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番外編 三毛猫こっちゃん

第2話

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 2022年5月24日で、満2歳になるにゃ。
 これは家族が決めたことで、あたち自身は野良なので、詳しい生まれはわかってないけれど、2020年に生まれたんじゃないかという獣医さんの仮説の元に、5月24日は、書読本が決めたことではないから、そこらへんはわからないにゃ。

 あたちは猫の割りには社交的と言われ、動物病院の待合室で、他の猫と猫語で会話しているにゃ。
 家に知らない人間のお客さんが来ても、慣れるまでにはそんな時間はかからなかったにゃ。

 あたちは、野良猫出身で、骨も細く、体は子猫と間違われるくらい小さかったにゃ。
詳しいことは身長をはかってみないとはっきりしたことは言えないけれど、過度な栄養不足を原因とする低身長症の疑いもあるみたいにゃ。
 低身長症も、猫にもあって、栄養不足でなくても、遺伝的な問題で発症することもあるみたいだにゃ。
 飼い猫の場合は例外だが、野良猫の場合は、真っ先に栄養不足を疑われるにゃ。飼い猫と違って、栄養管理をされていないし、それを証明するための物もないからにゃ。
 骨密度は調べてみないとわからないみたいにゃが、骨は脆いと言われているにゃ。
 猫にも骨粗しょう症というものがあって、成長期や若いころに骨に十分な栄養をとらないことによって、起こりえる病気にゃ。
 遺伝的な関係もあるかもしれないが、オスよりもメスが多いとされていて、骨粗しょう症に苦しむ、野良猫や捨て猫は少なくはないにゃ。

 お風呂に入る習慣なんて、野良にはないから、
臭いとかも当然してくるにゃ。
拾われてから、お風呂というものを知り、お風呂に入ることにはなるけれど、
お風呂に入らない期間が長ければ、何回もお風呂で綺麗にしてもらわなくてはならなくなるにゃ。

 寒い中、何もないところで過ごしていることも多く、低体温も多いとされているにゃ。
 あたしも、家族から低体温、低血圧、低体重の三低に悩まされていたにゃ。

 野良猫の世界はトイレなんてないし、いつでもできるわけではないから、
我慢することも多く、気がついたら、お腹の中でたまっていることもあったにゃ。
 体にある毒素をうまく出せないことも、野良猫の死因のひとつとも言われているにゃ。

 あたちは絵本を読むことはなかったけれど、
テレビを見ることはあったにゃ。動くものを目が追うこともあるにゃ。
 パソコンにも興味を持ち、パソコンのキーボードをおしたり、マウスを操作することもあったにゃ。
 パソコンのキーボードはどこになにがあるかわからないけれど、飼い主さんのやることに興味があって、あたちは手をだすにゃ。

 今まで野良の世界を生きてきて、こんな世界があるなんて知らなかったにゃ。
 野良猫の生活習慣は知っていても、人間の生活までは知らないから。

 好きな時間に寝ることもできたにゃ。
 あたちが眠くなったら、寝るにゃ。
 野良だったころは、寝ることさえできないこともあったにゃ。

 あたちは、元野良猫であるため、長生きできるかどうか定かではないにゃ。
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