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オナジ⑤
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それからの彼らの航海は、モンスターに遭遇する事もなく、極めて順調なものだった。
「お前らが居てくれて、ほんと助かったよ」
彼らは正午を少し過ぎた頃、中継地点の港町『スーラ』へと辿り着いていた。
そして今、その地に降りたばかりで、彼らは、恰幅のいい一人の船員に声を掛けられているところだった。
「いや、でも、何人か助けらんなかったし······」
ジャックは目を伏せて答える。
「なに言ってんだ。俺らは元々こういう職業、生死は覚悟の上だ。——それに仇はお前らが取ってくれたようなもんだろ? それなら、死んだ奴らも報われてるってもんさ。恩にきるよ」
そう言って、彼は海のほうを見る。
仲間の死があっても船乗りはどこか、晴れ晴れとした顔をしていた。だがそれに比べ、彼はまだ、少し浮かない表情をしている。
それに、海を見ていた男が気が付く。
「ったく、そんなに悪く思うなら、お前らがそいつらの代わりやってくれると助かるんだけどな!」
と言って、笑いながら彼の背中を叩く。そしてそのまま、「ありがとな」と言うと、手を振って、何処かへ行ってしまった。
ジャックはしばらく、彼の背中を目で追っていた。
「······俺らも似たようなもんだろ? 素直に受け止っときゃいいんじゃないの?」
頭で手を組みながら、隣にいたスライは言う。
「······そうだな」
スーラの陽射しと海風は、あの去っていった男のように、潔く、朗らかなものだった。
「さて、これから砂漠だけど、目眩がするとか、体調悪くなった、とかあったらすぐ言ってくれよ? 下手したら手遅れになるからな」
スライの言葉に、三人は頷いて返事をする。
町で水など、砂漠に向けての準備を整えた彼らは、いよいよザバへ続く道に、足を踏み入れようとしていた。
町から北に行くと緑が、東に行くと砂漠が広がっている。そして彼らはその東の入り口のほうへ立っている。
「まるで別世界ですね」
「ホント。左に緑が見えるのが不思議なくらいだわ」
その境目付近には、枯れて痩せ細った木が何本も見えた。時折、風で浮いた砂がそちらへ流れているのが確認できる。
「本当に大丈夫か?」
「大丈夫に決まってんだろ? 俺を信じろって」
スライは軽い調子でジャックの肩を叩くと、彼らの先頭に立ち、「んじゃ行くか」と言って、歩みを始める。
三人もその後を続いて歩いた。
徐々に柔らかくなる足元を感じながら、彼らは、ザバに向けての最後の道を歩きだした。
「お前らが居てくれて、ほんと助かったよ」
彼らは正午を少し過ぎた頃、中継地点の港町『スーラ』へと辿り着いていた。
そして今、その地に降りたばかりで、彼らは、恰幅のいい一人の船員に声を掛けられているところだった。
「いや、でも、何人か助けらんなかったし······」
ジャックは目を伏せて答える。
「なに言ってんだ。俺らは元々こういう職業、生死は覚悟の上だ。——それに仇はお前らが取ってくれたようなもんだろ? それなら、死んだ奴らも報われてるってもんさ。恩にきるよ」
そう言って、彼は海のほうを見る。
仲間の死があっても船乗りはどこか、晴れ晴れとした顔をしていた。だがそれに比べ、彼はまだ、少し浮かない表情をしている。
それに、海を見ていた男が気が付く。
「ったく、そんなに悪く思うなら、お前らがそいつらの代わりやってくれると助かるんだけどな!」
と言って、笑いながら彼の背中を叩く。そしてそのまま、「ありがとな」と言うと、手を振って、何処かへ行ってしまった。
ジャックはしばらく、彼の背中を目で追っていた。
「······俺らも似たようなもんだろ? 素直に受け止っときゃいいんじゃないの?」
頭で手を組みながら、隣にいたスライは言う。
「······そうだな」
スーラの陽射しと海風は、あの去っていった男のように、潔く、朗らかなものだった。
「さて、これから砂漠だけど、目眩がするとか、体調悪くなった、とかあったらすぐ言ってくれよ? 下手したら手遅れになるからな」
スライの言葉に、三人は頷いて返事をする。
町で水など、砂漠に向けての準備を整えた彼らは、いよいよザバへ続く道に、足を踏み入れようとしていた。
町から北に行くと緑が、東に行くと砂漠が広がっている。そして彼らはその東の入り口のほうへ立っている。
「まるで別世界ですね」
「ホント。左に緑が見えるのが不思議なくらいだわ」
その境目付近には、枯れて痩せ細った木が何本も見えた。時折、風で浮いた砂がそちらへ流れているのが確認できる。
「本当に大丈夫か?」
「大丈夫に決まってんだろ? 俺を信じろって」
スライは軽い調子でジャックの肩を叩くと、彼らの先頭に立ち、「んじゃ行くか」と言って、歩みを始める。
三人もその後を続いて歩いた。
徐々に柔らかくなる足元を感じながら、彼らは、ザバに向けての最後の道を歩きだした。
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