半世紀生きて、やっと小説完成しました

さんかく ひかる

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SFと科学

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 今さらですが、エッセイ冒頭の自称が、万年小説投稿初心者やら投稿小説万年初心者など、ふらふらしていることに気がつきました。
 私が初心者なのは、「小説投稿」という行為に対してです。しかし投稿して一年経つのにいつまでも「初心者」を自称するのはどうよ? と思うが、小説の実力の向上は望めない。だから「万年」を頭につけることにしたのです。
 万年は「初心者」にかかるから、「万年」の位置は「初心者」の直前が適切。
 今まで微妙にふらふらしていた自称ですが、「小説投稿万年初心者」に統一することにします。あー、すっきりした~。


 前回「SFってなんだろ?」と、炎上しそうな疑問を掲げました。SFどころか小説そのものをあまり読んでない人間に、SFを語る資格はあるのでしょうか?
 が、ここは日本。思想・言論の自由は保障されています。SFを一冊も読んでない人が「SFキモい」というのも自由です。
 もちろん私は「キモい」なんて思っていません。二つ目の長編はSFです。
 読んだ小説は少ないけど、星新一はあらかた読みました。筒井康隆も何冊か読んでいます。『砂の惑星』(ハーバード)シリーズは第三部まで読みました。一番の名作は『幼年期の終わり』(クラーク)と思っています。
 まったくSFを知らないんじゃないんだよ、と予防線を張って、SFについて語らせていただきます。


 こうやって予防線を張るのも、SFジャンルって、ビギナーやライトファンを寄せ付けない雰囲気を感じるからです。
 私の二つ目の長編『「日本人」最後の花嫁』はSFのつもりですが、完結した今でもビクビクしています。カテゴリーエラーと叱られるんじゃないかって。
 小説の舞台は、二十二世紀後半の日本です。最後の「日本人」が主人公です。
 宇宙船やタイムマシンに乗ったり、核戦争が起きたりといった、派手なことはありません。VRMNOで戦ったりもしません。
 SF解説サイトによると、SFといっても細かく分かれるようで、私が書いたのは、近未来SFでしょう。
 お堅い感じではなく、ゆるふわなSFです。超能力もない思春期女子の成長物語です。はい、宣伝させてもらいました。


 言い訳ばかりで本題に進まないなあ。
 SFというのはサイエンス・フィクションの頭文字です。このあたりも今では拡大していますが、基本は、空想科学小説ってことでしょう。
 となると、私の小説も科学がベースとなりますが、ぶっちゃけ……それほど科学していません。

 最初に書いた恋愛小説『君を待つ宇宙』の方が、科学しています。恋愛なので科学はメインではありませんが、ヒーローが宇宙オタクということで、宇宙語りが入ります。ヒーローの宇宙トークは、入門書を参考にしています。もちろん、コピーペーストはしていません。
 もう一つ書いた短編『クリスマスツリーは知っている』をあげます。桜の枯れ葉と隣に立つクリスマスツリーが呟いているだけですが、前半はほぼ光合成の話だし、後半もベースは科学です。
 どちらの小説もSFではありません。SF的なできごとは発生しません。
 科学をベースにした小説ですが、現実に起こりえないこと起きてないことではなく、今の科学で充分ありえることを表現しています。


 例を挙げましょう。
 物理の先生に一目ぼれした高校生が、苦手な物理を克服して物理オリンピックに出場! なんて小説があったとします。
 こういう物語なら、小説に物理の問題が登場するでしょう。科学的に濃い話になりそうですが……ジャンルとしては、青春か恋愛であってSFにはならないでしょう。

 一方、先生との恋愛がきっかけで人生を失敗した主人公が、やり直したい! とタイムマシンで過去に遡ったら……それはSFです。物理学青春ドラマの方がずっと科学していても。


 ひとつ、わたし的SF小説をあげてみます。

  『パラサイト・イヴ』瀬名秀明

 私たちの細胞の中にある器官ミトコンドリアの反乱という、生命の進化をベースにしたホラー小説です。
 ですが私はSFとして楽しんでいました。あまりホラー的怖さを感じなかったのです。
 私が怖かったのは小説前半のリアルな手術シーンでした。著者は研究者なので、実際に手術を見たのかと思います。
 後半のミトコンドリアが暴走しホラーとなるのですが、私はあまり怖いと思わず、生命賛歌として感動しました。


 ハードSF好きな方は、小説に科学的厳密さを求められるようです。科学そしてSFへの愛が深いからでしょう。私はその辺は気にならないというか、気になるほどの知識がありません。なーんも取り柄のない主人公がモテまくると、すげームカつくけど。

 科学的に間違ったSFは認めない方もいらっしゃるようです。ただ、そこまで厳密さを求めるなら、科学系ノンフィクションか、教科書を読めばいいんじゃないかって思うんです。暴論かな?
 ノンフィクションだって、いや論文ですら、完全な事実の羅列ではありません。事実をベースにして著者の「考察」が入ります。テーマによっては、将来どのような技術に応用できるか、社会に還元できるか、プレゼンします。


 SFの定義については、私が語るまでもなく、多くの大家が語っています。
 マイ本棚から一つ、見つけました。

 『砂漠の思想』安部公房 より 「SFの流行について」

 初版が1965年と60年近く前のエッセイです。SFが流行り始めたころに書かれているので、今とはだいぶ状況は違いますが、なかなか濃いエッセイです。
 安部公房は、SFは「仮説の文学」だと述べています。仮説でさえあれば科学である必要はない、とも言っています。

 このエッセイ集を三十年ぶりに読みましたが……難解な単語は出てこないのに、結構、難しいぞ。前に読んだときは、それほど感じなかったんだけど……知力が落ちたのかな? 読んだ当時もわかった気になっただけで、わかってなかったのかもしれません。


 ということで、私なりのSFのイメージです。
 小説が科学的であるからといって、SFとは言えません。逆に、それほど科学的ではなくても、SFになる場合もあります。
 SFとは、科学を中心とした現代の常識をベースにして、まだ実現していないこと、または実現しそうもない世界を描くことかと思うんですが、いかがでしょうか?
 わお、偉そうなことを言っちゃったよ。
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