異世界勇者~それぞれの物語~

野うさぎ

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短編

プロローグ

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 僕は、戦う。
 この世界を守るために。

 僕は普段は人間世界で生活しているけれど、異世界に行くことができる。
 異世界ネームと、人間世界でのネームがあって、
 人間世界は生まれ持った名前だけど、異世界ネームは自分で決められ、異世界に転移することができる。

「異世界案内人」と名乗るやつに、異世界転移をお願いすれば異世界なんて簡単に行ける。
 だから、いつも通り僕はお願いしたんだ。


 異世界で今日も、僕はレイピアを持つ。
 これで、気が済んだら、帰るか。
 異世界案内人に頼んでも、「あれ、帰るための方法がない?」いう返事が来た。
「ないって、どうゆうことだ?」
「さっきからそれを探しているのですが、なくて・・・」
 異世界案内人がタブレットを操作していると、画面が変わった。

 画面が暗くなり、音声が流れた。
「諸君らに、お知らせだ。
今から、異世界での扉は閉まった。
君たちは人間世界には帰れない。
ここで死んだら、終わりと思いたまえ。 生き返ることはできない。
人間世界に帰りたければ、黒幕を見つけ、黒幕を倒すしかないということだ。
じゃあな」

「人間世界に帰れないって、どうゆうことだ?」
「こちらにも、何がなんだかさっぱり」

 僕は、人間世界に帰れないし、
帰るためには黒幕を見つけて、黒幕を倒すしかないって、
誰が黒幕なのかわからない以上、どうやって見つけて、倒せばいいのさ?

「すいません。
どうやら、人間世界に帰る方法はないみたいです」
 
 そんな・・・・。
 だけど、いいや。
 家族とうまくいっているわけでもないし、僕が跡継ぎとかめんどくさいこと待っているし、帰れないことにこだわらなくていいか。
 無理やり、気持ちを切り替えた。

 だけど、それは無理やりすぎたかもしれない。
 すぐにネガティブな感情がおそってきた。

 僕は、これからどうすればいい?
 どこに住んで、どこでご飯を食べていけばいいんだろう?
 異世界なのだから、知り合いなどいるはずもない。
 
 お腹すいた。
 気晴らしに怪物とかと戦って、人間世界に帰ることしか考えてなかったから、どうしていいかわからない。
 所持金とかない。

 僕は、異世界案内人と別れて、町に向かうことにした。
 これから、何をどうするかなんで、どうでもいい。
 とにかく、町に向かって何かしよう。
 
 何をどうするかって?
 考えていない。

 行く当てもない、僕はギルドに入った。
 そう、異世界に迷い込んで、人間世界に帰れなくなった人たちがそこに集まっていたらしいから。

 話声が聞こえてくる。
「人間世界に帰れなくなった」
「俺も」
「私も」
「あたしも」

 そうか、僕以外にも帰れなくなった人が何人もいるということなのか。
 黒幕探しとなると、難しい。
 どこに黒幕が隠れているのか、わからないしな。

 僕は、ここで短い青髪の少女を見る。
 綺麗な青髪だった。
 僕は声をかけることもできず、ただ通りすぎていくのを見ただけだった。
 眺めることしかできなかったのは、複雑な気持ちだった。

 ここで僕みたいな一般人が声をかけたところで、ここまでの美少女なら、イケメンの方がいいだろうなと、無理やり自分を納得させていた。

 思えば、ピンクの髪、緑の髪、紫の髪などいろいろな髪の人がいる。
 そうか、髪の色をゲームみたく選べるんだった。
 瞳の色も選べる。
 身長や、容姿に関係することは全てそうだ。
 
 名前については、名前だけの人もいれば、名字も決める人もいる。
 僕に関しては名前のみで、名字とかは考えたことはなかった。
 理由は単純で、設定とか決めるのに1時間くらいかかったし、最後に名前を決めるらしいけど、ここで設定決めに疲れた僕は、名前のみ決まることにした。

 僕はみんな知らない人というのもあって、誰ともコンビを組むことがなく、装備品だけを探し、町を出ることにした。

 ギルドの中に装備品がいくつか置いてあって、無料で支給されているものだった。
 お店で売っているものと比べたら、そんなにいいものではないけれど、初期装備と比べたら、使い勝手のよさそうな物ばかりだった。
 しかも早いもの勝ちなので、僕もなるべく急がなくてはならないし、近くに武器に詳しい人、服に詳しい人の二名がいるので、よくわからない素人でも、武器選びや服などの装備品選びに困らなくて、ここは助かる。

 レイピアでも、なるべく最強の物を、鎧までいかなくても、身軽で防御力の高い物を身に着けたら、町を出て、人間世界に帰るための手段を探すんだ。
 よく漫画の世界では諦めなければ何とかなると聞くけれど、現実はなかなかそうはならないとは思う。
 もしかしたら、異世界に行ったきり帰ってこれないなんてことも考えられなくはない。
 
 レイピアは物によっては細くて折れやすいというデメリットを抱えているため、なるべきく丈夫な物を探した。
 初期装備は売るつもりでいた。
 丈夫なら剣とかにすればいいと思うかもしれないけれど、それだと動きにくさがあるため、僕はレイピアにした。

 人間世界に帰る方法はないかと探していた。
 悩んでいても、立ち止まっていても、何も進まないだろうから。

 今はレベル1だけど、経験を積んでいけばレベル2になるし、ここはゲームみたく上限がないから、いくらでもレベルを積むことができる。
 レベルは自分ではわからないから、どこかにレベルを調べてもらうところがあって、そこでレベルを見てもらう形になるのだけど。

  僕は戦っている最中に、ギルドにいた短い青髪の女の子に出会った。
 洞窟の前まで向かっていて、入ろうとしている時だった。
 洞窟の前に扉があって、扉の横に電卓みたいに0から9までのボタンがある数字を押せるものがあって、
 どうやら扉を開くには暗唱番号が必要らしいけど、その番号がわからなくて、立ち止まっている時だった。
 そこで、青髪の女の子も扉の前で止まった。

「ここは、何か番号が必要みたいだけど、何か知ってる?」
「実は知らなくて、立ち止まっていたところなんだ」
「いったん引き返すしかなさそう」
 青髪の女の子は、呟いた。

 僕としては、苦労してここまで来たんだから、引き返したらまた1からやり直しとか、めんどくさいのなにものでもなかった。

「僕は引き返さない」
「そんな無謀なことはよした方がいい。
ここの世界の住人なのか、異世界に迷い込んだ人間なのかは知らないけど、生きて帰りたいなら慎重に動いた方が身のためって」
「そうだけど、洞窟のどこかにヒントがあるんじゃないかって」
「ヒント?」
「近くに暗唱番号が書いてある紙が落ちているとか」
「確率的には0ではないけど、それなりに低いから、過度な期待はよした方がいい。
期待が大きければ大きいほど、外れた時にショックが大きいのも期待っていう感情が抱かせる心理だから」

 僕と青髪の女の子は二人で、洞窟の暗唱番号を探すことにした。
 女の子は歩くのが早く、僕はおいていかれそうだった。


 僕が一目惚れした女の子だけど、どうせ話す機会とかないだろうとか思っていたけど、意外とあった。
 まさか、こんなふうに一緒に行動する日が来るとか思わなかった。

 暗唱番号を探すなんてそんなファンタジーみたいなことが異世界ではあり得る。
 そんな簡単に見つかるとは思えないけど。
 暗唱番号を見つけて、元の世界に帰る。
 こんな都合のいい展開があるかどうかわからないけど、やってみるしかない。

「よく考えてみたら、異世界に来る時の暗唱番号を試してみるか、その反対の番号を入力してみるかしない?」
「できるかどうかわからないけど、やってみよう」
 
 実は、僕が異世界に来るときの暗唱番号があって、それを入力してから、異世界転移することができた。

 僕と女の子は、洞窟の前に戻り、異世界に来る時の暗証番号を入力してもだめだったので、異世界に来た時と反対の番号を入力した。

 そこで、扉が開いた。
「クリア、おめでとうございます」
 え? これでクリア?

 僕は半信半疑で、女の子と一緒に洞窟の中に入った。
 こうして、元の世界に帰ることができた。

 これは後から知った話だけど、異世界転移するための瞬間移動装置があったらしいけど、その装置が壊れたため、異世界に来た者は帰れなくなったとのこと。
 つまり、修理して直るまでは帰れないということになる。
 だけど、洞窟は異世界と僕たちの住む世界の通路みたいなもので、暗唱番号さえわかれば、だれでも行き来できる。

 そういえば名前は聞いたことないから、今度別の機会に聞いてみようと思っていた。
 
 人間世界にも洞窟はあったし、全国各地域にあるので、家から近い通路を選べばよかった話だった。
 なら、最初から瞬間移動装置とかじゃなくて、洞窟の通路にすればいいじゃないかと思うかもしれないけど、全ての場所にあるわけではないので、人によっては家から遠いなんてこともあったりするので、それなら、瞬間移動装置の方が便利かもしれない。
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