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『実利論(アルタシャーストラ)』インドの王様、働きすぎ
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昔のホームページからコピーペーストするだけのエッセイ。
古代ギリシャ編は二冊で終了です。
言い訳ですが、読んだだけならあと三~四冊あります。(それでも少ない)
昔のホームページからのコピー&ペーストを優先させてもらいます。コピーネタが尽きて気が向いたら、新規で感想文書くかもしれません。
ということでギリシャからインドに移動します。こちらは古代インドの政治家が書いた(とされる)帝王学の本です。
******
実利論 -古代インドの帝王学 上・下
カウティリヤ 著
上村勝彦 訳
岩波文庫 1984年11月発行
******
前の二作に比べると、かなりマイナーな本だと思います。私も存在を知りませんでした。
本屋にはないと思うので、古本屋か古書サイトで探してみてください。図書館ならあるかな? Amazonだとトンデモナイ値段なので(4万円とか6万円とか!)ご注意を。
Q 作者は、カウティリヤ……古代インドの人かな
A インドって基本的にはいろんな国に分裂しているわけ。そのなかでインドを統一したといえるのは、マウリヤ朝ぐらい。開祖はチャンドラグプタ……インパクトある名前だね。ここで、実利論-アルタシャーストラ-の著者、カウティリヤが登場。マウリヤ朝の創設に貢献した名宰相です。インドでは人気者みたいよ。
Q 翻訳のサブタイトルは『古代インドの帝王学』――ビジネス雑誌に特集されそうな感じだね。あんた、働くどころか脚一本動かすのも面倒な物臭さなのに、何でこんな本買ったの?
A 大人には大人の事情があるのさ。
カウティリヤは、ヨーロッパでインドのマキャベリと言われてるの。古代インドの統一に貢献した人がマキャベリストなんて、ふふふ……ツボにはまるぅ~。迷わず本屋へ直行よ!
なのにさ……だまされちゃった。訳者の前書きに
「我々の常識としては、本書がカウティリヤ自身によって紀元前四世紀という古い時代に書かれたという結論は、どうしても承認しがたいように思われるのである。」
なによ、その「我々の常識」って。あたし知らない、そんな「常識」ママに教わってないもん。マキャベリスト入って冷たいけど渋くてステキなカウティリヤおじさまが書いたと信じたから、買ったのにさ。あたしの妄想……じゃなくてイマジネーションの世界が台無し。責任とってよ岩波!
Q あのさあ、古典の作者なんてわからないのが普通でしょ? まあ、どーしても責任取れって言うなら、訴訟でも起せばあ?
A イ、イジワル……。あたしにそんなツテも金もないって、知ってるくせに……。
そういえば『実利論』にも訴訟のこと載ってたぞ。参考になるかな? どれどれ……裁判官も証人も出てくる。でも弁護人はいないね。へえ、こんなこといってる。
「臣民を法により守る王が自己の義務を遂行することは、彼を天国に導く。王が守護せず不正な刑罰を科する場合は、逆の結果となる。
何となれば、王が息子にも敵にも罪に応じて公平に刑罰を科すれば、かかる刑罰のみこの世と他の世とをよく守るから」(第3巻第1章41-42)
古代インドにしてはマトモだぞ。でも「~彼に賠償させるべきである。ただし、バラモンの場合は除く」(第3巻第1章37)……やっぱり古代インドだわ。
Q ちょっと強引な展開だけど本題に入りますか。『実利論』って簡単にいうと、どんな本?
A なんで、「あなたにとって人生とはなんですか?」みたいな、答えようがない質問ばっかりするのよ!
面倒だから、カバーの謳い文句からそのまま移しちゃう。
「インドでは古来ダルマ(法)とアルタ(実利)とカーマ(享楽)が人生の三大目的とされてきた。~本書は、アルタの立場から揺るぎない権力の確保のために王が採るべき権謀術数を説いたもの。」
だって。本文の出だしからも移しちゃう。
「土地の獲得と守護を目的として、古の学匠たちに説かれた諸々の実利論(アルタシャーストラ)の大部分を一書にまとめて、この『実利論』が作られた。」第1巻第1章1
王様のための実践マニュアルだね。うっかりすると、あたしでも王様できちゃいそう♪
Q ……がんばってね。○○の王様って限定すれば、一つぐらい当てはまるかもよ。ヨレヨレ作文とか、情けないウェブサイトとか。
A くやしい!! たんなる王様にチャレンジしてやる! さてさて、王様の一日のスケジュールは、
「夜の~第三の八分時には、楽器の音とともに就寝し~第六の八分時に、楽器の音とともに目覚め、」第1巻19章20-21
時間の単位がイマイチわからないけど、単純に12時間を8等分したとすると、睡眠時間は4.5時間。あとは基本的にお仕事みたい。
あたし、8時間以上寝ないと駄目。ついでに労働は8時間以内ね。……やっぱり王様やーめた!
Q よかった。それが世の中の平和のためだよ。ところで、著者と伝えられているカウティリヤがインドのマキャベリだと言われるのは、この本が原因なんでしょ?
A ハードボイルド小説じゃないのに、スパイがうじゃうじゃ登場するんだよ。
「第1巻第10章 試験により大臣が潔白か否かを知ること」の試験方法はね……
王様は、宮廷祭僧(プローヒタ……大臣より上位)に理不尽な命令を出します。宮廷祭僧は怒るので王は罷免。もちろん宮廷祭僧と王は、すべて事前に打ち合わせ済み。
理不尽にもクビになった(フリの)宮廷祭僧は、秘密工作員(サットリン……この単語好き)を使って、大臣たちを煽動します。
「今の王は正義にもとるから、他の者を王につけよう」とささやき、大臣が乗るか反るかチェーック! さて、大臣の試験の結果はいかに?
……こんな話ばっかり。臣下や身内の真意を探る、民を騙す、敵をかく乱する。全編に渡ってスパイが大活躍。
まあ、古代インドのスパイといったら、ダイナマイトバディの踊り子に決まりでしょ。へそ出しルックとシースルーが基本ね。スパイ活用の話のたびに、きれーな踊り子さんの姿が目に浮かぶわ。
Q スパイ=美人ダンサーとは、想像力が貧困だよ。
A ちゃんと書いてあるもん!
「役者・舞踊家・歌手・演奏家・咄家・吟誦者たち、及び女のスパイたちは、高官の内的な行動を知るべきである」第1巻第12章9
もっとも、この芸能人スパイも組織の一部にすぎず、農民・商人・学生・聖者・比丘・比丘尼……ありとあらゆる職業に化けています。でも、あたしの頭にいつも浮かぶのは、美女の舞い、ほほほ。
美人スパイは、敵の陥落に登場。難航不落の城砦を落すとき、敵に美人スパイを送り込み、愛の泥沼三角関係を起させ、その隙に刺客が敵を暗殺するそうです……うーむ、美人スパイってかわいそうね。
Q スパイに暗殺ね。マキャベリストと言われるのか、わかったわよ。目的のためには手段を選ばずってことね。
A 徹底してるよ。外交戦略や兵法はもとより、戦象の調教・武器の製法・毒薬の調合・黒魔術(と言いたくなる)・奇蹟の演出などなど。
あたしは、始終ノックアウトされました。特にインパクトあるのは、これ。
「敵の星宿において、流星を見せるべきである」第13巻第1章10
神々の奇蹟を人工的に演出し、味方を奮い立たせ敵を動揺させる手段の一つです。神像に仕掛けをほどこす、スパイに神様の格好をさせてお告げを語らせるなど、技はたくさん。でもこの場合、流れ星をどうやって作るんだよ!
と、思ったら
「鷲鳥(ハンサ)や帝釈鴨(クラウンチャ)や孔雀、またはその他の大きな水鳥の尾に結びつけられた葦の灯火は、夜間、流星の出現のように見える。」第14巻第2章30
ちゃんと流れ星に見えるのかわからないけどね。どっちにしても、歴史書に見える「奇蹟」的な現象のほとんどって、こういうトリックなんだろうな。
他には毒薬の話がインパクトあるぞ。
食事や飲み物に混ぜて要人を殺すタイプの毒薬もあるんだけど、生物兵器としかいいようのない技術もあり。
効き目は知らないけれど、あらゆる生物を殺す煙、盲目や狂気にする煙、水の汚染……勘弁してよ。解毒剤もあります。
あとは、奇蹟の演出です。一か月断食できる薬などは一種の栄養剤かもしれないけど、人を眠らせる・姿を隠す真言ってなに? 「ラリホー」じゃないよ。単に呪文をとなえりゃいいんじゃなくて、アイテムもいろいろ用意して、断食しなきゃ駄目……大変だね。RPGでこれやったら、「クソゲー」間違いなし。
Q それにしても、物騒な話ばかりだね。
A 悪い悪い。どうしてもインパクトある話というと、そっちに流れちゃう。もっと幅が広いよ。
「本書は単なる政治の書ではなく、経済や法律に関し、更には、学問、王宮、建築、宝石、金属、林産物、武器、秤と桝、空間と時間の単位、紡績、織物、酒造、遊女、船舶、牛、馬、象、旅券、賭博その他諸々の事項に関し、多用な情報を与えてくれる、百科全書的な書物であり、古代インドの社会や文化を知る上での貴重な資料なのである。」訳者前書き
中国の絹も出てくるし、ダイヤモンドが登場する最古の文献との噂もあるの。誰でも、興味持って読める章があると思うよ。
フォローはここでおしまい。あたしはやっぱり、権謀術数の世界に浸る、家族さえ信じない孤独な帝王の姿にそそられますわ~。
Q 王さまは、絶対友達できないね。こういう過激な本って、異端扱いされない?
A そういう質問しないで! 知らないんだから。でもね、バラモン教の伝統に沿った、思いっきりの正統派な気がする。著者にはあまり、やましさを感じないの。なりふり構わず敵を倒すのも民の平穏のためといったところで、堂々としていて。
この本そのものより、この思想が昔から正統扱いされたインド世界の方が、ヘンかも……。
Q でも、仏教が生まれた世界なんだよね。ギャップを感じるなあ。
A わかった! なぜ、ブッダさんがカピラの城を出たのか。心優しいシッダルダお坊ちゃまは、陰謀まみれでドロドロの王さま稼業なんて、耐えきれなかったのよ。すごい、また一つ発見しちゃった。
古代ギリシャ編は二冊で終了です。
言い訳ですが、読んだだけならあと三~四冊あります。(それでも少ない)
昔のホームページからのコピー&ペーストを優先させてもらいます。コピーネタが尽きて気が向いたら、新規で感想文書くかもしれません。
ということでギリシャからインドに移動します。こちらは古代インドの政治家が書いた(とされる)帝王学の本です。
******
実利論 -古代インドの帝王学 上・下
カウティリヤ 著
上村勝彦 訳
岩波文庫 1984年11月発行
******
前の二作に比べると、かなりマイナーな本だと思います。私も存在を知りませんでした。
本屋にはないと思うので、古本屋か古書サイトで探してみてください。図書館ならあるかな? Amazonだとトンデモナイ値段なので(4万円とか6万円とか!)ご注意を。
Q 作者は、カウティリヤ……古代インドの人かな
A インドって基本的にはいろんな国に分裂しているわけ。そのなかでインドを統一したといえるのは、マウリヤ朝ぐらい。開祖はチャンドラグプタ……インパクトある名前だね。ここで、実利論-アルタシャーストラ-の著者、カウティリヤが登場。マウリヤ朝の創設に貢献した名宰相です。インドでは人気者みたいよ。
Q 翻訳のサブタイトルは『古代インドの帝王学』――ビジネス雑誌に特集されそうな感じだね。あんた、働くどころか脚一本動かすのも面倒な物臭さなのに、何でこんな本買ったの?
A 大人には大人の事情があるのさ。
カウティリヤは、ヨーロッパでインドのマキャベリと言われてるの。古代インドの統一に貢献した人がマキャベリストなんて、ふふふ……ツボにはまるぅ~。迷わず本屋へ直行よ!
なのにさ……だまされちゃった。訳者の前書きに
「我々の常識としては、本書がカウティリヤ自身によって紀元前四世紀という古い時代に書かれたという結論は、どうしても承認しがたいように思われるのである。」
なによ、その「我々の常識」って。あたし知らない、そんな「常識」ママに教わってないもん。マキャベリスト入って冷たいけど渋くてステキなカウティリヤおじさまが書いたと信じたから、買ったのにさ。あたしの妄想……じゃなくてイマジネーションの世界が台無し。責任とってよ岩波!
Q あのさあ、古典の作者なんてわからないのが普通でしょ? まあ、どーしても責任取れって言うなら、訴訟でも起せばあ?
A イ、イジワル……。あたしにそんなツテも金もないって、知ってるくせに……。
そういえば『実利論』にも訴訟のこと載ってたぞ。参考になるかな? どれどれ……裁判官も証人も出てくる。でも弁護人はいないね。へえ、こんなこといってる。
「臣民を法により守る王が自己の義務を遂行することは、彼を天国に導く。王が守護せず不正な刑罰を科する場合は、逆の結果となる。
何となれば、王が息子にも敵にも罪に応じて公平に刑罰を科すれば、かかる刑罰のみこの世と他の世とをよく守るから」(第3巻第1章41-42)
古代インドにしてはマトモだぞ。でも「~彼に賠償させるべきである。ただし、バラモンの場合は除く」(第3巻第1章37)……やっぱり古代インドだわ。
Q ちょっと強引な展開だけど本題に入りますか。『実利論』って簡単にいうと、どんな本?
A なんで、「あなたにとって人生とはなんですか?」みたいな、答えようがない質問ばっかりするのよ!
面倒だから、カバーの謳い文句からそのまま移しちゃう。
「インドでは古来ダルマ(法)とアルタ(実利)とカーマ(享楽)が人生の三大目的とされてきた。~本書は、アルタの立場から揺るぎない権力の確保のために王が採るべき権謀術数を説いたもの。」
だって。本文の出だしからも移しちゃう。
「土地の獲得と守護を目的として、古の学匠たちに説かれた諸々の実利論(アルタシャーストラ)の大部分を一書にまとめて、この『実利論』が作られた。」第1巻第1章1
王様のための実践マニュアルだね。うっかりすると、あたしでも王様できちゃいそう♪
Q ……がんばってね。○○の王様って限定すれば、一つぐらい当てはまるかもよ。ヨレヨレ作文とか、情けないウェブサイトとか。
A くやしい!! たんなる王様にチャレンジしてやる! さてさて、王様の一日のスケジュールは、
「夜の~第三の八分時には、楽器の音とともに就寝し~第六の八分時に、楽器の音とともに目覚め、」第1巻19章20-21
時間の単位がイマイチわからないけど、単純に12時間を8等分したとすると、睡眠時間は4.5時間。あとは基本的にお仕事みたい。
あたし、8時間以上寝ないと駄目。ついでに労働は8時間以内ね。……やっぱり王様やーめた!
Q よかった。それが世の中の平和のためだよ。ところで、著者と伝えられているカウティリヤがインドのマキャベリだと言われるのは、この本が原因なんでしょ?
A ハードボイルド小説じゃないのに、スパイがうじゃうじゃ登場するんだよ。
「第1巻第10章 試験により大臣が潔白か否かを知ること」の試験方法はね……
王様は、宮廷祭僧(プローヒタ……大臣より上位)に理不尽な命令を出します。宮廷祭僧は怒るので王は罷免。もちろん宮廷祭僧と王は、すべて事前に打ち合わせ済み。
理不尽にもクビになった(フリの)宮廷祭僧は、秘密工作員(サットリン……この単語好き)を使って、大臣たちを煽動します。
「今の王は正義にもとるから、他の者を王につけよう」とささやき、大臣が乗るか反るかチェーック! さて、大臣の試験の結果はいかに?
……こんな話ばっかり。臣下や身内の真意を探る、民を騙す、敵をかく乱する。全編に渡ってスパイが大活躍。
まあ、古代インドのスパイといったら、ダイナマイトバディの踊り子に決まりでしょ。へそ出しルックとシースルーが基本ね。スパイ活用の話のたびに、きれーな踊り子さんの姿が目に浮かぶわ。
Q スパイ=美人ダンサーとは、想像力が貧困だよ。
A ちゃんと書いてあるもん!
「役者・舞踊家・歌手・演奏家・咄家・吟誦者たち、及び女のスパイたちは、高官の内的な行動を知るべきである」第1巻第12章9
もっとも、この芸能人スパイも組織の一部にすぎず、農民・商人・学生・聖者・比丘・比丘尼……ありとあらゆる職業に化けています。でも、あたしの頭にいつも浮かぶのは、美女の舞い、ほほほ。
美人スパイは、敵の陥落に登場。難航不落の城砦を落すとき、敵に美人スパイを送り込み、愛の泥沼三角関係を起させ、その隙に刺客が敵を暗殺するそうです……うーむ、美人スパイってかわいそうね。
Q スパイに暗殺ね。マキャベリストと言われるのか、わかったわよ。目的のためには手段を選ばずってことね。
A 徹底してるよ。外交戦略や兵法はもとより、戦象の調教・武器の製法・毒薬の調合・黒魔術(と言いたくなる)・奇蹟の演出などなど。
あたしは、始終ノックアウトされました。特にインパクトあるのは、これ。
「敵の星宿において、流星を見せるべきである」第13巻第1章10
神々の奇蹟を人工的に演出し、味方を奮い立たせ敵を動揺させる手段の一つです。神像に仕掛けをほどこす、スパイに神様の格好をさせてお告げを語らせるなど、技はたくさん。でもこの場合、流れ星をどうやって作るんだよ!
と、思ったら
「鷲鳥(ハンサ)や帝釈鴨(クラウンチャ)や孔雀、またはその他の大きな水鳥の尾に結びつけられた葦の灯火は、夜間、流星の出現のように見える。」第14巻第2章30
ちゃんと流れ星に見えるのかわからないけどね。どっちにしても、歴史書に見える「奇蹟」的な現象のほとんどって、こういうトリックなんだろうな。
他には毒薬の話がインパクトあるぞ。
食事や飲み物に混ぜて要人を殺すタイプの毒薬もあるんだけど、生物兵器としかいいようのない技術もあり。
効き目は知らないけれど、あらゆる生物を殺す煙、盲目や狂気にする煙、水の汚染……勘弁してよ。解毒剤もあります。
あとは、奇蹟の演出です。一か月断食できる薬などは一種の栄養剤かもしれないけど、人を眠らせる・姿を隠す真言ってなに? 「ラリホー」じゃないよ。単に呪文をとなえりゃいいんじゃなくて、アイテムもいろいろ用意して、断食しなきゃ駄目……大変だね。RPGでこれやったら、「クソゲー」間違いなし。
Q それにしても、物騒な話ばかりだね。
A 悪い悪い。どうしてもインパクトある話というと、そっちに流れちゃう。もっと幅が広いよ。
「本書は単なる政治の書ではなく、経済や法律に関し、更には、学問、王宮、建築、宝石、金属、林産物、武器、秤と桝、空間と時間の単位、紡績、織物、酒造、遊女、船舶、牛、馬、象、旅券、賭博その他諸々の事項に関し、多用な情報を与えてくれる、百科全書的な書物であり、古代インドの社会や文化を知る上での貴重な資料なのである。」訳者前書き
中国の絹も出てくるし、ダイヤモンドが登場する最古の文献との噂もあるの。誰でも、興味持って読める章があると思うよ。
フォローはここでおしまい。あたしはやっぱり、権謀術数の世界に浸る、家族さえ信じない孤独な帝王の姿にそそられますわ~。
Q 王さまは、絶対友達できないね。こういう過激な本って、異端扱いされない?
A そういう質問しないで! 知らないんだから。でもね、バラモン教の伝統に沿った、思いっきりの正統派な気がする。著者にはあまり、やましさを感じないの。なりふり構わず敵を倒すのも民の平穏のためといったところで、堂々としていて。
この本そのものより、この思想が昔から正統扱いされたインド世界の方が、ヘンかも……。
Q でも、仏教が生まれた世界なんだよね。ギャップを感じるなあ。
A わかった! なぜ、ブッダさんがカピラの城を出たのか。心優しいシッダルダお坊ちゃまは、陰謀まみれでドロドロの王さま稼業なんて、耐えきれなかったのよ。すごい、また一つ発見しちゃった。
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