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4 古代ギリシャで謎といったらスフィンクス!
(11)スフィンクスの息子もしつこい
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怪物スフィンクスの謎は、次の通りだ。
柱は46本。タイルは112枚。
正面の柱と側面の柱は、それぞれ何本?
ただし正面の柱の数は側面の柱より少ないとする
パリスは堂々と答えた。正面に8本、側面に17本、と。
美女の顔をした怪物は妖艶な笑みを浮かべた。
「正解じゃ……が、ちと時間がかかりすぎじゃな」
美女の顔をした怪物が、老人の言葉遣いでパリスを評する。
美女が大好きな狩人も、さすがにムッとした。
「時間がかかったって、あってればいいじゃないか!」
王女ナウシカが援護する。
「そうだよ! もういくつ、謎に答えたと思ってる!」
ヘクトルも王子モードで加わる。
「スフィンクス! お前は誇り高い守護者ではなかったのか! かようなつまらぬ謎で旅人を惑わせるのが、守護者のすることか?」
そこへ、哲学者風の中年男が割って入る。
「パリスさんたちよ。言っただろ? 今、こいつに入っているのは、その誇り高い守護者とかじゃない。俺の親父だ」
呼びかけられ、謎を解いた狩人は首を捻った。
「そういえばおじさん、言ってたね。このスフィンクスに、お父さんが乗り移っているって……」
ヘクトルは再び剣を構えた。
「なるほど。かの者は、誇り高き守護者ではなく、卑怯者に乗っ取られたということか?」
王子の言葉に、謎の男はいきり立つ。
「おい! 親父は卑怯者じゃないぞ! お前らに、算術を伝えたいだけなんだよ!」
「算術?」
三人は顔を見合わせる。
中年男は、頭を掻きながら、スフィンクスを顎で指し示した。
「このスフィンクスが『謎』を求めただろ? そこで、さまよっていた親父の魂が引き寄せられたってわけだ。親父……ディオファントスは天才数学者だ。ピタゴラス、エウクレイデス、アルキメデスに匹敵する」
「ほほう、息子よ、よーくわかっとるの」
スフィンクスはご機嫌だが、三人は、何言ってんだこの親父、と眉をひそめる。
怪物の息子らしい男は、彼らの表情から自らの不明を悟った。
「迂闊だったな。パリスさんたちが、この偉大な数学者を知るはずがない。一番古いピタゴラスですら、ローマ建国紀元200年頃だからな」
またまたカッコつけたくてローマ建国紀元を使ってしまった。ざっくり言うと、ピタゴラスは紀元前550年ごろの人だ。
中年男は、首を捻る三人に「すまねえな」と頭を垂れると、再び怪物……いや、天才数学者である父親を向いた。
「親父、いくらなんでも、トロイアの英雄に二次方程式は、早すぎるんじゃねーの?」
「そうじゃった。わしらより1500年も前に活躍された英雄じゃ……が、お前はどうじゃ?」
父の問いかけに、中年男はドヤ顔を見せた。
「こうだろ?」
ここからディオファントス式の二次方程式へのアプローチを述べるが、地味な計算が続くだけなので、読み飛ばしていただいて構わない。
……読者の方は、これ結局、解の公式と変わらねーんじゃねーの? と思われるかもしれない。
しかしディオファントス方式は、二つの数の和が偶数だと、なかなかわかりやすい。
足したら40、掛けたら391となる二つの数がある
ディオファントス方式だと、二つの数の半分20との差を未知数Xと置き換える。
xは正の数なので x=3
ここまでくれば、求める数は、17と23 とわかる。
だったら、最初から、二つの数の和が偶数の例で話を書けばよかったじゃん、と突っ込みたくなるだろうが、この造物主は、話を書いたあとに、ディオファントス方式の解き方を知ったのだ。仕方ない。
さて、話を戻そう。
偉大な数学者の息子は、胸を張った。
数学者の魂が宿ったスフィンクスは、笑顔を見せた。
「ほう……お前、少しはできるな?」
「というより、これ……アテネのパルテノン神殿の柱だろ?」
かの有名なパルテノン神殿の正面の柱は8本で、側面の柱は17本だ。
親子は微笑みを交わす。
かように数学者親子が盛り上がっているため三人パーティーは置いてきぼりを食らうが、「アテネ」という地名に、ハッと顔を見合わせた。
パリスが親子に割り込んだ。
「アテネ? 8本も柱が建つ神殿なんてあったっけ?」
ディオファントスの息子が苦笑いを見せた。
「ああ、パリスさんたちの時代には、まだパルテノン神殿は出来てなかったな。あれはローマ建国紀元300年ごろにできたんだ」
この時代を表現するのにローマ建国紀元はなかなか使いやすい。
パルテノン神殿は、紀元前438年に完工された。ディオファントス親子の時代から、700年も前のことである。
パルテノン神殿は、時代が経つと、キリスト教の教会になったり、オスマン帝国のモスクになったりするが、1687年、オスマン帝国とヴェネツィア共和国の戦いで破壊される。
この造物主は、神殿はギリシャ社会の没落と共に捨てられ廃墟になったと思いこんでいた。二千年以上、崇める神は変わっても宗教施設として使われていたことは、造物主としてなんか嬉しい。
また話が脱線したので、本筋に戻る。
「ローマ建国紀元?」
首を捻ったパリスに、偉大な数学者の息子が答えた。
「あまり余計なこと言わねー方がいいんだろうが、俺も親父も、パリスさんたちの時代より1500年後の世界から来たんだ、多分」
「1500年!」
中々のスケールだ。古代ギリシャ・ローマとまとめて語ることが多い時代だが、2000年以上にも渡る。
パリスたちは、1500年後の世界から来た未来人を尊敬のまなざしで見つめる。
が、無視されたスフィンクスは面白くない
「おい! おぬしら! ん?」
人間に食って掛かろうとした怪物が動きを止め、モグモグと呟きだした。
「ふん、ふん、そうか、悔しいか? わしに任せろ」
その様子を見て、今ひとつ活躍の場がないリーダーが進み出る。
「おい、偉大な数学者とかの魂が乗り移ったって言ったよな? こいつ、元のスフィンクスと親父さんが、話し込んでるんじゃねーのか?」
王子モードから旅人モードに変身したヘクトルが、両刃の剣をかまえた。
合わせてパリスもナウシカも、そして数学者の息子も、怪物の攻撃に備える。
「では、次なる謎じゃ!」
「しつこい!」「いい加減にしろ!」と、ナウシカとヘクトルは怒鳴るが、パリスと数学者の息子は、無言で怪物の口元を見つめた。
「朝は、16の足を持ち、昼は足を失い、夜に6つの足を持つ動物はなにか!」
柱は46本。タイルは112枚。
正面の柱と側面の柱は、それぞれ何本?
ただし正面の柱の数は側面の柱より少ないとする
パリスは堂々と答えた。正面に8本、側面に17本、と。
美女の顔をした怪物は妖艶な笑みを浮かべた。
「正解じゃ……が、ちと時間がかかりすぎじゃな」
美女の顔をした怪物が、老人の言葉遣いでパリスを評する。
美女が大好きな狩人も、さすがにムッとした。
「時間がかかったって、あってればいいじゃないか!」
王女ナウシカが援護する。
「そうだよ! もういくつ、謎に答えたと思ってる!」
ヘクトルも王子モードで加わる。
「スフィンクス! お前は誇り高い守護者ではなかったのか! かようなつまらぬ謎で旅人を惑わせるのが、守護者のすることか?」
そこへ、哲学者風の中年男が割って入る。
「パリスさんたちよ。言っただろ? 今、こいつに入っているのは、その誇り高い守護者とかじゃない。俺の親父だ」
呼びかけられ、謎を解いた狩人は首を捻った。
「そういえばおじさん、言ってたね。このスフィンクスに、お父さんが乗り移っているって……」
ヘクトルは再び剣を構えた。
「なるほど。かの者は、誇り高き守護者ではなく、卑怯者に乗っ取られたということか?」
王子の言葉に、謎の男はいきり立つ。
「おい! 親父は卑怯者じゃないぞ! お前らに、算術を伝えたいだけなんだよ!」
「算術?」
三人は顔を見合わせる。
中年男は、頭を掻きながら、スフィンクスを顎で指し示した。
「このスフィンクスが『謎』を求めただろ? そこで、さまよっていた親父の魂が引き寄せられたってわけだ。親父……ディオファントスは天才数学者だ。ピタゴラス、エウクレイデス、アルキメデスに匹敵する」
「ほほう、息子よ、よーくわかっとるの」
スフィンクスはご機嫌だが、三人は、何言ってんだこの親父、と眉をひそめる。
怪物の息子らしい男は、彼らの表情から自らの不明を悟った。
「迂闊だったな。パリスさんたちが、この偉大な数学者を知るはずがない。一番古いピタゴラスですら、ローマ建国紀元200年頃だからな」
またまたカッコつけたくてローマ建国紀元を使ってしまった。ざっくり言うと、ピタゴラスは紀元前550年ごろの人だ。
中年男は、首を捻る三人に「すまねえな」と頭を垂れると、再び怪物……いや、天才数学者である父親を向いた。
「親父、いくらなんでも、トロイアの英雄に二次方程式は、早すぎるんじゃねーの?」
「そうじゃった。わしらより1500年も前に活躍された英雄じゃ……が、お前はどうじゃ?」
父の問いかけに、中年男はドヤ顔を見せた。
「こうだろ?」
ここからディオファントス式の二次方程式へのアプローチを述べるが、地味な計算が続くだけなので、読み飛ばしていただいて構わない。
……読者の方は、これ結局、解の公式と変わらねーんじゃねーの? と思われるかもしれない。
しかしディオファントス方式は、二つの数の和が偶数だと、なかなかわかりやすい。
足したら40、掛けたら391となる二つの数がある
ディオファントス方式だと、二つの数の半分20との差を未知数Xと置き換える。
xは正の数なので x=3
ここまでくれば、求める数は、17と23 とわかる。
だったら、最初から、二つの数の和が偶数の例で話を書けばよかったじゃん、と突っ込みたくなるだろうが、この造物主は、話を書いたあとに、ディオファントス方式の解き方を知ったのだ。仕方ない。
さて、話を戻そう。
偉大な数学者の息子は、胸を張った。
数学者の魂が宿ったスフィンクスは、笑顔を見せた。
「ほう……お前、少しはできるな?」
「というより、これ……アテネのパルテノン神殿の柱だろ?」
かの有名なパルテノン神殿の正面の柱は8本で、側面の柱は17本だ。
親子は微笑みを交わす。
かように数学者親子が盛り上がっているため三人パーティーは置いてきぼりを食らうが、「アテネ」という地名に、ハッと顔を見合わせた。
パリスが親子に割り込んだ。
「アテネ? 8本も柱が建つ神殿なんてあったっけ?」
ディオファントスの息子が苦笑いを見せた。
「ああ、パリスさんたちの時代には、まだパルテノン神殿は出来てなかったな。あれはローマ建国紀元300年ごろにできたんだ」
この時代を表現するのにローマ建国紀元はなかなか使いやすい。
パルテノン神殿は、紀元前438年に完工された。ディオファントス親子の時代から、700年も前のことである。
パルテノン神殿は、時代が経つと、キリスト教の教会になったり、オスマン帝国のモスクになったりするが、1687年、オスマン帝国とヴェネツィア共和国の戦いで破壊される。
この造物主は、神殿はギリシャ社会の没落と共に捨てられ廃墟になったと思いこんでいた。二千年以上、崇める神は変わっても宗教施設として使われていたことは、造物主としてなんか嬉しい。
また話が脱線したので、本筋に戻る。
「ローマ建国紀元?」
首を捻ったパリスに、偉大な数学者の息子が答えた。
「あまり余計なこと言わねー方がいいんだろうが、俺も親父も、パリスさんたちの時代より1500年後の世界から来たんだ、多分」
「1500年!」
中々のスケールだ。古代ギリシャ・ローマとまとめて語ることが多い時代だが、2000年以上にも渡る。
パリスたちは、1500年後の世界から来た未来人を尊敬のまなざしで見つめる。
が、無視されたスフィンクスは面白くない
「おい! おぬしら! ん?」
人間に食って掛かろうとした怪物が動きを止め、モグモグと呟きだした。
「ふん、ふん、そうか、悔しいか? わしに任せろ」
その様子を見て、今ひとつ活躍の場がないリーダーが進み出る。
「おい、偉大な数学者とかの魂が乗り移ったって言ったよな? こいつ、元のスフィンクスと親父さんが、話し込んでるんじゃねーのか?」
王子モードから旅人モードに変身したヘクトルが、両刃の剣をかまえた。
合わせてパリスもナウシカも、そして数学者の息子も、怪物の攻撃に備える。
「では、次なる謎じゃ!」
「しつこい!」「いい加減にしろ!」と、ナウシカとヘクトルは怒鳴るが、パリスと数学者の息子は、無言で怪物の口元を見つめた。
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