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第0章
第4話
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俺は洞窟を出たら、眠りのいじめ殺しを探した。
僕はそんなに強くないし、命の危険なのもわかっているつもりだった。
だけど、それを見逃していたら、何人が被害に合うのかもわからない。
被害に合うのは、みんないじめっ子だけども。
心の中では、救う価値すらもないように感じている。
生存してても、いじめっ子ならまた、だれかのいじめを行う。
そんなことは言われるまでの話でもないはずだけど、どこか見捨てきれない気がした。
殺すのは違うんじゃないかって。
眠りのいじめ殺しの正体を知るまでは、そう思っていた。
だけど、気配を頼りに、眠りのいじめ殺しのところに行くと、そこにはかつての友人のマリがいた。
「マリ・・・」
最後に会ったのは、いつぐらいだろうか?
「どうして、あたしがここにいることがわかったの?」
俺の正体をここで明かすわけには、いかない。
なら、隠す以外ないんじゃないかな?
どうやって、ごまかそうか?
「そんなことより」
ごまかすことは、僕の得意分野じゃない。
だから、俺のことよりも、本題に入ることにした。
「マリこそ、どうしてここに?
もしかして、マリは・・・・」
聞くことがこわい。
だけど、いじめ殺しの気配はマリにしか感じないんだ。
「いじめ殺しなの?」
緊張と恐怖が同時に襲ってきた。
俺の勘が正解であってほしいというプライドと、マリがいじめ殺しであってほしくないという信頼感もあった。
「いじめ殺しを知っているの?」
マリの返事は、僕の予想を外していた。
俺は「うん、そうなんだ」と悲しい顔をされるか、「違うの」と否定するかの二択を想像していたから。
「詳しくは知らないけど、どこかで聞いたことがあって」
一般人を装いたい一心で答えた。
10代の俺に、どんな返事が最適とかわからないから、思いついたことでもいいから、怪しまれないように演技しておきたかった。
だけど、ごまかしきれていない気がするんだ。
「水亀《みずかめ》君は、本当かどうかわからない話を信じるの?」
俺の人間世界での苗字は、水亀だ。
夢の世界ではなぜか、どこにでもいる佐藤という苗字になっていたが。
「信じるわけじゃないけど、やけに本当ぽかったから」
「水亀君、本当のことを言いなよ。
何か隠しているんじゃないの?」
俺の心臓の鼓動が早くなった。
向こうに勘づかれている。
俺のごまかし方が下手なのか、マリが見抜くことが上手なのか。
「隠しているかどうかなんて、今のマリが知ることじゃないからさ・・・。
質問に答えてほしいことがあって、君がいじめ殺しなのか、そうじゃないかって知りたいの。
それがわかればいいんだ」
マリは、僕の近づき、静かに答えた。
「あたしは・・・・」
僕はそんなに強くないし、命の危険なのもわかっているつもりだった。
だけど、それを見逃していたら、何人が被害に合うのかもわからない。
被害に合うのは、みんないじめっ子だけども。
心の中では、救う価値すらもないように感じている。
生存してても、いじめっ子ならまた、だれかのいじめを行う。
そんなことは言われるまでの話でもないはずだけど、どこか見捨てきれない気がした。
殺すのは違うんじゃないかって。
眠りのいじめ殺しの正体を知るまでは、そう思っていた。
だけど、気配を頼りに、眠りのいじめ殺しのところに行くと、そこにはかつての友人のマリがいた。
「マリ・・・」
最後に会ったのは、いつぐらいだろうか?
「どうして、あたしがここにいることがわかったの?」
俺の正体をここで明かすわけには、いかない。
なら、隠す以外ないんじゃないかな?
どうやって、ごまかそうか?
「そんなことより」
ごまかすことは、僕の得意分野じゃない。
だから、俺のことよりも、本題に入ることにした。
「マリこそ、どうしてここに?
もしかして、マリは・・・・」
聞くことがこわい。
だけど、いじめ殺しの気配はマリにしか感じないんだ。
「いじめ殺しなの?」
緊張と恐怖が同時に襲ってきた。
俺の勘が正解であってほしいというプライドと、マリがいじめ殺しであってほしくないという信頼感もあった。
「いじめ殺しを知っているの?」
マリの返事は、僕の予想を外していた。
俺は「うん、そうなんだ」と悲しい顔をされるか、「違うの」と否定するかの二択を想像していたから。
「詳しくは知らないけど、どこかで聞いたことがあって」
一般人を装いたい一心で答えた。
10代の俺に、どんな返事が最適とかわからないから、思いついたことでもいいから、怪しまれないように演技しておきたかった。
だけど、ごまかしきれていない気がするんだ。
「水亀《みずかめ》君は、本当かどうかわからない話を信じるの?」
俺の人間世界での苗字は、水亀だ。
夢の世界ではなぜか、どこにでもいる佐藤という苗字になっていたが。
「信じるわけじゃないけど、やけに本当ぽかったから」
「水亀君、本当のことを言いなよ。
何か隠しているんじゃないの?」
俺の心臓の鼓動が早くなった。
向こうに勘づかれている。
俺のごまかし方が下手なのか、マリが見抜くことが上手なのか。
「隠しているかどうかなんて、今のマリが知ることじゃないからさ・・・。
質問に答えてほしいことがあって、君がいじめ殺しなのか、そうじゃないかって知りたいの。
それがわかればいいんだ」
マリは、僕の近づき、静かに答えた。
「あたしは・・・・」
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