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番外編 プロローグ
第5話
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リスナーに案内されるままに向かった。
予想通りに鍵も電気式だったので開けられた。
猫二匹が倒れていた。
尻尾の長い三毛猫と、尻尾の短い三毛猫だった。
片目が腫れた状態で開いていないし、毛並みも悪かった。
生きている?
触ってみても、生きている。
呼吸はしている。
部屋は明らかに汚かった。
煙草は何本も落ちているし、足の踏み場もなかった。
リスナーの言うことはあまり信用していなかったけど、やっぱり虐待なのかもと部屋と猫の様子を見て、勘づく。
リスナーの証言がどこまで正しいのか確かめることよりも、今は猫二匹をどう助けるか考えることにした。
痩せている猫は軽いので、私の力でも抱きかかえることはできそうだった。
「シャー」
猫一匹は警戒していた。
私は部外者なのだから、警戒されても仕方がない気がする。
「何を考えている? さっさと虐待している夫婦二人を抹殺するんだ」
リスナーは猫二匹の安全よりも、加害者と思われる人物の抹殺とやらを気にするみたいだ。
いじめ殺しなんて基本そう。
被害者を同情したり、助ける気持ちよりも、加害者にたいする憎悪を優先する。
過去にいじめられて精神をおいつめられたら、被害者よりも加害者に対する気持ちの方が強くなるとのこと。
私はいじめた人間は許せないとは思っているし、消えてくれるのならそうしたい。
だけど、これでは憎悪に憎悪を重ねるだけで、ここから感謝とか生まれるのだろうか?
いじめ殺しなんて世間では知られていないものを、救世主として称えてくれるだろうか?
夫婦がお風呂から上がってきたらしく、夫婦らしき人は体にバスタオルを巻いていた。
「このサンドバックは、まだ動けるのか」
「ストレス発散にはもってこいよ」
旦那さんらしき人が包丁を持っていたから、私は弓矢を具現化させて、矢で包丁目がけて飛ばした。
そしたら、男の人は包丁を落とした。
「ひ」
女の人が怯えていた。
私と弓の存在は見えなくても、矢は見えたのだからそりゃびっくりするだろう。
男の人が包丁を拾うことに気をとられて、私は女の人が尻尾の長い猫一匹を抱きかかえていることに気づけなかった。
尻尾の短い猫もう一匹はリスナーが小さな体で、猫を抱きかかえてくれていた。
待てよ、私から離れたとなるとリスナーの姿は認識されてしまうということになる。
「リスがいる」
男の人は騒いだ。
だけど、男の人は女の人が抱きかかえている猫に刃物を向けていた。
「リスナー、何があっても猫を離さないでいてね」
「うん、何かあったら離すと思う」
「こうゆう時に冗談は言ってられないの。
いい? 何があっても離さないでね」
「了解」
私が威圧したように脅したら、リスナーは怯えたように返事をした。
私は男の人の足元に矢を放ち、次は女の人の足に矢を放った。
「痛い」
二人で床に転がっていた。
片足には血が出ていた。
足を鍛えている人ではない限り、この矢は普通に骨折もしたりする。
尻尾の長い猫はというと、私は猫を助けられなかった。
猫は殺されていた。
「猫が望めば、ワイがいじめ殺しとして転生させることもできるぞ」
リスナーが口を開いた。
「嫌な予感しかしないから、やらないで」
そんな私の言葉に耳を傾けることなく、リスナーは死んだ猫に人間では聞き取れないような呪文を唱え、猫を転生させた。
そう、いじめ殺しに・・・・。
そこで猫が起き上がり、二人にとどめを刺した。
二人は猫に引っかかれまくって、全身傷だらけで、バスタオルも破けて裸だった。
二人は動かなくなっていたから、生存確認はしていないけど生きてないと思う。
リスナーのせいで、猫はいじめ殺しという種族の怪物になり果てた。
「復讐だ」
猫からかなりの憎悪を感じた。
「復讐とここにいるもう一匹の猫、どっちをとる?」
「妹のことか?」
「妹?」
そうか、猫二匹は姉妹だったのか?
リスナーのやつ、いじめ殺しとして復活させておきながら、いざ強い憎悪を持つ、猫の怪物になったら怯えて動けなくなっている。
「復讐をしたいのは、否定しない。
ここで飲んでほしいことがあるの」
「ほう」
「いじめ殺しとして、私といじめを狩る使命を抱えてほしいのと、妹を守る使命を貫いてほしいの。
つまり、この条件を元に私の仲間になってほしいの」
「いいだろう」
すんなり承諾してくれた。
「ただし、裏切ったら命はないと思うんだ」
「裏切らない。
むしろ、救ってあげたいの。 君も君の妹も」
「救う? 人間を信用してないが」
「信用してくれるとは思ってない。
こんな虐待を受けているのなら、なおさら。
だけど、妹を守ることなら、いじめ殺しになっても変わらないと思うから、私も妹を守ってあげたい」
「信じられないな」
「なら、妹を私と一緒に守ろう。
この条件なら、疑わずに飲んでくれる?」
「妹を守るのは、条件なんかしなくても最初からそうしてる」
復讐心に燃えるいじめ殺しになってしまった尻尾の長い三毛猫の名前は、ピー。
いじめ殺しの妹で、リスナーのおかげで命が助かった尻尾の短い三毛猫の名前は、ナッツ。
これから、私はピーといじめを狩るために戦うことになるの。
予想通りに鍵も電気式だったので開けられた。
猫二匹が倒れていた。
尻尾の長い三毛猫と、尻尾の短い三毛猫だった。
片目が腫れた状態で開いていないし、毛並みも悪かった。
生きている?
触ってみても、生きている。
呼吸はしている。
部屋は明らかに汚かった。
煙草は何本も落ちているし、足の踏み場もなかった。
リスナーの言うことはあまり信用していなかったけど、やっぱり虐待なのかもと部屋と猫の様子を見て、勘づく。
リスナーの証言がどこまで正しいのか確かめることよりも、今は猫二匹をどう助けるか考えることにした。
痩せている猫は軽いので、私の力でも抱きかかえることはできそうだった。
「シャー」
猫一匹は警戒していた。
私は部外者なのだから、警戒されても仕方がない気がする。
「何を考えている? さっさと虐待している夫婦二人を抹殺するんだ」
リスナーは猫二匹の安全よりも、加害者と思われる人物の抹殺とやらを気にするみたいだ。
いじめ殺しなんて基本そう。
被害者を同情したり、助ける気持ちよりも、加害者にたいする憎悪を優先する。
過去にいじめられて精神をおいつめられたら、被害者よりも加害者に対する気持ちの方が強くなるとのこと。
私はいじめた人間は許せないとは思っているし、消えてくれるのならそうしたい。
だけど、これでは憎悪に憎悪を重ねるだけで、ここから感謝とか生まれるのだろうか?
いじめ殺しなんて世間では知られていないものを、救世主として称えてくれるだろうか?
夫婦がお風呂から上がってきたらしく、夫婦らしき人は体にバスタオルを巻いていた。
「このサンドバックは、まだ動けるのか」
「ストレス発散にはもってこいよ」
旦那さんらしき人が包丁を持っていたから、私は弓矢を具現化させて、矢で包丁目がけて飛ばした。
そしたら、男の人は包丁を落とした。
「ひ」
女の人が怯えていた。
私と弓の存在は見えなくても、矢は見えたのだからそりゃびっくりするだろう。
男の人が包丁を拾うことに気をとられて、私は女の人が尻尾の長い猫一匹を抱きかかえていることに気づけなかった。
尻尾の短い猫もう一匹はリスナーが小さな体で、猫を抱きかかえてくれていた。
待てよ、私から離れたとなるとリスナーの姿は認識されてしまうということになる。
「リスがいる」
男の人は騒いだ。
だけど、男の人は女の人が抱きかかえている猫に刃物を向けていた。
「リスナー、何があっても猫を離さないでいてね」
「うん、何かあったら離すと思う」
「こうゆう時に冗談は言ってられないの。
いい? 何があっても離さないでね」
「了解」
私が威圧したように脅したら、リスナーは怯えたように返事をした。
私は男の人の足元に矢を放ち、次は女の人の足に矢を放った。
「痛い」
二人で床に転がっていた。
片足には血が出ていた。
足を鍛えている人ではない限り、この矢は普通に骨折もしたりする。
尻尾の長い猫はというと、私は猫を助けられなかった。
猫は殺されていた。
「猫が望めば、ワイがいじめ殺しとして転生させることもできるぞ」
リスナーが口を開いた。
「嫌な予感しかしないから、やらないで」
そんな私の言葉に耳を傾けることなく、リスナーは死んだ猫に人間では聞き取れないような呪文を唱え、猫を転生させた。
そう、いじめ殺しに・・・・。
そこで猫が起き上がり、二人にとどめを刺した。
二人は猫に引っかかれまくって、全身傷だらけで、バスタオルも破けて裸だった。
二人は動かなくなっていたから、生存確認はしていないけど生きてないと思う。
リスナーのせいで、猫はいじめ殺しという種族の怪物になり果てた。
「復讐だ」
猫からかなりの憎悪を感じた。
「復讐とここにいるもう一匹の猫、どっちをとる?」
「妹のことか?」
「妹?」
そうか、猫二匹は姉妹だったのか?
リスナーのやつ、いじめ殺しとして復活させておきながら、いざ強い憎悪を持つ、猫の怪物になったら怯えて動けなくなっている。
「復讐をしたいのは、否定しない。
ここで飲んでほしいことがあるの」
「ほう」
「いじめ殺しとして、私といじめを狩る使命を抱えてほしいのと、妹を守る使命を貫いてほしいの。
つまり、この条件を元に私の仲間になってほしいの」
「いいだろう」
すんなり承諾してくれた。
「ただし、裏切ったら命はないと思うんだ」
「裏切らない。
むしろ、救ってあげたいの。 君も君の妹も」
「救う? 人間を信用してないが」
「信用してくれるとは思ってない。
こんな虐待を受けているのなら、なおさら。
だけど、妹を守ることなら、いじめ殺しになっても変わらないと思うから、私も妹を守ってあげたい」
「信じられないな」
「なら、妹を私と一緒に守ろう。
この条件なら、疑わずに飲んでくれる?」
「妹を守るのは、条件なんかしなくても最初からそうしてる」
復讐心に燃えるいじめ殺しになってしまった尻尾の長い三毛猫の名前は、ピー。
いじめ殺しの妹で、リスナーのおかげで命が助かった尻尾の短い三毛猫の名前は、ナッツ。
これから、私はピーといじめを狩るために戦うことになるの。
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