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第二章 村の活性化と開発
第二十三話 種とタイムマスター
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「ふう…だいぶ飛びましたね」
「そうですね」
俺たちは村へ向かってフィーリーで飛んでいた。
額に浮かぶ汗を拭って話すカストルさん。
「大鷲使い」は「テイム」と同じように魔力を共有する。
つらいんだろう。
だが、そんな心配は無駄だったのかもしれない。
「あっ、見えてきましたよ!帰って来たんです!」
「あ、本当だ」
村が見えてきて、安堵感と心配が押し寄せてきた。
心配、というのはあの前追っ払ったマクスリルのこと。
仮にもこの村を縛る税金を取り立てる奴だ。
もしかしたら強い助っ人を呼んで再び村へ侵入してくるかもしれないし…
「ああ…帰って来たんですね…私はそこまで遠くへはあまり行かなかったのですが、タクヤ様のお供をさせていただいて魔力が上がった実感があります。今後も私に声をかけてくださいね」
「あ、うん…ありがとうございます」
カストルさん、心配したのとは裏腹に元気っぽい。
なら大丈夫か…
「さあ、村へ降りましょう」
そして、フィーリーを村へ急降下させた。
「ただいま戻りました!」
「…ああっ!おかえりカストルさんっ!」
ネネの盛大なハグによって、村へ帰って来たと実感出来る。
村人は俺たちに気がついたらしく、ざわめいた。
と、
「…タクヤ?」
「ああ、ナナカ。ただいま~」
ナナカが洗濯物を抱え、こちらを見た。
ん…?なんか、動きが止まってるぞ~…
「…もう戻ってこないと思ってた」
「ひどくない!?ちょっと、それはないって!!」
ツーンとそっぽ向きナナカは遠くへ駆け出して行ってしまった。
「お許しください…あれが不器用ながらもナナカさまの言葉なんです」
「リチャードさん」
横から切なげにリチャードさんが顔を出す。
「昔から口を開けば見栄っ張り、皮肉ばかり言っておりましてね。感謝の言葉を素直に出すことが苦手なんですよ。ありがとう、それは私も言われたことはありませんよ」
「そ、そうなんだ…」
確か前ナナカにありがとうって言われた…
ということは、少なからず認めてもらえている。
自分という存在を。
「そうか…ありがとうございます、リチャードさん」
「いえ。…そりゃ、ナナカ様の事ですから」
微笑み、返事を返される。
じゃあ、帰って早々だけど。
「種を植えますか」
「タクヤ様!畑、耕しておきました!」
「ありがとー、ハルヒ」
ピシッと敬礼を決め込んだハルヒ。
そこまで敬意をはらわんでも…
「ま、いいか」
とりあえず、持ってきた「ミルコンの種」と「謎の灰色の種」。もとからあったイモ類を植えた。
そして、水をまく。
「あとは芽が出るのを待ちましょう!」
「楽しみですね~」
ニコニコしながらまだ植えたばかりの種を見つめる。
この種、なにが出来るんだろう。
「じゃあ、タクヤ様。お腹がすいてらっしゃるでしょ?ご飯にしましょう」
「ああ。ほんとお腹ペコペコだよ」
そんな会話を交わしながら、食堂へと歩いていった。
「ふう~、満足、満足」
膨れたお腹をさすって、俺は畑の前に立った。
みんなまだご飯食べてるから、俺一人だった。
『タクヤ様、称号「タイムマスター」で畑の時間を進めては?』
「え、でもどうせ俺が時間を進めるだけで、その間村人はどうするんだよ」
『なにも一日分を過ぎさせろと言っているわけではありません。畑だけの時間を進めればいいのです』
「…そっか」
『タクヤ!!あんた本当に勇者の相棒!?』
そのとき、横からサリィの口出しが飛び込んだ。
サリィはどうやら俺にずっとついてまわることが好きらしく、帰ろうとしない。
「分かったよ…時間よ、過ぎろ」
畑に、魔法をかける。
やがて種は芽を出し、茎が伸び、無数の葉がはえていく。
のびのびと広がる青緑の葉は静かに揺れていた。
やがて花が咲き、しおれ、実を結ぶ。
それを、静かに見ていた。
翌日…
「な、な、な…なんですかこれぇええええ!?」
「ああ、おはようハルヒ」
驚いて叫ぶハルヒに挨拶をし、出来上がった実を収穫していた。
村人たちも不思議そうに俺を見る。
「まさか、タクヤ様がやられたとは…」
「俺たちは本当にすごい人に助けられたんだな」
「さっすがタクヤ様っ!」
嬉しそうに収穫をしていった。
どんどん実は積み上がり、山となった。
「さて、気になるのがこれ…」
そう、灰色の種から出来た灰色の実…
美味しいのだろうか。
『少なくとも「採集」で危険がないことが特定されています』
「そうか、…なら、試食会だ!」
ごっそりとある実を目の前に、メニューを思い浮かべた。
「そうですね」
俺たちは村へ向かってフィーリーで飛んでいた。
額に浮かぶ汗を拭って話すカストルさん。
「大鷲使い」は「テイム」と同じように魔力を共有する。
つらいんだろう。
だが、そんな心配は無駄だったのかもしれない。
「あっ、見えてきましたよ!帰って来たんです!」
「あ、本当だ」
村が見えてきて、安堵感と心配が押し寄せてきた。
心配、というのはあの前追っ払ったマクスリルのこと。
仮にもこの村を縛る税金を取り立てる奴だ。
もしかしたら強い助っ人を呼んで再び村へ侵入してくるかもしれないし…
「ああ…帰って来たんですね…私はそこまで遠くへはあまり行かなかったのですが、タクヤ様のお供をさせていただいて魔力が上がった実感があります。今後も私に声をかけてくださいね」
「あ、うん…ありがとうございます」
カストルさん、心配したのとは裏腹に元気っぽい。
なら大丈夫か…
「さあ、村へ降りましょう」
そして、フィーリーを村へ急降下させた。
「ただいま戻りました!」
「…ああっ!おかえりカストルさんっ!」
ネネの盛大なハグによって、村へ帰って来たと実感出来る。
村人は俺たちに気がついたらしく、ざわめいた。
と、
「…タクヤ?」
「ああ、ナナカ。ただいま~」
ナナカが洗濯物を抱え、こちらを見た。
ん…?なんか、動きが止まってるぞ~…
「…もう戻ってこないと思ってた」
「ひどくない!?ちょっと、それはないって!!」
ツーンとそっぽ向きナナカは遠くへ駆け出して行ってしまった。
「お許しください…あれが不器用ながらもナナカさまの言葉なんです」
「リチャードさん」
横から切なげにリチャードさんが顔を出す。
「昔から口を開けば見栄っ張り、皮肉ばかり言っておりましてね。感謝の言葉を素直に出すことが苦手なんですよ。ありがとう、それは私も言われたことはありませんよ」
「そ、そうなんだ…」
確か前ナナカにありがとうって言われた…
ということは、少なからず認めてもらえている。
自分という存在を。
「そうか…ありがとうございます、リチャードさん」
「いえ。…そりゃ、ナナカ様の事ですから」
微笑み、返事を返される。
じゃあ、帰って早々だけど。
「種を植えますか」
「タクヤ様!畑、耕しておきました!」
「ありがとー、ハルヒ」
ピシッと敬礼を決め込んだハルヒ。
そこまで敬意をはらわんでも…
「ま、いいか」
とりあえず、持ってきた「ミルコンの種」と「謎の灰色の種」。もとからあったイモ類を植えた。
そして、水をまく。
「あとは芽が出るのを待ちましょう!」
「楽しみですね~」
ニコニコしながらまだ植えたばかりの種を見つめる。
この種、なにが出来るんだろう。
「じゃあ、タクヤ様。お腹がすいてらっしゃるでしょ?ご飯にしましょう」
「ああ。ほんとお腹ペコペコだよ」
そんな会話を交わしながら、食堂へと歩いていった。
「ふう~、満足、満足」
膨れたお腹をさすって、俺は畑の前に立った。
みんなまだご飯食べてるから、俺一人だった。
『タクヤ様、称号「タイムマスター」で畑の時間を進めては?』
「え、でもどうせ俺が時間を進めるだけで、その間村人はどうするんだよ」
『なにも一日分を過ぎさせろと言っているわけではありません。畑だけの時間を進めればいいのです』
「…そっか」
『タクヤ!!あんた本当に勇者の相棒!?』
そのとき、横からサリィの口出しが飛び込んだ。
サリィはどうやら俺にずっとついてまわることが好きらしく、帰ろうとしない。
「分かったよ…時間よ、過ぎろ」
畑に、魔法をかける。
やがて種は芽を出し、茎が伸び、無数の葉がはえていく。
のびのびと広がる青緑の葉は静かに揺れていた。
やがて花が咲き、しおれ、実を結ぶ。
それを、静かに見ていた。
翌日…
「な、な、な…なんですかこれぇええええ!?」
「ああ、おはようハルヒ」
驚いて叫ぶハルヒに挨拶をし、出来上がった実を収穫していた。
村人たちも不思議そうに俺を見る。
「まさか、タクヤ様がやられたとは…」
「俺たちは本当にすごい人に助けられたんだな」
「さっすがタクヤ様っ!」
嬉しそうに収穫をしていった。
どんどん実は積み上がり、山となった。
「さて、気になるのがこれ…」
そう、灰色の種から出来た灰色の実…
美味しいのだろうか。
『少なくとも「採集」で危険がないことが特定されています』
「そうか、…なら、試食会だ!」
ごっそりとある実を目の前に、メニューを思い浮かべた。
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