ
・ラスト三話、八千字ほど

 すごーくざっくりとしたプロットはあるのですが、まだちゃんとした第一話が手つかずです。
 こんな時に限って、ゲームにハマるんですよね。いや、こんな時だからこそゲームにハマるんだよ。

 ええ、もうゲームからは足を洗うつもりだったんですよ。
 しかし、昨年末から、都会の文章教室に通うようになり、電車の中の暇つぶしに困っていました。
 それこそ、自分の小説を書けばいいじゃんって感じですね。ええ、小説を書くときもありますが、そこまで気がのらず、お勉強系のアプリをダウンロードしたんです。
 四字熟語のパズルゲームです。

 小説を書かれる皆さんは、いろんな本を読んで四字熟語を勉強しているんでしょう。でもごめん。私、勉強好きじゃないのよ。
 ボキャブラリー貧困の癖に小説を書こうとするから、いつも苦労してます。
 なので、アプリで四字熟語を勉強したら、少しは賢い感じの文章が書けるんじゃないかと期待したのですが……やっぱ、いくらパズルになっても四字熟語わかんない。つまんない。おもしろくない~。

 無料のゲームにケチをつけるわけじゃありませんが、私みたいな勉強苦手な人間には面白くないアプリでした。
 無料のアプリだから、当然広告が入ります。その広告が、今ドハマりしている街づくりゲーム『タウンシップ』だったんです。
 いや、まんまと敵の戦略にはめられました。
 もちろん、四字熟語アプリはどっかへいっちゃいました。いや、アンインストールはしていないけど、すっかり忘れています。

 せっかくだからこの経験を小説執筆に生かそうと思いつつ、過去のエッセイを見返してみたら……私、『あつまれ動物の森』にハマった話を書いてたじゃないか!

『あつ森』も『タウンシップ』も、街育成ゲーム……っていっていいよね?
 これらのゲームの魅力は次の点でしょうか。」

●お手軽に小さな達成感が得られる。
●徐々にできることが増える。
●その積み重ねで大きな世界を作ることができる。

『あつ森』にハマったエッセイでも似たようなこと書きました。
 繰り返しになりますが、これを仕事に応用したのが、ポモドーロテクニックという技です。
 簡単に言うと、30分ごとに強制的に5分間休む。2時間経ったら30分の休憩を取るというものです。
 作業が膨大でやる気が失せる仕事でこの技を使うと、すごくはかどる……かもしれません。実際、8時間集中するのは無理でも、30分だけならがんばれるもんね。
 じゃあ私が「はかどります」と断言しないのは……本当に仕事やる気ない時って、ポモドーロテクニックを使おうという気持ちになれないのよ~!!!!!

 これじゃ過去のエッセイの焼き直しじゃん。
 ということで、もう一言。

 私、四年間もウェブ小説を書いて、ようやく自分の小説の根本的な問題に気がつきました。
 世間様に公開して「読んで」「読んで」と騒いでいる割には、読者のために書いていない気がしてきました。

 私は自分の妄想を形にするため、小説という手段を取っています。
 最初にウェブに出した小説は、年下理系男子とのイチャベタを書きたい! その一念で書き上げました。
 そこを出発点として、年下理系男子の専門ジャンルや、なぜ彼がヒロインに惹かれるのか? どうやってヒロインとヒーローを会わせるか? すんなり結ばれちゃつまらないからトラブル入れよう……そんな風に話を組み立てました。
 我ながら気に入ってます。よく書けたなと思ってます。

 小説を書き上げたときの達成感って、パズルや難しい数学の問題を解けたときの気持ちに似ていません? 違うかな?
 そこで最近、不安になってきました。
 もしかして私の小説って、パズルを解いたプロセスや証明問題の回答をそのまんま見せているのではないか?

 私自身は、私が書いた小説を本気で面白いと思っています。何度も読み返し、いや~よくこんな展開思いついたな~って陶酔しております。
 でもこの自己陶酔、物語そのものが優れているからというより、作者だから面白く感じるのでは? と、冷静に考えるようになりました。

 他人が書いた数学のノートなんてチンプンカンプンで無意味な記号の羅列です。面白くもなんともありません。
 しかし、自分のノートは違います。ノートを見直し「おお! 我ながらエレガントな回答思いついたじゃん!」って、自己陶酔に浸れます。
 パズルを解けたときはすごく気持ちいい。でも、他人がパズルを解いた過程を見せてもらっても、面白くもなんともない。
 自分の小説が面白いのは、「そうそう! この展開に苦労したんだ!」と、過去の執筆の楽しい体験を思い出すからではないか? そんな気がしてきました。

 多くの人がそうだと思いますが、私も他人の小説を読むときは、作者の苦労なんて考えません。ジェットコースターに乗って、物語の展開を純粋に楽しみます。
 物語の論理的整合性なんて気にせず、気持ちよくさせてくれるかがすべて――ウェブ小説を書いて四年経ち、ようやく私は基本に気がついたのです。

 もしかすると『あつまれ動物の森』や『タウンシップ』が小説の目指す姿ではないかと。
 情報は小出しにする。主人公は絶えず小さな達成感を味わう。いつの間にか大きな仕事を達成している。
 ただ、ゲームは自分が体験するからそれでいいが、主人公が成功しているだけでは、物語にならない。成功している主人公が、終盤に挫折を味わう。そこから立ち直ると大きな謎が明かされる……そんな物語を目指すべきなんだろうなあ。

 でも、今連載中の物語を変えるつもりはないんです。作者の立場をいいことに、じゃんじゃか憂鬱な展開にしていますが、そこはもう、私のわがままを優先させたいんです。
 今の連載が終わるのは、半年ぐらいかかりそうです。そしてもうひとつ、中断中の物語があります。話が広がりすぎたので、さらに一年ぐらいかかりそうです。
 ということで、来年、じゃなくて再来年になったら、『あつ森』みたいな物語に挑戦……できるかなあ?
 いや自分、もっと壮絶な鬱々展開に突き進み、宇宙が滅びるレベルの物語を喜々として書いてるかもしれません。


 ということで最後に宣伝。
 鬱々展開が大好きな方、現在連載中の異世界恋愛ファンタジー『彼女の前世がニホンジン? 2 聖妃二千年の愛』がお勧めです。
 ご満足いただけること間違いなし! ……たぶん。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

処理中です...