257 / 393
番外編 山賊に愛されて
第2話
しおりを挟む
ヤンスさんと生活を始めて数日。
僕はここから脱出することを諦めて、素直にヤンスさんとの生活を受け入れてもいいかなとさえ思えてしまった。
僕に戦う力はどう考えてもないし、力ならヤンスさんの方があると思う。
ヤンスさんは僕より小さくてもおさえつける力は強かったし、強引にキスもハグも、お姫様抱っこもされる。
なら、このままどうにでもなれ。
ヤンスさんの自由なままにさせておこう。
どうせ、僕の居場所なんてないから。
「食った、食った」
ヤンスさんが肉とか食べて、満足していた。
よくヤンスさんや他の山賊たちが食料をとってくるらしいけど、僕は外出禁止らしい。
僕のやることは、ヤンスさんの癒し。ヤンスさんが帰ってくる時に家にいて、ヤンスさんさんと一緒に寝る。
最初は抵抗があったけど、すぐに慣れた。
僕の生活が変わることが起こった。
山賊のアジトに一人の少女が侵入してきて、アジトの物を次々破壊していくらしい。
「ヤンスさん」
「せめて、らいだけは守ってやる」
「守らなきゃいけないのは、自分でしょ?」
女の子が飛び出し、ヤンスさんを蹴った。ヤンスさんはぶっ飛んだ。
「君は‥‥?」
見知らぬ黒い髪に翡翠色の瞳
‥‥。
手には槍を持っている。
「うち?うちは、水湖《みこ》だよ」
「水湖?」
「よろしくね」
「君は、何者なの?」
「水の使い手、盗賊退治三姉妹の二女で、山賊専門の破壊神‥‥」
「ここまでだ、らい、離れろ」
「でも‥‥」
「大丈夫、君に何かするきはないから」
そうやって水湖は槍を振りかざし「ゆけ!我が槍よ」とものすごいスピードで、槍をヤンスさんに突きつけた。
「確からいだっけ?」
「はい」
「君、誘拐された子だよね?」
「そうなの?じゃあ、うちと行く?」
「どこへ?」
「どこへでもいいよね?」
「へ?」
水湖は、僕の腕を引っ張った。
水湖は不思議な子だ。
話を聞くと、水湖は三姉妹の二女。
長女は氷の使い手で、海賊専門の退治としているらしい。
幼い三女は炎の使い手で、空賊専門の退治をしているらしい。
アジトから出た。初めて出た。
山だ。寒い。こわい。
しかも、山と言っても高い。ここは頂上らしい。
「降りるか」
「こんな高いところ‥‥」
「こわいの?」
「こわいって‥‥」
「こわいなら、抱っこしてあげるよ?」
「持てないよ、きっと」
「うちを何だと思ってるの?」
「何って?」
「これぐらい大丈夫って、盗賊退治なんて有名な職業だよ?」
「知らない‥‥。僕は、もしかしたらこの世界出身じゃないかもしれないから‥‥」
「異世界出身?」
「かもしれない」
「詳しいことはわからないけど、ヤンスならやりかねないよね」
「ヤンスさんをどうして知ってるの?」
「有名だからよ。山賊の生き残りだよ」
「生き残り?」
アジトである洞窟から山賊たちが出て来て「いたぞ、山賊専門退治だ!」と叫んだ。
「こうなったらもう‥‥飛び降りるしかないかな?」
「無理でしょ、死んじゃうよ?」
「そんな飛び降りるくらいよくあるでしょ」
「ないよ!」
「そんなこと言ってる時間があるなら‥‥」
水湖は、僕の腕をつかんではお姫様抱っこをして、迷いなく飛び降りた。
僕は怖さのあまり、水湖にしがみついたー
案の定、僕と水湖は助かった。
「ほら、助かったよね?」
「ありがとう‥‥」
「村に戻るよ?任務の報告しなくちゃ」
「任務?」
「そうだよ。仕事のひとつだから」
僕は、水湖にこれまでの経緯を話した。
気がついたらアジトにいたこと、アジトでヤンスさんとの生活を送ったこと。
「前世かあ、それは気になるところだね」
「水湖にもわからないの?」
「ヤンスの言うことだから信用はできないけど、話を聞く限りは本当ぽっいよね」
そして、水湖は街の中に入り、幼い男の子がいた。
「チビ様」
「チビではない」
幼い男の子は僕にきずき、「こいつは誰だ?」
「らいだそうよ」
「らいか。俺は切田《きるだ》きるとだ。きるとと呼んでくれ」
「はい」
「きると様は、これでも10年ベテランなんだよ」
「10年!?」
どう見ても、幼い子どもにしか見えないけど‥‥
「君、俺はこれでも20代だぞ?」
「20代?」
見えない、そんなふうには‥‥。
「お兄様」と出てきた女はでかっ!
「これは俺の妹だ。身長が180越えててな」
「私はきるとお兄様の妹幹《みき》と申します。
ちなみにお兄様は身長が150センチ未満で‥‥」
「そこまで言わなくていいわっ」
「そもそもどうして兄が低くて、妹が高いの?」と水湖。
「知らんわっ」ときるとさん。
こうして、今度はギルドでの生活が始まることとなった。
僕はここから脱出することを諦めて、素直にヤンスさんとの生活を受け入れてもいいかなとさえ思えてしまった。
僕に戦う力はどう考えてもないし、力ならヤンスさんの方があると思う。
ヤンスさんは僕より小さくてもおさえつける力は強かったし、強引にキスもハグも、お姫様抱っこもされる。
なら、このままどうにでもなれ。
ヤンスさんの自由なままにさせておこう。
どうせ、僕の居場所なんてないから。
「食った、食った」
ヤンスさんが肉とか食べて、満足していた。
よくヤンスさんや他の山賊たちが食料をとってくるらしいけど、僕は外出禁止らしい。
僕のやることは、ヤンスさんの癒し。ヤンスさんが帰ってくる時に家にいて、ヤンスさんさんと一緒に寝る。
最初は抵抗があったけど、すぐに慣れた。
僕の生活が変わることが起こった。
山賊のアジトに一人の少女が侵入してきて、アジトの物を次々破壊していくらしい。
「ヤンスさん」
「せめて、らいだけは守ってやる」
「守らなきゃいけないのは、自分でしょ?」
女の子が飛び出し、ヤンスさんを蹴った。ヤンスさんはぶっ飛んだ。
「君は‥‥?」
見知らぬ黒い髪に翡翠色の瞳
‥‥。
手には槍を持っている。
「うち?うちは、水湖《みこ》だよ」
「水湖?」
「よろしくね」
「君は、何者なの?」
「水の使い手、盗賊退治三姉妹の二女で、山賊専門の破壊神‥‥」
「ここまでだ、らい、離れろ」
「でも‥‥」
「大丈夫、君に何かするきはないから」
そうやって水湖は槍を振りかざし「ゆけ!我が槍よ」とものすごいスピードで、槍をヤンスさんに突きつけた。
「確からいだっけ?」
「はい」
「君、誘拐された子だよね?」
「そうなの?じゃあ、うちと行く?」
「どこへ?」
「どこへでもいいよね?」
「へ?」
水湖は、僕の腕を引っ張った。
水湖は不思議な子だ。
話を聞くと、水湖は三姉妹の二女。
長女は氷の使い手で、海賊専門の退治としているらしい。
幼い三女は炎の使い手で、空賊専門の退治をしているらしい。
アジトから出た。初めて出た。
山だ。寒い。こわい。
しかも、山と言っても高い。ここは頂上らしい。
「降りるか」
「こんな高いところ‥‥」
「こわいの?」
「こわいって‥‥」
「こわいなら、抱っこしてあげるよ?」
「持てないよ、きっと」
「うちを何だと思ってるの?」
「何って?」
「これぐらい大丈夫って、盗賊退治なんて有名な職業だよ?」
「知らない‥‥。僕は、もしかしたらこの世界出身じゃないかもしれないから‥‥」
「異世界出身?」
「かもしれない」
「詳しいことはわからないけど、ヤンスならやりかねないよね」
「ヤンスさんをどうして知ってるの?」
「有名だからよ。山賊の生き残りだよ」
「生き残り?」
アジトである洞窟から山賊たちが出て来て「いたぞ、山賊専門退治だ!」と叫んだ。
「こうなったらもう‥‥飛び降りるしかないかな?」
「無理でしょ、死んじゃうよ?」
「そんな飛び降りるくらいよくあるでしょ」
「ないよ!」
「そんなこと言ってる時間があるなら‥‥」
水湖は、僕の腕をつかんではお姫様抱っこをして、迷いなく飛び降りた。
僕は怖さのあまり、水湖にしがみついたー
案の定、僕と水湖は助かった。
「ほら、助かったよね?」
「ありがとう‥‥」
「村に戻るよ?任務の報告しなくちゃ」
「任務?」
「そうだよ。仕事のひとつだから」
僕は、水湖にこれまでの経緯を話した。
気がついたらアジトにいたこと、アジトでヤンスさんとの生活を送ったこと。
「前世かあ、それは気になるところだね」
「水湖にもわからないの?」
「ヤンスの言うことだから信用はできないけど、話を聞く限りは本当ぽっいよね」
そして、水湖は街の中に入り、幼い男の子がいた。
「チビ様」
「チビではない」
幼い男の子は僕にきずき、「こいつは誰だ?」
「らいだそうよ」
「らいか。俺は切田《きるだ》きるとだ。きるとと呼んでくれ」
「はい」
「きると様は、これでも10年ベテランなんだよ」
「10年!?」
どう見ても、幼い子どもにしか見えないけど‥‥
「君、俺はこれでも20代だぞ?」
「20代?」
見えない、そんなふうには‥‥。
「お兄様」と出てきた女はでかっ!
「これは俺の妹だ。身長が180越えててな」
「私はきるとお兄様の妹幹《みき》と申します。
ちなみにお兄様は身長が150センチ未満で‥‥」
「そこまで言わなくていいわっ」
「そもそもどうして兄が低くて、妹が高いの?」と水湖。
「知らんわっ」ときるとさん。
こうして、今度はギルドでの生活が始まることとなった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる