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「ということで、2人には心配かけたんだけど、無事に蒼太くんと恋人になりました!」
休日の昼下がり、女子に人気のカフェの店内で私は利々香と千賀子を前に、この前の一件を報告している。
2人には散々話を聞いてもらい、心配もかけたのだから、きちんと自分の口で報告したかったのだ。
「なにその急展開!」
「本当だよ。失恋したって落ち込んでたのが信じられないくらいラブラブじゃない!」
2人は急転直下の展開に驚き、口をあんぐり開けている。
(まぁそうなるよね。私自身、この展開にびっくりしてるし、未だに信じられないんだから)
あのあと、すぐに吉住さんには電話をして、改めてきちんと事情を説明して謝罪をした。
実は失恋して前に進みたかったから合コンにも参加したし、吉住さんとのデートの誘いにも応じたことを素直に話した。
「つまりその失恋したと思ってた彼とうまくいったってことかな?」
「‥‥はい。思ってもみなかった展開で私も本当に驚いていて。でもそれ以上に吉住さんに驚かせて、ドタキャンする形になってしまって本当にすみませんでした」
「もういいですよ。なんとなく高岸さんは誰か他に想う人がいるのかなとは感じてましたし。うまくいって良かったですね。縁がなかったのは残念だけど、僕のオタクなところを引かずに会話してくれたのは嬉しかったですよ」
「私も私の推しの話を呆れず聞いてくださって嬉しかったです。本当にすみませんでした」
「そんなに謝らないでください。あと、埋め合わせは大丈夫なんで。彼と幸せにね」
そういって吉住さんは最後まで本当にとても良い人だった。
「それで吉住さんも理解してくれたんだ。本当にいい人だね」
その日の電話のやりとりを思い出していた私は千賀子の声で現実に引き戻される。
私は同意するように深く頷いた。
「まぁ、何はともあれついに由美に彼氏ができたってことで‥‥」
「「おめでとーーー!!」」
2人が声を合わせて私を祝福してくれる。
ずっと見守ってきてくれた利々香と千賀子に喜んでもらえて私も胸がいっぱいになった。
「付き合いたて、今が楽しい時だね!」
ニコニコと笑う利々香に、私は「楽しいのは楽しいけど‥‥」と少し口ごもる。
「え?何?もう何か悩みごと!?」
「いや、悩みっていうか‥‥」
恥ずかしくなってモジモジと俯いてしまう。
そう、無事に想いが通じて付き合うことになったのはいいのだけど、私は新たな壁にぶつかっていたのだった。
「おかえり。女子会どうだった?」
女子会を終えて自分の家に帰ると、蒼太くんが家に来ていた。
付き合い出した私たちは、付き合って割とすぐに合鍵を交換してお互いの家を行き来している。
「うん、楽しかったよ!」
玄関で靴を脱いでいると、蒼太くんが玄関までわざわざお出迎えに来てくれて、ギュッとハグしてくれる。
そのまま両手で私の頬を包み、キスしようとしてきた。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って‥‥!」
「なんで?」
「は、恥ずかしいからっ!」
そう、私の今の新たな壁はこの蒼太くんの彼氏仕様の甘さなのである。
ただでさえ恋愛初心者の私なのに、彼氏仕様の蒼太くんはスキンシップが多くて破壊力がハンパないのだ。
「大丈夫、大丈夫!慣れるから」
あやすように私を宥めると、蒼太くんはそのまま顔を近づけて唇にキスを落とす。
玄関先だというのに、舌が割って入ってきて、その口づけはどんどん深くなっていく。
「‥‥んんっ!」
もうギブアップですと言わんばかりに、私は顔を真っ赤にして蒼太くんの腕をタップした。
「ん?もっと?」
「いや、違うからっ!!」
「ははっ!」
女神のように美しく聡明な私の推し。
そんな推しの弟は、まるで息をするかのごとくあの手この手でいつも私を悶えさせ、翻弄する。
破壊力は天井知らずで、その威力は日々増すばかり。
友達のように言いたいことを言い合って、笑い合って、そして時に恋人としての甘~い時間を過ごして。
推しの弟兼私の彼氏に、私は初恋を捧げ、いつまでも恋し続ける日々を送るのだろう。
いつか推しの妹になる日を夢みてーー。
~END~
休日の昼下がり、女子に人気のカフェの店内で私は利々香と千賀子を前に、この前の一件を報告している。
2人には散々話を聞いてもらい、心配もかけたのだから、きちんと自分の口で報告したかったのだ。
「なにその急展開!」
「本当だよ。失恋したって落ち込んでたのが信じられないくらいラブラブじゃない!」
2人は急転直下の展開に驚き、口をあんぐり開けている。
(まぁそうなるよね。私自身、この展開にびっくりしてるし、未だに信じられないんだから)
あのあと、すぐに吉住さんには電話をして、改めてきちんと事情を説明して謝罪をした。
実は失恋して前に進みたかったから合コンにも参加したし、吉住さんとのデートの誘いにも応じたことを素直に話した。
「つまりその失恋したと思ってた彼とうまくいったってことかな?」
「‥‥はい。思ってもみなかった展開で私も本当に驚いていて。でもそれ以上に吉住さんに驚かせて、ドタキャンする形になってしまって本当にすみませんでした」
「もういいですよ。なんとなく高岸さんは誰か他に想う人がいるのかなとは感じてましたし。うまくいって良かったですね。縁がなかったのは残念だけど、僕のオタクなところを引かずに会話してくれたのは嬉しかったですよ」
「私も私の推しの話を呆れず聞いてくださって嬉しかったです。本当にすみませんでした」
「そんなに謝らないでください。あと、埋め合わせは大丈夫なんで。彼と幸せにね」
そういって吉住さんは最後まで本当にとても良い人だった。
「それで吉住さんも理解してくれたんだ。本当にいい人だね」
その日の電話のやりとりを思い出していた私は千賀子の声で現実に引き戻される。
私は同意するように深く頷いた。
「まぁ、何はともあれついに由美に彼氏ができたってことで‥‥」
「「おめでとーーー!!」」
2人が声を合わせて私を祝福してくれる。
ずっと見守ってきてくれた利々香と千賀子に喜んでもらえて私も胸がいっぱいになった。
「付き合いたて、今が楽しい時だね!」
ニコニコと笑う利々香に、私は「楽しいのは楽しいけど‥‥」と少し口ごもる。
「え?何?もう何か悩みごと!?」
「いや、悩みっていうか‥‥」
恥ずかしくなってモジモジと俯いてしまう。
そう、無事に想いが通じて付き合うことになったのはいいのだけど、私は新たな壁にぶつかっていたのだった。
「おかえり。女子会どうだった?」
女子会を終えて自分の家に帰ると、蒼太くんが家に来ていた。
付き合い出した私たちは、付き合って割とすぐに合鍵を交換してお互いの家を行き来している。
「うん、楽しかったよ!」
玄関で靴を脱いでいると、蒼太くんが玄関までわざわざお出迎えに来てくれて、ギュッとハグしてくれる。
そのまま両手で私の頬を包み、キスしようとしてきた。
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って‥‥!」
「なんで?」
「は、恥ずかしいからっ!」
そう、私の今の新たな壁はこの蒼太くんの彼氏仕様の甘さなのである。
ただでさえ恋愛初心者の私なのに、彼氏仕様の蒼太くんはスキンシップが多くて破壊力がハンパないのだ。
「大丈夫、大丈夫!慣れるから」
あやすように私を宥めると、蒼太くんはそのまま顔を近づけて唇にキスを落とす。
玄関先だというのに、舌が割って入ってきて、その口づけはどんどん深くなっていく。
「‥‥んんっ!」
もうギブアップですと言わんばかりに、私は顔を真っ赤にして蒼太くんの腕をタップした。
「ん?もっと?」
「いや、違うからっ!!」
「ははっ!」
女神のように美しく聡明な私の推し。
そんな推しの弟は、まるで息をするかのごとくあの手この手でいつも私を悶えさせ、翻弄する。
破壊力は天井知らずで、その威力は日々増すばかり。
友達のように言いたいことを言い合って、笑い合って、そして時に恋人としての甘~い時間を過ごして。
推しの弟兼私の彼氏に、私は初恋を捧げ、いつまでも恋し続ける日々を送るのだろう。
いつか推しの妹になる日を夢みてーー。
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