半世紀生きて、やっと小説完成しました

さんかく ひかる

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登場人物の名前~最初の長編『君を待つ宇宙』より~

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 小説投稿エッセイ、前回は小説と全然関係ない話でしたが、また長編小説を宣伝します。今回は登場人物の名付けについてです。

 子どもの名付けに悩まない人はいないと思いますが、私もわが子=小説の登場人物の名前に悩みます。名前がしっくりこないと小説を書く気になれません。書いてる途中に名前を変えることもあります。

 私の名付けポイントです。

1.キャラクターの見た目や性格、雰囲気を表している。
2.覚えやすく存在感がある。
3.有名人とは被らない。
4.読みやすい字。読み方がひとつしかないのが理想。

 日本人の名前だと、条件4がかなり厳しいです。
 ひとつ実例を。
 私、角田さんというお知り合いが三人いますが、次の通り、全員、読み方が違います。

 かくたさん
 つのださん
 すみたさん

 リアルに知り合いです。中学高校の同窓生・先輩というレベルで何十年も会ってませんが。すごいです、日本の名字。

 あとは、それぞれの小説に合わせているので、しつこく最初の長編『君を待つ宇宙』を取り上げます。お腹いっぱいでしょうが、お付き合いください。


 ヒロインの名は、素芦那津美もとあしなつみ。田舎のアラサー乙女です。
 今は貧しいが元お嬢さまという、私の大好きな設定にしました。田舎の領主の末裔で、両親はなく、1Kアパートで暮らしています。

 最初、三条など、いかにも名家な名字にしました。
 元お嬢のヒロイン、ことあるごとに「〇〇家の末裔として」「私は唯一の〇〇家の人間」と、つぶやきます。
 このセリフが登場するたびに、私は引っ掛かりました。この〇〇に、三条や久爾などを入れてみます。

「三条家の末裔として」
「私は唯一の久爾家の人間」

 三条さんも久爾さんも、日本全国いくらでもいるだろ~! なに気取ってんねん!
 ・・・・・・突っ込みたくなりました。

 これは、日本の名家っぽく、かつ日本に存在しない名字を作るしかありません!
 ない知識を絞り出して考えた名字が「素芦もとあし」さんです。日本にはない名字だと思います。ネットでちょっと検索した範囲ではヒットしません。

「素芦」の「素」は、素粒子や元素など、小説のテーマ「宇宙」をイメージしました。
「芦」は、古事記や日本書紀に出てくる、葦原あしはらの中つ国からきています。古い日本のイメージです。

 絞り出して捏造した名字をヒロインに付けたのですが、当初書いてて、すげー気持ち悪かったです。
 存在しない名字だもん。違和感バリバリです。

 が、書き進めると、いい名字じゃん、マイナーな田舎の領主らしいじゃんって、思うから不思議です。

 ヒロインの下の名前、那津美は、日本神話のイブ、伊邪那美イザナミからきています。
 名前を付けて、初めてヒロインが生きた人間になりました。古い一族の誇りを秘めつつ、落ちぶれた現状を受け入れて頑張ったヒロインになったと思います。


 ヒロインの相手役は、タイトルから予想される通り宇宙オタクの年下男子で、朝河流斗と名付けました。
「朝河」は、日本初のノーベル賞受賞者、湯川秀樹と、次のノーベル賞受賞者、朝永振一郎をくっつけて作りました。
 ノーベル賞取れそうな感じしません? お二人とも物理学者です。

 下の名の「流斗」は、流れ星+北斗七星から。高校生や大学生にありそうな名前にしてみました。
 賢い宇宙男子っぽくなったと思います。

 もう一人紹介します。ヒロインの年上の幼馴染、荒本丞司です。荒本は、ヒロインが生まれた素芦家の分家です。新しい素芦から、あらもと→荒本としました。下の名前は、次男なので(司=じ)の読みを入れました。


 その他のキャラは、性格や雰囲気で決めました。
 小ネタを三つ紹介します。

1 カサミン

 べたな名前です。リケジョネットアイドルという、これまたべたな設定です。後半、本名が明かされますが、名字しか出てこないんだよ~。下の名前を登場させる機会がありませんでした。
 設定はしたはずですが……作者も忘れています。


2 飯島耕太

 ヒロインの職場の年下先輩。恋愛模様とはまったく絡まない、チクチク嫌味を言うポジション。
 この方、名前を執筆途中で変えたのですが、ひどいことに、初登場シーン、名前を直すのを忘れてアップしました。一文字だけの変更なのでずーっと気がつかず、アップして何か月も放置してました。
 いくら物語で微妙なポジションだからといって、名前を間違えるってどーよ?
 キャラクターは作者の子供、なんてえらそーに言う資格ないです。ごめんなさい。


3 ヒロイン父

 天涯孤独なヒロインなので、父親は物語開始時で亡くなっています。ヒロイン父だけあって重要人物です。
 一人称小説なので、地の文では「父」、回想シーンの会話文では「お父さん」と呼ばれます。
 領主の末裔であり社長でもあった彼は、住民からは「社長」「殿様」「親父さん」と様々な呼び名を持っています。

 いっぱい名前を持ってたお父さん。なのに彼の下の名前は、最後まで明かされません。一人称小説のため、下の名を発表するタイミングがありませんでした。
 設定メモを見直したら……ちゃんとありました! しかも忘れていました。ごめんなさい。


 言い訳ですが、地位のある年配の男性って、下の名前で呼ばれる機会、あまりないですよね。奥さんや子どもは「お父さん」「おじいさん」って呼ぶし、親戚は「おじさん」と呼ぶでしょう。仕事関係なら「社長」など肩書で呼ぶでしょうし。
 下の名を呼ぶとしたら、学生時代の友人か兄弟ぐらいでしょうか。
 でも国家元首クラスだと、首脳会談で下の名前を呼びあい、いかにも両国は仲良しだよ~ってアピールするんだっけ?



 今回、小説の宣伝を復活しました。次回は、二つ目の長編の登場人物を紹介します。
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