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第7話 初めての食事を楽しむ
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翌日
いつもの客室のベッドから飛び起き、借り物の寝間着から学校の制服に着替える。
制服だと目立つので、服も貸してくれると言われたが渡された服がとても高そうで豪華なドレスだったので流石にそれは…ね?
私を迎えに来たメイドさんと朝食を取る為に昨日話し合いをした部屋に向かう。
メイドだよ? 心臓バクバクだよ…
これで緊張しないオタクはいないよね?
異世界だからかな?
このメイドさんもメッチャ美人なんだけど…
異世界サイコー
「おはようございます。アルフレッド様。」
「おはよう。リズ。奇遇だねレン。」
私と共に長い廊下を進んでいたメイドが挨拶をしたと思えば、目の前にアルフレッドがいた。
私は2人に遅れを取りつつも挨拶をする。
「おはようございます。アルフレッド様。」
「では、私はこれで失礼いたします。」
「ああ。いつもありがとうリズ。」
リズと呼ばれたメイドが去っていくと私はアルフレッドと2人きりになった。
気まずい。
肩書は"婚約者"かもしれないけど政略結婚だし…
アルフレッドはどう思っているかわからないけど、まだ相手の事もよくわかっていない状況での婚約なんて自分には縁がない事だと思っていたので、正直まだ実感がない。
「レン?」
ハッとして隣を見ると不思議そうな顔をしてアルフレッドが立っていた。
つい考え込んでしまっていた。
「大丈夫かい?もしかして体調が悪いとか…」
「いえ、大丈夫です。すいません少し考え事をしていて。」
「そうか…何かあったらすぐに私に伝えるんだよ。」
「はい。ありがとうございます。アルフレッド様。」
余計な心配をかけてしまったようだ。
ゆっくりとアルフレッドの顔を覗くと、何だか不満そうな表情をしていた。
?
私何か変なこと言ったっけ?
不思議に思っていると、アルフレッドが口を開いた。
「レン。そろそろ私のことも"呼び捨て"で呼んでくれないかい?」
え?そうなる?
「え~と…そろそろ部屋に着きますよ。」
何となく発言を誤魔化しつつ
(誤魔化せてないけど…)足早にテーブルへと向かう。
どうやら私達が一番乗りだったらしい。
前回と同じ席に着き、しばらくのうちにどうやらあとの二人が来たようだ。
部屋の外で挨拶をする声が聞こえる。
「おはよう2人共。若いものは早いの~」
王様が入ってきて早々お爺ちゃんのようなセリフを吐く。
「おはよう。アルフレッド、レンちゃん。
よく眠れたかしら?」
「おはようございます。父上、母上。」
私も食い気味に挨拶を返す。
「おはようございます!しっかり眠れました!」
「フフ。それは良かったわ。」
談笑をしつつ席に着く。
そのタイミングを見計らったかのように朝食が目の前に並べられる。
"お~"
と、ここでの食事はもう数回目だがこう思ってしまった。
実際、今までは気が気でないまま食事を取ったり話をしていたりだったので、もう記憶がない。
スクランブルエッグのようなものから具だくさんスープまでが、まるで高級旅館の朝食のようにきれいに並べられてる。
ここでの食事を味わって食べるのはこれで初めてだ。
だが、がっついてはいけない。
先に食べるのは一番地位の高い人。
私達はその後だ。
逸る気持ちを抑えつつ王様が食事を口に入れるのを待つ。
そして、口に入れた瞬間…
アルフレッドとその母が食べ始めた。
いつも父親を待ってから食べ始めているので、タイミングがバッチリだ。
出遅れてしまった。
まずは目の前に広がっている物を確認する。
丸いパン。スクランブルエッグ。
蒸し芋や、ソーセージのようなもの。
サラダの盛り合わせに白いソースがかかったもの。
野菜が入っているスープ。
まずはパンに手を伸ばす。
手でちぎって口に入れる。
うん。
何か食パンの耳をひたすら食べてる感じ。
この世界に柔らかパンは存在しないのか…
……よし。パンはしょうがない。
他のも食べなければ。
皿の横に置かれているフォークに手を伸ばし、スクランブルエッグをすくい、食べる。
……パサパサしてる…。
卵だということは分かるが、パサパサの理由はわからない。
スクランブルエッグというよりかは炒り卵?
料理をしたことのない私には理由がわからないけど焼きすぎなのかな?
蒸し芋は見た目通りのただの塩味。
ソーセージは焼いてあるだけ?だと思う。
スープは薄い。
それに、何だろう?出汁が入ってないのかな?
いつも飲んでいたものと違う。
唯一よくわからないものが、サラダにかかっているソースだ。
野菜は普通なのだが、ソースの風味が、今まで味わったことのないものだった。
最初に柑橘系の風味が鼻を通り抜けたあと、また柑橘系とは違った感じの酸味が喉を焼き、後から甘みがやってくる。
最初はたくさんの風味が混ぜ合わさっていて変な感じがしていたが、
食べているうちにだんだんと癖になっていった。
………
結論から言おう。
この世界の食文化の発展は低い。
まず、調味料が少ない。
わかってはいたが、醤油や味噌はこの食事には入っていない。
何処かにあるとするならばまずはそれを手に入れなければ。
追い詰められていたとはいえこんな所を見逃していたとは…
美味しいとはとても言えない食事を終え、ひとまず落ち着いていると、王様から声がかかった。
「では、そろそろ冒険者ギルドへ向かうか。」
いつもの客室のベッドから飛び起き、借り物の寝間着から学校の制服に着替える。
制服だと目立つので、服も貸してくれると言われたが渡された服がとても高そうで豪華なドレスだったので流石にそれは…ね?
私を迎えに来たメイドさんと朝食を取る為に昨日話し合いをした部屋に向かう。
メイドだよ? 心臓バクバクだよ…
これで緊張しないオタクはいないよね?
異世界だからかな?
このメイドさんもメッチャ美人なんだけど…
異世界サイコー
「おはようございます。アルフレッド様。」
「おはよう。リズ。奇遇だねレン。」
私と共に長い廊下を進んでいたメイドが挨拶をしたと思えば、目の前にアルフレッドがいた。
私は2人に遅れを取りつつも挨拶をする。
「おはようございます。アルフレッド様。」
「では、私はこれで失礼いたします。」
「ああ。いつもありがとうリズ。」
リズと呼ばれたメイドが去っていくと私はアルフレッドと2人きりになった。
気まずい。
肩書は"婚約者"かもしれないけど政略結婚だし…
アルフレッドはどう思っているかわからないけど、まだ相手の事もよくわかっていない状況での婚約なんて自分には縁がない事だと思っていたので、正直まだ実感がない。
「レン?」
ハッとして隣を見ると不思議そうな顔をしてアルフレッドが立っていた。
つい考え込んでしまっていた。
「大丈夫かい?もしかして体調が悪いとか…」
「いえ、大丈夫です。すいません少し考え事をしていて。」
「そうか…何かあったらすぐに私に伝えるんだよ。」
「はい。ありがとうございます。アルフレッド様。」
余計な心配をかけてしまったようだ。
ゆっくりとアルフレッドの顔を覗くと、何だか不満そうな表情をしていた。
?
私何か変なこと言ったっけ?
不思議に思っていると、アルフレッドが口を開いた。
「レン。そろそろ私のことも"呼び捨て"で呼んでくれないかい?」
え?そうなる?
「え~と…そろそろ部屋に着きますよ。」
何となく発言を誤魔化しつつ
(誤魔化せてないけど…)足早にテーブルへと向かう。
どうやら私達が一番乗りだったらしい。
前回と同じ席に着き、しばらくのうちにどうやらあとの二人が来たようだ。
部屋の外で挨拶をする声が聞こえる。
「おはよう2人共。若いものは早いの~」
王様が入ってきて早々お爺ちゃんのようなセリフを吐く。
「おはよう。アルフレッド、レンちゃん。
よく眠れたかしら?」
「おはようございます。父上、母上。」
私も食い気味に挨拶を返す。
「おはようございます!しっかり眠れました!」
「フフ。それは良かったわ。」
談笑をしつつ席に着く。
そのタイミングを見計らったかのように朝食が目の前に並べられる。
"お~"
と、ここでの食事はもう数回目だがこう思ってしまった。
実際、今までは気が気でないまま食事を取ったり話をしていたりだったので、もう記憶がない。
スクランブルエッグのようなものから具だくさんスープまでが、まるで高級旅館の朝食のようにきれいに並べられてる。
ここでの食事を味わって食べるのはこれで初めてだ。
だが、がっついてはいけない。
先に食べるのは一番地位の高い人。
私達はその後だ。
逸る気持ちを抑えつつ王様が食事を口に入れるのを待つ。
そして、口に入れた瞬間…
アルフレッドとその母が食べ始めた。
いつも父親を待ってから食べ始めているので、タイミングがバッチリだ。
出遅れてしまった。
まずは目の前に広がっている物を確認する。
丸いパン。スクランブルエッグ。
蒸し芋や、ソーセージのようなもの。
サラダの盛り合わせに白いソースがかかったもの。
野菜が入っているスープ。
まずはパンに手を伸ばす。
手でちぎって口に入れる。
うん。
何か食パンの耳をひたすら食べてる感じ。
この世界に柔らかパンは存在しないのか…
……よし。パンはしょうがない。
他のも食べなければ。
皿の横に置かれているフォークに手を伸ばし、スクランブルエッグをすくい、食べる。
……パサパサしてる…。
卵だということは分かるが、パサパサの理由はわからない。
スクランブルエッグというよりかは炒り卵?
料理をしたことのない私には理由がわからないけど焼きすぎなのかな?
蒸し芋は見た目通りのただの塩味。
ソーセージは焼いてあるだけ?だと思う。
スープは薄い。
それに、何だろう?出汁が入ってないのかな?
いつも飲んでいたものと違う。
唯一よくわからないものが、サラダにかかっているソースだ。
野菜は普通なのだが、ソースの風味が、今まで味わったことのないものだった。
最初に柑橘系の風味が鼻を通り抜けたあと、また柑橘系とは違った感じの酸味が喉を焼き、後から甘みがやってくる。
最初はたくさんの風味が混ぜ合わさっていて変な感じがしていたが、
食べているうちにだんだんと癖になっていった。
………
結論から言おう。
この世界の食文化の発展は低い。
まず、調味料が少ない。
わかってはいたが、醤油や味噌はこの食事には入っていない。
何処かにあるとするならばまずはそれを手に入れなければ。
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「では、そろそろ冒険者ギルドへ向かうか。」
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