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第四章 魔法使いと大会
第四十五話 大会
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「…ふあぁ」
隣で、ナナカが大きなあくびをした。
「ったく、今日が大会なのに随分と余裕だな」
「…そんな、こと…ない。ただ練習しすぎて眠いだけ…よ」
ウトウトしながらナナカは否定した。
今日は大会当日。
昨日まで真面目に練習していたナナカは大分寝不足らしい。
大会のルールは至ってシンプル。
殺生禁止。
自分の実力で戦うこと。
それだけだった。
「おいっ!あいつ…あのじいさん!」
「ああ…確か、ものすごく魔力が高いおじいちゃんだったわね。すごいわよね。魔力だけで大会出場なんて」
ひそひそ、と話し声が聞こえて振り返った。
「なあ、ナナカ…あれって」
「……おじいさん?」
そこには、ボロボロのローブを羽織ったおじいさんが立っていた。
大会会場に貼られている出場メンバーを見て、「ふむふむ」と頷いている。
「…取得。あのおじいさんの魔力が知りたいんだけど」
『…あの者、スキル「隠蔽」を使っていますね。破れるのはこれ…ですが、これも「隠密」で隠したほうが良いですよ。スキル「鑑定」取得しますか?』
「そうだな~、てかなんでそんな便利なスキル今まで取得しなかったんだろ…じゃあ、頼む」
『分かりました…少々お待ちを』
「なあ取得。スキル「隠蔽」って?」
『「隠蔽」とは「隠密」よりかは効果は低いですが、一般情報を隠せる物です。…老人のステータスを鑑定しますか?』
「頼む」
すると、おじいさんのステータスが目の前に出てきた。
名前 カイル・レッテーカート
性別 男
種族 人間
称号 魔術師
属性 風、炎、闇
スキル 隠蔽
魔力回復
体力 50
攻撃力 70
守備力 45
魔力 160
気力 30
「…あれ?レベルは?」
『本来のステータスであればレベルは
存在しないのです。特別な称号、珍しいスキルなどは存在します。タクヤ様は「取得」のスキル、ツカサ様は「勇者」の称号あってのものです。まあ、タクヤ様は元々「勇者の相棒」という立場でしたからね』
「へー…」
と、いうことはおじいさんのステータスは一般的なのだろう。
「なにブツブツ言ってるの?早く行きましょうよ」
「…うん、分かった」
「取得」の声は他の人には聞こえないとはいえ…なるほど。
よそから見れば俺は頭のいかれた奴…
「…なるべく今後は大声では話さん」
「?」
「なんでも」
密かな決意を固めるのだった。
「えー、全員集まりましたでしょうか?」
控え室に行くと、もうすでに全員集結していた。
そこにこっそり入った。が、
「遅刻ですよ。タクヤ選手、ナナカ選手」
「う…」
「…ごめんなさい」
ここは素直に謝っといた。
メンバー表をチェックしている女性は緑髪に茶色の瞳という姿だった。
この世界ではカラフルな髪の毛や瞳が多い…
「さて、今回司会を勤めさせてはいただきます。イリスと申します」
「イリスっ!?それって…」
声があがったほうを見る。
…見覚えのある顔…
「セリーヌさんっ!?」
「…あらっ!?タクヤさん。ナナカさんまで!二人ともお強いのですね」
「いや、あなたもだから」
ナナカのツッコミが入った。
余裕そうに微笑んでいるセリーヌさんだったが、これはどう見ても相手にしたらマズい。
銀行の受付員なのに…
「…あの。イリスって「ナチュラルフェアリーのイリス」じゃ…」
「…なっ「自然の妖精」、イリスか!?」
「…あなた達の先輩です。…お恥ずかしながら、賢者の杖には選ばれなかった身です」
「ていうことは大会優勝者…」
切なげにイリスは笑った。
「気を取り直して、間もなく大会です。私の話をしっかり聞いてください」
その場の全員が、姿勢を直した。
隣で、ナナカが大きなあくびをした。
「ったく、今日が大会なのに随分と余裕だな」
「…そんな、こと…ない。ただ練習しすぎて眠いだけ…よ」
ウトウトしながらナナカは否定した。
今日は大会当日。
昨日まで真面目に練習していたナナカは大分寝不足らしい。
大会のルールは至ってシンプル。
殺生禁止。
自分の実力で戦うこと。
それだけだった。
「おいっ!あいつ…あのじいさん!」
「ああ…確か、ものすごく魔力が高いおじいちゃんだったわね。すごいわよね。魔力だけで大会出場なんて」
ひそひそ、と話し声が聞こえて振り返った。
「なあ、ナナカ…あれって」
「……おじいさん?」
そこには、ボロボロのローブを羽織ったおじいさんが立っていた。
大会会場に貼られている出場メンバーを見て、「ふむふむ」と頷いている。
「…取得。あのおじいさんの魔力が知りたいんだけど」
『…あの者、スキル「隠蔽」を使っていますね。破れるのはこれ…ですが、これも「隠密」で隠したほうが良いですよ。スキル「鑑定」取得しますか?』
「そうだな~、てかなんでそんな便利なスキル今まで取得しなかったんだろ…じゃあ、頼む」
『分かりました…少々お待ちを』
「なあ取得。スキル「隠蔽」って?」
『「隠蔽」とは「隠密」よりかは効果は低いですが、一般情報を隠せる物です。…老人のステータスを鑑定しますか?』
「頼む」
すると、おじいさんのステータスが目の前に出てきた。
名前 カイル・レッテーカート
性別 男
種族 人間
称号 魔術師
属性 風、炎、闇
スキル 隠蔽
魔力回復
体力 50
攻撃力 70
守備力 45
魔力 160
気力 30
「…あれ?レベルは?」
『本来のステータスであればレベルは
存在しないのです。特別な称号、珍しいスキルなどは存在します。タクヤ様は「取得」のスキル、ツカサ様は「勇者」の称号あってのものです。まあ、タクヤ様は元々「勇者の相棒」という立場でしたからね』
「へー…」
と、いうことはおじいさんのステータスは一般的なのだろう。
「なにブツブツ言ってるの?早く行きましょうよ」
「…うん、分かった」
「取得」の声は他の人には聞こえないとはいえ…なるほど。
よそから見れば俺は頭のいかれた奴…
「…なるべく今後は大声では話さん」
「?」
「なんでも」
密かな決意を固めるのだった。
「えー、全員集まりましたでしょうか?」
控え室に行くと、もうすでに全員集結していた。
そこにこっそり入った。が、
「遅刻ですよ。タクヤ選手、ナナカ選手」
「う…」
「…ごめんなさい」
ここは素直に謝っといた。
メンバー表をチェックしている女性は緑髪に茶色の瞳という姿だった。
この世界ではカラフルな髪の毛や瞳が多い…
「さて、今回司会を勤めさせてはいただきます。イリスと申します」
「イリスっ!?それって…」
声があがったほうを見る。
…見覚えのある顔…
「セリーヌさんっ!?」
「…あらっ!?タクヤさん。ナナカさんまで!二人ともお強いのですね」
「いや、あなたもだから」
ナナカのツッコミが入った。
余裕そうに微笑んでいるセリーヌさんだったが、これはどう見ても相手にしたらマズい。
銀行の受付員なのに…
「…あの。イリスって「ナチュラルフェアリーのイリス」じゃ…」
「…なっ「自然の妖精」、イリスか!?」
「…あなた達の先輩です。…お恥ずかしながら、賢者の杖には選ばれなかった身です」
「ていうことは大会優勝者…」
切なげにイリスは笑った。
「気を取り直して、間もなく大会です。私の話をしっかり聞いてください」
その場の全員が、姿勢を直した。
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