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第二章 村の活性化と開発
第十六話 ズボン
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「キュッピーキュ、キュキュッ」
「…なんて?」
『毛だったら分けてもいいけど、僕の毛はズボンむきじゃないよ、だそうです』
俺は以前シャツを作るときに毛を分けてくれた羊に会いに行った。のだが…
羊の毛は、ズボンにはむいていないらしい。
まあ、羊はどちらかというとシャツや薄着にむいてるからな。
「キュッキューキュル」
『むいているのを知ってるよ、だそうです』
「え?本当?」
羊は「そうそう」と頷くようにコクコクと首を振った。
「キュルキュル、キュキュッピ」
『ヌーヌという生物の毛皮がむいてる、だそうです』
「毛皮?」
『どうやらそのヌーヌは凶暴な生物らしく、羊が困っているみたいですね』
「へ~…じゃあ、そのヌーヌってどこにいるの?」
「キュッキュ」
『あそこの洞窟内だよ、だそうです』
羊が示した洞窟が目に入る。
広いな。薄暗い。
コケも生えてるし…
「とっとと倒して毛皮をもらいますか」
とりあえず、入ってみよう。
「ウォーターランス!」
物影から出てきたコウモリを、水の槍で撃ち落とした。
『水のレベルが3に、魔法使いのレベルが3に上がりました』
新しく覚えた「ウォーターランス」はだいぶ楽。
闇属性みたいにばかばか魔力消費しないし、コウモリにはダメージを与えやすい。
魔力は消費していく内にだんだん上がってくるから結構上がったと思うけどね。
「キキッ!」
「ああ!ちょっとうっとうしくなってきた!」
『あともう少しです』
つねに飛びかかってくるコウモリをはねのけ、進む。
「…これ、は………」
目の前に広がる光景に、思わず口が開いた。
そこには、たくさんの光り輝くコケがびっしりと洞窟の壁にあった。
キラキラと光るのはコケだけじゃなくて、キノコも光っている。
『これは光ゴケと、光キノコです。非常に珍しいものとなっています。薬草などで使えますね』
「え!じゃあ頂きますか!」
キノコをいくらか取り、コケも頂いて「無限空間」に収納した。
「じゃあ、進みますか」
また歩きだす。
…しだいに歩いていると光ゴケや光キノコが少なくなってきて、洞窟内が真っ暗になっていく…
「光よ」
光魔法で辺りを明るくした。
ぼんやりと光る光は俺の指先でチロチロと揺れる。
「グルルル…」
「!!」
聞こえてきたうなり声に、とっさに身構えた。
なにか、気配は感じる。
「グオウッ!」
「………」
光が、かき消された。
「ガアアアア!」
光が消える直前に見えた姿のおかげか、ギリギリでそれの攻撃をかわせた。
『あれはヌーヌですね』
「…光粒の吐息!」
光魔法であたりを明るくした。
そこには…
「うわ、毛深いけど、…可愛くないな」
よだれをボタボタと落とす、虎のような獣がいた。
…虎ほど可愛くはない。
可愛げはみじんもない。
「ウォーターランス!」
「ギュルオッ!」
水の魔法を放つも、鋭い爪によってはじかれた。
「なにか効くものは…」
『奴は闇属性です。光魔法が効くと』
光魔法。
そんなに使えないな~…
…これなら!
「ライトマグナム!!」
「ギュオ!」
光の熱エネルギーを圧縮し、ヌーヌにぶつけた。
ヌーヌはそれをはじききれずに倒れた。
『光属性がレベル2になりました』
「よっしゃあ!」
その場に現れる「ヌーヌの毛皮」が倒したというなによりの証拠だ。
これでズボン、丈夫なのを作ろう。
「…なんて?」
『毛だったら分けてもいいけど、僕の毛はズボンむきじゃないよ、だそうです』
俺は以前シャツを作るときに毛を分けてくれた羊に会いに行った。のだが…
羊の毛は、ズボンにはむいていないらしい。
まあ、羊はどちらかというとシャツや薄着にむいてるからな。
「キュッキューキュル」
『むいているのを知ってるよ、だそうです』
「え?本当?」
羊は「そうそう」と頷くようにコクコクと首を振った。
「キュルキュル、キュキュッピ」
『ヌーヌという生物の毛皮がむいてる、だそうです』
「毛皮?」
『どうやらそのヌーヌは凶暴な生物らしく、羊が困っているみたいですね』
「へ~…じゃあ、そのヌーヌってどこにいるの?」
「キュッキュ」
『あそこの洞窟内だよ、だそうです』
羊が示した洞窟が目に入る。
広いな。薄暗い。
コケも生えてるし…
「とっとと倒して毛皮をもらいますか」
とりあえず、入ってみよう。
「ウォーターランス!」
物影から出てきたコウモリを、水の槍で撃ち落とした。
『水のレベルが3に、魔法使いのレベルが3に上がりました』
新しく覚えた「ウォーターランス」はだいぶ楽。
闇属性みたいにばかばか魔力消費しないし、コウモリにはダメージを与えやすい。
魔力は消費していく内にだんだん上がってくるから結構上がったと思うけどね。
「キキッ!」
「ああ!ちょっとうっとうしくなってきた!」
『あともう少しです』
つねに飛びかかってくるコウモリをはねのけ、進む。
「…これ、は………」
目の前に広がる光景に、思わず口が開いた。
そこには、たくさんの光り輝くコケがびっしりと洞窟の壁にあった。
キラキラと光るのはコケだけじゃなくて、キノコも光っている。
『これは光ゴケと、光キノコです。非常に珍しいものとなっています。薬草などで使えますね』
「え!じゃあ頂きますか!」
キノコをいくらか取り、コケも頂いて「無限空間」に収納した。
「じゃあ、進みますか」
また歩きだす。
…しだいに歩いていると光ゴケや光キノコが少なくなってきて、洞窟内が真っ暗になっていく…
「光よ」
光魔法で辺りを明るくした。
ぼんやりと光る光は俺の指先でチロチロと揺れる。
「グルルル…」
「!!」
聞こえてきたうなり声に、とっさに身構えた。
なにか、気配は感じる。
「グオウッ!」
「………」
光が、かき消された。
「ガアアアア!」
光が消える直前に見えた姿のおかげか、ギリギリでそれの攻撃をかわせた。
『あれはヌーヌですね』
「…光粒の吐息!」
光魔法であたりを明るくした。
そこには…
「うわ、毛深いけど、…可愛くないな」
よだれをボタボタと落とす、虎のような獣がいた。
…虎ほど可愛くはない。
可愛げはみじんもない。
「ウォーターランス!」
「ギュルオッ!」
水の魔法を放つも、鋭い爪によってはじかれた。
「なにか効くものは…」
『奴は闇属性です。光魔法が効くと』
光魔法。
そんなに使えないな~…
…これなら!
「ライトマグナム!!」
「ギュオ!」
光の熱エネルギーを圧縮し、ヌーヌにぶつけた。
ヌーヌはそれをはじききれずに倒れた。
『光属性がレベル2になりました』
「よっしゃあ!」
その場に現れる「ヌーヌの毛皮」が倒したというなによりの証拠だ。
これでズボン、丈夫なのを作ろう。
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