いじめ殺し~いじめられっ子からの復讐~

野うさぎ

文字の大きさ
67 / 80
番外編 いじめは許さない

第10話

しおりを挟む
 私の父親はころころと女を変える人で、幼いころから、男の人に対していい思いをしていなかった。
 そんな父親はもうこの世にいないんだし、今はそんな心配しなくていいんじゃないかって思うけど、今でも父親のことは忘れられないでいる。
 
 確か、あれは私が4,5歳くらいの頃だった。
 父親は中国人と日本人のハーフである女性と関係を持ち、その女性が何かしらの病気を持っていたため、父親は亡くなってしまった。
 女性は自分が病気持ちと知らなかったらしい。
 当時は病名とか聞かされても、何の病気かなんてわからないし、病名なんて憶えられない。
 その女性は妊娠中だけど、日本でもらった薬でなんとか生き延びていたし、お腹の赤ちゃんも早期発見のおかげで、お医者さんが早めの対処ができて、胎児に何の影響もなく、無事に元気で健康な赤ちゃんを産むことができたと聞いた。
 悪く言えば、対処が遅くなれば、母親も胎児も一緒に、病気が進行して、父親と同じ運命を辿るしかなくなるわけだけども。

 その時の私に理解していたのは、母親が違う弟か妹のどちらかができるということだった。
 
 私は幼くして初めてのお葬式を行われた。
 なぜ、お葬式を行うかはよくわかっていないけども、周囲の大人に言われるがままに参加して、黒い衣装を着て、何となくの記憶しかない。
 当時の私は、理由は自身でもわからないけど、黒が嫌いで、「この服、やだ」と平気で言うこともあった。

 こんな思い出があった。

 ここまでくれば、いじめなんてものと無縁になれると思った。
 根拠はないし、また別の誰かからいじめにあうことも予想できる。

 だけど、朱莉がまたやってくることなんて、誰が予想したのだろう。
 朱莉は、目の前にいた。

「見つけた」
「朱莉?」
「どこ行ってたの?
探したし」

 ここは、県外のはずなのにどうして朱莉が来ているの?
 
「その前に、なんでここにいるの?」
「いるも何も、あんたのストーカーだから。
一生いじめてやると神に誓ったんだ。
今度もいじめたやるから」

 こうして、朱莉は去っていた。

まさか、朱莉がストーカーになるなんて。
 あの憎き因縁のある朱莉とまだ続くなんて。

 こうして、私はちょっと県外に行くだけではだめだと冊子、北海道か沖縄のどちらかに行くことにした。
 沖縄に最初に行き、それでも朱莉が来るようなら、北海道に行くことにした。
 北海道でもだめなら、アメリカを考えていた。
 アメリカは3つの州を候補にしていた。
 アメリカのハワイ、ニューヨーク、カリフォルニアのどちらにするかは決まっていない。

 私は飛行機で、沖縄に向かった。
 沖縄は飛行機に乗らなくてはならないし、朱莉は絶対に来れないと思いたい。

 沖縄の人たちは優しかった。
 沖縄の通信制高校には、すぐに馴染めた。

 沖縄の飲食店でバイトを始めた。
 沖縄の時給は高くないけど、やりがいはあった。
 そのやりがいが働いている従業員の親切心からだった。

  だけど、それも長くは続かなかった。
 朱莉が私と仲のいいバイト仲間を刺したことから、私はバイトを辞めることになった。

 朱莉は沖縄に来ていた。
 どうやって来たかはわからないけど、わかることはある。

 朱莉は指名手配を沖縄でされて、逃走中だということだった。


 私はこわくなって、北海道に引っ越した。
  北海道は寒かった。
 寒いことが苦手な私には過ごしにくい場所だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】知られてはいけない

ひなこ
ホラー
中学一年の女子・遠野莉々亜(とおの・りりあ)は、黒い封筒を開けたせいで仮想空間の学校へ閉じ込められる。 他にも中一から中三の男女十五人が同じように誘拐されて、現実世界に帰る一人になるために戦わなければならない。 登録させられた「あなたの大切なものは?」を、互いにバトルで当てあって相手の票を集めるデスゲーム。 勝ち残りと友情を天秤にかけて、ゲームは進んでいく。 一つ年上の男子・加川準(かがわ・じゅん)は敵か味方か?莉々亜は果たして、元の世界へ帰ることができるのか? 心理戦が飛び交う、四日間の戦いの物語。 (第二回きずな児童書大賞で奨励賞を受賞しました)

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

終焉列島:ゾンビに沈む国

ねむたん
ホラー
2025年。ネット上で「死体が動いた」という噂が広まり始めた。 最初はフェイクニュースだと思われていたが、世界各地で「死亡したはずの人間が動き出し、人を襲う」事例が報告され、SNSには異常な映像が拡散されていく。 会社帰り、三浦拓真は同僚の藤木とラーメン屋でその話題になる。冗談めかしていた二人だったが、テレビのニュースで「都内の病院で死亡した患者が看護師を襲った」と報じられ、店内の空気が一変する。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

女子切腹同好会

しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。 はたして、彼女の行き着く先は・・・。 この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。 また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。 マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。 世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。

処理中です...