異世界勇者~それぞれの物語~

野うさぎ

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番外編 山賊暮らし

第3話

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 僕は、アニメかゲームの世界に迷いこんでいるのだろうか?
 山賊なんて本当にいるのか?
 ただ山賊を名乗っているだけでは?名乗るだけなら、そこら辺の一般人でもできる。

 僕は、洞窟から出たことがない。出させてもらえない。
 僕はお気に入りとなっているから、洞窟の中をどんな時もでも待機しなくてはならない。
 洞窟から抜け出すことも考えたさ。だけど、ろうそくのある部屋から出てしまえば、どこに何があるかわからないし、出口も見えない。
 山賊たちは、暗闇の中でも出口がわかるらしいし、道もわかるらしい。
 これで食料調達とか、衣服調達とか、アジトに持ってくる。
 どんな目をしているのか聞いてみたい。

 僕はすることがない。
 「いてくれるだけでいいのです」とガナークから言われている。
 いるだけでいいなんて、そんないい話あるわけない。
 僕は守り神でもなければ、君のペットでもない。
 1日がつまらなくなるし、長く感じてくる。
 宿題はないし、いろいろ言ってくる先生や親もいないけど、テレビもなければ、ゲーム機もない。漫画だってない。

 学校にも行かなくていい。人によってはハッピネスかもしれない。 
 何もないというのは、ハッピネスではない。
 これ、ただの監禁生活だろ?

 唯一の癒しと言えば、ガナークと会話することだった。
 ガナークは独占欲が強いため、他の山賊と話をさせてはもらえない。

「いい子にしてたのですか?」
「もう嫌なんだ‥‥」
「何がですか?」
 ガナークは、僕の束縛ばかりだった。
「僕だって外に出たいし、体を動かしたい。こんなところにいなくてはならないなんてことあるかな?」

「ないのです」
 ガナークが静かに口を開く。
「ガナークは、ヤマトをとられたくないだけなのです。
ヤマトがガナークだけのものになるなら、外に出してあげてもいいのです」
 
 何でだよ?
 僕はガナークから離れちゃいけないってことか?
 ガナークを好きになるしかないのかな?
 強引で、自己的で、独占欲も強く、束縛の激しいガナークを‥‥?
 僕はガナークを愛せるのかな?
 愛せたとしても、ずっと愛せるのかな?

「ガナーク、不安かもしれないけど、僕は自分の意思で動くんだ」
「それがいやなのです。ガナークの意思で動けばいいのです」
「何でそんなわがままなの?」
「ガナーク、小さい頃から愛されてないのです。欲しいものは叶わなかったのです。
だから、ヤマトだけは‥‥」
 僕はガナークに顎をつかまれ、僕の口に軽くキスをした。
「ヤマト、愛しているのです。
ガナークだけを愛してほしいのです。
ガナークはヤマトを嫌いにならないし、ヤマトの願いを叶えてやるのです。

ヤマトはガナークを憶えてないかもしれないのです。
でも、それでいいのです。
今、憶えてなくてもいずれ思い出せばいいのです」
 
 何だそれは?
 僕はガナークと知り合いだったのかな?

「ガナーク、どこかで会ったことがあるの?」
「ないのです。
ヤマトが赤ちゃんの頃から会ったことないのです」
 ガナークの言いたいことがわからない。
 ガナークは一周懸命伝えているつもりだとしても、僕には伝わらない。

 いくら愛していると言え、会ったことない奴をここに閉じ込めるかな?
 初対面とは思えない振る舞い方だった。

 ガナークの謎を解き明かさなければ、僕がどのような状況に置かれているかもわからない。
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